経済産業省
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産業構造審議会 商務流通情報分科会 割賦販売小委員会(第8回)‐議事要旨

日時:平成27年2月17日(火曜日)13時00分~15時00分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

委員
岩崎 薫里 日本総合研究所調査部上席主任研究員
大谷 聖子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会消費者相談室副室長
尾島 茂樹 名古屋大学大学院法学研究科教授
沢田 登志子 一般社団法人ECネットワーク理事
鈴木 基代 独立行政法人国民生活センター相談情報部長
二村 浩一 山下・柘・二村法律事務所弁護士
藤原 靜雄 中央大学法務研究科長教授
丸山 絵美子 名古屋大学大学院法学研究科教授
山本 豊 京都大学大学院法学研究科教授
専門委員
與口 真三 一般社団法人日本クレジット協会理事・事務局長
オブザーバー
赤松 憲 日本百貨店協会カードビジネス委員会委員長(株式会社三越伊勢丹ホールディングス取締役常務執行役員)
浅沼 清保 イオンクレジットサービス株式会社取締役兼常務執行役員営業本部長
沖田 貴史 ベリトランス株式会社CEO
島貫 和久 三菱UFJニコス株式会社常務執行役員営業本部 ECビジネスユニット長
杉本 直栄 株式会社ジャックス相談役
万場 徹 公益社団法人日本通信販売協会業務部課長
山田 正人 消費者庁取引対策課長

