経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会(第2回)‐議事要旨

日時:平成26年7月11日(金曜日)9時00分~11時30分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

委員長
安井 至 独立行政法人製品評価技術基盤機構理事長
委員
秋池 玲子 ボストンコンサルティンググループシニアパートナー&マネージング・ディレクター
遠藤 典子 東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員
岡 素之 住友商事(株)相談役
岡本 孝司 東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授
開沼 博 福島大学うつくしまふくしま未来支援センター 特任研究員
崎田 裕子 ジャーナリスト・環境カウンセラー、NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長
辰巳 菊子 (公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問
西川 一誠 福井県知事
伴 英幸 NPO法人原子力資料情報室共同代表
日景 弥生 弘前大学教育学部・教育学研究科教授
圓尾 雅則 SMBC日興証券(株)マネジングディレクター
森本 敏 拓殖大学特任教授、前防衛大臣
山口 彰 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻教授
山地 憲治 (公財)地球環境産業技術研究機構理事・研究所長
山名 元 国際廃炉研究開発機構理事長/京都大学原子炉実験所教授
吉岡 斉 九州大学教授
専門委員
池辺 裕昭 (株)エネット代表取締役社長
岸本 薫 全国電力関連産業労働組合総連合会長
豊松 秀己 関西電力(株)代表取締役副社長執行役員 原子力事業本部長
松浦 祥次郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構理事長
オブザーバー
勝野 哲 中部電力(株)代表取締役副社長執行役員
経済産業省
上田資源エネルギー庁長官、高橋エネルギー庁次長
多田電力・ガス事業部長、吉野大臣官房審議官
村瀬電力・ガス事業部政策課長、畠山原子力政策課長
小澤原子力立地・核燃料サイクル産業課長
内閣府
氏原原子力政策担当室参事官補佐
文部科学省
増子研究開発局原子力課長
欠席者(敬称略):
委員
佐原 光一 中核市市長会 会長/愛知県豊橋市長
高橋 信 東北大学大学院工学研究科教授
友野 宏 新日鐵住金(株) 代表取締役副会長
増田 寛也 (株)野村総合研究所 顧問/東京大学大学院客員教授
専門委員
服部 拓也 一般社団法人日本原子力産業協会理事長

議題

  1. 国内外有識者からのヒアリング

議事要旨

ウィリアム・マーチン 元米国エネルギー省副長官による説明

  • 資料の1ページ目。70年代は中東から世界に輸出された石油のうち75%が米国及び欧州へ流れていたが、現在は90%がアジアに流れている。1991年以降、中東の石油を確保するために米国は6万1千人が死傷した。
  • この状況は地政学上の安定性とエネルギー安全保障の役割に関する興味深い問題を提示している。そして、日本は化石燃料にほとんどのエネルギーを依存しているという困難に直面している。
  • 今日、ロシアがエネルギーによって影響力を行使し、中国は資源獲得へ軍事的支援を強め、中東情勢は不安定になっている。米国が中東から後退しているのは戦争疲れのためである。
  • アジアに90%の石油が流れているが、アジアは石油を確保するために6万1千人を犠牲にすることができるのだろうか。
  • 1983年、米国の石油確保の責任者を務めた際、ブッシュ副大統領とともに検討し、中東を保護すべきとの結論に至った。1991年に半年間で50万人を一時的に中東から移すために7年の準備期間を要した。
  • しかし、6万1千人の死傷者が出ると分かっていたら、私は運輸部門で石油を使用しない方針へと移行し、原子力を発展させエネルギーを自給できるようにしただろう。
  • また、国家は石油市場で国益を確保する行動を取るため、自由市場ではない。エネルギーに関して国家は友好的ではない。
  • 資料の2ページ目。米国は電力の20%を原子力でまかない、十分排出量を削減し、エネルギー自給率を向上させている。日本は不幸にも逆の方向。
