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産業構造審議会 商務流通情報分科会 割賦販売小委員会(第18回)-議事要旨

日時:平成29年3月15日(水曜日)10時00分~12時00分 
場所:経済産業省別館3階312共用会議室

出席者

委員
池本 誠司 日本弁護士会連合会消費者問題対策委員会幹事
岩崎 薫里 日本総合研究所調査部上席主任研究員
大谷 聖子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会消費者相談室副室長
小笠原 直 監査法人アヴァンティア法人代表
沢田 登志子 一般社団法人ECネットワーク理事
鈴木 基代 独立行政法人国民生活センター相談情報部長
二村 浩一 山下・柘・二村法律事務所弁護士
藤原 靜雄 中央大学法務研究科教授
山本 豊 京都大学大学院法学研究科教授
渡辺 達徳  東北大学大学院法学研究科教授
専門委員
與口 真三 一般社団法人日本クレジット協会理事・事務局長
オブザーバー
沖田 貴史 SBI大学院大学特任教授
佐々木 正 互助会保証株式会社常務取締役
島貫 和久 三菱UFJニコス株式会社顧問エグゼブティブ・フェロー
中野 奈津美 株式会社高島屋友の会代表取締役社長
西田 光宏 日本百貨店協会常務理事
平瀬 和宏 株式会社クレディセゾン取締役
牧 宣治 日本割賦保証株式会社専務取締役
丸山 弘毅 一般社団法人FinTech協会代表理事
万場 徹 公益社団法人日本通信販売協会常務理事(欠席のため代理出席)
三宅 忠良 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会常務理事

議題

  • クレジット取引セキュリティ対策協議会実行計画2017についての報告
  • 今後の検討課題について
    1. 後払い分野に係る課題について
    2. 前払い分野に係る課題について
  • クレジットカード産業におけるデータ利活用とAPI連携について

議事概要

  1. 2017年3月に公表した「クレジット取引セキュリティ対策協議会実行計画2017」(資料2)の内容について與口委員から報告があった。
  2. 「後払い分野に係る課題について」(資料5)及び「前払い分野に係る課題について」(資料4)について事務局から説明があり、その後、討議が行われた。その概要は以下のとおり。
    • 検討課題4に関し、イシュアは、苦情の内容を分析して加盟店の販売方法の問題だと見極めた上で(アクワイアラーに)伝達するが、まずは特商法の禁止行為違反など重大な苦情の場合には遅滞なく、その他の苦情でも同種苦情が多発したような場合で利用者の保護に欠けると認められる場合には、アクワイアラーに伝達及びJDMに登録するということが必要ではないか。
    • その他の苦情で多発まではいってないものについて、苦情を集約するのは、加盟店契約をしているアクワイアラー側であり、苦情が多発してからイシュアが送ったのでは遅いことから少なくともJDMへの登録は必要ではないか。
    • 苦情の伝達を受けたアクワイアラーの調査義務について、特商法の禁止行為違反など重大な苦情、その他の苦情が多発しているような場合であれば、速やかに必要な調査を行い、あるいは必要に応じて所要の措置を講じ、それをJDMに登録する。苦情の適切な処理ということからすれば、必要に応じてイシュアに回答報告するということも必要ではないか。
    • マンスリークリア取引の場合には、JDMの運用として、ほぼ見合うことをイシュア、アクワイアラーそれぞれについて自主規制規約の中で位置付けてもらいたい。
    • また、JDMの運用ではないが、必要に応じてイシュアからアクワイアラーへ苦情の直接伝達ということも自主規制規約の中で入れてもらうことで、国会の附帯決議等にもあったマンスリークリア取引における苦情の伝達、活用ということを満たすことができるのではないか。
    • アクワイアラーの加盟店調査について、前回の議論で悪質加盟店排除というのは抽象的であるとの意見があったが、現在の割販法施行規則第60条は、抽象的な悪質加盟店排除というものではなくて、法的にかなり明快な定義づけがあるのでその点は問題ない。
