経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革小委員会 制度設計ワーキンググループ(第5回)‐議事要旨

日時:平成26年1月20日(月曜日)9時30分~12時30分
場所:経済産業省本館17階 第1~第3共用会議室

出席者

制度設計ワーキンググループ委員
横山座長、稲垣委員、大橋委員、辰巳委員、林委員、松村委員、圓尾委員、山口委員、中野委員、前田委員、野田委員、瀧本委員、寺島委員、遠藤委員、沖委員
オブザーバー
公正取引委員会調査課 杉山課長、消費者庁消費生活情報課 片山課長、全国銀行協会 太田企画委員長、電力系統利用協議会(ESCJ) 江川事務局長、大口自家発電施設者懇話会 白木事務局長、SBエナジー株式会社 児玉部長、日本風力発電協会 永田代表理事、太陽光発電協会 茅岡企画部長
経済産業省
高橋電力・ガス事業部長、後藤大臣官房審議官、木村省エネルギー・新エネルギー部長、村瀬電力・ガス事業部政策課長、片岡電力市場整備課長、畠山原子力政策課長、岸電力基盤整備課長、井上電力需給・流通政策室長 村上新エネルギー対策課長、都築電力・ガス市場制度調整官、安永電気事業制度企画調整官、山崎電力・ガス事業部企画官他

議題

(1)事務局・オブザーバー説明

(事務局)
  • 広域的運営推進機関のルールについて
  • 送配電部門の中立性確保について
  • 卸市場の活性化について
  • 供給力・調整力の確保について
  • 一般電気事業者の資金調達について
  • 再生可能エネルギーの固定価格買取制度について
    (広域的運営推進機関の発足に向けた検討会事務局)
  • 広域的運営推進機関の発足に向けた検討状況について
(電気事業連合会)
  • 電力システム改革を踏まえた今後の電力供給のあり方について

(2)自由討議(含む質疑応答)

  • 資料3について
    (論点1について)今の広域的運営推進機関(以下、「広域機関」という)の準備に関する説明にもあったが、平成27年度には組織が設立されることになる。この設立前からできることがあるはず。資料4-3にあるようなシミュレーション結果を見ても、需給調整等、各地域毎には部分最適化がなされているが、地域間の連系がボトルネックになっている。対災害性の向上を目指して検討すべきであり、そのためにもシミュレーションが重要。シミュレーションは1箇所だけでなく、学会や企業等複数が並行して実施すべき。例えば、楽天では、NDA(Non-Disclosure Agreement:秘密保持契約)に基づき、複数の組織でデータ解析をやって、その結果を公開している。その上で、各種戦略やボトルネックを検討すべき。その際には、手綱が必要。例えば、産総研が全体統括をすることなども考えられる。ただし、これは広域機関で研究するなと言っているわけではない。資料4-3や前回の検討などでもコスト分析などが行われているが、実データによる検証が必要。(論点2について)ADR(裁判外紛争解決手続)を作ることになっているが、問題はそこのデータである。内閣府の政府調達紛争解決委員会に所属しており、数回案件を処理した経験があるが、紛争に関わるデータをどう取り扱うか事前に決めておかないと難しい。他の組織の様々なデータの取り扱いを法律中に書いて欲しい。ADRが機能する環境整備が必要。単にデータがないだけで審議が出来ないことがある。ADRがやりやすいようにして欲しい。
    (論点3について)電力取引監視については、見るべき契約と関係者が多様である。価格決定操作や、結託等をどうやって監視するのか。また、約定の不履行、恣意的託送拒否などもある。これらが発生すると市場の信頼度が下がってしまう。消費者のメリットを向上させるためには、単純な監視ではなく、相対契約を含めて監視が可能な、強力な組織にする必要がある。容量メカニズムの話なども含めて考えると、価格決定機能は複雑化する。先物取引に関しては、今後金融市場で行われていく可能性があり、金融市場監視との連携も必要になってくる。
    (論点4について)スマートメーターは、単なるデータ収集に閉じない。事業者側のサーバでのデータの取り扱い等を考える必要がある。データの活用と情報保護の両面から考えるべき。通信回線について、クリアパイプでいけるなら良いが、基本的には駄目だろう。通信事業者の責務を課しながら、セキュリティの堅牢性をどのように確保していくのかが課題。この点については総務省とも議論が必要。本件については、総務省もメンバーに加わった委員会で色々議論されているとのことだが、気になる論点である。