  • 日本は安全な原子力を確保すべきであるが、排出量の増加と自給率の低下を起こしている。地政学的に日本は領土問題を抱えている。日本を守るためのベストの選択は、エネルギー源を多様化し、原子力を維持することである。
  • 資料の3ページ目。日本のエネルギー政策では3つの“E”が重要と言っているが、その他に「技術」「軍事」も要素として存在する。
  • 石油について中東の防衛費用が掛かっていることを認識しておく必要がある。防衛費用も含めると1バレル300ドルとなるという試算もある。
  • 原子力には、福島にも関連した安全対策、石炭には気候への影響、石油やガスには中東の防衛費用などの外部性があり、これらもコストとしてカウントしなければならない。
  • 資料の5ページ目。どの国も可能な限りエネルギー自給率を高めなくてはならない。各国を比較すると、米国はエネルギー自給率が高く、EUは中間に位置する。EUはNATOの軍事的結束力に守られており、地理的に互いに近接している。
  • 日本はエネルギー自給率が最下位で、自給率を可能な限り上げることが非常に重要。電気自動車の導入や天然ガスの利用効率の向上により石油の利用を減らすことも重要。
  • 米国では、原発100基が稼働中であり、新規の建設を進めている。私はブッシュ政権やオバマ政権で原子力の諮問委員会の議長を務めてきたが、オバマ大統領やモニーツエネルギー省長官に対して、原子力を維持するよう進言してきた。
  • これは、エネルギーセキュリティのためである。原子力の維持は、電力価格の安定にとって重要。エネルギーの多様性を保持し、コストを安定させるため、非常に重要なことである。
  • また、民主党政権下で原発の運転期間を60年間に延長することに決めたが、これをさらに80年間への延長も検討している。
  • 米国のINPO(原子力発電運転協会)と協力している日本のJANSI(原子力安全推進協会)は、価格の安定化に貢献していて非常に重要。JAEA(日本原子力研究開発機構)も同様に重要。
  • 自由化される電力市場の中で、原子力は新たな挑戦を迎え、役割が見直されることとなる。どのように廃炉を順調に進めていくかは重要な課題。また、原子炉の運転期間が60年ではなく40年になると、廃炉に大きな負担となる。
  • 六ヶ所は使用済燃料のマネージメントの観点から重要。1988年の日米原子力協定締結以来約30年間、日本は信頼できるパートナーであった。
  • 再処理コストは誰かが負担しなければならない。これは経済性で決めるべき問題ではなく、国として決めるべき問題。自由化された電力市場で、再処理や廃炉などのコストをどのように負担していくか、この委員会でバランスを検討すべき。
  • 米国は日本の原子力技術を必要とし依存している部分がある。また、日本は技術開発を行うことで中東からエネルギーを獲得する原資を得ている。
  • 最近、日本で再生可能エネルギーの導入が20%に及ぶと聞いた。それは非常に印象的で良いことであるが、日本の技術が世界に輸出され、それが日本の経済に良い影響を及ぼすことが重要。省エネも同様。
  • 30年前のレーガン政権は、当時の中曽根総理と、「力を通じた平和」というコンセプトの下に、エネルギーについて特別な関係を築いた。
(委員)
  • 米国は今後シェール(ガス)・石炭・再エネに依存し、まもなくエネルギーの純輸出国に転じる可能性がある。米国が原子力を安定的に維持する重要性を強調することは勇気づけられるが、シェール革命の結果、今後米国の原発比率が低下する傾向は避けられないと考えられ、中長期的な見通しについて考えを聞かせてほしい。
  • 米国が中東湾岸に地域的安定のためインフラを提供してきた地域戦略はゆっくりと変化。イラクが崩壊寸前の中、イランの影響力が大きくなり、米国が中東湾岸から戦闘力を引いた後、中東湾岸に関わる程度が減少していくことを懸念。
  • 米国に代わる国はない。エネルギーセキュリティの観点から米国には中東に引き続き関与して欲しい。米国の中東政策が変化することで石油価格、エネルギー全体の傾向をどのようにとらえているか。
(マーチン元副長官)
  • オバマ大統領は、石炭に伴う外部不経済は原子力に伴う外部不経済より大きいことから、原子力を選択している。
  • 中東への米国の関与については、NATOも米国の撤退を懸念。米国は中東から絶対に撤退してはいけない。米国は中東への安定的なサポートをし続けるべき。米国が中東への関与をやめれば元に戻ることは困難。
(委員)
  • 原子力行政の専門家として敬意を表するが、原子力の肩を持ちすぎなのではないかと思う。
  • マーチン氏の資料2ページ目の原子力比率、CO2排出量のグラフについては何かの間違いではないか。原子力比率について15%は多いし、CO2についても2010年がボトムではない。
