経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革小委員会 制度設計ワーキンググループ(第2回)‐議事要旨

日時:平成25年9月19日(木曜日)18時30分~21時
場所:経済産業省本館 地下2階 講堂

出席者

制度設計ワーキンググループ委員
横山座長、稲垣委員、大橋委員、辰巳委員、林委員、松村委員、圓尾委員、山口委員、中野委員、前田委員、野田委員、瀧本委員、寺島委員、遠藤委員、沖委員
オブザーバー
大口自家発電施設者懇話会 白木事務局長、消費者庁消費生活情報課 片山課長
経済産業省
後藤大臣官房審議官、高橋電力・ガス事業部長、木村省エネルギー・新エネルギー部長、村瀬電力・ガス事業部政策課長、都築電力・ガス市場制度調整官、安永電気事業制度企画調整官、山崎企画官、片岡電力市場整備課長、畠山原子力政策課長、岸電力基盤整備課長、井上電力需給・流通政策室長 他

議題

(1)事務局・オブザーバー説明

  • 小売全面自由化に係る詳細制度設計について
  • 新たな供給力確保策について
  • 小売自由化、送配電部門の一層の中立化に必要なルール整備
  • 自己託送制度の制度設計について

(2)自由討議(含む質疑応答)

委員・オブザーバーからの意見の概要は以下の通り。

  • ライセンス制について、特段異論なし。今後はこのラインにそって業務の仕分を行っていく。複数のライセンスにまたがった業務についてどう対応していくのか。顧客の利便性を下げないよう、引き続き検討に協力していく。
  • 供給力確保について、一番重要なことはシステム全体として安定供給が確保されること、各事業者の役割に応じた具体的な制度を考えていくことが重要。
  • 発電については、燃料等を調達し、確実に発電していく。小売については、自らの顧客の需要に応じた供給力の確保に努める。すべての小売が系統の安定に協力するインセンティブが働く仕組みが重要。
  • 送配電事業は安定供給の最後の要。不安な面もあるが、システム全体として、待機予備力も含めた調整力を系統運用者が確実に確保できる仕組み、発電事業者及び小売事業者が系統運用者の給電指令に応じる仕組みが必要。系統運用者がこれらを実現するためのコスト負担の仕組みも今後の検討が必要。
  • 留意すべきは、中長期。中長期の断面で供給力や予備力がきちんと担保されるかどうかには不安が残る。電源入札などがワークする仕組みをつくることが重要。
  • (資料3-1・11ページ)三位一体とあるが、地域独占がなくなれば規制がなくなると誤認している人がいる。一定の規制は残る。三位一体を悪用しないようにしてもらいたい。
  • 最終保障約款について、経過措置として規制料金が続く間は、あまり問題は無い。しかし、経過措置がかなり早く終わってしまった場合のことを考えると、届出で良いのかは議論があるかもしれない。しっかりと競争が進んで、これなら安心して経過措置をなくせる、規制料金をなくすことができる、となった場合なら、届出で問題はないと思う。
  • (資料3-1・25ページ)いろいろな要素をあげているが、そもそも経過措置は全国一律に解除されるのか、あるいは地域ごとになくなっていくことも想定しているのか。

    → 経過措置の解除を全国一律とするか、地域ごととするかについて、例えば公正取引委員会の考え方に基づけば、日本全体を一つの市場として見るのも一つの考え方。ただし、この点についてはこれまで議論がされておらず、今後の検討課題。(事務局)

  • (資料3-2)安定供給のための対策が一番大事。
  • 長期の供給力確保策としては広域機関が電源入札を行う、ということだが、現在東電の火力電源入札では事前・事後で中立委員会がその適正性についてチェックしている。合理的かつ能率的な方法で行われることが重要。広域機関が行うこの入札については、その費用は託送料金で回収されることになるので、東電以上にしっかりチェックを行うことが必要。電源入札について実際に行う際には、例えば委員会を立ち上げてきちんと議論を行う必要があるかもしれない。どのような入札を行いたいのか、という原案は広域機関が作成するべき。
  • 事務局の資料では、系統運用者に安定供給の義務がかかっていて、そのために必要となる予備力は系統運用者が持つべき、となっていると理解。予備力の確保に必要な費用は託送料金(規制料金)で回収するものと私は考えている。回収漏れはないので、安心して確保してくれというメッセージをしっかり出していくべきではないか。規制する側が後出しじゃんけんをして一部の費用回収ができなくなる事態は避けるべきであり、一定の配慮が必要。その際、長期相対契約に基づく調達については、オープンな調達が行われるべき。公正な調達が行われる限り、託送料金に上乗せすれば良い。
  • 短期的にはこのやり方で良いが、長期的には小売事業者に予備力を持たせるという選択肢もあるが、広域機関で考えればよいこと。すなわち、系統運用者が必要な予備力を確保するために要した費用が高くなると託送料金も高くなるので、実は新電力にとってもよくないかもしれない。そうなると、小売事業者としては自分で予備力を持ったほうが経済合理的だ、と判断するかもしれない。予備力の持ち方については、長期的にはいろいろなオプションを考えるべきであるが、5~7年後を見据えた制度という意味ではこの案は合理的。