  • (資料4-1について)この資料の5ページの地図のようなものを出していただけるとありがたい。再生可能エネルギー事業に必要な電圧は6万~15万ボルトの範囲であり、電力会社によっては、自主的に6.6万ボルトや11万ボルトについての情報を公開しているところもある。この取組は、継続して欲しい。また、他社もこれにならって、情報を公開して欲しい。
    10ページの表について、潮流制約は一般に需要最大時に発生するとあり、基本的に需要最大時のデータを公表するとある。しかし、これはあくまで最悪ケースであり、風力事業者は最悪の時に使えないとなっているが、その他のタイミングでどうなっているのか知りたい。年間どの程度の頻度で起こるのか。風力としては、場合によって、出力抑制しても良いが、関連情報がないと対応できない。どういう運営がなされているのか、系統の状態はどうかについて情報開示をお願いしたい。
    12ページに書いてあるように、需給ひっ迫時以外においても、情報公開していくことが重要である。先ほどの需給の話は全体の話であるが、知りたいのは、そのときの電源構成、発生頻度、分布などの情報である。また、本当に優先供給されたかについて検証したい。
    (資料5について)12ページ、周波数変動調整について、この中で、変動吸収するための検討を行っているのはありがたい。気象予測等に基づく発電量予測技術については、是非実現させて欲しい。スペインでは、kWhベースで20%が風力であり、気象予測を取り入れて応用している。北欧も同様である。こういうことも織り込んで欲しい。
  • 卸市場活性化について、前提条件で結果が変わるとは思うが、事務局が試算した連系線の効果は、連系線の経済価値を示していると考える。広域機関が連系線の強化などについて指針を出していく機能を備えてほしい。
    容量メカニズムについては、非常に多岐にわたる論点があるので、より丁寧な議論をお願いしたい。その際、小売事業者のみならず、エンドユーザーである消費者の視点も含めて検討して欲しい。これについては、方向性が重要であり、注視している。
    (資料4-6について)第3回WGにおいて、小売事業者への特定契約をお願いしたが、本日の主旨はそれに沿ったものという意味で望ましいものである。将来的には、グリーン電力小売の活性化を進めたい。再生可能エネルギー拡大のためにも、着実に進めて頂きたい。
    広域機関について、準備には弊社も参加しているが、関係各社が手弁当で準備を進めている状況。システム関連で大きな方向性はまだ出ていないが、知恵を絞っていきたい。また、インバランス等が課題であり、議論の加速が必要。
    (資料3について)論点1は、重要と認識。論点4は、電力分野と通信分野の融合。総務省の情報通信白書でも取り上げられている。大規模なデータが飛び交うことを踏まえた設計をしていただきたい。
  • (資料4-5について)東日本大震災以降、原発が稼働していない。このような状況で、一般電気事業者の収支構造が変化しており、それにより、信用状況も悪化している。一般電気事業者の格付けが下がることにより、社債発行数も減少しており、それに伴い、銀行借り入れの依存度が上昇しているが、銀行からの借入にも限度がある。このように資金調達環境が悪化している中で改革を急激に行うと、金融市場が混乱し、結果的に一般電気事業者の事業に影響することで、低廉で安定的な電気の供給を損なうのではないかと懸念してきたが、専門委員会報告書、閣議決定や第1弾改正法の附則において、資金調達への配慮が謳われており、この点については高く評価している。今回の事務局提案に関してであるが、改革の第2段階では、これまで同様、一般担保が付くことは、原子力の再稼働が進まない中においては妥当なものと考えている。第3段階では、法的分離により、信用状況がどうなるかが大きな論点になると認識しているが、既存債務の保護をどうするのか、新発債の発行はどの程度できるのか等につき十分に配慮した上で、資金調達を損なわないよう整備されることを期待したい。
  • 一般担保について、第2弾改正でも閣議決定などを踏まえ、現状と同じ状況が維持出来るとの方針が示されたと受け止めている。一般電気事業者の事業環境は悪化しており、安定供給確保を維持するためには、資金調達環境が大切である。引き続き制度面での対応を御願いしたい。
