経済産業省
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総合資源エネルギー調査会電気事業分科会制度環境小委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成23年2月16日(木曜日)14時30分~17時
場所:経済産業省別館11階1120共用会議室

出席者

山内委員長、大橋委員、小野委員、城所委員、杉本委員、武井委員、多田委員、西澤委員、林委員、廣江委員、野畑委員代理、横山委員

議題

  • 第4次電気事業制度改革の効果検証について
  • 卸電力市場の競争環境整備と最近の状況について
  • パブリックコメントの結果報告について
  • その他

議事概要

冒頭、金本電気事業分科会長の指名により、青山委員に代わって社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の 杉本 まさ子 常任理事・広報委員長が委員として新たに就任したことを報告。
山下課長、株式会社テクノリサーチ 上田主任研究員、一般社団法人日本卸電力取引所 岸本事務局長より資料説明。
以下、主な発言要旨。

委員
  • インバランス制度の見直し等の第4次電気事業制度改革によって、事業運営はスムーズになっている。その点は感謝申し上げたい。しかし、競争は進んでいないというのが実態と思っている。資料3、8ページのPPSのシェア(3.42パーセント)からしても競争状態とは言えないのではないか。
  • PPSからすると火力発電で競争ができると考えていた10年前とは状況が変わっている。原油が1バレル20ドルだったのが、7~80ドル程度になって原価が大きく変わっていること、地球環境への対応で新規に石炭火力発電所を建設することが難しくなっていることがある。
  • 昼間に電気を多く使う需要家は料金単価が高いため、PPSが持っている石油やLNG等を燃料とする火力発電のように発電単価が高いミドル電源でも競争力がある。一方、一般電気事業者の夜間の電気料金は安く、PPSにも安価なベース電源がないと、夜間では一般電気事業者に太刀打ちできない。したがって、昼間の需要が中心で負荷率が低く、基本料金が相対的に高くなる需要家(多くは業務用)にしか供給できなくなる。PPSが供給し得る需要は全体の一割程度でそこにPPSが集まっている。
  • 負荷率の高い需要家に供給できないということは競争上問題があるのではないか。
  • 自由化以前から総括原価に基づき費用回収を確実にしながら電源を構成してきた一般電気事業者には、今の状態ではPPSは競争できない。更なる競争が必要ということであれば、本気で一般電気事業者間で競争(電力間競争)をさせるか、総括原価の下で作った原子力等の電源をPPSも使えるようにするか、どちらかだと思う。
  • ベースとなる電源をPPSも獲得しようと公営事業者のところへ働きかけるが、一般電気事業者と長期契約を締結しており外に出てこない。
  • PPSが持ち得ない電源を受給しているという意味で常時バックアップがある。部分供給の派生で常時バックアップができたと思っているが、これがないと事業がまわらなくなる。
  • 親会社で大型電源ができると、その分、常時バックアップを減らせと一般電気事業者から言われる。これでは、いくら電源を開発しても供給力を拡大できず、PPSはシェアを増やそうにも増やせない。火力発電がベースとして使えない中、ベースとなる常時バックアップが使えないと経営が不安定になる。PPSが持てない電源を一般電気事業者が出せないということになれば、JEPXのスポット取引の調達になるが、必ずしも調達できるとは限らない。そうなると、事業を縮小していくしかなく、事業の撤退も視野に入る。
  • 発送電一貫体制の下でPPSが電源調達しやすくするためにJEPXができたと認識しており、一般電気事業者が安定的にタマ出ししないと活性化されない。それなのに、JEPX活性化のために常時バックアップを縮小するのでは本末転倒。競争と活性化は同時にやるべきであって、活性化そのものが目的になってはならない。これは小売市場の縮小にも繋がりかねない。JEPX活性化で、小売市場が活性化するようにしなければならない。そのためには、例えばプール制や強制タマ出しなどが必要になる。また、常時バックアップから、現在でも制度上禁止はされていないが一般電気事業者に認めていただけない、部分供給への移行も必要と考えている。
