経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革小委員会 制度設計ワーキンググループ(第7回)‐議事要旨

日時:平成26年7月30日(水曜日)13時30分~16時00分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

制度設計ワーキンググループ委員
横山座長、稲垣委員、大橋委員、辰巳委員、林委員、松村委員、圓尾委員、中野委員、前田委員、野田委員、瀧本委員、寺島委員、遠藤委員、沖委員
オブザーバー
公正取引委員会調整課 本間課長補佐(代理出席)、消費者庁消費者調査課 岡田課長、スマートメーター制度検討会 梅嶋委員、東京電力株式会社執行役員 文挾経営企画本部事務局長、東京電力株式会社 岡本技術統括部長兼経営企画本部系統広域連系推進室長、大口自家発電施設者懇話会 添木事務局長、SBエナジー株式会社・SBパワー株式会社 児玉部長、一般社団法人日本風力発電協会 祓川副代表理事
経済産業省
多田電力・ガス事業部長、木村省エネルギー・新エネルギー部長、村瀬電力・ガス事業部政策課長、伊藤電力市場整備課長、石崎電力基盤整備課長、井上電力需給・流通政策室長、畠山原子力政策課長、片岡新エネルギー対策課長、都築電力・ガス市場制度調整官、安永制度企画総括調整官、山崎電力・ガス事業部企画官 他

議題

(1)事務局・オブザーバー説明

(事務局)
  • 小売全面自由化に係る詳細制度設計について
  • インバランス制度に係る詳細制度設計について
  • 広域的運営推進機関のルールについて
  • 供給計画・需給計画について
(遠藤委員)
  • スイッチング支援システム等の検討状況について
(梅島オブザーバー)
  • スマートメーターから得られる情報の提供ルールに係る検討結果と今後の対応について
(文挾オブザーバー)
  • 第2段階において分社化した場合の制度面に関わる課題について

(2)自由討議(含む質疑応答)