  • (資料4-6について)一昨年7月にFIT制度が開始された。これは、大きな成果を上げており、再生可能エネルギーの導入が進んだ。太陽光発電は、2012年には1兆円超の市場になり、拡大傾向にあるが、FITの買取義務が大きな要因。本日の提案では、小売事業者を義務者とする制度となっているが、現行のFIT制度を変えるものではないので、この方向でお願いしたい。今後さらに、再生可能エネルギーは大きく導入されると思われるが、それらの容量を見込んだ制度設計をお願いする。
  • (資料5について)広域機関の設立準備が進んでおり、感謝。気になったのは、15ページの課題についてである。時間がない中で検討されているが、3.11では電源の40%が喪失し、需給調整に大きな影響が出た。こういう時の対応を意識して欲しい。世界が注目している。供給信頼度であれば、これまでとどう変わっているのか、どう対応するのかをしっかり議論して欲しい。
    (資料4-4について)14ページ、前回同様、ディマンド・レスポンス(以下、「DR」という)の重要性を指摘したい。ここでは、DRが他の供給力と等価で扱われているが、DRに関する10年後のビジネスや、確実性についての予測は困難であり、例えば「短期はDR、長期は電源」など、種別と時間のベストミックスを踏まえた実効性を議論して欲しい。英国、フランスで行われている検討も踏まえ、シンプルだが強力な制度を作って欲しい。
  • (資料4-2について)3ページ付近に、ガイドラインの言葉の範囲が記載されている。小口の消費者との取引は記載されていないが、内容として当然入っているものと認識している。消費者の適切な選択を可能とするような情報提供を検討して欲しい。事業者が個別にビジネスとして色々情報提供をやるのは分かるが、最低限提供すべき情報を提示して欲しい。
    (資料4-5について)印象として、一般電気事業者と新規事業者との間に不公平感を感じる。一般電気事業者からすれば意見はないだろうが、新規事業者から意見はないのか知りたい。また、第3段階に見直すとあるものの、第2段階の小売全面自由化では、一般担保を維持するとある。これは小売のコストに影響しないのか。
    (資料4-6について)現状維持ということだが、不安なのは、小売事業が多様化する中で、買い取りできる事業者が増えるのは良いが、買い取りしたくないという事業者が増えた場合、つまりアンバランスが発生した場合の責任主体は誰になるのか。義務者に押しつけるのか。
    (資料5について)10ページ、3つのポイントの2つ目について、連系線に関する役割の一部を広域機関に集約とあるが、なぜ『一部』なのか。連系線の利用については、広域機関が全てやると思っている。エリアの送配電事業者が引き続き担うのか。
  • (資料3について)重要な点は、法律に書けば、それだけで全てが達成されるということではないという点である。その後の運用も重要であり、このWGも含めて、運用までしっかり見るべきである。相対取引も含めて監視するという点については、賛成する。現在もJEPXのような私設の取引所では相対取引も含めた監視は難しい、一般電気事業者の協力がないとそれで終わってしまう。きちんと制度化することが必要。シミュレーションも賛成である。様々な主体において、中立的な人たちを集めてやることが大切である。本日の事務局試算の結果も重要である。また、偏見かもしれないが、一部の工学部研究室は、学生の就職先が一般電気事業者や関連事業者であるということを考えると、その辺は配慮した方が良いのかもしれない。いずれにせよ、事務局は人選も含めよく相談して進めて欲しい。
    (資料4-3について)広域メリットオーダーをシミュレーションすることは重要。これまでは、値差を用いてオーダーをシミュレーションしていた。しかし、取引量が少ない日本では、値差を使った結果は過小評価になっていることが示された。数値自体は、前提条件や運用方法等によって変わりうるものである。個人的には、第2段階の利益はもっと大きいと考えている。ただ、こういうやり方で試算していくことが大切である。シミュレーションに対して、色々意見もあろうと思うが、こういう前提条件ならこうなるというような建設的な提案が出てくると良い。一点懸念するのは、数字が一人歩きすることである。今回の結果は、連系線の経済的価値のみである。それ以外に、60年から80年に一回といった大災害の時の安定供給上の価値もあると思う。これとコストとの関係はよく考えるべきである。先般の料金審査専門委員会の中で、連系線の投資に関して中部電力が説得力のある数字を出したので、それらを比較することにより、これまでのマスタープラン研究会などでの議論にバイアスがなかったか確認できるのではないか。
