経済産業省
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産業構造審議会 商務流通情報分科会 割賦販売小委員会(第16回)‐議事要旨

日時:平成28年5月26日(木曜日)14時00分~16時00分
場所:経済産業省別館3階312共用会議室

出席者

委員
池本 誠司 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員
岩崎 薫里 株式会社日本総合研究所調査部上席主任研究員
大谷 聖子 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会消費者相談室副室長
尾島 茂樹 名古屋大学大学院法学研究科教授
小塚 荘一郎 学習院大学法学部教授 (第16回(5月26日)のみオブザーバー)
沢田 登志子 一般社団法人ECネットワーク理事
鈴木 基代 独立行政法人国民生活センター相談情報部長
二村 浩一 山下・柘・二村法律事務所弁護士
藤原 靜雄 中央大学法務研究科教授
山本 豊 京都大学大学院法学研究科教授
専門委員
與口 真三 一般社団法人日本クレジット協会理事・事務局長
オブザーバー
赤松 憲 株式会社三越伊勢丹ホールディングス取締役常務執行役員
浅沼 清保 イオンクレジットサービス株式会社取締役兼常務執行役員営業本部長
沖田 貴史 SBI大学院大学特任教授
島貫 和久 三菱UFJニコス株式会社経営情報室担当常務執行役員
杉本 直栄 株式会社ジャックス相談役
万場 徹 公益社団法人日本通信販売協会常務理事
吉岡 優 GMOペイメントゲートウェイ株式会社上席執行役員統括部長

議題

  • 報告書追補版(案) について

議事概要

「割賦販売小委員会 報告書 ~クレジットカード取引システムの健全な発展を通じた消費者利益の向上に向けて~ <追補版>(案)」について事務局から説明があり、その後、討議が行われた。その概要は以下のとおり。