(マーチン元副長官)
  • 統計についてのご指摘はごもっともであるが、IEAのデータからとってきたもの。ただ、もっと重要な点として、私は特に原子力のファンではなく、自分は石油の経済学者。家族はシェールガスのビジネスを行っている。
  • 日本では、福島事故後に原子力に対してフラストレーションがあるのは理解している。
  • エネルギーセキュリティを考えるうえでは、あらゆるエネルギーオプションに外部不経済があることを理解すべき。経済性、環境などバランスがとれなければならない。
  • 今の日本は危機的状況であり、多くの選択肢があるわけではない。米国は現時点でシェールガスが出るという幸運な状況にある。
  • 仮説を申し上げれば、今後20年間で中国は日本に対して影響力を増していき、太平洋への関与を強めるためにあらゆる手段を講じていくであろう。もし日本に原子力があり、また、もし再生可能エネルギーを強力に導入すれば、そうした他国からの影響を受けにくくなるだろう。
  • エネルギーは友好的なトピックではない。米国を含め、あらゆるナショナルセキュリティの会議は、エネルギーの地政学を重要視している。
  • もし産業部門別のアプローチで依存度を減らし、再生可能エネルギーか、シェールガス、もしくは石油とガスのみに向かっていくとすると、様々な要素についてバランスを取ることが重要となる。
(委員)
  • 地球規模で考えるとこれから人口も増えるし、途上国も経済発展し、グローバルなエネルギー需要は相当な勢いで増えていく。
  • 地球規模でのエネルギーのベストミックスを考える際には、再生可能エネルギーの技術革新によってコストが下がることを期待しているが、化石燃料には制限がありコストも上がっていく。原子力は外せないのではないか。
  • 原子力は3Eの観点から相対的に優れているが、問題は安全性。
  • 日本や欧州など原子力先進国は地球規模で廃炉や核燃料サイクル、最終処分について一緒に叡智を結集して考えていくべき。
(マーチン元副長官)
  • 今の段階で最も多く使われているエネルギーは石炭。発展途上国においては石炭が最も経済的であり、ガスはLNGの形態で使うと高くなる。
  • 原子力は福島事故で明らかになったように、産業化の進んだ国は上手に扱えるが、新に原子力発電を扱おうとする国は、福島の教訓と、日本と米国の技術が必要。
  • もし日本と米国が原子力から手を引けば中国・ロシアが世界の原子力市場に乗り出してくる。核不拡散の観点からも、日米は原子力の問題にコミットし続けなければならない。天野IAEA事務局長もこのことをよく知っている。
  • 再生可能エネルギーを導入拡大することはよい。政府が補助金を拡大することもよい。しかし、日本の自給率の低さを見ると、何もしていないように見える。
  • 少なくとも30%のエネルギー自給率を達成するために投資することにより、日本はより強くなれる。
(専門委員)
  • 福島事故以降、原子力関連職場において原子力の将来展望が見いだせず、若手・技術者の流出、新規志望者の減少、保守・メンテナンス企業の雇用縮小などが懸念されており、技術・人材の枯渇を憂いている。
  • 米国においては、TMI事故以降、新増設が停滞していたが、技術・人材にどのような変化・影響がもたらされたか。
(マーチン元副長官)
  • 米国は海軍に多くの原子炉がある。米国が原子力の技術・人材を維持できたのはこのためである。
  • 日本の状況は分かっているが、日本には福島の教訓がある。
(専門委員)
  • JAEAやJANSIの重要性にコメントいただきありがたい。
  • 今後どのような議論においても、我が国の原子力比率やCO2排出量、エネルギー自給率の事実について心に留めておくべき。全体的な傾向は事実だと認識している。
  • 我々が合理的で適切な努力をしないとこの傾向はますます悪い方向にいく。
(委員)
  • 再処理について、コストは高いがナショナルセキュリティの観点から維持をすべきということであったが、米国はフォード大統領やカーター大統領の時代からナショナルセキュリティに関わることであるため民間再処理は禁止されてきたと理解。
  • 六ヶ所の民間再処理は核不拡散や、原子力施設の意図的な攻撃への脆弱性の観点から問題ではないか。
  • 米国の不拡散の考え方では、六ヶ所の再処理事業を民間事業者が行うことをサポートする意見には繋がらないのではないか。
(マーチン元副長官)
  • 米国においてエネルギー省は10万の民間企業との間で核兵器に関する契約を結んでいる。
  • もちろん政府のリーダーシップの下ではあるが、民間企業はより効率的。