    (資料4-4について)容量市場ではなく、『容量メカニズム』という言葉を使うのは説得的。ただし、今回提示されたメカニズムの全てで市場メカニズムが使われている。同じ効果をどうやってより安いコストで達成するかということである。広域機関の入札制度導入は既定路線である。これを合理化し、そこに導入しようと思っていた容量メカニズムが吸収されるということはあるだろう。若しくは、容量メカニズムが前に出て、入札制度がセーフティネットとして、後退するということはあり得る。容量メカニズムは、急いで導入する必要はないが、方向性はしっかり出す必要がある。後出しじゃんけんで負担が生じることへの懸念が新規参入を抑制することにならないように配慮が必要。
    (資料4-5について)内容に異議はない。これがないと一般電気事業者は厳しいだろう。ただ、極めて安定的な送電事業が将来的には別会社になるにしても、発電事業部門がその信用力に乗っかれるというのは極めて有利なものである。これは、安定供給上大切なものなんだと理解をしているが、電力会社は「イコールフィッティング」が指摘されている中で、こんな大きな下駄を履かせてもらっていることを十分認識すべき。競争部門だからといって、イコールフッティングの側面ばかりを主張したり、老朽火力を廃止して予備力を下げるような安定供給に影響することはしないと信じたい。
    (資料5について)7ページの評議員による「重要事項の審議」については、消費者や中立的な人の目が入るものなので、重要。ここは、単なる諮問機関ではない。年4回だけ開催して報告に適当な判を押すような組織ではなく、現在のESCJの理事会の役割を担うものと考える。決して骨抜きにならないようにして欲しい。学者で電力と深い関係にある者や、電力について何も知らない者だけにならないように監視する必要がある。10ページ、「当面は先着優先」とあり、『当面』となっていることには納得している。従って、合理的な制度であると認識している。『当面』としていても、特定契約が優遇されていることはすぐにやめることができるはずなので、今すぐできることはすぐにやるべきである。先着優先に当たっては、詳細が明らかになっていない既存契約などについても十分な情報公開が行われるべきである。経営情報が含まれているなら、中立者のみに公開するという方法もある。
  • (資料4-4について)これまで議論してきたのは、kWh(量)の電力市場である。今回は、kWに応じた支払いをする市場やメカニズムである。一見すると、卸電力市場に加えて、容量市場が出来るので追加的な支払いが生じるという印象を持たれるかもしれないが、そうではない。場合によっては、容量メカニズムがある方が料金を安く抑えることができる。従って、最終的に電気料金を下げるための工夫をどのようにするかという議論をするべきである。容量メカニズムがないと、固定費の回収が出来ない。限界費用に加えて、固定費の回収が必要。容量メカニズムを考える上で、いくつかポイントがある。kWのメリットオーダーとは何かを考えるきっかけになる。従来型の発電以外のDRなども含めて統一的な1つの軸で評価でき、容量メカニズム導入前に統一軸の検討を行うべきである。環境価値も容量メカニズムに含めることは可能である。この中で、再生可能エネルギーやDRのkWの価値をどう考えるか。特にDRについて考える時、例えば、基準はどう考えるか。何らかのファクターを考える必要がある。これらは、同時に検討する必要がある。これによって、DRの適用範囲も決まってくるのではないか。
    (資料4-3について)13ページにある試算については、中立者、研究者による追試が困難。モデル系統を使うとしても、現実から離れてしまっている。自由化以降、発電に関する限界費用等のデータが少なく、評価も出来ない。今回の試算は、良い取組。ただ、これをアカデミックでやる素地がない。データもないし、モデルもない。従って、研究も進まないし、人材も育たない。今回の件をきっかけに、中立者が評価できるためのデータを公開して欲しい。学会もモデルの改訂を考え、研究の活性化を図るべきである。そのために、情報をどこまで公開すべきか、検討して欲しい。