  • まとめると、JEPXの活性化、部分供給、電力間競争が必要なのではないか。
委員
  • 常時バックアップは問題のある制度であることはわかっていたが、短期的に有用であるため導入されたと思う。短期、長期に対策が必要であることは認識している。卸電力市場が機能できるようにしてから常時バックアップの廃止というのが道筋であるが、それは5次制度改革時の議論と思っている。なお、エネルギー基本計画の記載が載っているが、エネルギー基本計画の審議のときに、これは常時バックアップの縮小、廃止を示すものではない、と明確に答えをいただいたと思っている。認識が異なっているのであれば、そう言っていただきたい。
  • 電気料金の内外比較について、購買力平価も重要であるが、グローバルに競争をしている企業にとっては、あまり意味はなく、為替レート換算が重要なのではないか。電源構成が異なるから電気料金が高くてもいいというのでは、一生懸命原子力を推進してきた事業者が報われない。
  • 資料3の8ページについて、自家発も含めると競争はされているという発言が別の審議会でもあったが、確かに競争はあるためある意味では正しいのだが、やはり新規参入者のシェアの方が重要であることは言っておきたい。
  • PPSは負荷率の低いところに集中しており、ベース電源がないため負荷率の高いところに入りにくいのは事実である。これを負荷率の高いところに入りやすくすることが、5次制度改革時の論点と思う。
  • 裾切り制度について、2年が妥当ではないか、という判断をされている。もちろんこの制度が新規参入の後押しになったという意見は重要だが、そう答えているのは参入している人であって、これがあっても参入できなかった、という意見も重要であり、ここは事実だけを記載すればいいのではないか。5次制度改革時に白紙で議論してもいいと考えている。
  • 選択肢の確保状況については、必要条件ではあると思うが、十分条件ではないと考えている。選択肢があっても価格が片方は高すぎる、というようなことでは意味がない。
  • 直接の電力間競争ではなくても、今まで一般電気事業者に供給していた卸事業者がJEPXにタマを出し、それをPPSが調達し、小売事業を営むといったことは実質的には電力間競争と言えるのではないか。そういった意味で、IPPや卸事業者が一般電気事業者向けの電源を一部切り出して、PPSに売ることも重要であり高く評価すべきと考える。一方、切り出しをしたい、という場合に一般電気事業者がそうしないように圧力をかけるとすれば、そのようなことはしていないと思うが、電力間競争を阻害するものではないか。
委員
  • 第4次電気事業制度改革の際には、一次エネルギー価格の高騰や中越地震等の影響で、エネルギーセキュリティや安定供給にも力が入れられていた。第4次制度改革への対応は、それなりに評価されているものと認識している。
  •  一般電気事業者としての実感では、小売市場での競争は相当程度進んでおり、かなりの危機感を持って競争している。PPSだけでなく、ガス事業者、自家用発電設備の設置等も競争相手である。競争に対応するには、今後の経営効率化が重要と考えている。
  • 水力や原子力等のベース電源の開発は、一般電気事業者が長い時間をかけて取り組んできたもので、一般電気事業者の競争力の源泉でもあり、簡単に切り出せるものではない。それぞれのプレーヤーが強みを発揮し切磋琢磨するというのがあるべき姿ではないか。
委員
  •  第4次電気事業制度改革において自由化範囲を拡大しないことの理由として挙げられていた、需要家の選択肢の確保状況や価格交渉力については、現在も変わっていないという印象がある。
  • PPSは常時バックアップや相対取引ではなく、卸電力取引所を積極的に活用すべき。取引所を活用することで、競争が促進され料金低減にも繋がるのではないか。
委員代理
  • 扇島に80万kWの発電所を立ち上げており、PPSやJEPXにタマを出していきたいと考えている。しかし、その際JEPXの厚みが気になる。今は約定量の絶対値にフォーカスが当たっているが、価格のボラティリティが高く、どれだけ売れるかが不明確では、発電計画を立てにくい。扇島は高効率のコンバインドサイクルの発電所であり、それなりの価格で売れると思っている。ボラティリティが低く、安定的に売れる仕組み作りをお願いしたい。
委員
  • JEPXは、今現在、今年度だけで取引量が50億kWhを超えており、当初に比べると取引量は大きくなっている。一般電気事業者としても、さらに(取引量の増大に)努力していきたい。