    • また、前回の議論で消費者保護とカード市場のバランスをというような意見もあったが、過大なポイントを付与してカード発行シェア争いをしているようなことからすると、「安全確保のためのコスト負担が過大であるから市場退出を余儀なくされる」とカード会社が言うのは理解できない。
    • 支払可能見込額調査について、平成20年改正では、抽象的に支払能力を超える与信を防止するという規定では実効性が不十分なので、かなり具体的な調査項目を定めたという経緯があったことからすれば、その実効性確保の指標というものがどういうものかという中身を具体的に議論することが先決であり、それをしないで方針だけ変えて、具体的な調査事項、判断基準を撤廃してしまうというのは非常に不適切な対応になる恐れがあるのではないか。
       という意見があり、委員長より、
    • 原因究明、特にオフアスの場合の原因究明というものが一体何を意味するのかできれば議論を深めてもらいたい。民事紛争の解決において原因究明とはものすごく重たい言葉で、片方の申し出があった段階で原因究明などできるはずはないと普通考えるのではないか。現行法はおそらくオンアスを前提として加盟店の意見も聞いて、ある程度わかるのではないかという頭で書かれている。今回の割販法改正を受けて、苦情伝達と加盟店調査という形で再整理する中で、本当にこれでいいのか気になるところなので是非議論を深めてもらいたい。
       という発言があり、別の委員より、
    • 加盟店調査における調査の項目として、法人の場合には法人番号制度も活用したらよいのではないか。
    • 苦情の伝達について、本来苦情があったときには一体どこが起因であるか、大元はどのあたりなのかという切り分け作業ということがまずあるはずである。その切り分けをした上で、初めてその事案について具体的当事者が確定し、その中で一体何が起きていたのかということが調べられるはずなので、オフアスを前提とすると、いきなり原因究明とはありえないだろう。
    • 少なくとも、イシュアサイドの事案なのかアクワイアラーサイドの事案なのかということの切り分けをして、アクワイアラーサイドだと分かったときにはアクワイアラーサイドに伝達し、その上でアクワイアラーサイドがアクションをとっていくというように流れていくはずのものである。
    • したがって、もちろんレベルを落とせということではないが、割販法施行規則第60条を単に書き直しただけではおそらくワークしないだろう。
    • 支払可能見込額調査について、ご提言の内容に非常に強く賛成している。以前、性能規定ではダメだったではないかという意見があったが、現実にはそうではない。信用供与額に対する延滞債権額の率を時系列で見ると、カードショッピングでは平成15年から18年まで0.3%、貸付けでは3.8%から上がって平成17年で11%、18年で17.1%と非常に高い。つまり、多重債務問題が出たとき、貸金の状態とカードショッピングとは全く相違していた。また、時系列で追うとカードショッピングについて平成20年改正法の規制が入った以降もこの率は変わらなかった。この事実を踏まえたときに、果たしてなぜこの支払可能見込額調査を義務付けているのかという疑問も出てきかねない。この規制が合理的なのかということを問い直すべき時に来ており、ましてやフィンテックによる新しい技術が導入され色々な審査方法が出てくる可能性があるが、こうしたことを包括支払可能見込額調査が潰してしまう危険がある。
    • 平成20年改正の時の議論の中で支払能力の調査が問題になったのは、むしろ個別クレジットを中心とした議論であったと理解している。その観点からも、今回はカードの問題について取り上げているということで、むしろ積極的に柔軟な手法というのを認め、かつ、一方で、多重債務問題を発生させないようなチェックをどのようにするかということに力点を置くべきではないか。
       という意見があった。
    • 今回出されたセキュリティ面を含め、前払い・後払いに関する検討の方向性に関しては基本的には賛成である。
    • 現在、悪質加盟店に関する消費者相談は増えている。マンスリーに関するものも含め、クレジットカード会社の協力を得て、前向きに対応していただいている現状があるので、是非この現状を低下させるようなことだけはないようにお願いしたい。