  • データがないから研究が出来ないという話だが、民間企業がデータを公開するのは厳しいだろう。楽天等がやっているのは、データは出すが仮名化し、NDAを結んで関係者内部のみでデータ公開するというもの。ここ5年ほど、データエンジニアリングとしてやっている。これが、現在の情報分野の主戦場である。従って、従来型の学会のやり方では無理である。新しいやり方でやっていくべき。ところで、試算についての今の委員の発言の趣旨を確認したい。試算がダメだという趣旨か。
  • どちらとも言っていない。シミュレーションをやることは良いことだが、追試は困難でできないだろうということ。同じことが出来ない。限界発電費用が分からないし、今のデータでは試算のやりようがない。固定費回収スキームも一緒につくらないとこの試算のような効果は得られない。
  • (資料4-5について)第2段階での措置について、事務局からの説明内容は理解できるし、委員やオブザーバーからのコメントもその通りだと思う。原発が見通せない中で進める以上、合理的な提案だと思う。ただ、世界的に見て、一般担保がないと資金調達できないという電力会社は存在しない。日本でも、3.11の前はこのような議論はされていなかったし、J-POWERは今でも無担保でやっている。本件の本質は、一般担保にあるのではなく、原子力リスクをどう分担していくかが不透明という問題である。原発については、本WGで扱う話ではないので特にコメントしないが、原子力のリスクが顕在化した中で、官民でこのリスクをどのように分担していくかが問題の本質。全て民間にリスクを負わせれば、資金調達は困難になるだろうし、他方、官が一部でも担うのであれば、公益的電源として市場にタマをだすという考え方もある。その辺をどうするか決めるのは、公選職である政治家の仕事。ただ、原発について整理もせずに、そのリスクを資金調達の側に寄せるのはおかしい。第3段階において、新規債について担保無しでも発行できるようにするには、原子力のリスクを整理することが前提だ。また、今の事業者が自主的に分離することを妨げないようにすることは重要。これまでの改革の中でも、電力会社の自主的な経営を促すことで効率化を目指すと言うことが志向されてきた。先日、東京電力が、新・総合特別事業計画で自主的分離を示したが、それを妨げることがないようにして欲しい。事務局は、東京電力や各電力会社と良く議論して、連帯債務がない形での経営の自由度には配慮しながら進めて欲しい。
  • (資料5について)準備に関わっている人たちがかなりの労力を割いているのは分かるが、もう一つ目線を高くして検討して欲しい。7,8、15ページにあるように、実務的な観点から整備されているが、必要な事務として技術的な項目などに重点が置かれている。その他に、評議委員会や監査部門が普通に置かれている。新しい組織は、今後の制度設計をやるところであり、これまで同様の発想の組織だと、既存組織の病理が出る。評議員、理事会は電力の専門外で、監査組織が小さく、事務局が閉じた世界だけで仕事をすることになる。今後の電気事業の広がりを考えると、関係者は大きく広がっていく。スマメやビッグデータ等が入ってくると関係者も増えるし、消費者の位置付けも今より高くなる。外部調達も、通信等の多くの関連事業者が関係してくる。これらを全て束ねるのがこの組織である。結論としては、常勤の法律家を2桁、また、会計士や電力の専門家を入れて仕事が回転するようにする。電力の専門知識を実務に入れる組織にする。これらの活動の妥当性を監査組織に確認させる。これまでの評議員会、監査制度では、このようなことは達成できなかった。監査組織は、従前の組織から外れて、その成果を再評価できるようにする。広域機関が自立的な能力を持った組織を作ることを意識すべきである。
    (資料4-4について)容量メカニズムについて、導入時期は慎重に考えるべきである。容量メカニズムの導入は、実質的な競争が行われている状態でないと導入は無理である。容量メカニズムは、国民の福祉を守るためのものであり、一般電気事業者のみならず、新規事業者も国民に対して責任があるのだから、発電投資についても責任を持つべきである。容量メカニズムは急がず、競争が進展してから導入するよう議論していくべきである。