  • 常時バックアップについては、量的な減少は、PPSの電源の運転開始が大きいのではないか。常時バックアップは供給力の少ないPPSの補完ということを踏まえれば、当初の目的は達成し、その位置付けについては再検討されるべきである。コンバインドサイクルのような高効率の電源があるというようなことも考慮すべきと思う。
  • 卸電力市場における電力調達について、民-民の契約行為であり、これまでの両者の意思を尊重してきた。今後も互恵の観点から適切に対応していきたい。
  • 先ほど話に出た自家発の話は私が発言したもの。自家発とは激しい競争があるのは事実。実感として、自家発との競争とガスとの競争は異なるものではないか。
委員
  • 自家発の話が出たが、私はオンサイト自家発サービスを念頭にしているものと思っていた。自家発には3つあると思う。1つ目は、単純に燃料を焚いて需要を満たすもの、2つ目はプロセスに不可分な蒸気と熱を供給するため自家発電しその余剰電力を活用するもの、3つ目はプロセスの結果発生する副生物や廃熱を利用するものである。感覚的には2つめのものが自家発においては大部分と考える。特に燃料を直接焚く方式は少ないのが実感で、燃料費の高騰により多くは淘汰されているのではないか。そう言う意味で、どこまで一般電気事業者と競争していると言えるのか疑問である。
委員
  • 本小委員会の第1回~第3回は、再生可能エネルギーの導入拡大を電気事業制度で如何に安定的に受け止めるかということだったと思う。ここで受け入れた再生可能エネルギーは高コストであるため、同時に競争促進や効率化の議論が必要と思う。
  • 常時バックアップの利用状況、負荷率と価格差は問題があるかとも思う。しかし、新規PPSを中心に安定的な電源調達手段としては重要であり、完全に止めてしまうのではなく、裁定取引が出来ないような方法を考えるというのもあるのではないか。また、固定費が高い電源にどのようにアクセスさせていくのかも重要である。
委員
  • 安定供給の観点から、第4次電気事業制度改革がうまくいっており安心した。同じ系統から電気の供給を受ける以上電力品質は変わらないので、電力品質の情報が不足しているという需要家が多いのはよくわからない。
委員
  • 電気料金の内外比較については、電源構成や燃料費を除いた時の定数項の違いがどうして生じているかという部分が重要と思う。
  • PPSは、現状、競争力を失っているということだと思うが、単純に競争環境整備をするのではなくて、何を第一とするのか、国として目指す姿を明確にした上で手段を決定すべきである。
  • 卸電力市場における電力調達に関し民-民の契約行為であるという発言があったが、民-民の契約だからといって許されるのは、きっちり競争している場合のみである。
委員
  • 電気料金の内外比較について、3Eの多角的評価をした上で、諸外国との比較をすることは必要と考える。今後も勘案していくべき。
委員
  • 常時バックアップからJEPXに移行する際、常時バックアップからの移行分が増えるが、一方で買い札が多くなると価格は上昇し、売り手市場になる。もっとタマが出てくる、というような裏付けがあればいいが、発送電一貫体制では、一般電気事業者にJEPXにタマ出しするのにメリットがなく、取引所取引の活性化は期待できない。また、小売価格にリンクしている常時バックアップと違い、JEPXは価格が高い時期があった。
  • 確かにミドル電源では競争力があるが、ベースではない。一緒くたにされて常時バックアップが廃止されたのでは、需要の獲得はできない。それなら、ミドルはPPS、ベースは一般電気事業者の部分供給があるのか、ということになる。
委員
  • この10年ほどは業務用のコジェネが増えているというのが実感である。系統電力を買ってもらいたい一般電気事業者と、機器と燃料供給をセットにしているガス、石油業界が競争している状況と考えている。

山下課長より、パブリックコメントの結果報告。山内委員長より、電気事業分科会での意見も踏まえて内容を修正の上、本小委員会の「中間取りまとめ」とすることを報告。

問い合わせ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2011年3月14日
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