経済産業省
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産業構造審議会 商務流通情報分科会 割賦販売小委員会(第9回)‐議事要旨

日時:平成27年3月16日(月曜日)13時00分~15時00分
場所:経済産業省本館17階第1~3共用会議室

出席者

委員
池本 誠司 日本弁護士会連合会消費者問題対策委員会委員
岩崎 薫里 日本総合研究所調査部上席主任研究員
大谷 聖子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会消費者相談室副室長
尾島 茂樹 名古屋大学大学院法学研究科教授
小塚 荘一郎 学習院大学法学部教授
沢田 登志子 一般社団法人ECネットワーク理事
鈴木 基代 独立行政法人国民生活センター相談情報部長
二村 浩一 山下・柘・二村法律事務所弁護士
丸山 絵美子 名古屋大学大学院法学研究科教授
山本 豊 京都大学大学院法学研究科教授
渡辺 達徳 東北大学大学院法学研究科教授
専門委員
與口 真三 一般社団法人日本クレジット協会理事・事務局長
オブザーバー
赤松 憲 日本百貨店協会カードビジネス委員会委員長(株式会社三越伊勢丹ホールディングス取締役常務執行役員)
浅沼 清保 イオンクレジットサービス株式会社取締役兼常務執行役員営業本部長
沖田 貴史 ベリトランス株式会社代表取締役執行役員
島貫 和久 三菱UFJニコス株式会社常務執行役員営業本部 ECビジネスユニット長
杉本 直栄 株式会社ジャックス相談役
万場 徹 公益社団法人日本通信販売協会常務理事
山田 正人 消費者庁取引対策課長

議題

  • 個別信用購入あっせんにおける規制対象の見直しの要否について
  • 取引の電子化に対応するための技術的事項について
  • 「セキュリティ対策の方向性について」に係る状況について