    コールセンターの問題について、これに代表される消費者と発電・送配電・小売事業者との関係は、シームレスなワンストップサービスを考えてやって欲しい。通信業界も多様になったが、不具合が発生した際に、どういう対応、復旧をするかについて、様々な関係者が絡んで困難になった。従前の責任原理をひっくり返す考え方が必要ではないか。被害者の救済等について、きちんと切り分けられたら責任を取るといっても、結局それは出来なかった。原因を犯したものが責任を取るのではなく、原因を解決できる者に責任を持ってもらうというくらいでないといけない。例えば、コールセンターや消費者のデータはイノベーションに大きな影響を及ぼす。権利者救済では、ADRがあるが、これまでは申立人が証拠を集めることになっている。そうではなくて、まずは救済を行って、証拠集めは能力のある者がやるべきである。各層の連携は、ドラスティックな体制にすべきである。
    (資料4-1について)11ページ、情報公開について、様々な情報はビジネス開発等に役立つ。情報公開に際しては、ただ公開するだけではなく、一定期間毎にトレース(イノベーションの観点から、誰が何にその情報を使ったか)すべきである。各論も大事で、技術的、経済的なものも必要だが、国民、需要家において何が起こるかを考えながら実施して欲しい。
  • FITの取引主体について、前回は送配電事業者がベターということで議論されていたが、今回、小売事業者という方向性が出た。これが、きちんとワークするかについては精査したい。小売事業者主体になると、計画値同時同量における小売事業者の役割もあるので、FIT単体ではなく、制度全体の中で、その位置づけを考えて欲しい。また、非対称規制ありきではないということなので、小売事業者に適切な義務が課されるようにして欲しい。調整力確保策やそのコスト負担についても議論すべきである。今回、まずは小売事業者への義務づけということでスタートするが、制度設計の中で不具合があれば柔軟に見直すようにして欲しい。営業という観点から、FITの買取制度がスタートして、現場の業務量が増えた。接続などは、ふんばってがんばってやっているが、年度を跨ぐ前後では通常の数倍の案件数になる。この辺の準備期間等も頭に置いて検討して欲しい。
  • (資料5について)いくつかコメント、ご質問があったので、事務局を代表して回答する。供給信頼度が今までと同じ考えで良いのか。特に震災を踏まえてこれで良いのか。この点については、今まで確率論的評価だったが、現在、シナリオを想定した調査も行っている。新しい機関でも前向きに取り組んでいくべきと考える。『一部』という言葉を使っている件について、少ない印象を持たれたかもしれない。資料5の1ページにあるように、全国大での需要想定等は広域機関で実施するが、どの系統にどれだけの電気を流すか等については、既存事業者の運用部門が、設備の復旧など実務的な部分はその専門部隊がやることになる。松村委員から、評議員の『審議』をしっかりするようコメントを頂いた。中立の有識者、学者の先生、消費者等に評議員としてお世話になると考えている。先着優先については、『当面』ということでご納得いただいた。これは、非常に重たい問題であり、今後も検討していきたい。目線を高くして、国民的課題の解決をするようコメントを頂いた。やや実務的な方向にいきがちだが、ご指摘を踏まえたい。また、組織についても、既存組織に囚われないようにとのコメントを頂いたが、ADR機能等多様な機能があるのでしっかりやりたい。
    それ以外に、専門委員として、いくつかコメントしたい。
    (資料4-3について)こうした試算は有意義。前提条件によって、結果が変わることは承知している。既存制度が変われば、効果も変わってくる。これをスタートとして検討することが重要。引き続き検討する必要がある。示唆するもの、制約解消もあるが、メリットオーダーの効果は2つの点が重要。単に送電線が整備されているのみならず、全国大の市場が出来ているか、また、それを支える託送制度が機能しており、流動性があるか、が重要なポイントである。また、合わせて、その後のレビューやウォッチが重要である。
    (資料4-4について)容量メカニズムが簡単ではないことは、欧米の例を見ても明白である。課題の過多に関わらず、容量を評価することは重要。系統に必要な容量(kW)があるという認識と、経済的に小売事業者が容量(kW)を調達するということの2点が重要であり、小売事業者による容量の調達を損なわないようにして欲しい。その電源が、供給力や予備力として機能することが重要であり、余力があれば、しっかり市場に出されるべきであり、電力量(kWh)の流動性を阻害しないような配慮が必要。ひっ迫時も、供給力としてスタンバイされているということが重要。