    → 予備力は送配電事業者が保有することが基本であるが、小売事業者が予備力を持たなくて良いという意味ではない。需要に応じて供給するためには小売事業者も自社需要に応じて一定の予備力を保有することが想定され、これを含めて、トータルで系統全体での必要予備力を確保し、安定供給を確保していくという考え方。(事務局)

  • (資料3-4)自己託送に関するインバランス料金の「裾切り」には賛成。私は、どうして2年で(裾切りの適用)対象外にならなければならないのか、と思っている。ここに示されているアンケート結果をもって、2年で十分なのだと思われるのは不本意。これは裾切りでうまくいった人(新電力として事業を継続できている者)に対するアンケートなので、この資料のみでは利用しないでもらいたい。他方、今回の事務局案には賛成。
  • 小売事業者は設備・施設を持たないという前提だが、小売事業者の確保すべき供給予備力とは何か。誰がいつ誰に対して何をすることを指すのか。

    → いくつかパターンが考えられるが、自分で電源を持つパターン、発電事業者と長期契約を結ぶパターン、取引所から買ってくるパターン、それぞれの場合で電気の供給がしっかり行われることが求められる。(事務局)

  • 「市場」がどのようなイメージで今後作られるのか。市場システムが成長していくためには、系統や広域調整が成長しないといけない。そのシステムがないと、成長できない。最初から大きいシステムを作るのは時間がかかるし費用もかかるが、できあがったシステムに後から新たな機能を追加していくことも困難な問題が多い。システムは市場のあり方に応じて自ずと決まってくるものであり、まず市場をどう捉えるかが重要。供給力確保や先物取引の位置づけ、相対取引と市場取引の関係等、課題はたくさんあり考えるべきことは多い。先物取引のようなものを取り入れるのであれば、相応のシステムをきちんと作っていくことが必要。システム部分までリアリティを持って考えることが必要。
  • 資料3-1について3つコメントがある。
    • 17ページ、第一種送配電事業者については周波数維持や電圧維持といった品質確保義務があるが、第三種送配電事業者にはない。スマートコミュニティを推進する上でも、利用者の安心を高めるため第三種送配電事業者についてもこれを義務づけることが必要ではないか。
    • 19ページについて、節電事業者も発電事業者と同様の効果がある。将来的には発電事業者と同様に節電事業者も第4の類型として位置づけても良いのではないか。今すぐにこれを位置づけるべきということではないが、日本は資源の少ない国でもあり、将来的にはそういう議論も行ってほしい。
    • 25ページについて、スマートメーターは需要家がスムーズに小売事業者を選択するために必要なインフラ。できる限り全戸導入のスケジュールを前倒ししていただきたい。
  • (資料3-2・20ページ)ベース・ピーク等のスペックの指定という点については、広域機関はどのような電源が必要なのか分かるはずであり、必要な電源を調達できるような制度とするべき。上限価格設定は必要。
  • (資料3-3)(5)緊急時対応について、ライセンスが分かれたが故に、従来よりも復旧が遅くなるといったことがないように、事業者間の協力体制をしっかり築いてほしい。
  • 供給力の調整については、基本的には民間の事業者が民間の判断で電源を開発した結果として、需給が安定するのが理想。長期の需給の見通しをきっちり作ることが重要であり、したがって広域機関が作成する需要想定が大変重要なものとなる。各事業者の意見をしっかり聞きながら、詳細な積み上げを行い、レポートとして示すことが必要ではないか。
  • 広域機関が行う電源入札について、リスクヘッジがされている形で電源を建てるならば、民間の自主開発とのリスクの差は大変大きい。卸市場への全量タマ出しや上限価格は当然だろう。電源入札によって建てた電源が非常に高いリターンを得られるとなると、皆が入札実施を待つようになる。そういうことのないよう、自らリスクを取って電源を設置する事業者がより高いリターンを得られるよう一定のハードルを課すべき。
  • 経過措置について、その解除条件については定量的で細かい目標の設定は避けるべき。
  • 需要家がちゃんと選べているという満足感が大事。例えば東京は競争が進んで、地方は全然進んでない、という状況もあり得る。そんな状態でもスマートメーターが普及していれば、会社を選ぶことも出来るようになる。解除については総合的に判断すべき。
  • 自己託送について、低圧部門でもこれが可能となると、例えば田舎にある実家の屋根を使って太陽光発電で発電した電気を東京のマンションへ自己託送を行う、ということも想定される。こういうことも念頭において制度を設計すべき。
  • (資料3-1・25ページ)経過措置について、時限的な規制のはずが、時限的にならず恒久化する恐れがある。規制廃止への行政のコミットメント確保や、競争の進展状況の定量的な確認はとても難しく、先送りになりかねない。競争環境整備を制度的にきっちり固めて、それが整備されれば自由化に進むというのが本来的には望ましい。「総合的に勘案」では先送りになってしまうかもしれない。
  • (資料3-2)小売事業者に供給力確保を義務付けるということだが、この際に予備力をどう考えるかがポイント。予備力の確保は事業を行う上での矜持とも言えるものだが、この確保が参入障壁だと考えるのであれば、むしろ、いかに安価に供給力を調達できるようにするかを考えた方が良いのではないか。
  • (資料3-2・14ページ)供給計画について、小売事業者の中には、供給計画を過大に、販売計画を過小に申告する者が出てくる。長期の供給力確保を計画するときにどうチェックするのか、大変重要な問題。10年先の想定のクオリティをどう担保していくのか。現状でもこうした問題は発生しているのか。
  • (資料3-2・16ページ)再エネの評価について、再エネだけでなく、ディマンドリスポンスも供給力として評価できないか、検討いただきたい。