  • 日米原子力協定の下でも政府は重要な役割を果たさなければならない。ただし、コストをどう負担するかは日本が決めなければならない。
  • ナショナルセキュリティについて言えば、米国では、それは電気料金に含まれるのではなく、税金に含まれている。
  • 六ヶ所についての負担をどのように分担するかはこの審議会で議論すべき。率直に言って民間セクターのみで負担するには膨大すぎるのではないか。
(委員)
  • 市民の声を聞いていただきたい。福島の事故で破壊された人々の暮らしを考えても、日本はまだ原子力をやっていくべきと考えているか。
(マーチン元副長官)
  • それは日本人が解決すべき問題。
  • 日本は相応しい協力の道を合意しながら進めてきた。米国が今回の福島事故での日本の対応を如何に賞賛しているかということをお伝えしたい。また、事故当時に仙台空港で米国兵を見て、私はとても誇らしかった。
  • 私はこの場で正しい決断がなされると信じている。このプロセスは必要なことを為さなければならないときの模範である。
  • 本委員会で発言の機会をいただいたことに感謝。

黒川清 元国会事故調委員長による説明

  • 福島から3年以上経ったが、何が起こっているか、世界がどう見ているか。世界には原発が440基あり、70基建てられている。これからみんな原子力を学びたい、共有したい、活かしたいのに、日本はそうしていないと見られている。
  • 地震・津波の状況はテレビ・インターネットで世界中に発信されたが、震災から2週間、日本は本当のことを言っていないのではないかと見られていた。
  • そこで国会事故調が作られた。憲政史上で初めてであるが、先進国ではそんなことは信じられないという反応。日本の政・産・官のガバナンスはそうなっている。これをホールボディスキャンしたのが国会事故調。
  • すべての委員会・記者会見はウェブに出し、英語で同時通訳した。法律で守られているアドバンテージを活かし、データを出さない場合はその事実を公開するし、あらゆるメディアに公表し、会見の質疑も含めて国民にも世界にも見せている。
  • 前例がないので苦労したが、すべての記録は国会図書館に納入し、できあがった本はインターネット上で全て読めるし、e-bookとして出すことも考えている。
  • 資料の最後のページ。インターネットが広がっている時代に、一番大事なのは「透明性の確保」。責任が重ければ重いほど、透明性を確保すべき。
  • 日本ではアカウンタビリティのセンスが欠けているが、説明すれば終わりではない。「説明責任」は誤訳である。
  • また、「強い」から「リジリエンス」に、「安全・安心」から「リスク」になってきた。4~5年前にこのようなことを言っていただろうか。「理論」でなく「実体験」がないと役に立たない。現場を知らない同質の人が考えていると、ときに間違ってとんでもないことを起こす。
  • (資料の1ページ目)(国会事故調で)直接的原因は地震・津波としていたが、その後、IAEAの人と話すと、日本が深層防護の5層の部分(シビアアクシデントの際の周辺住民避難)を全然やっていないということを知っていた。また、原子力安全・保安院は経産省のアマチュアが1年ごとにローテーションするものであり、大丈夫なのかと従来から疑問を抱いていた。
  • 9.11の後、原子力がターゲットになり得るので、米国は原子力の安全性には特に緊張感を持っており、そのレポートは経産省にもブリーフィングしていた。これが事故後に明らかになった。また、電力会社の地域独占・総括原価の下での色々な発注の実態も判明。
  • これはいわゆる「規制の虜」であった、ということを書いたのが国会事故調。テクノロジーでなくガバナンス、社会のシステムの問題。責任ある立場の人が言えなかったということを国民は感じている。
  • 根本的な原因は、結局、独占している企業は必ず腐るということ。政府はしなくてはならない規制をしなかった。しかも、やれなかった理由が色々と出てきた。
  • 「安全文化の欠如」「独善的なマインドセット」「排他的かつ同質性の高い組織文化」があった。それを直さない限り、事故の根源的な原因は直らない。
  • (資料の2ページ目)根源的な原因は技術的でなく組織的な問題。ずっと同じ組織にいることが常識と思っている人達に支えられた社会の構造・システムである。
  • (資料の3ページ目)事故の原因の総括として、今後何をするかを聞かれている。廃炉のプロセスは世界が未経験であり、世界中が見ている。誰がどういうプロセスで考え、どうすると判断したのか、きちんと見せるべき。
  • 汚染水対策については、世界の人達は助けたいのに日本からは返事がないと聞く。結局独占している電力業界はそうなってしまう。