    (資料4-5について)1ページの最後に、「なお、・・・」と記載されており、第3段階で改めて検討することになっている。事業者からすると、法的分離によって、組織が大きく変わる。本件については、第3段階において、事業者のイコールフィッティングの視点から、十分検討されるべきである。
  • 容量メカニズムについて、長期的な備えとして、まずは電源入札制度をセーフティネットとして整備することが必要だろう。容量メカニズムについては、じっくり検討すべきと考える。海外も、英国やフランスがこれから制度を導入する。そういう意味では、まだ世界的に実績もないし、問題も出尽くしてはいない。海外の実績を評価してから決めるべきである。古い電源を高性能な新規電源に置き換えることや、ネガワットを導入することにより電源コストを抑制することが重要。
    (資料4-2について)営業と配電部門が協力することをルール上、認めることになっているが、新規事業者としては、会社内の情報遮断がしっかり行われ、営業妨害が発生するようなことはないか、停電情報などが新電力へも公平に情報提供がなされるかという点が心配である。営業部門が、競合他社の情報に触れることになると思うので、情報遮断などを電力会社内で徹底してやってもらいたい。
    FITについて、小売事業者への義務づけには賛成である。ただ、小売事業者も無尽蔵に再生可能エネルギーを吸収できるわけではなく、正当な理由があれば、断れるようにして欲しい。インバランス制度における太陽光発電や風力発電の扱いについて、バランシング・グループの中で変動を吸収することにすると、規模の大きな既存事業者にとって有利になる。
    卸市場活性化のシミュレーションについて、前提条件が異なることにより数値は異なってくる。ただ、規模感の把握は可能で、その辺、期待感が持てた。このようなシミュレーションの活用は進めて欲しい。
    資金調達については、小売事業者より、発電事業者にとって公平感があるかどうかが問題。小売事業者の立場からすると、第2段階において、原発問題の現状を鑑みると、これは仕方がないのではないかと感じている。むしろ自由化を進めることの方が優先。(資料4-5の)1ページ目の下に記載されているように、送配電部門の中立化の実施に当たって考慮すべきとあるので、送配電事業者に一般担保が残るということはあるかもしれないが、発電事業者にとって公平になるよう考慮すべきである。
  • 広域機関がFCや基幹送電線の計画を担うという点は外さないようにして欲しい。今も、J-POWERが設備を保有し、電力が運用しているような例もある。FCや基幹送電線の計画については、今後、広域機関がやるという大原則を外さないようにして欲しい。
    容量メカニズムに関する発言は、kWhと言わなくても、kWでお金が取れるので、投資へのインセンティブになるという趣旨と理解している。また、シミュレーションの話について、固定費回収云々の発言は全く理解できない。今回のシミュレーションは、電源構成を所与として、効果を試算したもの。固定費の議論の入る余地はない。限界費用の高いものは焚き増しするし、安いものは焚き減らしする。この中で、回収漏れがあるというのが分からない。長期的に見て、追加的利益があるということであれば、分かるが、反対の方向はよく分からない。
    電力会社の委員のコメントについては、インバランスについては人為的な規模の経済については維持するということだが、一方で、再エネの買取についてはイコールフィッティングが必要だとする話を持ち出した。他方、資金調達についてはそうはおっしゃらない。一貫した議論かは、聞いている人が判断すれば良い。
  • 電源が所与でkWhの取引の結果ということは理解している。こういう試算を学者ができないことについて、忸怩たる思いがあるということを申し上げたかった。このような試算が行われるよう研究インフラの充実が必要ということ。
  • (資料4-1について)10ページの潮流制約が需要最大時という点は、必ずしも需要最大時が一番厳しいわけではないので、その際は、個別に対応が必要。需給関連情報について、再生可能エネルギーの出力要件は、13ページに条件を提示している。我々としては、抑制した事業者には個別に説明したい。