委員・オブザーバーからの意見の概要等は以下の通り。

インバランス制度以外の論点について

  • (資料6-1の29ページ 発電事業の規模要件に関連し、)風力発電の現状について把握しているデータを報告したい。10kW以上の風力発電設備でいうと、全国に約410箇所、トータルで2,707MWの規模で存在している。これを1万kW以上の発電設備という切り口でみると、全国96基存在し、規模として2,167MW、我々が把握している全体の発電規模の79.6%を占めることになる。また、事業者単位で1万kWを超える事業者をみると、全国で42者となり、規模も2,467MWで、全体の91.1%を占めることとなる。発電事業の規模要件としては、単体の発電所毎ではなく、グループで考えるべきである。その際、閾値は90%以上をカバーする『1万kW以上』とすることが妥当ではないか。
  • (資料6-1 発電事業者に関連し、)素材メーカーを中心に、2万kW以上の自家発を保有する事業者51社が団体を作っているが、こうした自家発の多くは、生産工程の途中で出てくる廃熱、電気を利用した、副生エネルギーを利用した発電が中心となっており、基本的には工場等で自家消費している。これを自由化後、余った電力を余力として電力会社に卸売りするようになってきた。2011年度実績では、我々が把握している総使用電力の6割を自家発での発電、4割を他社からの購入としており、発電した電力のうち電力会社に卸売しているのは6%にすぎない。
  • (資料6-1の27ページ)論点2について、「小売電気事業等の用に供するための電気を発電する事業」について、ここでの定義は、売電を主目的とする事業者に適用し、自家消費がメインの自家発事業者には適用すべきではない。発電事業者になると、供給命令や供給計画作成等の義務が発生するが、余剰電力は工場の生産プロセス次第、つまり生産計画次第で変動し、また総発電電力の6%程度しか卸売しておらず、対象期間が10年となる供給計画では、どこまで意味のある計画が立てられるか疑問。また、燃料の調達計画を提出させることとされているが、工場等の生産工程の副生エネルギーを使用しているため、作成することは困難。会計整理義務も課せられるが、副生エネルギーのコストの扱いは統一されておらず、事業者に混乱を招く。
  • 自家消費がメインで、電力の卸売は副業的である自家発事業者については、発電事業者ではなく、特定自家発設置者として規制すれば十分ではないか。
  • 今回の議題は、消費者につながる話が多いが、わかりにくい部分が多い。説明の中で、電源入札や需給調整等に関して託送料金に上乗せする、というものがいくつかでてきており、なんでも託送料金に転嫁するように聞こえるが、最終的には消費者の小売料金に加算され、消費者の負担となる。今の電気料金から考えて整理すればよいのかもしれないが、見方が上流(供給側)から消費者に流れる説明。消費者を上流として、消費者の負担の内訳としてどうなっているのかがわかる説明をしてほしい。
  • スイッチングをワンストップで行うというのは、消費者サイドの利便性向上という点で歓迎すべきこと。他方、実際にどのような問題が発生する可能性があるかよく分からない。いくつかの小売事業者の情報を比較した上で小売事業者を選ぶことができるという形にすべきだが、ワンストップのスイッチングの中で消費者は正しい判断が可能なのか。訪問販売で安いと言われただけで判断してしまって、実は不利な契約だったという場合にどうするのか。現在、消費者契約法などの法制度が整備されているが、そうした場合、クーリングオフなどはどうなるのか。判断を失敗する人がいるということを前提に、検討を進めてほしい。
  • 東京電力から発送電分離に係るお話を頂いたが、説明を聞いていると、需給のバランスで電気が足らないという話しかしていない。電力が余った時の話がない。今回は足りない時のお願いばかりだった。(自然変動エネルギーなど)何を優先して使うのか、何を止めるのか、優先順位を明確にして欲しい。
  • (資料6-4)供給計画について、現在は一般電気事業者及び卸電気事業者が作成・提出しているが、ラインセンス制が導入された後は、全ての電気事業者が提出することになる。安定供給のためには、それぞれの立場で計画をきちんと作成し、それぞれの責任を果たすことが重要。小売事業者の供給計画は、需要予測に基づく計画になると思うが、事業の縮小や拡大を織り込んだ計画となっているべき。また、一般送配電事業者の供給計画との整合性を評価することも必要。安定供給確保の観点から、長期から年単位、日単位の各段階で需給のバランスが適切に保たれているかを評価することが重要。供給計画、需給計画の評価方法の見直しなどにおいては、これまでの知見を生かしたい。
  • (資料6-4の10ページ)一番下に※があるが、これらの電気の質的側面については、一般電気事業者は既に電気関係報告規則によって提出が求められている。可能な限り重複がないように配慮してほしい。