  • これからのエネルギー政策はできるだけ地産地消ということで、風力、バイオマスなどを入れ、それを送電線にどれだけ入れることができるか。難しいと思うが、どうやって行政がやるのかが大事。相変わらず規制の虜が続いていて、これだけの事故が起こっても何もやらないのはおかしい。
  • (資料の4ページ目)原子力から真摯に学ぶのはよいが、実際に何をしたかが問われる。事業オペレーションの安定性、エンジニアの勤勉性、そういったものはいい。問題は、不透明な意思決定のプロセス。できなかったら責任をとるつもりなのか。世界に対してどういう責任をとるつもりか。
  • (資料の5ページ目)こういう世界で何が求められているか。「透明性」「世界との連携姿勢」が大事。世界の原子力関係者と積極的に共有すべき。次に事故が起きたときに、日本の経験をどのように活かしていくか考えていくべき。
  • 行政プロセスを全部見せていかなければ誰も信用しない。プロセスも福島のハンドリングもオープンなプロセスで、技術的客観性を保ちながら国際的に見ていく。また、全ての国民の十分なプロセス参加の確保が重要。
  • 具体的な提案としては、規制庁の若い人達は海外の同様の組織に3~4年行くべき。オペレータはトレーニングセンターに行くべき。共通の言語でやりとりできるように、オペレーションシステムを身体で理解するようになる。クリティカルな部分はインターナショナルになるべき。
(委員)
  • 私は政府の事故調の委員だった。国会事故調の特徴は日本社会のガバナンスの在り方をスキャンしたこと。政府事故調は百科事典的にデータを集めたということで互いに目的は違うが高く評価している。
  • 福島の事故調査は2012年夏で終わったが、常設の調査機関を作って資料を継続的に集め、できれば公開のルールを整備すべき。そうしなければ人類の共有財産としての活用ができない。
(黒川元委員長)
  • 白井さんという元国会職員の方が書いた本には国会事故調の位置付けが書かれている。立法府は国権の最高機関であり、国民の皆さんがどういう風に思っているかということ。廃炉のプロセスやエネルギー政策の決定の際にも、(国会事故調と)同じように意見を求めることが必要。
  • 米国にはガバメント・アカウンタビリティ・オフィス(GAO)という機関がある。それぞれの行政機関がどういう責任をどういう方法でやっているのかチェックしている。その中で、それぞれの国には文化があるということが分かってきた。
  • その結果、本年4月、各国の文化的背景を考えるというテーマで、IAEAがワークショップを行った。各国の代表は、この場に黒川がいないことを奇異に思ったようであった。
  • 日本政府がどういう対応をしているか、その振る舞いが国家の信頼になる。皆さんの立場でどうなのか十分に考えてほしい。
(委員)
  • 国会事故調は地震の影響についても考慮に入れており、他の報告書にない特徴がある。この点について深めていくべきであり、国会事故調を継続的に行うのが一番であるが、そのように働きかけていただきたい。
  • リスクについて、今回の福島第一原発事故が示しているように、実際の事故の確率は結果として非常に高かったということが、原子力委員会の核燃料サイクル技術等検討小委員会等においても明らかになっている。事故前の電気事業者等のリスク評価は10の-7乗程度という極めて低い確率で、事故は起こらないとしていた。一旦事故が起こると今回の場合だと10兆円くらいの非常に膨大な被害額となるが、これをリスク論で議論していくことについて、どのように深化していくべきか。リスク論に合わない面があるのではないか。
  • 透明性の確保が重要である点は同感。動画による公開をお願いしたいという意見書を提出している。原子力関係の審議会においては動画による公開をしてきたが、方向転換が図られている。
(黒川元委員長)
  • 福島は放射能が高くて行けなかったので実際に見れなかったが、国会事故調はプロセスを公開でやっているので、行けなかった状況も話すことができる。
  • 日本は大きな地震帯。地震の影響を常にルールアウトしなければならないという態度が大事。地方自治体の責任になっているが、そうではない。
  • リスクについて国民にどれだけ透明性をもって説明できているか。資料がウェブサイトにあるだけでは意味がない。
  • 国会事故調において、当時の保安院長に「全ての原子炉について、炉型や時期から採点すべき」と言ったが、回答できなかった。それができない理由は、地域独占しているということと、そのためにスマートグリッドを作っていなかったこと。