    (資料5について)『一部』という表現へご質問があった。エリアの系統運用者として、ネットワーク設備の運用は引き続きエリアの送配電事業者がやる。系統利用者の利便性が向上するように、検討していきたい。
  • (資料3について)論点1について、このような研究チームが出来るなら、ESCJも支援したい。送電網の最適化を考えてこなかったわけではなく、アプローチ方法が古いということであれば、新しいアプローチ方法を検討すべき。送電網は、供給、需要の地点がどこにあるかで最適化が決まる。大震災前は、西より東の方に安い電力があったが、その全てをFCを通じて、通し切れなかった。現在は、原発が止まって、逆方向が詰まっている状況。黒四ダムは、関西電力の発電所だが、その地域外にあり、独自の送電線でつないでいる。東京電力の福島第一、第二も同様である。これから先のことを考える時に、固定費を含めて検討が必要だと思うので、協力したい。
  • 一般担保に関する質問に関しては、発電コストが下がるという面では、全体としては良い話。他方、発電所建設のための資金調達に当たっては、新規参入者は銀行とかなりハードな交渉が必要で、調達条件も厳しい。一般担保の存在は差別的であり、一般電気事業者に下駄を履かせているようなもの。こういう制度によって優遇された電源は、是非市場に出して欲しい。このような優遇を受けた電源を市場に出すことが、一般担保による資金調達を活かして国民全体に安い電力を供給することにつながるので、そうした方策も考えてほしい。
    FITについて、ご提案内容には賛成である。ただ、現在の実同時同量でも、一定量しか対応できずにインバランスが発生する。計画値同時同量では、もっと状況が難しくなる。このため、計画値同時同量のインバランスを誰が負担するのか。実態を踏まえて、ある程度のガバナンスを考えて欲しい。
    容量メカニズムについて、固定費回収は重要。古い発電所をもう一度使い直す際に、固定費の担保から交渉を開始する。これは、そういう機能を持った市場として考えて欲しい。義務量については、最初に全国で一つの需要量を決めることとなるが、そこには市場での取引も含めた上で、小売事業者に公平に配分されることが適当。FITの賦課金のようなものもあるが、容量メカニズムは、国民若しくは事業者全体で負担すべきものと個人的には思う。諸外国の動き等も含めて検討して欲しい。
  • (資料4-3について)今回の数字そのものについて、既に数字が色々報道されているが、数字の一人歩きを避けるため、取り扱いは注意すべきである。
  • 事務局
    資料4-6には、応諾義務の「見直し」と記載されているが、あくまでも応諾義務は、小売電気事業者に課すことと考えており、現行の一般電気事業者に義務づけられている応諾義務とパラレルなものとしている。現在、特定規模電気事業者の場合は、法令で定められた正当な拒否理由として、インバランス料金の追加負担や受入容量の超過といったものが認められており、それ以外の場合では、買取に応諾しなければならないが、先程からご指摘を受けているインバランス料金について、しっかり検討し、そして円滑に調整できるような仕組みを構築することで、簡単に応諾拒否されない環境を整えていく必要があると考えている。あわせて、本件は電力システム改革と密接に関係する議論であるので、双方が両立するよう議論していきたい。その中で、まずは小売電気事業者中心に、しっかりやれるように詳細制度設計をしていきたい。FIT法自体は、エネルギー基本計画の見直しに応じて附則に定められた一定の見直し等を行うことになるため、今後何らかの事情変更等はあるかもしれないが、まずは小売電気事業者中心のメカニズムとして、安定的なものを形成することを第一義的に考え、調整したい。

閉会に際して

  • 系統情報の公表の考え方に関するガイドライン、一般電気事業者の資金調達等の論点については、大きな異論はなかったので、今日のご指摘も踏まえつつ、具体化を進めていく。
  • 容量メカニズム、シミュレーションについては、引き続き議論が必要。
  • 次回以降も、他の論点も含め、引き続き詳細設計の検討を進める。

以上

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最終更新日:2014年1月31日
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