  • 基本的な内容には賛成。
  • セキュリティ対策強化に関して、事業者間の対策のみではなく、消費者に情報提供し、消費者も行動できるように対策を実施するということを記載されていることは適切。
  • 加盟店やアクワイアラーのセキュリティ対策について、リスクベースや性能規定の考え方の下、柔軟に運用することとされていると認識している。この点について、セキュリティ対策は画一的な規定を置きにくいということは理解。ただし柔軟性を強調するあまり、誰が責任を負うのか見えなくなってしまわないよう留意すべき。
  • 委員提出資料1に示したとおり、第2章における消費者の帰責性について「留意が必要」としている点について、カード情報の漏えいについて、カード情報を取り扱う事業者間で責任を負う方向性を明確にすべき。こうすることで、カード利用環境の安全を整備するという点が明確化されるだろう。修文をすべきとした箇所については、現在の標準的な会員規約においても、同趣旨の内容が記載されているため、現在の実務の中でも、対応可能であると認識。
     という意見があり、委員長より
  • 修正意見は、民事法の問題を書いていると思われる。漏えいや不正使用がおこった場合の民事的な対応については、会員規約や裁判例等を踏まえた、実務における認定の問題であるから、今回の報告書においてどの程度言及すべきかという問題があるだろう。この箇所について事務局から説明してほしい。
     という発言があり、事務局より
  • 第2章の柱書の冒頭の3段落については、セキュリティ対策強化の必要性について記載している。4段落目以下については、セキュリティ対策そのものの記載ではないものの、セキュリティ対策を議論する際に留意すべき事項として記載している。第2章の中で民事効について深掘って議論するということではなく、留意事項として触れておくという趣旨。
     という説明があり、委員長より
  • 修正意見は、現在の案と異なる趣旨を含むか。
     という質問があり、最初に発言した委員より
  • 提案の趣旨は、責任の在り方の修正や深掘りをしたいということにあるわけではない。カード情報の漏えいによる不正利用被害は、消費者に帰責性はなく、基本的に負担をさせないという点については原案の反復になっているため、必ずしも修文しなくても構わない。とはいえ、この修正意見の趣旨は、消費者に負担させないという緊張感を事業者で共有してほしいということ。会員に負担させないという点は既に基本的な原則になっていると認識している。その点を踏まえ、報告書を修正いただけないか。
     という意見があり、別の委員より
  • 報告書については丁寧にまとめていただいた。
  • 別の委員から修正意見があったが、そのような修正は不要と考える。
  • 今回の報告書においては、行政取締法規である割販法において事業者に対してどういう行為義務をおわせるかという観点で議論を行っている一方、民事的な効力について議論しているわけではない。
  • また、カード情報の漏えい事例において、消費者の帰責性の有無の判断はそれほど簡単ではない。例えば、ガソリンスタンドにおいて、利用者が決済のためにガソリンスタンド側にカードを預けている時に、カード情報が流出した場合、加盟店と消費者との関係では、加盟店側に帰責性があるといえそうだが、一方イシュアーとの関係ではどちらに帰責性があるか明確ではない。個別事例は簡単に結論が出ないために、紛争として議論することになる。帰責性の有無については、この審議会で簡単に結論を述べるべきではない。
  • 事業者間で緊張感を持つべきという点は、多言を要しない。カード会社にとっては、情報流出が起きてしまえば、不正利用にとどまらないダメージがある。
     という意見があり、別の委員より
  • 修正意見について、一定の理解はできるが、原案を修正する必要まではないのではないか。
  • また、割販法を行政取締法規と言い切る点については疑問がある。同法において、民事効が全く措置されていないわけではない。
  • 修正意見について、不正利用被害が会員の負担にならないという点は結論としては正しい。しかし、委員提出資料1における修文案の場合、不正利用被害という文言について、自己の情報が漏えいしたことに係る精神的苦痛も含むように読めるところ、そうした精神的苦痛については、割販法における代金負担の問題を超えており、一般法で解決されるべき問題となる。修文すると深読みされてしまうおそれもあるので、事務局案で意は尽くされているといえるのではないか。
     という意見があり、別の委員より
  • 今回の審議会の議論においては行為規制について議論しており、民事効について特段の議論がなかったという趣旨。
  • 消費者の帰責性に係る記載については、強いていえば、「特段の事情がない限り」という言い回しを入れるということではないか。
     という意見があり、委員長より
  • これまでの議論を踏まえると、修正意見の一部を取り入れ、一般的な会員規約の文言を注記で示せば、誤解の余地がなくなり、各委員からの懸念に答えることになるのではないか。
     という発言があり、別の委員より
  • カード会社は、カードの紛失、盗難、カード情報の漏えいがおきた場合でも、会員に故意、過失がない限りに被害を負担させておらず、ここで改めて当該修正意見に沿った記載をする必要はないのではないか。
  • 追補案では、第2章の柱書で問題提起を記載し、課題の解決についてはその下の部分に記載されているという認識。被害負担の責任関係についても記載されている。柱書に当該修正意見のように結論めいたことを書くことには違和感がある。
     という意見があり、委員長より
  • 民事の問題はあまり簡単に考えてはいけない。別の委員から指摘があったとおり、カード会員規約の文言を追記することはミスリーディングだろう。あくまでセキュリティ対策を強化する背景として、漏えいや不正使用が起こらないようにするということだとすると、原案どおりということでよいのではないか。
     という発言があり、最初に発言した委員より
  • 議論をしたこと自体に意義がある。
  • リスクベースや性能規定といった柔軟な考え方によって、カード会社の民事的責任が薄まるということではないと考える。業界内部で責任感を共有してもらいたい。セキュリティ対策における行政規制の柔軟さと民事的責任関係の在り方は区別すべきという趣旨。