    • 最近相談の現場ではカードが使えるお店の方が安心ですよというような形で消費者を啓発していく方向性も出ているので、セキュリティの面も含めて前向きな自主規制の対応は強化してもらいたい。
    • 利用者がこの取引はおかしいのではないかと気づくものの一つに利用明細がある。利用明細の内容として、例えばPSPが入っている場合にはPSPだけの表記ではなく、どこの販売店なのか何の商品なのかというものが併せて伝達されると消費者もチェックしやすくなるので、法的には難しいとしても自主的な取り組みとして、何らか利用明細の改善をお願いしたい。
       という意見があった。
    • 検討課題4に関し、原因究明は簡単なものではないと思うので、オフアスの場合に原因究明がどこまで可能かという現実的なところから考えるべきではないか。
    • マンスリークリアまで自主的な対応に含めるということになると、爆発的に取引量が多いものが対象になることで、ノイズも増えてくるのではないかということを懸念している。例えばアダルトサイトに登録したけれど解約できない、解約方法がわからないというような申し立てについてまで、契約締結過程に問題がなかったか、事業者が解約を妨害しているのかどうかということまで聞き取って判断しなくてはならないとすると大変な負担になるのではないか。
    • 加盟店調査に関して、取扱商材についてどの程度の粒度でやるかという課題については、カテゴリーだけで判断して入口で一律にNGというようになることがないよう、丁寧な検討をしてもらう必要があるのではないか。例えば、オンラインサービスという項目でカテゴリーを大きくしてしまうと、悪質な出会い系サイトも真面目なマッチングサービスも同じ分類になってしまって、それが入口でどちらもNGということになると行き過ぎではないか、もう少しより細かく見て判断してもらいたい。逆に家電製品の販売というときに冷蔵庫を売るのか洗濯機を売るのかということは聞かなくてもよいのではないか。このように分野によって異なるのではないか。
    • 加盟店のセキュリティ対策に関して、個人情報保護法で求められるレベルよりも、一歩進めたセキュリティ対策を求めることに関して賛成であり、実務上の指針の中から必要な措置を取り出すということも賛成である。
       という意見があり、また、
    • 先週末に起きた大規模漏洩事故に関して、当事者をどのように考えたらよいのか。東京都が加盟店、トヨタファイナンスがアクワイアラーでGMO-PGがPSPという関係と思ってよいのか。
    • PCIDSSがセキュリティ実行計画の中でも頼りにされている中、今回のケースとPCIDSSの準拠状況との関係はどうか。
       という質問があり、事務局から
    • 東京都税支払いサイトに関してはGMO-PGは決済に関わっておらず、アクワイアラーであるトヨタファイナンスの委託先と聞いている。
    • 現在、詳細調査中だが、GMO-PGはPCIDSSの認定を受けていたと聞いており、今回の事故とどういった関連性があるかということについては、詳細な調査を待って再発防止を考えていく必要があると考えている。
       という回答があり、これに対し、同委員より、
    • 今回の全体の目的は、EC加盟店からの漏えいをどう防ぐかということで、お手伝いしたいと思っていたところだが、EC加盟店に対して言いづらくなったところがあり、そこが整理されるとよい。
       という意見があり、別の委員より、
    • 苦情の活用についての事務局案に賛成である。
    • マンスリークリアの苦情量は確かに多いので何でも入れると大変だし無駄かと思うところもあるが、せっかくの苦情を活かさない手はないのでないか。重大な苦情について、原因究明というものは非常に難しいことはわかるが、利用者の保護に欠けるようなものがあれば、悪質加盟店の排除に繋がる。マンスリークリアの苦情伝達義務が法律上はないことは理解しているが、直接アクワイアラーに伝達されるように、自主規制規約などに入れてもらいたい。