議事概要

  1. 都銀懇話会(以下、「都銀懇」という)及び一般社団法人全国地方銀行協会(以下、「地銀協」という)から、個別信用購入あっせんにおける規制対象の見直しの要望について説明があり、さらに事務局から、当該検討事項における論点について説明が行われ、その後、討議が行われた。その概要は以下のとおり。
    • 都銀懇の説明では、教育ローンに係る規制緩和の要望しかなかったが、地銀協の要望のようにリフォームローンに係る規制緩和の要望はなされないのか、
       との質問があり、都銀懇から
    • リフォームローンに係る要望は、今回行っていない、
       との回答があった。
    • 割販法の20年改正前後で、提携ローンの取扱行数及び取扱高がどの程度減少したのか、規制によりどの程度影響があったのか、
       との質問があり、都銀懇から、
    • 改正前は都銀懇の構成員である4社が行っていたが、改正後は3社のみが経産省の登録を受けて行っている。取扱高については、公表していないが、非提携型の教育ローンに対する割合は20分の1、提携先の教育機関は180から50まで減っている。
       との回答があった。
    • 地銀協が行っている規制緩和要望の対象主体は預金受入金融機関に限っているのか、あるいはノンバンクを含めてなのか、
       との質問があり、地銀協から、
    • ノンバンクについては要望しておらず、銀行が主体である場合についての要望である、
       との回答があった。
    • 都銀懇、地銀協両者とも、銀行代理業にはあたらないという理解か、銀行代理業のうちの媒介にあたると整理できれば、割販法とは別の法律が適用されることとなり、外形的な区別が明確化するのではないか、また、現状では代理業構成をとっていないとしても、そのメリット・デメリットについてどのように考えているか、
       との質問があり、都銀懇から、
    • 現状では代理業構成はとっていない。具体的な検討はしていないが、媒介にあたらないと理解している。従来は銀行の店頭で受付していたので、学校等の窓口で受け付けることは想定していない、
       との回答があり、また地銀協から、
    • 現状代理業構成はとっていない。
       との回答があった。
    • この要望は四者型提携ローンではなく、三者型提携ローンを前提としていると理解している。検討が必要だという問題意識はあるが、与信事業者や対象となる事業者の態様、適用除外にしなければならないのはどのような事項なのか等、各論をよりきめ細かに議論しなければならない。
    • 平成20年改正によって義務負担が増大した部分と既存の規律の適用を受けていた部分とを整理して議論することが必要。
      書面交付義務や抗弁接続規定等は、平成20年改正以前からある。また、平成20年改正前から提携ローンには割販法が適用されることとなっていた。したがって、これらの規定について、平成20年改正によって負担が増えたということは言えない。
      また、加盟店契約締結時と個別契約締結時の調査義務、苦情発生時の調査義務は特商法類型のものである。今回の要望では、特商法類型を除くことは望まないということであれば、特商法類型に該当しない場合に課される苦情発生時の適切処理義務については、現に問題が生じたときに対応が必要となるものであり、現時点で負担が増えているものではない。
    • リフォームローンについては、富士見市リフォーム詐欺事件等が生じた経緯があることを踏まえると、この部分を適用除外とすることについて、立法事実があるとは言えない。リフォーム事業者団体登録制度の登録団体所属事業者を適用除外にしてほしいという要望がでているが、リフォーム事業者団体登録制度は任意の制度に過ぎない。また、登録するのは団体であって、個々の事業者ではない。団体については登録にあたって審査をするが、個々の事業者を審査・監督するわけではないため、この制度に登録していることをもって安全というのは不十分ではないか。リフォーム瑕疵保険についても言及されているが、問題になっているのは勧誘トラブル等であり、瑕疵保険が問題になっているのではない。
    • 教育ローンについては、対象事業者をどう考えるかということが重要。一条校と専修学校はともかく、各種学校については懸念がある。認可の有無のみでなく、カリキュラムがしっかり決まっているものとそうでないものを区別すべき。自己啓発講座等、特定継続的役務提供6業種に含まれない教育指導についてもトラブルが生じているため、特定継続的役務提供6業種除くだけでは不十分ではないか。
    • 金融庁の検査を受けているとあるが、検査に係るガイドライン等で本当に担保されているのか。
    • 大学教員として私見ではあるが、昨今の学生の実態について説明したい。まず、生活費や学費がままならない学生は授業料免除を受ける。私の大学においてはこれまでは、全額免除、半額免除のみだったが、最近3分の1免除という制度もできた。3分の1のみの免除にもニーズがあるほど、最近の学生の状況としては家計が厳しいところが多くなっている。それができない学生は、無利子の奨学金を受ける。それすらもできない学生は有利子の借入をするよりも、むしろアルバイトやティーチングアシスタントをするというのが通常。上記の手段もとれない学生が有利子の借入れを行う事になるが、このような学生には支払可能見込額調査をクリアできないか、利子負担が大きすぎるのではないかと考えられる。仮に銀行の提携ローンで有利子の借入をした場合、返済はいつから始まるのか。高校から奨学金を受けている場合や、大学院に行った場合、また学部時代はA銀行から借入を行い、大学院からB銀行に切り替えた場合等、それぞれ返済はいつからはじまるのか、
       との質問があり、都銀懇から
    • 教育ローンについては、学校在籍中は利息据え置いている。それから先の返済方法については個別契約による、
       との回答があった。
    • 仮に規制緩和を考える場合、ノンバンクも含めた上での規制緩和か、銀行のみを対象とする前提なのか、
       との質問があり、
    • 同じ事業であれば同じ規制を課すというのが原則。銀行である場合には別の規制で担保されているから違う規制を課すことができるのかという点は、この審議会で議論していくところと理解、
       との回答があった。
    • 教育ローンについて、学校教育法一条にある学校全体でニーズがあるのか、それとも大学でニーズがある程度か、
       との質問があり、都銀懇から、
    • ニーズのほとんどが大学。幼稚園や小学校については見たことがない。専修学校等は申込みがあるかも知れない。各種学校については、法改正があった際に取扱をやめているため、実態がわからない。
    • リフォームローンについて、訪問販売等、特商法類型に係る取引の規制緩和は求めないという理解でよいか、
       との質問があり、地銀協から、
    • 特商法類型に係る取引については、法の改正の経緯を踏まえると緩和は難しいものと認識している。
       との回答があった。
    • これからの日本は知的集約社会を目指していくべきであり、人的資本の蓄積が重要。この点、大学の進学率は51%に留まり、OECD平均の62%より低く、頭打ちになっている。地域間格差もきく、都市部では進学が多いが、その他は低いという状況になっている。特に所得が低い県は進学率も低い。ネックは下宿代や学費にあると考えられるため、教育ローンの充実は重要。学生が選び得るメニューの一つとして用意するという視点から議論することも重要なのではないか。