  • 透明性についても、立法府が独立したものを作って、廃炉のプロセスとかいろいろなものを聞いていけばよいのではないか。プロセスがよければ世界も納得する。国民に分かりやすくそれをやることを、皆さん一人一人がやることが重要。
(委員)
  • 技術論ではなくて組織のガバナンス、システム論をしていただいた。これに行政や大規模事業者が本格的に取り組むことが大事。
  • 資料の4ページにおいて「国民の十分なプロセス参加の確保」があるが、これからきちんと委員会に参加していきたい。
  • 事業者や国のシステムに対して厳しく話していただいたが、国民に向けての思いも話していただきたい。被災された方は大変な気持ちで暮らしているが、大勢の国民がエネルギーを使っている人間として、もっと暮らしとエネルギーとの関係について関わっていくべき。国民が変わらなければならない。
(黒川元委員長)
  • 大学生が「わかりやすい国会事故調」という動画を自主的に各国の言葉に翻訳して公開している。それを高校生が集まって広げようとしている。是非見てほしい。これを高校生や子供たちに広げていくとよいと思う。
  • また、若い人は選挙に行くべき。選挙は国民の権利であるが、若い人が参加しないと施策が高齢者寄りになってしまう。
(委員)
  • 原子力規制庁が力を持っていくべきという提案と理解。
  • 世界一厳しい規制基準に基づいて原子力規制庁が審査し、認められたものを再稼働するということだが、規制庁が力をもつまでには時間がかかる。直近の再稼働には間に合わないがどうすべきか。
(黒川元委員長)
  • 海外からは、新しく原子力規制委員会を作ったのは良いことだが、孤立しているのではないかと懸念されている。
  • 破砕帯の審査などには世界の専門家を連れて行けば良い。透明なプロセスと世界の知恵を取り入れるプロセスが重要。全て公開で録音もすべき。
  • 米国の原子力規制委員会(NRC)は事故時の対応を全て録音していた。上の人から下のスタッフまで全部のコンタクトをレコードしている。
  • これが信頼の一番の根幹である。プロセスをいかに透明にしておくかが行政の責任。

資料5 検討課題の整理(案)について事務局から説明

(委員)
  • 検討項目に入れていただきたいものとして、行政のリスクマネジメントがある。事故の際の行政のリスクマネジメントのプロセスがどのようなものであるべきか。行政府の安全管理や事故管理・事故対策のプロセスとシステムの在り方などを加えるべき。
(委員)
  • 資料5について「速やかに」は多すぎるので、全部外しても良いのではないか。
  • 継続的に施策を実行というのは今の方針を変えないということか。変える可能性も含めて検討すべき。
  • 技術・人材の維持・発展は依存度低減に伴い、人数と分野がどう変わるか。例えば廃炉・廃棄物処分が進んで人数は今の半分で足りているかもしれない。
  • 最も重要なのは福島事故の収束であり、あらゆる課題に優先すべきだが、それがないのは違和感がある。原子力小委員会のミッションでないという判断もありうるが、これも論点として入れるべき。
  • 国民・自治体との信頼関係構築について、「継続的」という表現があるのは、従来の路線を変えないということか。根本的な問題として世論調査においても国民の多数が再稼働に慎重あるいは反対であるにも関わらず、従来路線を変えないような表現であるため、抜本的に新しい仕組みを作る、などの論点も加えるべき。
(専門委員)
  • 競争環境下における原子力事業の在り方について、原発は従来から公益性の高い電源であることに加え、今回の小委員会の議論を通じて、公的性格がさらに強まるのではないか。その際、競争環境下における原発の電気の利用の在り方についても検討項目に加えて欲しい。
(委員長)
  • 資料7において、インターネット公開を求めている。
  • また、意見書には記載していないが、前回の課題と論点のうち、1点目(福島の再生・復興)と3点目(不断の安全性向上)は欠かせない課題であるが、検討課題に記載がない。どこかに含意されているのであれば教えて欲しい。
  • 追加的な課題として、廃炉を促すのであれば、大量の廃炉が行われる中で専門組織が必要ではないか。原子力市民委員会報告書には、「日本原子力廃止措置機関」の創設を提案。
  • また、廃炉は地域経済にどういう影響があるか。場合によっては3法交付金の継続も必要ではないか。
  • 廃炉について、今は解体、撤去が大きな方針であるが、長期的な視点を考えると即解体撤去が合理的なのか疑問。例えば英国では90年くらいの安全貯蔵期間があるが、海外の例も参考に検討すべき。