  • (資料6-1)託送供給約款や託送料金について興味深く見ている。託送料金は、需要家に転嫁されるものと認識しているので、厳格な査定をお願いしたい。(同8、9ページ)想定原価と実績費用の乖離の確認についてもここに記載されている方針を踏まえて、検討を進めてほしい。
  • (資料6-3の18ページ)設備形成ルールに関する検討事項のうち、費用負担のあり方について、負担割合を設備形成の内容に応じて個別に柔軟に決定するとある。これまでは再エネ事業者にとって、一般負担か特定負担かは、0か1かの議論だった。個別の案件ごとに柔軟に対応してもらえるということは有難い。この方向で進めて欲しい。
  • (資料4)30分毎の検針値がリアルタイムで提供されることを希望していた。しかし、現在のスマメの仕様を変えるということは困難であり、需要家の負担が増えることから、スマメの仕様については現状維持でも仕方がないと考え、6ページの今後の検討の進め方にあるように、30分値検針値を60分以内に提供する方向で進めることが最善かと判断している。あれもこれもと思うところもあったが、現状は、この方向で検討を進めていただきたい。
  • (資料6-1)託送料金の洗い替えについて、すでに洗い替えを行っている事業者は必要ないという話があったが、そのとおりだと思う。そうすると事後評価の話が出てくるが、事後評価については機動的な事後評価をお願いしたい。同7ページの中ほどに、より厳格な事後評価をする観点から2つの方法が提示されており、これらはこれでよいと思うが、これに加えて、時間軸についても考えてほしい。ある会計年度について会計整理をし、それを元に事後評価をし、約款の変更を命令して託送料金を変更した後に、やっと小売料金が変更されるとなると、そこまでに3~4年かかってしまう。電力会社に対し、過去に事後評価が実施され、電気料金を変更した際の実績を伺うと、事後評価結果が出る前に自主的に料金を変更しており、事業者は制度の趣旨を踏まえた機動的な運用をしていたということである。実際の企業内の会計では、例えば、四半期毎や毎月毎にリアルタイムな形で事後評価に必要な会計情報は得られているはずであり、こうした企業の実際の会計スパンに合わせて機動的な料金変更ができるよう、勧告や自主的な取り組み等、どういった形になるかはわからないが、仕組み作りをしてほしい。
  • (資料4)一般送配電事業者と小売事業者間の情報のやりとりについて議論されているが、データ移転の際のセキュリティについてよく議論してほしい。特に責任が誰にあるのか。最終的には一般送配電事業者と小売事業者との問題になるが、どこで誰が責任をとるのかを明確にしてほしい。スマートメーターから送配電事業者にデータが移る部分について、その責任は当然決まっているはずだが、それ以外について責任が明確になるようにしてほしい。送配電事業者にデータが来る前にセキュリティが脅かされるようでは、制度全体が歪んでしまう。
  • (資料6-1)託送料金を算定する際のルールについて、事業報酬率や営配のコストの配分を見直すということが明記されている点は良かった。直近に査定されていても、家庭向けの料金を査定しただけであり、コストは確認できているがそれが送配電部門にどう配分されたかまでは分からない。
  • 事業報酬率については、すでに具体的に案が出ているので、その方向で検討を進めて欲しい。直近で査定していない会社については査定することになると思うが、送配電部門だけであってもすごく大変だと思う。現在の査定プロセスでは、過去の投資が適性だったかというところまで遡って確認しており、かなり時間がかかっている。相当の時間がかかるという前提で考えてほしい。
  • また、低圧託送料金の水準についても注目しており、震災前のオール電化料金と整合性のとれた値となっていることを期待している。
  • (資料6-3)広域機関について、いくつかの検討会が出てきているが、広域機関の中に置くつもりなのか外に置くつもりなのか。火力電源入札を監視するための委員会は、経済産業省に置かれている。今回、資料6-3の広域機関の電源入札で提起されている検討会は、広域機関の中に置くものか、外に置くものかについて、もし考えていれば教えてほしい。また、電源入札の手続きについて、詳細な提案が出ているが、国が相当コミットするという覚悟の表れと考えている。かなり安心した。
  • (資料5)この資料に感動した。分社化に向けて相当準備が進んでおり、安定供給のこともよく検討されている。第二段階に向けた分社、とあるが、第三段階の設計でも参考になる資料となっている。
  • 前半部分の小売と送配電の連携の部分については、コスト削減、需要家の利便性、中立性に配慮しながら真摯な提案をされている。この提案の全てを受け入れるかどうかは別にして、検討のベースにはなる。