    • 制度は一律に事業者に課されるものであり、事業者ごとにその適用を変えるということは考えにくい。
    • 負担が重いからというのは規制緩和の理由にはならない。信用供与がなされることで提供される商品・役務の性質について議論すべき。教育ローンの中にも、提供される役務の性質が異なるものがある。学校教育には、一定規模の学生を集めて集団的に役務を提供していくという特殊性がある。その特殊性に鑑みて、文科省等による規制のもとで、基礎的な条件や利用者を揃え、問題が起きた場合に対処している。個別的対応よりも集団的対応の方が適切なものがあり、それに限って適用除外とする、というのであれば、ある程度理解できる。
    • 一般論として規制緩和に反対なわけではないが、教育ローンやリフォームローンのみを規制緩和するのは消費者からみて制度がわかりづらくなるため、クレジット業界として必ずしも望んではいない。
    • 金融庁の監督を受けているとあるが、金融庁の監督に対加盟店という観点が存在しているのか。信用情報機関に情報の登録はするが照会はしないという主張だと思うが、照会しないと意味がない登録になってしまうのではないか、
       との質問があり、
    • 確かに、銀行法に対加盟店という考え方はなく、金融庁は取引の態様という観点でしか監督していないため、通常の苦情対応として管理されている。
    • 消費生活相談の実態としては、大学等の教育ローンについては目立ったものはない。一方、リフォームローンについては2005年に一万件あったものが、その後減少していたが、2009年から増加に転じ、2011年の大震災の影響もあってか、引き続き増加している。内訳をみると、訪問販売が半数以上で、内容は高齢者向けの強引な取引等である。
    • 消費生活相談の実態としては、教育ローンについては、特定継続的役務提供以外のものも含まれているので、特商法5類型だけを適用除外の対象外とするだけで十分かということについて懸念している。専修学校についても短期講座や通信講座に関して相談が入っており、専修学校をどう考えるかということについても検討が必要だろう。
    • 平成20年改正で指定制を原則撤廃したのは、苦情が生じているか否かにかかわらず、広く割販法の対象としようという趣旨。その趣旨が没却されることのないよう、慎重な議論が必要。
  2. 一般社団法人日本クレジット協会を代表して與口専門委員から、取引の電子化に対応するための技術的事項に係る要望について説明があり、さらに事務局から、当該検討事項における論点について説明が行われ、その後、討議が行われた。その概要は以下のとおり。
    • 現行法では、法定書面の電子化のためには明示的な承諾をとる必要がある。事業者側でメールアドレス等を把握していて消費者がネットに接続する環境にあることはわかっているが、明示的承諾をとれていない場合があり、その全てについて改めて明示的承諾を取りに行くのは難しい。
      また、書面一括法制定時とは状況もかなり変わってきている。総務省の情報通信白書によれば、書面一括法制定時においてはネットの普及率は6割を切っていたが、現状では6歳以上の80%はネット接続環境が整っている。
      なお、電子化していると、過去のものも含めて複数の書面をまとめて見せるということもでき、消費者の利益に資する面もある。書面交付に係るコストを低減させることによって、キャッシュレス支払手段をより普及させるということも考えられるのでは。
    • 権利関係が大きく変動する場合等、トラブルを招きやすいものは原則電子化を進めるべきではない。この前提に立つと、催告はやはり紙の書面で交付させるべきである。
      また、注意すべきはクリック一つで送信情報を消してしまう恐れがあること。消費者が送信情報をしっかり保存できるのか疑問が残る。また、解除の意思表示が認められるならば書面以外の方法でもクーリングオフが認められるという判決もある。それを踏まえると、消費者の利便性の観点から、規制緩和するメリットはないのではないか。規制緩和を進めてよいのか疑問が残る。
      事前の承諾の問題については、漏れがあったものでも、もう一度承諾を取れば継続して扱うことができることとすれば、大きく影響するものではないのではないか。規制緩和の必要性が感じられない。
    • 更なる書面の電子化に賛成。消費者と海外事業者との取引が増えてきているが、海外の事業者は日本の法律を認識しておらず、必ずしも紙の書面での交付でなくともクーリングオフを受け付けている。マルチ電話勧誘等、悪質な海外事業者もいることを踏まえると、迅速性の観点から、電子化を認めたほうがよいのではないか。ただし、書面が届いたか届いていないかというトラブルをどう防ぐかという点は議論すべき。
    • プリンタのコストは大きい。プリンタとテンキーが一体となっているプリンタ一体型のカード利用端末は高価であり、数万から10万近くする。スマホ決済端末でも、プリンタをセットにすると、スマホ決済端末のみの2000円から2万円にコストが増え10倍程になってしまう。EMV対応端末だとリーダーだけで一万近くかかり、プリンタをつけると更に高価になってしまう。PIN一体型端末でも飲食店であれば一つの店に一台程度しかなく、他の端末を使い磁気で処理するということが多い。コストを下げ、新しいテクノロジーの導入を進めることで、安全性も向上するということを指摘したい。
      スマホ決済端末については当初からはペーパーレスとしてもよいとされていた。しかし、要件として認められていても、一部の業界団体ではプリンタを持つことを自主ルールで決めており、民間ベースで過剰な規制が課されている例もある。こうした例によって、利便性や安全性が阻害されている可能性もある。むしろ、ペーパーレスを進めることによって、消費者の利便性は向上するかも知れない。
  3. 事務局から、「セキュリティ対策の方向性について」に係る状況について説明が行われ、その後、討議が行われた。その概要は以下のとおり。
    • 個人情報保護法にクレジットカード番号指定されると、今のスキームは成り立ち得ないとして反対し続けている。各主体で番号をやり取りすることは、事業の大前提。それが「第三者提供」として整理されると、ビジネスが成り立たなくなりかねない。
    • 公的見解と異なることは承知しているが、クレジットカード番号は現行法でも個人情報にあてはまるという考え方もあり得るのではないか。照合することで個人を識別できるのではないか。現行法においても番号を個人情報とみなすことについてはそれほど違和感がない。
    • 個人情報保護法で措置されるからと言って、割販法での措置が不要となるわけではない。カード番号情報は、情報漏えい後の不正利用により直接財産被害が発生するおそれがあることに留意が必要。番号管理の不備は、カード事業の継続そのものに関わる問題。個人情報保護法の整理がどうなるにせよ、割販法上の規定は維持すべき。

以上

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商務情報政策局 商務流通保安グループ 商取引監督課

 
最終更新日:2015年3月20日
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