経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革貫徹のための政策小委員会(第1回)‐議事要旨

日時:平成28年9月27日(火曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

電力システム改革貫徹のための政策小委員会委員
山内委員長、秋元委員、安念委員、石村委員、伊藤委員、大石委員、大橋委員、大山委員、崎田委員、松村委員、圓尾委員、山口委員
オブザーバー
電力広域的運営推進機関 佐藤理事、株式会社エネット 武田代表取締役社長、東亜石油株式会社 玉井代表取締役社長(昭和シェル石油株式会社顧問)、電気事業連合会 八代事務局長、イーレックス株式会社 本名代表取締役社長
経済産業省
村瀬電力・ガス事業部長、畠山電力・ガス事業部政策課長、小川電力市場整備室長、山影電力基盤整備課長、曳野電力需給・流通政策室長、浦上原子力政策課長、吉川省エネルギー・新エネルギー部政策課長、新川電力・ガス取引監視等委員会総務課長

議題

電力システム改革の現状と課題、電力システム改革貫徹に向けた取組の方向性

議事要旨

  • 資料3 電力システム改革貫徹のための政策小委員会の設置について、事務局から説明
  • 資料4 議事の運営について事務局から説明
     委員からの異議の申し出なし
  • 資料5 電力システム改革の現状と課題
  • 資料6 電力システム改革貫徹に向けた取組の方向性
  • 電力システム改革の大きな目的の一つは、電力自由化によって需要家の選択肢が広がることだと理解。事務局からの説明にはそのキーワードはなかったので確認したい。また、今回の議論では「環境」というキーワードがあるが、ここでの「環境」とは何を指しているのか。
    →(事務局)資料5-P2に、電力システム改革の目的を記載している。安定供給の確保、電気料金の最大限抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会を拡大する、これらがシステム改革の目的の柱である。「環境」とは、3E+Sのうちの、「E」の一つ、地球環境、温暖化対策の意。
  • 資料5-P25の大手電力会社の規制料金には、大手電力会社が4月以降に出している新しい料金メニューは含まれていないということか。
    →(事務局)大手電力会社の新しい料金メニューのデータは資料に含まれていない。
  • 電力自由化が進むと、消費者にとっては料金メニューの選択肢が増え、また電力を地域で作っていくということにもなる。消費者が参加できる新しい時代に入ってきている。電力自由化に伴う新しい政策提案が、消費者にとってどう寄与するのか等、わかりやすく提示して、議論させてもらえるとありがたい。
  • 資料5-P26について、まだ料金メニューの多様性が少ないということだが、数年前、変動型の料金にするとどのくらいピーク電力が下がるかというのを北九州市が2年ほど実験していた。実験ではピーク電力が20%くらい下がるなどの結果も出ており、現在の状況下でどういった取組が行われているか、情報共有させていただきながら議論に参加したい。
  • エネルギー政策基本法を見ると、エネルギーの需給に関する施策を長期的、総合的且つ計画的に推進するとある。原子力基本法を見ると、将来におけるエネルギー資源を確保すると書いてある。この委員会での議論も、将来における持続性や、長期的な視点が非常に大切なポイントだと理解。
  • 旧一般電気事業者の地域を跨いだ競争活性化に期待。ただし、東京電力以外の旧一般電気事業者間の競争が本格的には起きないのでは、という点はかねてから懸念していた。具体的には、関西電力が名古屋に、中部電力が大阪に出て行くなど。今回の事務局提出資料が、懸念していた状況になっているのかはよくわからない。
  • 資料5-P21、P22について、新規参入者と大手電力会社の競争、大手電力会社同士の競争の状況は、それぞれ比較して把握する必要がある。P22では新規参入者は東京地域と関西地域に集中していることがわかるが、一方、P21を見ると大手電力会社同士の競争状況は関西地域にはそれなりにあるが、東京にはほとんど無く、それ以外の地域はほぼゼロということがわかる。まだ自由化が始まったばかりで、断定的には言えないが、このような状況が続くようであれば、どのような原因で大手同士の競争が起きていないかというのを分析しないといけない。
  • ここまでの電力自由化について、元々プログラムされていたものは順調に進んでいると思う。ただし、新規参入者のシェアがこれだけ出てきたのは評価できる一方、取引量はごく僅かであり、このままだと頭打ちになることを懸念。事業環境整備、中でもベースロード市場の整備はとても重要。