  • 7、8ページ目の提案に一番感動しているが、安定供給を一番に考えれば、自然な提案だと思われる。系統連系系統連系に要件を課す一定規模は、火力+αくらいで考えられていると思うが、当然のものと感じる。さらに、ゲートクローズ後、バランシング・グループではなく、中央給電指令所が需給調整をコントロールすることを言ってもらった。これが唯一の選択肢ではないと思うが、非常にリーズナブルな提案だと思う。この考え方は、インバランスを検討する際に自分がずっと言い続けてきたが、今回、電気の専門家の検討からこういう考え方が出てきたのがよかった。現状の運用にきわめて近い自然な発想であると思う。本来は、このような提案を安定供給の観点から電気事業者が行い、それに対して、経済学者が中央給電指令所に権力が集中しすぎるのではないかと指摘する、という構造が自然なはずなのだが、これまではなぜかあべこべの構造になっており、不思議な状況だった。
  • (資料5の11ページ)考え方は良く分かった、全ての提案について、本WGで扱うかべきかは疑問であり、また全て受け入れるべきとも思わないが、前半の真摯な提案をした事業者からの要望として受け止めるべき。
  • (資料4)今回、スマートメーターの情報提供のタイミングが当初の1日4回から、1日48回となっていることが、大きな進展だと思う。ただ、コストアップについては、定量的な数字が出ておらず、その程度について把握することが必要。システム開発等からコストをやみくもに増大させるつもりはないので、コストの検討等を行い、この場で再度判断する機会を設けていただきたい。
  • 資料全体として感じたことは、異常気象や大規模災害等が生じた際にいかに安定供給確保するかということが共通して触れられている点である。これまでは、一般電気事業者の供給計画によって、10年先の見通しを確認し、その上で設備投資などが進められてきた。その体制の下で適正予備率として8%~10%が確保され、どうにか需給を全うすることができたのは確かである。しかし、本当にこの形のままで良いのか。供給力や予備力の確保を今後どのように行っていけばよいのか。
  • 安定供給のために予備力として待機させている発電所は、維持費は安いが、kWh当たりのコストは高く競争力は劣るため、年間の稼働率は低い。こうした電源の固定費の負担を一部の者にのみ負わせることがよいのか。また、どの程度の運転が求められるかわからない中で費用回収できるのか。系統運用者が確保すべき調整力や予備力の確保については次回以降の検討だが、待機予備力的な電源の固定費については、安定供給のためのインフラとして、全ての系統利用者が広く負担することが適当ではないか。
  • (資料5)限られた時間の中で分社化した際の課題について説明があったと理解している。業務運営のあり方、送配電の中立性、業務の効率性などについて検討がなされているが、需要家の利便性を損なわないように創意工夫を進めたい。
  • 今回の需給運用に関する東京電力の案は、現在の需給運営をベースとしているということだが、電力業界全体としてもどのような運用を行っていくべきか検討していきたい。
  • 資料の最後に料金規制撤廃後の経営全般に関する課題等が提示されていたが、解決すべき課題はこの他にもあると認識しており、検討していく必要がある。
  • 事業報酬率については、家庭用電気料金を算定する際は、家庭から小売を一体として事業報酬を算定しているが、β値については事業類型に応じて異なるものであり、事業報酬率が下がる可能性がある。
  • 事業報酬額は、資本コストと位置づけられており、資産(アセット)に報酬率をかけるという形で算出している。電力会社のバランス・シートを見ると分かるが、発電設備と流通設備の割合が大きいため、アセットベースでは、発電、流通、小売と分けた時に小売の事業報酬額が小さく出てしまう。本当にこの考え方のままで良いのかという点については、きちんと議論しておくべき。場合によっては、小売のリターンが発電や流通に入ってしまっている可能性があるということも頭に入れる必要がある。
  • 事後評価については、9ページに計算したものが出ているが、違和感がある数字。察するに、直近では、3.11のあと需要が減少したことにより分母が小さくなったから単価が上がったということだと思うが、2000年半ばでは10%を超えるマイナスが出ていた。プラスマイナスとも乖離が大きくならないように料金をコントロールすべき、という意見がいくつかあったが、違和感がある。2000年以降、一般電気事業者には、値下げ届出制によってコスト削減に対するインセンティブが強く働いてきたと認識しているが、1%の乖離を許さないとなると、コスト削減のインセンティブが働かない仕組みとなってしまう。それでは何%が良いかと言われると、学問的なものがないのでなんともいえないが、そういう視点は必要。
  • (資料5)なるほどと思うところもある。7ページ目、ゲートクローズ(GC)後の調整力は各事業者が出す、というのはリーズナブルだと思う。9ページについてはインバランスの議論の前提ともなる重要なものなので、是非もう一度説明していただきたい。