     という意見があり、別の委員より
  • 折衷案として、「消費者に何ら帰責性がない加盟店からの情報漏えいの場合には、その被害を消費者に負担させるべきものではない」とするのはどうか。民事効であることを強調するのではなくて、あくまで留意点として。
     という意見があり、委員長より
  • 別の委員からの発言によると、消費者に帰責性がなくても消費者保護を重視した運用を行っているとのことである。どのように修文しても正確性に欠けるおそれがあるため、原案どおりとしたい。
     という発言があった。
  • 国民生活センター等はPIO-NET情報を認定割賦販売協会等に共有する準備をしているが、情報共有することで悪質加盟店が減少した等の結果があれば、その状況をフィードバックしてほしい。
  • 「アクワイアラー等において加盟店調査に関し整備する体制について、認定割賦販売協会において具体的な指針・ガイドラインを示すことが期待される」という記載が重要。初期審査や途上審査等、様々な加盟店審査手法があると認識しているが、2020年に向けてキャッシュレス決済が普及していく中、加盟店網が拡大していく状況では、途上審査が重要になっていくと思われる。体制整備については、幅広い関係者で議論し、実効性と具体性のあるものを示してほしい。
     という意見があり、委員長より
  • 今後の検討を行う上での御要望として承った。
     という発言があった。
  • 報告書そのものについて異論はない。
  • 今後の規制の具体化の参考として、取引の実態を紹介したい。零細の加盟店の実態をヒアリングしてきた。ECモールに出店しているところもあるが、独自に出店している事業者もある。そうした加盟店はカード番号を保持している事業者はほとんどないため、非保持化に向けた取組をする点については違和感はない。
  • 一方、不正使用対策については加盟店側からは違和感を示された。番号を保持していない場合には、不正使用対策の必要性に疑問があるという意見が合った。また、必要性がある場合にも、それはカード会社が不正使用しにくい仕組みを用意するという義務を負うべきではないかという意見があった。不正使用対策はショッピングカートの仕様の問題であって、加盟店側では対策がとれないのではないかという意見もあった。
  • 報告書に、加盟店等の関係事業者に対する十分な周知の重要性を記載していただいたことに感謝したい。
  • ECモールやアプリケーションサービスプロバイダにうまく周知をすれば、零細加盟店にまで手を伸ばす必要はなくなるのではないか。扱っている商材が、不正カードで狙われるものではない加盟店の場合には、措置しなくても構わないのではないか。こうした点が整理されることを期待する。
  • 加盟店側は利用者の利便性のために、様々な決済手段を用意している。例えば、代引きのときにクレジット決済する場合や、Amazonペイメントのような仕組みがあるが、これら全てについて不正使用対策義務を負うことになるのか。
  • ECモールやアプリケーションサービスプロバイダを使わないで自社でクレジット決済を導入している中堅の事業者が、特に問題になるのではないか。
     という質問・意見があり、事務局より
  • 具体的な周知先、周知の仕方については検討の上、行いたい。
  • 規制対象について、この議論は割販法の議論。議論としてはクレジット決済を対象としており、他の決済手段は別という認識。
     という回答があった。
  • 報告書については賛成。
  • セキュリティ対策については、消費者理解の促進により消費者の行動を促していくべき。相談現場でも、消費者教育の必要性は切に感じられる。
  • 一方、セキュリティ対策全般については、実行計画に基づいて確実・迅速に行っていただきたい。
     という意見があった。
  • セキュリティ対策においては、ステークホルダーとしての消費者の役割が大きい。消費者においても一定の対応が必要になる。セキュアな環境づくりのために一番動けるのは消費者。
  • 多くの消費者はセキュリティに対する意識が高いが、一部の者はそうではない。おそらく、業界団体等も情報発信しているが、そのような取組に反応するのは意識が高い消費者であり、本当に意識を高めてほしい消費者には届かないのが実情。とはいえ、様々なステークホルダーが一丸となって、アプローチしづらい消費者にもアプローチする手立てが必要。
     という意見があった。
  • 消費者理解の促進については、経産省も取り組んでほしい。カードの裏側にサインしていると真似られるから書かない方がよいとか、サインの方がPINより安全とか、誤った認識を持っている消費者もいる。何が危険で何が安全なのか、消費者が自分で判断できるように啓発することが必要だろう。
     という意見があった。
  • 書面交付義務の見直し等についてどういうタイムスパンでやるのかわからない。報告書案の修正は不要だが、今後数年間どのように動くのか教えていただきたい。
  • 書面一括法で電子化が進んだが、会社法では株主総会の電子化も進んでいる。むしろ、電子化することで消費者サービスが向上するのではないか。EC取引や端末をつかった取引において、携帯端末等から情報が見られる場合には、書面交付しなくていいのではないか。同意を利用行為で置き換えるということでは。
  • 包括信用購入あっせんは、基本契約と個別契約に分かれているものと認識。基本契約の内容を参照できるようにしておいた上で、個別契約については追加的な情報を提供すればよい。
     という質問・意見があり、事務局より
  • 具体的な対応として、(1)後リボの解釈明確化については、報告書確定後すぐにやりたい。(2)情報項目の見直しについては、省令レベルの話なので、法律を固めてから取り組みたい。(3)情報提供の手段の在り方は法律事項であるため、提言を踏まえ、セキュリティ対策と同じタイムスケジュールで対応したい。
     という回答があり、委員長より
  • FinTechの活用による新たな業態への対応に係る議論においては、委員から様々な意見があったが、今回踏み込めるのはこの程度。第4条の2の緩和や情報項目、義務主体の見直しについて、それぞれ問題の質が違うため、今後整理してさらに検討していくべきということになっている。その上で、見直しすべきところは見直すという状況と認識。
     という発言があった。