  • 環境問題の解決等は、市場メカニズムに任せるだけでは達成できず、政府が主導して目標を立てるなど、公益目的というものをきちっと設定し、それが実現されるよう整備されなければならない。しかし、公益目的と市場メカニズムは相反するものではなく、市場メカニズムをうまく使って目標をより低い国民負担で達成するためにどうするか、という点が重要。
  • 資料5-P39~P41の容量メカニズムについて、3.11以降に新しく火力発電所を作るという計画が相当出たものの、再生可能エネルギーが相当入っている現状を見て、計画を再考するという事業者が水面下で相当出ていると聞く。電力自由化の進展及び再生可能エネルギーが増加してくると、容量メカニズムの導入は不可欠だと思う。また、供給力確保義務の観点から、小売部門が責任を果たすためにも必要な措置。
  • 限界費用は、限界的な電源での限界費用であって、約定したその他の電源は限界費用より高い値付けがされており、そこで固定費を回収できる。そのため、供給力が足りないという状況などであれば、ネガワットなどの限界費用が高い電源等に基づき値付けがなされ、スパイクが発生するため、こうした期間を通じて投資コストを事業者は回収することが可能。そのため、容量メカニズムが無ければ、投資が進まないというのは誤りだと思う。一方で、ごく僅かなスパイク期間だけで投資コストを回収するのは相当リスキーな投資になるから、相当に大きいリターンでないと投資が進まず、結果として電力コストは高くなる可能性がある。容量メカニズムはそれと比較して、より効率的な投資インセンティブをもたらす方が望ましいことだという判断のもとでやっていく制度だと思う。安定供給のために効率性を犠牲にして容量メカニズムをいれるというのではなく、コストが嵩む一方で、供給力が増えるため卸価格を抑えられ、消費者のメリットにもなるという観点から、より効率的なシステムとして容量メカニズムを考えていくのだと理解している。
  • 太陽光を中心に再生可能エネルギーが入ってきたことで、火力発電設備の稼働率が落ちている問題は、大手の電力会社ほどリスクが大きくなっていると聞く。発電投資意欲の減退は、これまで原子力中心に議論されてきたが、火力も無視できない状況に各社なりつつあるというのを肝に銘じて、容量メカニズムの議論を進めていかなくてはならない。
  • 容量メカニズムは、本来、市場がうまく働いていけばメリットオーダーでうまく動かせばよいのだが、一方で別の目的でFIT制度を導入して市場を歪めてしまっている。政策によって歪められた市場をまた政策によって戻し、うまく働くようにしないといけない。
  • エネルギー供給構造高度化法によって、化石燃料の生産設備効率化を図っている。石油精製にはあまり技術革新の余地が少ないと言われているが、石油は在庫が持てる、海外から輸入ができるという状況下で何とか効率性を高めようしている。一方で電気は在庫が持てない、海外からの調達ができないということで、有事の場合にどのように安定供給を担保するかという議論は、効率化と共に必要な議論である。それが、容量メカニズムをどのように措置していくかに繋がるのだと思う。
  • 電力自由化後、投資回収の予見性が低下することで生じる安定供給への不安を補完する制度として、容量メカニズムが説明されている。また、再生可能エネルギーの急拡大が、更なる安定供給上の不安定要素となっていることも、必要性が増している要因と言える。他方、その状況で、安定供給確保のために容量メカニズムを整備するというなら、それは国として無駄な投資をしているとも言える。容量メカニズムは、電力自由化に起因する理由としては必要だと思うが、再生可能エネルギーが普及したからやるというのはおかしい。再生可能エネルギーの不安定要素は、火力発電ではなく電池の普及でバックアップする等、再生可能エネルギー自身が補うべき。電力自由化を支えるための仕組みとして、容量メカニズムが措置されるのであれば納得性がある。
  • 再生可能エネルギーの普及と、エネルギーの安定供給のバランスを踏まえた制度設計をする上では、コストをどこでどう負担するのか、電気料金なのか税なのかという問題があると思う。消費者に納得感のある制度にしてほしい。
  • 卸市場活性化は、それ自体が目的ではない。卸市場活性化は手段であって、目的は電気料金を長期的に抑制する点であることを見失わないよう、改革を考える必要がある。
  • 電気料金メニューについては、電力自由化によって様々なオプションを需要家に提供する等、短期的な効率性は追求されるが、市場は失敗するものである。市場は長期的な効率性を阻害する恐れがあるため、そこをどう担保するのかが、政策的に非常に重要。