  • 原子力の必要性について、エネルギーセキュリティなのかナショナルセキュリティなのか区分して議論していくべき。エネルギーセキュリティであれば、自給率の観点からも再生可能エネルギー100%に向けて施策をとっていくべき。ナショナルセキュリティであれば民間事業とは切り離して議論すべき。
  • 原子力の経済性を再評価すべき。福島の復興・除染にかかる費用などは多大であり、それを反映したものとしてもう一度見ておくべき。
  • 使用済燃料と中間貯蔵について、柔軟なオプションを取りながら進めていくべき。
  • もんじゅをどう使うのか議論すべき。廃棄物の減容化というのは単にもんじゅの生き残り策ではないのか。減容化を考えるのであれば、むしろ常陽を使えばよい。
  • 国民・自治体との信頼関係について追加的に提案したい。放射性廃棄物WGにおいて、第三者機関の設置を提言している。信頼の回復や、廃棄物の議論をしていくにあたっても第三者機関の設置について議論していくことは重要。
(委員)
  • 原子力の立地自治体の立場を中心に申し上げる。
  • 原子力依存度低減の達成に向けた課題、競争環境下における原子力事業の在り方とあるが、今後原子力に対してどのように考えていくのか。原子力に対する問題について腰を入れて向き合わないと、安全や信頼に支障が出る。問題の設定の仕方が大事。
  • 原子力依存度低減はこれをゼロにするのか維持するのか、大きな方針を基に大切なエネルギー資源をどうするのか、説得力を持った議論が必要。成り行き的なテーマ設定はいけない。
  • 大学・研究所では人材の確保もできない中で、政府の姿勢も問題であるが、腰を入れてこの問題に向かうべき。
  • 電力システム改革における一定の競争論理は重要。ただ、現に全国にプラントがあり、競争論理だけでなく、安全面が重要。今以上に安全の問題にしっかり取り組まなければならない。
  • 「立地自治体に対してどういう施策を講ずるか」ということではなく、再稼働をどうするか、廃炉をどうするかなど大きな課題があり、全体に日本全体のエネルギー、国家の資金流出も考えての施策でなければならない。
(委員)
  • 国民自治体との信頼関係構築について、本格的に取り組むと期待しているが、再稼働など色々なことが進む中で、一緒に走らせるべき。できるだけ早い段階で取り組むべき。
  • エネルギー基本計画の検討の際にも、地域できちんと話し合っていくような場を考えていくといったような方向性・可能性が出てきた。エネルギー基本計画を踏まえて、もう少しきちんとした議論をしていくべきではないか。
(委員)
  • 小売の全面自由化となる2016年までに競争環境下における原子力事業の在り方を見直すことは喫緊の課題と認識。
  • COP21が開催される2015年の第1四半期にエネルギーミックスを出す可能性があるということも念頭に、スケジュールを組み立てて行くべき。
  • 行政府の事故管理、リスク管理という点からも事業者の予見可能性を高めるための原子力損害賠償制度の見直しについても、視野に入れていくべきではないか。
(委員)
  • ベストミックスの検討と今後の原子力政策の検討の前後関係が分からない。
  • 原子力は安全保障の観点から重要性を謳っているため、原子力発電がどれほどあると好ましいのか、目標値を示すべき。当然目標値を算出するためには再生可能エネルギーの導入量、火力発電所のリプレースへの投資額、再エネを増強するためのグリッドへの投資額、ガスマーケットの動向等を評価した上で、原子力比率を算出すべき。目標があり、それを満たすためにどうするかという具体的な検討を進めていくべき。エネルギーミックス検討の前後関係をよく認識しながら進めるべき。
  • 既設炉に対する政策と長期的な政策をうまく分けて考える必要がある。
  • 防災対策について、万が一何かあった際にどこまで手を尽くしているか、国民から問われている。深層防護でいえば第5層目がよく見えない。これは原子力規制庁ではなく、地方自治体の仕事だという話もあるが、防災への取組は推進側の政府の大きな仕事でないかと思う。検討テーマから落ちているため、是非お願いしたい。
  • 核燃料サイクルについては、長期短期の両方に関わる問題なのでできるだけ検討を早く開始してほしい。
(委員長)
  • エネルギーミックスの検討とCO2目標の検討については、別の委員会がパラレルで立ち上がるはずであり、おそらくそちらで検討することになるのではないか。
(専門委員)
  • 原子力に関わる人的基盤への影響は現在進行形であり、これは震災以降の原子力政策の方針の揺らぎによるもの。エネルギー基本計画を閣議決定したが、これをいかに実行していくかが重要であり、現場は日々注視している。原子力政策の再構築に向けて政府のぶれない姿勢が大事で、これが現場のモチベーションにもつながる。