    → ディマンドリスポンスについて、広域機関が全国の需給を把握するときにはもちろんディマンドリスポンスについても把握していく。供給力と同様に評価に織り込んでいくことが前提。(事務局)

  • (資料3-4)自己託送について、この背景として、自己託送の現状がどうなっているのかがわからない。現状が分からないので、規制の強化なのか緩和なのかが分からない。

    → 自己託送について、現状では規制が全くない状態で、民民の契約の問題。一般電気事業者に対してもこれの申込を受ける義務がないので、契約が成立しなかったものもあるはず。これまで一般電気事業者には自己託送に応じる義務もルールもなかったことから制度化したというのがそもそもの経緯。料金設定も自由。こういった千差万別の状況であり、個々の私契約の内容を公開の場でお示しするのは妥当では無い。(事務局)

  • (資料3-1・24ページ)規制を外すタイミングについて、需要家の支払うコストも重要な指標。今回の自由化は、需要家が多様なサービスを受けられるようにする、というミッションがある。まず安定供給の確保が大前提だが、通信より更に基礎的なインフラである電力の価格は重要な指標。規制料金より自由料金の方が安くなるというのは重要なこと。きっちり見て欲しい。
  • ライセンス制について、いままで一枚岩だったものが三層に分かれて、新規参入者も増えてくる。主体や階層の多様化によって情報共有コストがかかってくるように見える。コストがかかるのは仕方が無いが、重複コストの把握とこれを低減する仕組みが重要。
  • 自由化の促進に当たって、小売分野の参入障壁としてどういうものがあるのかを把握して、それを崩すための取組をしっかり議論すべき。
  • 新しい事業体系のもとでも、しっかりやっていきたい。
  • 供給力確保については、資料3-2・15ページがよくできている。小売事業者は需要の上振れも含めて、1時間前までは相互に融通し合って、それ以降は系統運用者がしっかり機能する。系統運用者の調整力の確保が重要。再エネのことも考えれば、長期的に、十分な質と量を伴う調整力確保が重要。さらに、広域機関が行う広域調整のためとしてもきちんと位置付けられるべき。
  • (資料3-3)やはり調整力確保ルールが大変重要。ここに記載されている中でも、特に揚水発電の位置付けが重要であり、これは第2段階時点からしっかりルール化が必要。
  • 最後に、発電・送配電・小売の3者をつなぎ合わせるのはネットワーク利用制度。託送制度も新しいものになるべきであり、現状の「他の人の電気を一般電気事業者が預かって送る」制度ではなく、一般電気事業者とそれ以外の事業者の間でのイコールフッティングが図られる制度とするよう見直していくことも大事な論点。
  • これまでのエリア概念に必ずしもこだわる必要はないのだと改めて認識。都会では選択できるが地方では選べない、といった状況になるのではと思っていたが、ネットワークが全国にあるため、そういうことではないな、と今では考えている。
  • 小売事業者との関係において、需要家保護の観点は重要だが、需要家の側も行うべきことがあるはず。そういうことも考えていただければありがたい。
  • 経過措置の解除は誰が判断するのか。
  • 供給力確保義務については、新電力は取引所での入札による調達が多いという実態も考えると、事務局案に賛成。実態としても、インバランス発生のリスクを避けるため、供給力・調整力を持って運用している。
  • 供給計画については、エリアの送配電事業者ではなく広域機関で情報の一元化をし、効率化を図っていただきたい。エリアの送配電事業者に対しては広域機関から情報を共有してもらいたい。