  • 非化石市場について、非化石電源を持っている事業者と、持っていない事業者との間のイコールフッティングを図る必要があり、競争の阻害要因とならないよう注意すべき。
  • 新電力は、自前の電源を持とうとすると、設備投資の安い或いは運転の難易度が比較的低いガスまたはガスタービンのコンバインサイクルを持つことになるが、これはミドル電源、ピーク電源である。原子力や水力などのベースロード電源はコストがかかりすぎるため、新電力自身が保有することは事実上難しく、ベースロード電源へのアクセス性を高めることは非常に重要。ガスや石油は原油価格や為替に影響されるため、新規参入者の電源コストがいきなり倍、或いはそれ以上となることもあり得る。為替や原油価格に左右されないベースロード電源を組み込むということは、新規参入者の事業の安定にも資するし、ひいては消費者に対して安心していただける、安定供給の担保に繋がる。他方、資料5-P20で示された、特高・高圧の中でも業務用と産業用の新電力シェアに大きな開きがあるとの点について、仮に新電力がベースロード電源にアクセスしやすくなったときに産業用に供給するかというと、正直、疑問符がつく。大手電力会社は原子力などの多額の固定費を回収するため、大口で安定的な顧客に販売しており、新電力が産業用に供給できるかはわからない。新電力が安価なベースロード電源を手にすることができれば、それをうまく使いながら、おそらく高圧の業務用等に供給することになるのではないか。
  • 新規参入者のベースロード電源へのアクセスについては、それぞれの発電設備に、立地、工事等の苦労があり、地元の方々のご理解を得て建設してきたという歴史的経緯がある。特に原子力の立地については、長期に亘る時間と非常に多くの方々のご協力、ご理解を必要とするものであり、これは、日本全体のエネルギーセキュリティの確保や、各地域エリアでの低廉かつ安定的な電力供給という目的について、地元の方々にもご理解をいただいた上で成しえた結果である。ベースロード市場創設の議論が、安定供給に欠かせないベースロード電源の安定的な稼働や、将来の電源投資などに支障とならないよう、慎重なご議論をお願いしたい。
  • 安い電源という議論があるが、本当に電気は安くなければならないのだろうか。電気代が高くても、企業がコストに反映させることができれば高くても問題はない。国内に残っている製造業は、例えば精密加工などをしていることから、安定した電気でないと良い品質の加工はできなくなる。電気の品質が落ちてしまう電源が入ってくると、海外との競争力という観点で負けてしまうし、雇用も出来なくなるので、電気代をコストに反映できるのであれば、コストと品質のどこに考えの主体を置くかという議論もある。
  • 卸取引所の利用について、自主的な対応という形で常時バックアップ、電源の切り出し、あるいは予備率という観点で利用を進めてきたわけだが、自主的な取組で卸取引所を活発化させることに限界を感じている。思い切った政策がなければ突破できない。廃炉会計の恩恵を受け競争優位を持っている電源、国の補助金が投入された電源等は市場に切り出されて然るべき。欧米を見れば、どの国も新電力のシェアが2桁ある中、日本も新電力のシェアを5年後までに2桁にするなど、具体的な目標を掲げて議論していくべき。
  • 廃炉会計について、これまで廃炉にどのような負担が為され、これからどのような費用が発生するのか、国民がよくわかるように明らかにして欲しい。その上で、仮に新電力の顧客にも負担が求められることになれば、顧客に納得してもらえる仕組みを検討してほしい。
  • 太陽光は現時点では環境に良いと考えられているが、老朽化しゴミとなったときの処理の問題があり、果たして本当にそれは環境によいのか。どこまでの長期視点をもって環境対応を決めていくかという点も重要。
  • CO2を一番排出しているのは民生需要である。それを踏まえ、民生需要に電気を供給するCO2フリーの電源構成の目標値を設定することで、非化石電源の設備投資が行われると思うし、マーケットも拡大すると思う。
  • 環境対策を講じる際、CO2対策だけでは不十分だと思う。持続可能性が必要な時代になっており、2030年よりもっと先の世代に責任の持てる制度を考えるべき。目先の経済性だけが優先されるのには違和感がある。

総括

(事務局)

  • 次回の開催について、決まり次第ホームページでお知らせする。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 政策課 電力市場整備室
電話:03-3501-1511
FAX:03-3580-8485

最終更新日:2016年10月4日
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