    • セキュリティ対策として見える化について大賛成だが、見える化は対策と消費者の理解が車の両輪のようなものだと思っている。いくら対策が進められても、消費者が理解していなければ何の意味もないので消費者の啓発も併せて行ってもらいたい。例えばポップなど作るにあたっても、一目でわかるようなものにしてもらいたい。その点に関してご協力したい。
       という意見があった。
    • 取扱商材について、別の委員からも指摘があったが、あまりにも商材のレベルが細かいと実務的な負担が大きいばかりか、情報がすぐに陳腐化してしまう恐れがあるので、資料にあるように適切なレベルのものにすることが重要である。
    • 平時の途上審査について、日本は複数のアクワイアラーと加盟店が契約しているという状況であり、かなり重複があり無駄が多いと思う。また、加盟店サイドからみると、途上審査のたびに、複数のアクワイアラーからバラバラに調査を受けるので、かなり負担になると思う。そうであれば、平時の途上審査のための調査項目が書かれた定型フォームをカード協会で共同で作成、加盟店に配布し、加盟店は定期的に記入してアクワイアラーに送付する、という方式がかなり合理的ではないか。加盟店負担が軽減される代わりにフォームの送付を義務付けるというのは、考えてもよいのではないか。
    • アクワイアラーの登録制度について、カード会員は、何か問題が発生した際、カード裏面に書かれているイシュアへ連絡することになると思うが、イシュアがどこの海外アクワイアラーまたは国内PSPと契約しているのか、どこに連絡すれば良いのか、といった情報がすぐに分かる必要があり、そのための体制を作るべきである。
       という意見があった。
    • 業界としても、国会の附帯決議を重く受け止め、苦情情報について、マンスリークリアの登録も前向きに考えている。一方で、マンスリークリアは件数が非常に多く、相応の負担が増してくることを考えると、JDM制度をあまり大きく変更することなく、ソフトに移行できるような形で考えてもらえると、スムーズな対応ができるのではないか。
    • 別の委員から指摘があったように、海外アクワイアラーとの連携は、しっかりとした体制が取れるような登録等が行われることを期待している。
    • 加盟店におけるセキュリティ対策について、資料では、実行計画の必要な措置は、認定割賦販売協会のガイドラインということで示されている。会員であるカード会社・PSPはガイドラインで対応することが可能であると思うが、加盟店の義務については、協会のガイドラインで本当に効力があるか、信頼を得て従ってもらえるか、という加盟店の納得性の点からも議論するのが望ましいと考える。
       という意見があり、別の委員から、
    • 「原因究明」という言葉について、レジュメでは「分析」と書き直しているが、加盟店調査を開始する必要があるかどうかの見極めのための用語であり、加盟店の言い分と消費者の言い分を最終判定することを想定したものではないはずである。消費者からのヒアリングがベースであり、自社と他の情報、あるいはJDMの情報で多発しているか見極めるという意味であり、加盟店からも聞くのが望ましいけれどもオフアスの場合は困難なので、そこまでは含まれないということを解釈や運用の中で確認するというのが良いのではないか。そうすれば、別の委員の発言にあるように、JDMの現在の運用を大きく変更することではないとご理解いただけるだろう。
       という意見があり、委員長より、
    • 「原因究明」という言葉が良いのか、国民の日本語感に合わせた言葉があればそちらのほうが混乱は起きないのではないか。原因究明できないから、これは登録しないという方向にも行ってしまうことにもなるので、きちんと仕切ったらどうかということで御発言いただいた。こうした意見を踏まえて事務局で検討してもらいたい。
       という発言があった。別の委員より、
    • 前払の流動性比率の運用について、現状のように前受金を一方的に流動負債の中で全額計上するという運用を行うと、友の会の場合は、実態運営上ほぼ則していると思うが、互助会の場合は、解約の実績からみると1年以内での支払が予定されていないので、借入金のように長期性のあるものは固定負債に振っておいて、1年以内に返済されることが明らかなものについては流動負債に計上しており、会計基準の中でワンイヤールールということで1年以内か1年超かで計上しているのが実務であろう。流動負債として扱う前受金については、会計基準に則して計上するように促すということを検討すべきではないか。