<事務局>

  • 託送コストにのせられている費用が分かりにくいという指摘があった。永遠の課題ではあるが、何とか分かりやすくしたい。
  • 託送事後評価を柔軟に見直すべきという指摘があった。事後評価の方法については、御指摘も踏まえは常に見直しを行っていきたい。
  • 電源入札の検討会の場について質問があったが、広域機関の中という想定をしている。
  • 情報提供のセキュリティに関する責任の範囲については、スマメの管理については一義的には一般送配電事業者の責任となっており、原則として一般送配電事業者の責任になると考えている。一方で、実務的には、小売事業者との契約関係等について、今後も検討を深める必要がある。

インバランス制度について

  • (資料6-2の19ページ)インバランスについては、19ページに(1)~(4)の選択肢が出ているが、御発言される委員の方は、どれを指向しているのかとその理由をコメントの際に述べて欲しい。バックグラウンドの異なる者の議論なので、そのほうが役立つ。
  • 自家発余剰電力の振る舞いについては、例えば送電線への落雷が懸念される場合、生産設備の突発停止を避けるために落雷警報を注視しているが、仮に問題が生じそうな場合には、発電量と使用電力量を一致させる運転に切り替え、系統から解列する。これにより、余剰電力の供給はストップしてしまうが、発電事業者の責任にすべきものではない。
  • 2012年のデータでは、現在把握している自家発の4割は、工場等の副生エネルギーを活用しているが、生産工程との関係で停電してしまうことがある。こうした場合に発電所ごとにインバランスを算定されてしまうと、必然的にインバランスが発生するので、余剰電力の出し渋りが発生するかもしれない。それは、結果として電気料金の最大限の抑制のためにも余剰電力を最大限活用していく、という今の流れにも沿わない。
  • バランシンググループ(BG)を認め、インバランス値差無しの案(3)が良いと考えている。風力発電等の再エネは、現在インバランスが発生していないが、一般論としての考えとご理解いただきたい。
  • 系統運用者としての観点から述べる。ライセンス制の導入に伴い、各事業者が安定供給の観点からそれぞれ責任を負い、インバランスに依存しないことが重要である。1時間前市場の創設により、小売事業者は実需給直前の電力調達が可能になるが、ゲートクローズ前に確度の高い計画を立て、インバランスを回避する努力を行うことが安定供給に資する。
  • 小売事業者と発電事業者については、計画値同時同量制の趣旨を鑑み、需要想定等の精度向上のインセンティブを持つような制度が必要。
  • (資料6-2の17ページ)インバランス料金で回収できない分は託送料金で回収することになり、託送料金の負担が増えることに留意が必要。ゲートクローズ後の需給運用については、調整力・予備力の持ち方の議論と一緒に検討することが必要。
  • 現在のインバランス制度で10年間やってきたが、値差のあるインバランス料金に不公平感をずっと感じてきた。制度が変わるということで期待したい。
  • 4つの選択肢の中では案(3)を軸に考えたい。BG単位で調整することで、BG内でお互いにカバーすることが可能。ゲートクローズ前の調整もやりやすいと思う。ただし、一般電気事業者の規模の優位性が出ないように、規模についての一定の制約をすべき。それができれば案(3)が良いのではないか。規模の線引きは今後の議論。
  • インバランスがどう決まるのかということは次の議論だが、例えば、前日のスポット価格で決まるという制度だと、前日スポットではなく、インバランス補給を受ければよいということになる。それなら、スポットで買う必要がなくなり、モラルハザードが生じてしまう。この場合には値差を設けることが必要であり、そうすると現在の制度に近づき、案(1)になる。インバランス料金の設定については、予見性の問題がある。現在は定価で決まっているため、需給バランスとは無関係なところで問題が出ている。やはりインバランス料金は予見が難しい形で決めていく必要がある。1時間前市場連動というのも一案。従って、予見性のない市場の値段と連動してインバランス料金が決まり、かつBGの形成にも一定の規模要件を設けるということを前提に案(3)を支持することとしたい。
  • インバランス料金の値差について、第4回WGで述べたとおり、値差無しでお願いしたい。一般電気事業者が圧倒的に有利にならないようにすることが重要。自家発余剰電力が出てこなくなる危険性もある。これは需要側でいえば、顧客獲得を避けるインセンティブにもなりかねない。
  • ドイツではインバランス値差無しとなっていたが、英国も今年になって値差無しにするという話が出てきている。その理由として新規参入者のインバランス負担の軽減があると聞いている。
  • (資料6-2の19ページの)右か左か(持ち替えを認めるか認めないか)については条件次第。電力会社の電源を小売用と系統調整用に切り分けることができ、かつ需給状況を適切に反映したインバランス料金となるのであれば、案(4)が適切ではないか。第3段階ではもちろん案(4)が実現可能と考えるが、第2段階において、こうした条件が整わないということであれば、新電力が持ち替えできないことにより極めて不利になるため、その場合は、案3(3)の方が良い。
