経済産業省
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産業構造審議会 商務流通情報分科会 割賦販売小委員会(第5回)‐議事要旨

日時:平成26年11月27日(木曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省別館3階312会議室

出席者

委員
池本 誠司 日本弁護士会連合会消費者問題対策委員会委員
岩崎 薫里 日本総合研究所調査部上席主任研究員
大谷 聖子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会消費者相談室副室長
尾島 茂樹 名古屋大学大学院法学研究科教授
小塚 荘一郎 学習院大学法学部教授
沢田 登志子 一般社団法人ECネットワーク理事
鈴木 基代 独立行政法人国民生活センター相談情報部長
二村 浩一 山下・柘・二村法律事務所弁護士
藤原 靜雄 中央大学法務研究科長教授
丸山 絵美子 名古屋大学大学院法学研究科教授
山本 豊 京都大学大学院法学研究科教授
渡辺 達徳 東北大学大学院法学研究科教授
専門委員
與口 真三 一般社団法人日本クレジット協会理事・事務局長
オブザーバー
赤松 憲 日本百貨店協会カードビジネス委員会委員長(株式会社三越伊勢丹ホールディングス取締役常務執行役員)
浅沼 清保 イオンクレジットサービス株式会社取締役兼常務執行役員営業本部長
島貫 和久 三菱UFJニコス株式会社常務執行役員営業本部 ECビジネスユニット長
杉本 直栄 株式会社ジャックス相談役
三浦 千宗 公益社団法人日本通信販売協会業務部課長
山田 正人 消費者庁取引対策課長

議題

  • クレジット取引の環境変化に応じた事項(討議)(4)
  • セキュリティ対策の強化について

議事概要

1. 資料3、4及び5についてそれぞれビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社の松田取締役・次席代表、消費者庁の山田取引対策課長及び事務局から説明があり、その後、「クロスボーダー取引への対応」及び「セキュリティ対策の強化」について討議を行った。その概要は以下のとおり。