    • そうすることにより、流動比率が友の会と互助会の場合で、算定の相場観が異なってくると思うので、短期性の前払いと長期性を持った前払いの部分それに則した一定の指標というのを検討する必要があり、事務局が提示する検討の方向性に賛成である。
    • キャッシュフローについて、流動比率や負債と自己資本比率などは静態的指標と言い、ある時点のたまたまの比率であるのに対し、実際にその1年間の活動を行っている中で、キャッシュが営業や投資、財務活動においてどのような推移をしたのか、特に営業活動において葬祭業を行った場合、友の会を運用した場合にどのようなネットキャッシュを生んだのかというのは、その事業の持続かを見る上で非常に重要な指標である。ただ、静態的指標と比べ、この算定には難易度、複雑さがあり、技術的に難しい。キャッシュフローを作るのに十分な情報収集の確実性と情報そのものの正確性にも配慮しながら、現状だと、一足飛びに高レベルのものを事業者に要求するという側面もあるので、慎重に検討する必要がある。
    • 連結対象会社を含めた財務状況について、連結財務諸表自体を正確に作ることは非常に大変なことである。他方、単体の事業の善し悪しを判断するだけでは、事業者全体の収益性や安全性を把握するという意味では片手落ちになってしまうため、連結の財務諸表の情報はきちっと取るが、その中で、単体の葬祭事業や友の会の運用事業に多少補正を加えて、連結財務諸表制度の中で、全てBS・PLに組み込むのではなく、簡便的に、投資額や貸付額などを評価することで、連結と同じような形で安全性・収益性を見るという方法もあるので、幅広に連結情報や関係会社の情報をもらいつつ、そういった形で運用されるということもこの中に含めて検討すると、最近の財務諸表を見るという観点からは当然に必要なことではないかと思う。
       という意見があった。また、オブザーバーから、
    • 支払可能見込額調査について、現在、加盟店与信に関しても、静的な与信から動的な与信に変えていこうということがグローバルに広がっており、消費者のほうも同様の動きとなっている。現時点の技術で細かく具体的に規定してしまうと、将来的に利用者の利便性を損ねてしまうという可能性があり、性能規定という考え方がフィンテックの潮流も踏まえていると考えられる。
    • セキュリティについて、今回の実行計画では、加盟店においてカード番号の保有、通過をさせないとし、PCIDSSに準拠することが求められており、実務的、利用者・加盟店の負担を考えても非常に良い方針だと考えている。
    • 他方、別の委員から指摘のあった事件について、現時点の発表ではクレジットカード番号だけでなくセキュリティコードも漏えいしているということで、非常に極端な事例ではないかと思う。これから向かおうとしている制度・ルールは非常に優れたものだと思うが、今回のケースは原始的な旧来型の事件であり、この極端な事例を取り上げて方針全体をさらに強化・変更していくという必要性はないと考える。ただし、極端なケースであっても、例えば罰則が何も無いとすると、業界の健全化は進まないので、業界内で自浄化を行うのが必須である。今回、PCIDSSにそぐわない運用が実際に行われていたということになるが、QSA(認証審査機関)がなぜこういう運用でも認定したのか、今後確認が進んでいくだろう。PCISSCにおけるグローバルなルールに日本側も反映させていくような努力を業界側としても行っていく必要性があると感じている。
       という意見があった。
    • 苦情情報の連携のところで多発という概念が出てくるが、大量にクレジットカード取引を行っている事業者において、一定期間において発生した苦情の件数は多いが、母数との関係で、発生率が非常に低いというケースをどう見るかという点にも配慮が必要である。そうしないと、大規模な事業者ほど闇雲にJDM登録というようなことになりかねない。
      という意見があり、委員長より、