(委員)
  • 国民の信頼回復はこの審議会の課題とマーチン氏は言っていた。福島ということを忘れてはいけない。是非課題に入れていただきたい。
  • 基本方針の考え方として、議論の積み上げの結果で、原発依存度低減となったとしているが、そうではなくまずはターゲットを設け、バックキャスティングの手法でその方向に向かってこうあるべきという考え方もあるのではないか。
(委員)
  • バックキャスティングの話は重要。積み上げつつ、ゴールを見据えつつパラレルでやってくべき。
  • 依存度低減だけでなく、一番大きいのは使用済燃料・核燃料サイクルをどうするか。これで全ての方向性が決まってくるのではないか。核燃料サイクルについて、様々なオプションを考えていくべき。
  • 現在プラハで原子力関係の国際会議が開かれているが、日本の原子力をどうするのか大きな議題になっている。
  • 動いていなくても事故は起き得るため、海外からも今事故が起きたらどうするんだと心配されている。課題について他省庁とも連携して提言できるように議論を進めるべき。基本的には国際的な視点から考えていくべき。
(委員長)
  • ご指摘のあった会議の公開について、透明性=インターネット公開とは思っていない。各委員の皆様が専門的、技術的、経済的な見地から原子力政策上のご発言をいただくことが一番重要であり、その次に透明性。
  • インターネット同時公開でなくても透明性は担保できると考える。インターネット公開をすることによる透明性が全部プラスに働くわけではなく、その場で意見を言いにくいという方がいれば、インターネット公開をしないことが適切だろうという判断。これはある意味で慣れの問題もあるかもしれないが、慣れない委員からご意見をいただけないと元も子もないため判断させていただいた。今後更に議論があれば改善の方向性もないわけではない。
(事務局)
  • 内容については、それぞれの回で議論させていただきたい。検討項目や進め方について、まず検討の順番について「速やかに」というのは小委員会での検討に着手しなければならないという趣旨。進め方については、(1)原子力依存度低減の達成、(2)技術・人材の維持・発展・・・を順で進めることとしている。
  • 福島の再生・復興、不断の安全性向上について、本小委員会で全てのことについて一から議論できるわけではない。これまでいろいろなところで議論が行われてきており、エネルギー政策全体はエネルギー基本計画も閣議決定されており、福島については具体的な施策も進めて対策もとっている。安全性向上については別途自主的安全性向上WGで結論も出ており、こういった成果を活かしていく。また、福島については、全ての出発点として5ページの冒頭で記載しており、安全性の向上については、廃炉や技術・人材など、個々の論点のところで議論していくということ。
  • 資料は3回目以降の検討課題としていたが、本日、黒川先生にお越しいただいたのは、まさに福島事故から得られる教訓を聞きたかったもの。
(事務局)
  • エネルギーミックスの検討について、数字が決まれば政策の検討も進むということは理解。
  • できるだけ速やかにエネルギーミックスの検討を行いたいが、その前に改めて再生可能エネルギー・省エネルギーを含めてエネルギー政策全体を考えていきたい。また、原子力については、再稼働が進んでいない状況で特定の数字を議論することがいいのか。できるだけ早くと思っているが、そう遠くない将来にエネルギーミックスの検討を開始し、必要に応じてフィードバックしたい。
(事務局)
  • 本日欠席の友野委員から資料6をいただいているため、適宜参照いただきたい。また、前回の小委員会の際に吉岡委員から配付要請のあった資料についても参考資料4としてお配りしている。なお、吉岡委員からはもう1点資料の配付要請があったが、こちらは入口で配付をしている。当該資料は各回の議題等に照らして、委員会として配付するということにはしていない。
(委員)
  • 配付資料はテーマに沿っており、配付を棄却することは今後の委員会運営に悪影響を与えるのではないか。
(委員長)
  • 資料の配付については、委員長として正当と認めたものだけとしており、今後の運営に悪影響があるとは考えていない。
(事務局)
  • 次回は7月23日(水曜日)14時30分~を予定している。

以上

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最終更新日:2014年7月18日
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