「クロスボーダー取引への対応」について

  • 海外決済代行業者が絡むトラブルへの対応を検討するためには、資料3のP12中の記載、Payment Facilitator ルールが重要。アクワイアラーに求められる要件は具体的にどのようなものか、との質問があり、アクワイアラーには決済代行業者を十分に管理する能力があるか、トラブル発生時の対応能力や財務基盤要件などを求めている、との回答があった。
  • Payment Facilitator ルールに違反したアクワイアラーに対して、ペナルティはあるのか、との質問があり、罰金等のペナルティがある、との回答があった。
  • Payment Facilitator ルールは世界共通か、との質問があり、VISA Inc.のルールであり、原則として全世界共通である、との回答があった。
  • VISAルールが機能していればトラブルは生じないはず。トラブルが生じているということは、このシステムにどのような問題があると考えるか、との質問があり、ビザネットのシステムは信頼関係で成り立っているもので、個々の取引は原則として、各イシュアー、アクワイアラーに委ねられている。もちろん、モニタリングは継続的に実施しており、問題が発生すれば対応するようにしているとの回答があった。
  • トラブル解決には通常どれほどの期間を要するか、との質問があり、事例によりまちまちではあるが、例えば、クレジットカード枠の現金化問題の際には、事案が問題化してから、関係者が逮捕されるまでに1年程度要した。違法だということが確認されれば、直ちに対応する、との回答があった。
  • 消費者庁からの説明にあった、イシュアーの消費者対応の見える化に賛成をしたい。現状の問題は、各社の消費者対応がバラバラなことではなく、各社の対応がバラバラであるということが消費者に見えないこと。各社の消費者対応に係るポリシーはバラバラであるにも関わらず、会員規約上では各社とも違いが見えない。ポリシーを明示することを法律上の義務とするのではなく、カード会員との契約上の義務として機能させるべき、との意見があった。
  • GBPP(Visa Global Brand Protection Program)について、違法かどうかはVISA自身が判断するのではなく、当局等の判断が必要だと理解。悪質加盟店を排除するためには、VISAなどの国際ブランドが判断するのではなく、違法性を誰かが認定し通知する仕組みが必要、との意見があった。
  • チャージバックの存在やルールを普通の消費者は知らない。これらを消費者に公表することは可能か、また、日本で起きているトラブルに合わせた拡大は可能か、との質問があり、トラブル発生時には、会員規約をベースにカード会員とイシュアーとの間で解決するのが前提であり、そのプロセスを経ずにチャージバックを求めるのは、おかしなオペレーションと評価される。また、チャージバックルールはVISAのHPで公開されているが、そもそもチャージバックの仕組みそのものが消費者との関係を規定したものではなく、イシュアーとアクワイアラーとの関係を規定しているものであり、チャージバックルールのみを消費者に説明するのは誤解を生む、との回答があった。
  • GBPPについて、アクワイアラーに加盟店契約の即時契約解除を要求するということであるが、アクワイアラーによる解除前にイシュアーからアクワイアラーに対応を求めることはあるか、との質問があり、要求から7営業日以内に契約を解除し報告するよう、アクワイアラーに要請しており、その結果をイシュアーに報告している。対応がなされない場合は、罰金やライセンス剥奪も視野に入っている、との回答があった。
  • アクワイアラー、決済代行業者、加盟店の契約は同一国内に所在しなければならないというVISAルールがあると伺ったことがある。クロスボーダー取引が判明した場合、チャージバックは可能か。また、消費者や消費生活センターから情報提供をした場合に、VISAに窓口対応してもらうことは可能か、との質問があり、クロスボーダー取引の禁止は、アクワイアラーが他国で営業することで、当該国のアクワイアラーに経済的損失生じさせないために設けられているものであり、当該国のアクワイアラーが営業する意思を有しない先に対して営業を行うことが違反にあたるとはいえず、チャージバックルールの適用もない。情報提供に関しても、VISAルールはイシュアー、アクワイアラー及びVISAの関係を規定するもの。その枠組を崩すことにより新たな問題が生じるのではないか、との回答があった。
  • アクワイアラーの名称と決済代行業者の名称の両方を表示することがルールにあるとのことだが、イシュアーに問い合わせても両方の名称が出てこない場合がある。この場合はチャージバック可能か、との質問があり、情報を開示するか否かはイシュアーの判断の問題である。必要があれば、VISAがアクワイアラーから伝票を取り寄せることは可能であるが、チャージバックを用いる筋合いの問題ではない、との回答があった。
  • 日本のクレジットカードを取り巻く環境は特殊と説明があったが、日本のカード会社の行動も海外のものとは異なってくるのか、との質問があり、海外ではほぼ100%、金融機関がクレジットカード事業を行っているため、クレジットカード取引は「決済」の一種という認識が強く、現金支払いと同列に捉えており、そもそも消費者の自己責任という考え方が強い。また、感覚的ではあるが、日本のカード会社はカード事業のみで経営を行っており、一つ一つの案件に非常にナーバスであるのに対し、海外では銀行の一部門であるため、大胆な対応を取ることが見られる、との回答があった。
  • 現状の法制度は3者モデルで組み立てられているが、その前提で話を進めると何でもイシュアーに対応を求めることとなる。4者モデルに組み直し、その中でのイシュアーの役割を改めて定めて、その範囲で最大限対応を求める、という方が、全体として取引が健全化するのではないか、との意見があった。
  • 消費者庁の説明について、越境取引でトラブルが生じているもののうち、支払手段がクレジットカードであった割合は4割とのことだが、そもそも越境取引全体における支払手段の中でクレジットカード取引の割合はどの程度あるのか、との質問があり、4割という数字は、消費者庁の越境消費者センターが受け付けた相談のうちカード払いだったものの割合であり、越境取引全体におけるカード払いの割合は把握していない。なお、2012年度は同相談中のカード払いの割合は5割を超えていたため、減少しているとは言える、との回答があった。
  • クロスボーダー取引における悪質加盟店排除を国際ブランドのルールに任せることは筋違いである、というのが本日の議論の流れだと思う。また、自主ルールにも限界がある以上、対応としては法制度を検討せざるを得ない。仮に日本国内に存在する加盟店に対し、あまねく国内のアクワイアラー若しくは決済代行業者と契約しなければならないとの規制を導入した場合、どれほどのインパクトがあるのか、事務局に調査頂きたい、との意見があり、定量的に示すことは困難と思われるが、海外業者との契約を禁止するようなルールには相当慎重にならざるを得ない。委員とも相談しながら考えていきたい、との回答があった。