  • 価格差無しとした場合の調整用電源の固定費の回収については、現状も固定費はすべて価格差で回収できているわけではない。調整コストが増えるのか減るのかわからない段階であり、程度問題にすぎないと考えている。重要なのは、需給調整コストを透明化すること。限界費用を明確化するとともに、固定費も明らかにしてほしい。
  • (資料6-2の23ページ)ここでは、需要家のスマートメーター設置が間に合わない場合が記載されているが、1ヶ月間の想定使用電力量を用いて同時同量をすることになっている。1ヵ月後の検針の後でないと実績がわからず、インバランスが算出できず、必然的にインバランス量も大きくなる可能性があるため、これらのインバランスに適用されるインバランス料金については全電源可変費にするなどの配慮をお願いしたい。
  • (資料6-2の19ページ)自然エネルギーは別途検討、という前提で申し上げるが、新規参入者との公平性を担保しようとすると、持ち替えを認めない右側が望ましい。しかし、実際はこの考え方でも、大規模電源を持っている事業者が有利で、小規模事業者は不利になるため、実態として案(1)との違いはあまり出ないのではないか。案(1)の対案としての案(2)は極端すぎるため、安定供給の観点から、電源容量毎に条件をつけて案(1)~(4)を電源ごとに適用させるという折衷案ではどうか。値差についてはない条件次第だが値差無しの方が良いため、案(3)と案(4)の間。そういう意味では(3)か(4)を支持する。
  • この問題の設定そのものに不満がある。発電側のインバランスしか考えられておらず、需要側のインバランスを考えていない。発電と需要は等価なのだから、両方を考えないのはおかしい。
  • 東電提出の資料5はインバランスに関係しており、東電が提案している需給運用が可能になると、案(3)と案(4)の差は限りなく小さくなり、先ほどの(3)か(4)という意見にも近くなる。調整電源は(4)、それ以外は(3)となる。安定供給確保の観点、公平性確保の観点、いずれの観点からもうまくいくのではないか。他方、東電の提案は、これまで電力が主張してきた案(1)と相性がよくない。例えば、東北電力が6つの発電BGを形成したと考える。秋田北BGでは大規模に電源が脱落したときに、東北電力管内全体では天気がよく太陽光発電の発電量が増加しており需給上は問題ないのに、秋田北BGは必死に火力を炊き増そうとするという無意味な事態が生じることとなる。東京電力からは詳細な制度設計に関する提案はなかったため、実現できるか定かではないが、東電案にすると案(3)か案(4)になる。
  • 次に、案(2)を支持する人がいれば、需要側についてはどうするのかという点を考えてほしい。需要について、需要家1件、1件に需要計画を出させることはないと思うので、その対応をどうするかを教えてほしい。案(2)だけでは需要家への対応が不可能。
  • 私の立場としては、案(1)に反対。案(2)について疑義があるが、合理的な理由が回答されれば案(2)でもよい。いずれにせよ、案(1)は非常に良くないという考え。
  • 最後のプロファイリングについて、最初見たときにはシンプルで良いと思ったが、1ヶ月単位で実績と想定の乖離を見る場合、インバランスが極端に出にくくなる。急に暑くなって需要が伸びたり、気温が上がらず需要が伸びなかったりすると、結局平均されて、インバランスが出てこなくなるのではないか。例えば、スマートメーター設置需要から非設置需要を差し引きそれで按分するといったやり方もあるのではないか。
  • インバランス料金について予見可能性があるとまずいという議論があるが、その議論には反対する。ある種のディストーションが起こるような料金水準となっており、かつ価格の予見性があるのがまずいだけ。今後、限界費用を予見する能力はかなり高まるはずだが、その価格がディストーションを起こさない価格なら問題はない。予見可能性が起こるのがまずいのではなく、それによってある種の市場操作が起こるのが良くないということ。予見可能性が低いことを、不必要に追求する必要はない。
  • (資料5の19ページ)今回の論点については、BGとインバランス価格の値差ということであるが、本質的には、GC後の電源の運用を個々の事業者に委ねるのか、系統運用者に委ねるのかという問題だと思う。この場合、系統運用者が効率性を考えて、一元的に管理することが論理的であり、非常に重要だと考えている。BGの自主性の発揮という点については、GC前の段階で存分に発揮される。
  • 料金の値差については、値差の前にインバランス価格の設定方法がどうなるのかということとセットで考えるべき。現状の値差は、インバランスの発生量が3%を超えるかどうかで大きく変わる。3%を超える余剰については、無償であり、そういう値差があることが新規参入事業者の頭にこびりついている状況で議論しても、その前提でしか話が出ないので駄目。需給状況を反映したインバランス料金が、計画遵守のインセンティブになるが、これにはリアルタイム市場の創設が不可欠となる。いくばくかの値差を付けるのかどうかについては、需給状況を反映したインバランス料金が発信されることを前提とした上で、検討の余地がある。
  • 自家発余剰や分散型電源等の出力が変わる電源をどう扱うのかという問題については、計画値同時同量の導入趣旨が、余力を明確にして市場を活性化するといったことだったことを鑑みると、全ての事業者に同じ計画値同時同量を課すのではなく、その趣旨に沿わない事業者については別の枠組みにのせることが適当なのではないか。変動電源については計画遵守を求めること自体が難しく、そうした事業者を制度に組み込むための配慮から、制度の根幹を歪めるのは望ましくない。