議題

  • 「中間的な論点整理」に関するパブリックコメントの結果及び今後の検討について
  • 加盟店調査の実施主体等について

議事概要

  1. 事務局から中間的な論点整理へのパブリックコメントの結果及び今後の検討について説明が行われ、その後、討議が行われた。その概要は以下のとおり。
    • 立法事実についてパブリックコメントにも意見があったが、どのようなトラブルが生じていて、どのように解決するのが必要かということ、規制の導入により事業者等にコストが生じることが正当なものであることを丁寧に説明する必要がある。
    • パブリックコメントの意見の中には、PIO-NETに寄せられた相談・苦情の内容に疑義があるという趣旨のものがあった。今後の説明において、そのような疑義を解くようにしていきたい。
    • 苦情等の問題を分析する必要があるのはもちろんだが、規制の導入がクレジットカードビジネスの実務にどのような影響を及ぼすのか、事業者側からも根拠を示していただいて議論していきたい。
    • 今後の検討に当たっては、委員間で「悪質加盟店」とはどのようなものかという共通認識が必要。加盟店が違法取引を行っている場合はわかりやすいが、不適正などの価値判断が入るようなものはわかりづらい。
      また、「苦情」の定義や「適切な苦情対応」の定義についても委員間で共通の認識が必要である。カード会社は支払サービスを提供しているのであり、支払サービスに関する苦情であれば対応するのが当然だが、加盟店との売買契約を含め全てのトラブルに対応すべきというわけではないはず。加盟店との売買契約については、一義的には消費者が加盟店との交渉を努力する必要があるのではないか。
    • 資料3中、1.に記載(相談・苦情の発生状況について、平成20年の改正割賦販売法施行前と、近時の傾向を比較するという観点で、後日、国民生活センターから御説明を頂く。)の点にも関連するが、クレジットカード業界として、相談・苦情として寄せられるものの具体例をもとに、事業者が参加する研修などが出来ないかと検討している。
      こうした対応を考える上でも、PIO-NETの中身を具体的に示していただくことで、クレジットカード取引のどこにどの程度の問題があり、その問題について、カード会社にどのような対処を求めたいのか具体的に示していただきたい。
    • 現在、クレジットカード取引にどのような問題が生じていて、何を解決しなければならないかを議論することが重要。
      海外アクワイアラーが関与する取引に被害が集中しているとのことだが、どれぐらいの割合なのか。また、新たに導入すべく検討している規制が、その被害に対しどのように効果があるのか。そもそも、問題が生じている取引には海外PSPや国内PSPなど、どのような主体が関与しているのか。このような点を明らかにしていきたい。
  2. 事務局から加盟店調査の実施主体等について説明が行われ、その後、討議が行われた。その概要は以下のとおり。
    • B案について、登録加盟店代行会社がアクワイアラーの「代替的履行」することの説明があったが、この「代替」の意味はどのようなものか。代替することにより、行政処分を受ける主体が変わるということか、
       との質問があり、
    • 今後検討すべき事項であるが、登録加盟店業務代行会社が義務を負うことを想定しており、その場合、加盟店業務会社にどの程度の義務を課すか、例えば加盟店業務代行会社を選別する責任といった考え方があるか、といった点について検討が必要ではないか、
       との回答があった。
    • B案では、なぜPSPを任意の登録制とするのか。現行、消費者庁が運用している任意の「決済代行業者登録制度」があるが、消費者相談において活用できる機会は少ない。任意の登録制度としても実効性が不明と考えるが、B案のメリットは何か、
       との質問があり、
    • 国際ブランドによるライセンス供与を受けた者であるアクワイアラーに登録等の義務づけを行う点が、B案の特徴である。取引構造上、PSP単独で加盟店でのカード利用を可能とすることはできず、アクワイアラーとの何らかの取引を成立させることが必要。このアクワイアラーについて現行制度においては、義務付けが無いが、B案をとればこの点が大きく異なる旨の回答があった。
    • これまでの議論を踏まえるとA案という印象も受けるが、クロスボーダー取引におけるトラブルへの対応を考えると、B案の方が実効的ではないか。海外のプレイヤーについて国内法のみでの対応は困難と思われ、国際ブランドとの連携が必要となるところ、国際ブランド会社はアクワイアラーと直接取引しており、PSPにまで影響を及ぼせるのか疑問がある。
    • B案を支持する。その理由は以下のとおり。
      • A案では、百貨店やショッピングモールなどのPSPと契約スキームが類似する場合の切り分けが出来ないのではないか。この点はパブリックコメントに寄せられた意見の中にもあった。
      •  また、PSPの範囲はとても広く、A案では行政コストも多大なものとなってしまう。
      • 一方、B案では、PSP自身が登録するかどうかの判断をする。登録を受けた事業者は、市場において評価を得、結果、競争に勝ち残っていくだろう。