    • 苦情情報の伝達については、その伝達とJDMへの登録を全く一致させるのかどうか、両論ありうるが実務的にはもう少し考える必要がある。実務的な落とし込みのところで、その点が非常に重要になってくる。
       という発言があり、オブザーバーから、
    • 家計簿アプリのように複数のカード会社や金融機関を横断しているものについては、ユーザーが資産情報や収入、支出までを登録しているような場合もある。こういったものを活用すると、それぞれの金融機関がデータを把握するよりも総合的な金融機関をまたいだデータがわかるようになる。今後は、内閣官房等でも検討している情報銀行のような技術と相まって、かなり正確性を持った横断的なデータを取得することが可能になるという意味で、今後こういったデータを支払可能見込額調査等にも活用していくことができるのではないか。
    • カードの利用明細上の記載と実際の購買とにギャップがあって分かりづらいといった指摘や、加盟店調査で把握する加盟店の業種が果たして正しいのかといった点について、家計簿アプリ等を使ったフィンテックベンチャーにおいては、集合知やAIという考え方を使っている。集合知とは、AIによって自動判別された食料品か飲食か医療費かといった仕分けが合っていないと、延べ1千万人以上とも言われる家計簿アプリユーザーが自ら仕分けを修正する。同様の修正の傾向が特定の加盟店で見られれば、その加盟店の業種が修正された業種に近いのだろうと考えられる。そういう意味では一人一人のユーザーみんなの知を集合させるという意味で集合知と呼ばれており、その集合知を使って、AIの予測モデルを上げることができる。さらに一種のAIを使えば、Web上の文字情報を解析して、販売商品の予測も可能な場合もある。こういった技術を使うことで、クレジットカードデータがより整備されたり、支払可能見込額の調査がより正確になったりといったこともあるので、今後、性能規定の枠組みの中で使っていけると非常に良いと考える。
       という意見があった。
    • 参考資料3において、対面の加盟店におけるIC対応の未着手の理由或いはPCIDSSの未着手の理由について、いずれもコスト負担が大きいというのが最大の理由になっている上、非常に高い比率を占めているというのは、やはり今後進めていく上でなかなか大変な課題なのだと思う。ただ、非対面加盟店において、顧客管理等のために意図的にカード情報を保存している比率も20%前後ある一方で、意図せずに保存していたというのが70%以上あるというのは注目すべき。つまり、情報管理についての問題意識がまだまだ浸透していないのではないか。加盟店の側もセキュリティの問題の認識がまだ不十分である。同じことは消費者の側にも言える。私が地元で消費者向けに話をした時に、暗証番号とサインでは後で確認できる(サインの)方が安全じゃないかという意見が少なくない。だから消費者に向けても、或いは加盟店に向けても、セキュリティの重要性ということをしっかりと理解してもらった上で対応を求めるということが大事だろうと思う。
       という意見があり、委員長より、
    • 資料5検討課題(1)の(2)検討の方向性ところで、「カード情報の漏洩が不正使用による消費者の財産的被害に直結することに鑑み」と記載のある点については、報告書の追補版の際の議論においても、個人情報保護法との保護法益の違いという観点で我々がしっかり議論したところであるから、その議論との整合性を保つ形でまとめてもらえればと思う。
       という発言があった。
  3. 「クレジットカード産業の更なる発展に向けて」(資料7)について事務局から説明があり、その後、討議が行われた。
    • カード会社の立ち位置は、他の支払手段の場合によっては取って代わられるような立場であるので、資料7に銀行の取組が書かれているが、カード会社については金融機関と並列というよりは、むしろ電子決済等代行事業者・フィンテックの立場の方が強い。そういう意味では、カード会社がどこと組んでビジネスを展開していくかということは個社のまさに戦略的な部分なので、銀行にAPI接続を義務づけるのと同等ということになるのかどうか慎重な議論をいただきたいと思っている。全体の検討について全く異論があるわけではなく、あくまでも義務づけという手法については銀行とは立場が違うということをご理解いただければと思う。