  • 容量市場については、海外において必ずしも電源の新設インセンティブになっておらず、老朽電源への費用補填にしかなっていない事例もあると聞く。こうした事例も参考にし、新設電源への投資を促進するように検討を進めてもらいたい。
  • 電源入札について、入札電源は、全量タマ出し等の扱いにしていただき、新電力が使えるようにしていただきたい。
  • 料金規制の撤廃については、事務局案にあるような指標をメルクマールに、慎重に見極めて進めていくべき。
  • (資料3-3)ルールについては、一般電気事業者の営業・配電の分離がイコールフッティングの観点で課題であり、実態を明らかにして欲しい。
  • エリアの話については、沖縄のように系統が接続していないところもある。また、仮に9電力にしぼったとしても、北海道は北本しか無い。つながっていることを当然の前提として話を進めるのは困難ではないか。
  • 規制料金が残っているがほぼ選ばれないというのが理想の姿で、競争がしっかり働いている状態。そこを我々は目指していることを再確認したい。
  • 時限的な規制が未来永劫残るおそれがある、という指摘があったが、「ほぼ選ばれない」という姿になることを考えると、今回の料金規制の経過措置についてはその他の規制と異なり、選ばれなくなっていれば、規制が残ること自体は害悪ではない。
  • 競争環境整備を制度的に担保するべきという指摘は確かにおっしゃるとおりだが、是非次回具体的に示していただきたい。
  • 資料では価格ではなく、選択という指標に寄っているように見える。付加価値がある自由料金が高くても選ばれるという場合、電力そのもの以外の価値にコストを払うのは当然のこと。電力自体の価値に着目した規制料金と自由料金の比較が重要。
  • 需要家利益をどのように計るかは大変難しく、「総合的に、慎重に判断」では、行政がいつまでも判断できないことを懸念している。
  • (資料3-3)送配電部門の中立化、法的分離について、今の電力会社が一体であるために給電指令がうまくいっているというのは間違っており、各社とも、給電指令に関する指針などハードな指揮命令系統によって現在のような給電指令を実現している。それを考えると、分離後においても、契約とルールがあれば、緊急時であっても対応可能である。電力会社は不安を表明するだけではなく、こうすれば分離しても大丈夫だ、というアイディアを出して欲しい。
  • 供給計画については、現在でも様々な計画を提出しており、新たな枠組みのもとでも対応していけると考えるが、小さなPPSにとって過度な負担にならないよう、計画の出し方については検討願いたい。
  • 自家発の場合、工場の生産工程との関係があり、一般の発電設備と比べ、調整力が小さい。このため、発電事業者としての扱いや計画の提示、供給勧告等の設計に際しての考慮をお願いしたい。また、自己託送については、特定規模電気事業者と比べて相当規模が小さくなると思われることから、提示いただいた内容に異存はないが、インバランス負担の軽減や供給先となる設備範囲の拡大など、余剰電源の有効活用がなされるように制度設計をお願いしたい。
  • 経過措置の解除については、複数の基準でご判断いただき、納得感のあるジャッジをお願いしたい。経過措置期間中の自由料金の設定で創意工夫を行い、需要家が自由化の実感を得られるよう努力したい。自己託送についても、これまでも対応してきたつもりだが、今後、しっかり対応していきたい。
  • お客様に迷惑がかからないよう、必要とされる知見は制度検討に当たってしっかり提供していきたい。

以上

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最終更新日:2013年9月27日
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