      • また、PSPにとっては、クレジットカードビジネスはビジネスの一部でしかない。クレジットカードの取扱いがわずかな事業者にとっては、登録を受けるのは大変なコストとなる。この点、A案では事業を行う以上登録を受けなければならないが、B案では登録は事業者の判断となるため、事業者負担も軽減される。
    • A・Bいずれかというのは難しい問題。アクワイアラーはPSPに対して必ずしも強い立場とは限らない。アクワイアラーがPSPを峻別し、有効に活用することが出来るのか。任意の登録制がPSPを選別するインセンティブとなるのか多少疑問がある。
    • A案、B案の他の案はないのかという視点も含め、今後も検討が必要と考える。
    • 国際ブランドとの連携がしやすいならば、B案がよいのではないか。
      ただし、登録加盟店業務代行会社が義務の主体となり、当該登録加盟店業務代行会社と契約したアクワイアラーが一切の義務を負わないものとすると、B案のメリットである国際ブランドとの連携がしやすいという点が失われてしまうのではないか。登録加盟店業務代行会社が義務の主体となる場合であっても、当該登録加盟店業務代行会社と契約した加盟店業務会社に一定の義務を残すということが考えられるのではないか。
    • いずれが優れていると直ちに判断できないが、B案が魅力的に見える。ただし、クレジットカード取引に関わる主体それぞれにとってどのような影響が出るか見えない部分も多い。
    • B案に立つと、加盟店業務会社が登録加盟店業務代行会社を利用すれば、その加盟店業務会社に係る行為規制は免除されるということか。全く義務を免除するとB案でもA案と同様の状況が発生してしまう。加盟店業務会社に対しては、義務は免除しつつ、登録制や体制整備などは求める必要があるのではないか。
    • B案をとることを前提とした場合、海外アクワイアラーが、日本国内の加盟店とも取引する場合、この海外アクワイアラーも義務の対象となるのか、
       との質問があり、
    • 「国内の販売業者等」の判断基準については、登記等の形式的基準とするか、営業実態等を踏まえた実質的基準とするか等については引き続き検討をしていく。しかし、各国と取引のある海外の事業者が、たまたま日本にも物品等を販売したという場合に、当該事業者を加盟店とするアクワイアラーを割賦販売法で規制するのは難しいだろう。いずれにせよ、予測可能性等を確保することに留意しながら、議論していきたい、
       との回答があった。
    • B案において、登録加盟店業務代行会社に行為規制や措置義務等を課し、加盟店業務会社の義務を免除するというインセンティブをどの程度働かせるは、今後の議論ということでよいか、
       との質問があり、
    • 個々の加盟店に対する調査義務等は登録加盟店業務代行会社に委ねるということが考えられる。一方、加盟店業務会社の一切の義務を免除するということになると、B案の利点は少なくなる。登録加盟店業務代行会社と契約した加盟店業務会社に対しても、登録義務や、悪質なPSPと契約しないような体制を整備する義務、契約した登録加盟店業務代行会社に対する指導義務等を残すということが考えられる、
       との回答があった。
    • 金融機関等の海外のアクワイアラーの立場にたつと、末端に日本の加盟店がいるというだけで、なぜ日本の規制が課されるのかという疑問を持つのではないか。登録加盟店業務代行業者を利用することで、一定の義務を免除するというインセンティブにより、登録加盟店代行会社を選別してもらうという説明はわかる。しかし、そうした仕組みが実効的に機能していくかというところは引き続き議論の必要があるだろう。
    • PSPの立場に立つと、登録制度を利用する場合に、国内に営業所をもっていなければならないというのは、インターネットが普及した今の時代にそぐわない。海外のみに拠点を持っている事業者に登録を認めるというのは難しいのか、
       との質問があり、
    • 資金決済法においては、国内に営業所を持つことが要件とされているが、そうした他法を参考に案を作成した。実際、海外拠点のみしか持たない事業者に対しては法執行の場面で課題がある。海外経由の取引にトラブルが生じていることを踏まえると、そうした取引について国内取引と全く同じといかないまでも、同レベルの水準の措置を実効的に確保することが必要ではないか、
       との回答があった。
    • 今までPSPに係る規制がなかった点が問題視されてきたことを踏まえると、A案が自然なのではないか。もっとも、B案の詳細がわからないので、これから引き続き議論していきたい。
    • A案とB案で加盟店調査義務の水準に差があるのか、
       との質問があり、
    • 加盟店調査として求める水準は両案で同じである、
       との回答があった。
    • B案に関して、国際ブランドの協力が必須だと思われるが、国内でトラブルが起きたときにどのような対応を求めることができるのか。それに関して、どのようなルールが存在するのか、
       との質問があり、
    • 国内の加盟店で違法な取引が行われている場合や、アクワイアラーやPSPが国内法令に違反している場合、国際ブランドルールにおいて、各国の法令に準拠するという項目があるため、それを根拠に協力を求めるということになると考えている。具体的にどの程度の協力関係が構築できるかという点については、これから国際ブランド等と相談していく予定、
       との回答があった。