  • また、工場の操業により供給力が変わるのは、需要が変わるのと同じなので、需要側の変動として捉えるというのも一案。また、変動電源の調整を個別のBG単位ではなく、エリアごとやさらには広域で調整することは、再エネの導入にも資する。一般電気事業者のエリア毎に再エネ導入を議論するから、電力会社の調整余力の中の議論となり、導入量に限界が生じる。
  • 選択肢について言えば、案(2)または案(4)ではないか。これは資料5の内容とも整合的だと思う。
  • (資料5 9ページについて、)発電事業者としての発電設備は、全てバランシング・グループ単位で計画値同量の運用をする前提で考えている。2年後のHD化に間に合わせるため一つの案であり、これに限られない。
  • 今回の提案は、需給調整やインバランス補給のための予備力を確保するために発生するコストについては、系統運用者として確実に回収をさせてほしいというもの。資料6-2の選択肢(1)~(4)は、そのコストを誰がどのように負担するかというアロケーションの問題であり、独立して考えるべき問題という認識である。
  • インバランスの値差がないドイツでは、頻繁かつ大きなインバランスを発生させている事業者に対しては別途のペナルティを課す仕組みとしている。また、カリフォルニアの電力危機もインバランスの発生が関係している。BGの同時同量の精度が悪く、インバランスを恒常的に発生させる事業者が増えると、結局そのための予備力を確保する必要が出てきてしまうが、そのコストは託送料で広く回収することになる。本当にそれでよいのかという点は今一度指摘したい。
  • 容量メカニズムを導入した英国では、容量市場の電源については全てリアルタイム市場へ売りに出すことを義務付けることで、予備力を確保する仕組みとなっている。案(3)~(4)だけでは、予備力が大量に必要になってカリフォルニアのようになるのが心配であり、容量メカニズムの議論とセット。また、最終的には費用負担の問題になるのでそこをしっかりと議論してほしい。
  • これまでは案(1)と主張してきた。これは、実態として中央給電指令所が全ての系統に接続している電源をリアルタイムで把握出来ず、調整しきれないのではないかと考えていたこと、また、最終的に、一般電気事業者が全体として持っていた調整力を、発販として自社需給を全うするという面と、系統運用者として需給調整するという面に分けることにより最終的な需給調整力の範囲が狭くなるのではないかと考えていたことによるものであり、そうした不安があることから案(1)と主張してきた。
  • 東京電力の資料5で、中央給電指令所が(GC後に全ての調整電源に直接指令することで)できるという記述がでてきており、これが緊急避難的にできるということなのか、ずっと先も永続的にできるということなのかという点については、我々としても勉強しないといけない。ゲートクローズ後もそうだが、その前の計画の確実性をどう担保出来るのか、調整力は確保しきれるのか、ゲートクローズ後の調整幅も変わってくるがどうか等々の問題を考える必要があり、現時点でどの選択肢が良いかということがわからなくなってきている。今まで申し上げてきたものではない方式でもできるのか、検討しなければならない。計画の確実性が、調整しなければならない幅に影響することとなり、これらの問題をすべてセットで考えた上で、どの選択肢が一番よいか判断することになると思う。
  • 需要インバランス側についても、ディマンド・レスポンスが入ってきた時にどうなるのか等、今後も議論が必要である。
  • この表の案(1)~案(4)だけではどうすべきか判断するのは難しい。インバランスの問題を考えるときに、最初に押さえておくべきなのは、実需給の断面で調整力がどう確保され、調整されていくのかという点であり、このおしりの部分が考えられると、議論の幅も狭くなってくるのではないか。その点で、東電の考え方は非常に興味深い。
  • インバランスの値差に注目が集まっているが、本質的には値差の問題というより、インバランス料金の水準が、需給調整をメリットオーダーでやった場合の限界費用のレベルとなっているのかというのが重要。したがって、値差が必要かどうかと言われるとそこまで必要ないのではないかと考えている。
  • この議論については、もう少し社会費用を最小化するためにどうするかという観点で検討して欲しい。その際には、競争阻害の程度については、別に議論すると頭の整理になるのではないか。また、容量市場とセットで考えていくというのも一つの考え方。
  • インバランスや発電事業の定義、供給計画については次回以降のWGで再度議論させていただく予定。そのほかの議論については、概ね反対がなかったため、この方向で検討を進めて頂く。

<事務局>

  • 次回WGは9月を予定。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力改革推進室
電話:03-3580-0877
FAX:03-3580-0879

 
最終更新日:2014年8月6日
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