オブザーバーより

  • 百貨店協会は、クレジット取引セキュリティ対策協議会の実行計画を踏まえ、準備を始めている。実行計画で求められている以上の義務が加わることはないか。また、実行計画は2020年までに対応することとしている。実際のセキュリティ対策には2、3年かかるが、スケジュールについても実行計画に基づいてやっていけばいいか。
  • 義務履行の担保措置における、「不正使用対策の対応状況が著しく不十分である場合にも適確に対応できるよう」における「も」にどのような意味があるのか。単に処分の対象となるという趣旨ならば、「に」とか「は」という文言でよいのではないか。
     という質問・意見があったところ、事務局より
  • セキュリティ対策の義務付けについては、性能規定の考え方に基づき、制度上、一定の水準が確保されれば義務を履行したこととなる。具体的な対応については、「まずは、関係事業者による実務的な検討を経て策定された「実行計画」のうち具体的な対策に関する部分を、セキュリティ対策に係る義務履行方法に関する事業者向け指針として位置付け、国としてもその着実な実施を後押ししていくことが求められる」と記載しているとおり、現状では、指針は実行計画を踏まえたものとなるだろう。今後、実行計画に必要な見直しは行われ得るだろうが、当面は実行計画を踏まえることで間違いない。
  • 報告書案の「も」という記載については、対応が著しく不十分である場合であっても十分に対応できるように、指導や勧告等、対策をフルセットで準備するという趣旨。
     という回答があった。
  • 加盟店に対する公表制度の導入について、報告書案では義務に反するものついて無限定に書かれているものの、行政指導段階での公表はあまり一般的ではない。この点について、どの程度踏み込むつもりなのか。
  • 改正特商法への対応における規制対象の拡大について、特商法における「役務」の解釈変更を踏まえ、割販法においても広い解釈をとるとある。この点について、発生状況に応じて解釈を変えるというのは違和感があるため、文章を工夫すべきではないか。
     という意見があり、事務局より
  • 公表制度について、法制的には今後具体的に詰めていく。一つの例としては、勧告を受けたにもかかわらずその勧告に違反した場合が公表の対象として想定される。ここは今後の課題。
     という回答があり、委員長より
  • 役務の解釈については、実態を重視する姿勢を示した記載であったが、御指摘を踏まえ、修文が必要。
     という発言があった。

最後に委員長より

  • 追補案について、いくつか修正意見はあったものの、概ね原案賛成ということで御了承いただいたと理解。必要な修正の要否については、事務局と相談して座長一任としていただきたいが、よろしいか。
     という発言があり、事務局より
  • 今年度の日本再興戦略において、クレジットカード取引におけるセキュリティ対策強化に係る記載が入る予定なので、同文書が確定し次第、注記という形で報告書にも記載したい。
     という発言があり、特段異議は示されなかった。

以上

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最終更新日:2016年6月6日
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