    • 加盟店との契約に係る確認義務に関して、確認事項に名称等と書かれているが、ここに列挙されている事項の確認では不十分ではないか。加盟店の現地調査等は難しいだろうが、もう少し明確な確認項目が必要なのではないか、
       との意見があり、
    • 加盟店調査に係る確認項目については、いただいた御意見を踏まえながら引き続き検討していく、
       との回答があった。
    • EC決済協議会としては、B案が好ましい。各アクワイアラーへのヒアリングの結果、アクワイアラーが契約しているPSPの数は、少ない所では数社から、多い所では2桁の後半、と10倍程度の開きがある。こうした実態を踏まえると、まずアクワイアラー自身がリスクを負うB案のほうがよいのではないか。
    • A案をとると、PSPの無登録営業については、PSPが処罰を受けるのみで、アクワイアラー自身の悪質加盟店の排除等に向けた意識が希薄になってしまわないか。
    • A案において、立替金の交付を行う者を義務主体と捉えることになった場合、PSPの中には、クレジットカードビジネスの割合が低い事業者もおり、セキュリティ対策を含め十分な対応ができない可能性もある。
    • B案にたつと、アクワイアラーが優良なPSPを選別できるかは問題となり得る。中小、零細PSPが相手方であれば、アクワイアラーは強い立場で交渉にあたることができるだろうが、相手方が大手PSPの場合、PSPが優位な場合もある。実態として、大手であれば加盟店に係る審査をしっかりやっているとも限らず、健全性より商売優先となっていないとも言い切れない。アクワイアラーが商売優先となってしまうと、加盟店調査がうまく機能しなくなる。加盟店の審査を緩くする事業者が利益をあげるということにならないよう、経済合理性に留意して検討することが必要。
    • A案の方が行政機関の対応が早くなるのではないか。B案は国際ブランドとの連携のしやすさがあるということだが、その連携体制がどれほど構築できるのか。そこに疑問がのこる。
    • B案の方が現在のビジネスと整合的。クレジットカード取引はイシュアーとアクワイアラーの取引で成り立っており、加盟店についてはPSPを含めアクワイアラーが責任を負う。法令においてもアクワイアラーの責任を明確にしておくべきではないか。
    • アクワイアラー、PSP、加盟店が全て海外に存在するような場合には割販法の適用を及ばせないということか、
       との質問があり、
    • 海外経由の取引についても、幅広く仕組みに入れ込みたいところだが、これらの取引主体が全て海外の法人であるという場合、例えば、世界的に営業している海外の通信販売事業者がたまたま日本向けにも商品を販売したという事例は、割賦販売法で措置するのは難しいものと考えている、
       との回答があった。
    • 登録加盟店業務代行会社の登録要件について、法執行の可能性を考えると、どうしても国内拠点を有することが要件になりそうということは理解。しかし、登録していないPSPを介した販売契約については取消可能とするという民事ルールを織り込んだり、チャージバックリーズンとして認めたりという措置を盛り込むこともあるのではないか、
       との意見があり、この意見に対し、
    • 取消可能とするとはどういうことか、
       との質問があり、
    • 取消可能というのは言い過ぎだったかも知れないが、チャージバックリーズンに加えることは考えられないか、
       との回答があり、さらに元の意見に対し、
    • 無登録PSPを介した契約についても、販売契約自体は正常な場合もあり得るのではないか。その場合に販売契約を解除すべき理由はあるか、
       との質問があり、
    • PSPの登録制度を任意とすると、登録してもらえないという可能性があると認識しているので、登録へのインセンティブを高めるという趣旨で発言した。また、国内拠点を有さないと登録できないということに対する問題意識も発言の背景にあった、
       との回答があった。
    • 資料4中、P2に記載されている加盟店との契約に係る確認事項((1)名称及びその所在地、(2)代表者の本人特定事項、等)は、これだけでは不十分。記載されているもの以外の事項も必要ではないか、
       との意見があったところ、別の委員から、
    • 加盟店との契約に係る確認事項については、販売商品や販売方法等も確認すべきという意見が出ているが、これらの事項が今問題となっている模倣品販売サイトや出会い系サイト等の問題事例に、どのように有効かということがわからない。例えば、犯罪行為に手を染めようとする者が自身の名前をあかすとは考えられないという点で、本人特定事項を確認することには実効性があるものと考えられる。一方、アクワイアラー等に対して加盟店が販売する商品が偽物か否か判断させるのは過大要求かつ、ほぼ不可能である。むしろ各アクワイアラーが独自に積み重ねてきたノウハウを尊重することが実効的と考える、
       との意見もあった。
    • 委員提出資料1にある、イシュアーによる苦情発生時の適切処理義務については次回以降検討するとの発言が事務局からあった。

以上

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最終更新日:2015年2月24日
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