セキュリティ対策の強化について

  • 百貨店業界としては、クレジットカードの安全・安心な利用環境整備には賛成である一方、実行には高いハードルがある。
    POS端末のEMV化対応が必要なことはわかるが、日本では百貨店だけで約4万台のPOSが稼働している。これらをリプレイスするとなると巨額の投資が必要となる。また、各社の基幹システム、業務オペレーションも変更する必要があり、現実的な時間軸の設定が必要。また、webショッピングも「マイページログイン」等、自分たちのセキュリティ対策全体の中で対応している。PCIDSSに準拠することは大変コストがかかるとともに、準拠したとしても万全ではない。本当に加盟店において必要なのか。オーバースペックなものを求めるのではなく、現実に即した対策を考えなければならないのではないか。
    セキュリティ対策で便益を受けるのは加盟店だけではなく、それぞれのプレイヤーにも応分の負担を求めたい。また、政府にも後押しするような施策を御願いしたい。
    消費者がPIN番号を忘れていては意味がないので、併せて消費者の意識醸成も必要、との意見があった。
  • PCIDSSについて、カード情報の保管等を行う事業者は全てに準拠を求めているのか、あるいは、規模などによっては一部準拠などでも良いということを認めているのか、との質問があり、カード情報を扱う以上、準拠する必要がある。ただし、準拠状況の確認は、カード情報を大量に扱うところに対しては専門機関によるチェックを年に一度、個人商店のような所は各自によるチェックをしてもらう、というように、確認の程度等にはバリエーションを設けている、との回答があった。
  • 個人情報保護法改正の議論が進んでおり、おそらく年内に方向性が示される。割販小委員会におけるクレジットカード情報の取扱いの議論においても、その動きを視野に入れて議論すべき、との意見があった。
  • 対応を進めていく上で課題が生じやすいのはout siderであり、こうした者に対してどのような対応が可能かあわせて議論する必要がある、との意見があった。
  • 資料5中、「クレジットカード取引を事業とする者及びカード番号を保有する者、各々についてカード番号情報等の保護に係る責任の在り方を再整理すべきではないか。」との記載について、法制化するとしても、倫理的な努力義務から具体的な義務までそれぞれあると思うが、何を想定しているか、との質問があり、具体的な検討はこれからの議論次第、との回答があった。
  • セキュリティ技術は日進月歩であり、法律でセキュリティ対策を求めることは困難。法律に限らない後押しが必要と考える、との意見があった。
  • カード番号保護について、加盟店の一部には当事者意識がなく、情報漏洩が発生しても調査に協力的でなかったり、被害者意識で自分たちに対策が必要とは考えていなかったりする者もある。この意識を変えていく必要があり、何らか対応を考えて頂きたい、との意見があった。
  • 事務局からEMV化や3Dセキュアを導入していない加盟店でも不正利用を防止している事例があると説明があったが、具体的にはどのような対策か、との質問があり、対面取引では、モバイル決済を提供している事業者では、アクワイアラーサイドで取引のモニタリングを常に実施している例がある、との回答があった。
  • コスト増を懸念して年限が切られることに否定的な意見が目立ち、議論に先が見えない。経産省が7月に公表した「クレジットカード決済の健全な発展に向けた研究会の中間報告書」では、2020年を目標にとの記述があり、ある意味では年限が設定されているのではないか、との意見があった。
  • 米国はEMV化を政府主導で推進するとのことだが、具体的にはどのような対策をとっているのか、調査して類似の施策の要否を検討すればよいのではないか、との意見があった。
  • キャッシュカードの不正利用が流行した際、個別の対応は無理ということで、民事ルールとして、預金者保護法が制定された。クレジットカード利用が安心・安全なものとなるために、万一の時のリスク負担として同じような仕組みがあってもいいのではないか、との意見があった。
  • セキュリティ対策として、決済代行業者などカード情報を保有する者にはしっかり義務を掛け、加盟店には原則非保持としつつ、保持するのであれば第三者認証の取得等の対策を求めるようにすべき、との意見があった。

2. 委員提出資料1(第2回及び第3回小委員会において説明があった事項に対する質問)に対する回答が鈴木委員及び與口専門委員からあった。

以上

関連リンク

お問合せ先

商務情報政策局 商務流通保安グループ 商取引監督課

 
最終更新日:2015年1月14日
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