       という意見があった。
    • 割賦販売法では、法改正をして行政ルールと民事効を組み合わせるか、法改正ではなく自主ルールなりコンプライアンスということに委ねるか、或いはいくつかのものを組み合わせるという手法の中で一番妥当なものはどれかとこれまで検討してきた。その意味では銀行の方は、銀行法改正が動きとして出てきているかもしれないが、クレジット業界の方では必ずしも法改正ということではなくて、業界の自主ルール等の形でまずは検討を積み重ねていくということも考えられるのではないか。必ずしも銀行法改正と連動して動くという必要もないし、これまで、割販法は、必ずしもそうしてこなかったのではないか。
       という意見があった。
    • まずビッグデータの利活用について、改正個人情報保護法で位置付けられたいわゆる匿名加工情報は、特定の個人を識別できないように個人情報を加工し、しかも復元できないようにするということを前提にして、個人情報一般より少し緩やかな規律にするということだったはずである。資料7に色々な分野での色々な利活用の可能性の提起があるが、これが厳格な匿名情報加工をしたことを前提として議論しているのかどうか。個人信用情報は特に借金の情報であって、或いはどういうお店を使ったかという履歴も含まれるので、個人情報一般よりも消費者にとってプライバシー意識がさらに一段強いものであるから、知らないうちに信用情報が第三者に提供される、或いはそういう誤解を受けるおそれも含めて、よほど慎重に議論していただきたい。また、そういう議論を単に業界内だけではなくて、早い段階で消費者にも、その活用の方向性・仕組み、或いは消費者の意向を聴取するなりしていただければと思う。
    • カード業界とフィンテック企業との連携の問題について、金融機関・銀行については銀行法改正によってその連携する先、接続先である電子決済代行業者というものを登録制にし、なおかつ適切管理義務を定めた上で、その対象について情報の交換を認めるという仕組みになっている。まずは自主的なところから少しずつ始めるというのも選択肢かもしれないが、その接続する先がどういう水準のものなのかしっかりと見える状態にして、消費者にも仕組みとして理解を得るようにしておかないと、誤解を招くと、逆に不信感を買うことになりかねないので、留意していただきたい。
       という意見があった。
    • これが果たして消費者に理解できるのだろうか。現在でも情報格差というのが非常に大きくなっており、業界がどんどん先にいって消費者がそこに追いついていくのが精一杯というところなので、今後ますますその差が広がるのではないかと、不安に思った。もちろんビックデータの利活用はどんどん進んでいくとは思うが、消費者を置き去りにしないようお願いしたい。
       という意見があり、事務局より
    • 銀行と違う面もあるため、銀行の世界ではレギュレーションで一律規制ということだが、そうではなくて自主的な取り組みとしてやっていく必要があるのではないかと思っているし、自主的な取り組みでやる以上、しっかりやっていくという問題意識でこの検討を始めたい。
    • 消費者の観点で色々とコメントいただいた。これはまさにセキュリティ・消費者保護、そういった前提のもとで進めていく話だと認識をしている。しかるべきタイミングで消費者等の御意見も賜るという指摘もいただいたので、そこは議論の中でやっていく必要があると考えている。ただ、API連携、例えば家計簿アプリは、消費者の方が理解・認識をして自分のデータとして取りに行っているというところなので、匿名加工の議論で言及されたような消費者が知らないところで活用されているときとは切り分けて考えていく必要がある。
       という回答があった。

最後に、事務局より、次回の小委員会において、報告書案を提示して議論いただく旨発言があった。

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最終更新日:2017年3月22日
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