経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革貫徹のための政策小委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成28年12月16日(金曜日)16時00分~17時36分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

山内委員長、秋元委員、安念委員、伊藤委員、大石委員、大橋委員、大山委員、崎田委員、松村委員、圓尾委員、山口委員、佐藤オブザーバー、武田オブザーバー、玉井オブザーバー、廣江オブザーバー、本名オブザーバー
経済産業省
村瀬電力・ガス事業部長、畠山政策課長、小川電力市場整備室長、山影電力基盤整備課長、曳野電力需給・流通政策室長、浦上原子力政策課長、柴山電力・ガス改革推進室長、吉川省エネルギー・新エネルギー部政策課長、山崎新エネルギー課長、松尾電力・ガス取引監視等委員会事務局長

議題

  1. 中間とりまとめ(案)について

議事要旨

資料3-1 中間とりまとめ(案)の概要、資料3-2 中間とりまとめ(案)
資料4 各委員等からのご指摘を踏まえた主要な修正事項、
資料5 対応すべき課題の全体像とベースロード電源市場創設のメリット
資料6 大石委員提出資料

  • ベースロード電源市場に強制的に供出させることについて、自由経済の下では、私企業の資産の扱いは当該企業に委ねられているのが原則。仮にそれを制限するのであれば、制度全体の中で補償することでバランスを取るべき。個人の見解に留まるが、原子力発電は公益的側面もあり、緊急時等には使用を制限されることは有り得ると考えられる。なお、議論されてきたベースロード市場は、市場価格で取引されるものと認識しており、一定の配慮はされていると考えられる。
  • ベースロード電源市場について、転売によるサヤ抜きで産業用の電気代が上がるのではないか、という懸念が示されているが、そのような状況下において、事業者がどのように工夫し、行動するかというのも自由化の趣旨であると認識。ただし、ベースロード電源市場の本来の意義が損なわれないことも意識すべきで、例えば3年~5年等の長期の商品となれば、小売事業者の行動原理も長期計画に基づき、自社が保有する電源と同じように扱っていくことも考えられる。また、それに伴う燃料費の調整リスクをどう扱うかの検討もお願いしたい。
  • ベースロード電源市場のメリットとして、年間250億円という試算があるが、ゼロサムの関係にある以上はこの分を旧一般電気事業者が負担しているとも言える。市場がこのような考え方に沿って必ずしもうまく回るのかという懸念は持っている。
  • ベースロード電源市場の創設は大変重要な措置だと認識しているが、各事業者の需要量の3割という水準は小さくないと考えており、環境整備を行いながら徐々に達成できるようにすることが望ましい。
  • ベースロード電源市場について、企業の財産権までを否定するものではないと認識している。一方で、市場価格の売買となるため、極端に安い価格で供出されるものでないことにも留意すべき。
  • 公益電源としての原子力をマーケットに供出するならば、まず原価ベースで供出するのが適当ではないか。
  • 市場のメカニズムを使って長期の経営をコントロールするのは難しい。ベースロード電源市場、容量メカニズムの設計は慎重に考えて欲しい。ベースロード電源市場は電源投資を促す意味もあるはずで、一方で価格の上限を課している。制度が措置されても、価格によっては電源投資が促進されることは必ずしも担保されず、価格のキャップをどう判断するのかは難しい。手足をいたずらに縛っても良くないため、詳細設計にあたってはこうした要素も考えるべき。
    →(事務局)電源開発の投資への影響について、中間とりまとめ案のP6に見直しの条件として、ベースロード電源開発の状況を踏まえると記載している。
  • 容量メカニズムについて、支払われたお金がどのように使われているのかの妥当性を確認する仕組みは必要。また、石油火力が大災害等の緊急時に電源不足を補ったという側面もあり、緊急時に対応した発電設備や燃料供給インフラにかかる容量メカニズムの検討は、別の場で検討していただきたい。確認として、小売電気事業者は今後、電力量(kWh)のほかに容量メカニズム(kW)と、非化石価値の3つを購入し事業運営するという理解でよいか。
    →(事務局)小売電気事業者が、電力量(kWh)、容量メカニズム(kW)、非化石価値の3つを購入する点はご認識の通り。
  • 容量メカニズムについて、発電投資を確保する観点から措置するのであれば、既存の需要に対して供給できている現状において、既存電源に容量価値を支払うべきなのだろうか。本制度の対象は新設電源だけで十分だと考える。
    →(事務局)現時点の供給が十分足りているとの指摘について、実態として、予備率が常に十分確保されているとは必ずしも言えないと認識。容量メカニズムの対象とする電源の考え方は、報告書の留意事項に記載させていただいている。
  • 中間とりまとめ案のP13、非化石価値証書について、特定の電源由来証書として販売するか否かは売り手が選択出来るとあるが、売り手とは発電事業者のことか、小売電気事業者のことか。また、証書の買い手は原則として小売電気事業者とあるが、高度化法の趣旨に鑑みれば小売電気事業者とすることに異存は無いが、再エネ普及と国民負担低減という観点から見たときには、証書の買い手は限定しなくてもよいのではないか。
    →(事務局)高度化法の44%を達成する対象が小売電気事業者であるため、売り手としては発電事業者を想定していた。需要家自身は証書を購入するわけではないが、例えば、非化石価値を持った電気を購入する選択ができるため、御指摘を踏まえ、中間とりまとめにおいて、追加的な表現を検討したい。
  • 高度化法の中間目標の設定について、「適切かつ慎重に設定する必要がある」との記載があるが、他の意見もあったことを含意する表現とできないか。
    →(事務局)事務局としては、最大公約数で記載したつもりであり、これまでの議論の中では、複数の委員及びオブザーバーから、市場の設定の仕方によって極めて高い値段もつくため、慎重に定めるべきという意見が多かったように認識している。しかしながら、必ずしも総意ではなかったという認識の下、このような表現としている。
  • 賠償の備えについて、一般的に「法の不遡及の原則」という考え方はあるが、本件は、過去に負担すべきであった費用を遡及して課すものではないと理解している。年金の議論でもあるように、過去に積立が不足していたと観念される分を、将来に渡って負担するという考え方であり、法の一般原則に反するものではないと考えている。
  • 東電を仮に法的整理していれば、関連費用は租税で徴収するしかないが、そうしなかった現状において託送料金で徴収するということは、租税に対する次善策であると認識。租税の変形であるとすれば、民法上の契約法等に基づくものではないので、責任と負担、受益と負担の関係を厳密に追求することはできず、法の一般原則に反するものではないと考えられる。他方、余りに精緻に作り込まれた制度であると、柔軟な運用が困難となるため、実態に合わせて手直しをしていくべき。関連して、ベースロード電源市場と容量メカニズムは、結果的に旧一般電気事業者への補助金になってしまうのではという懸念はある。これも実態を踏まえながら、調整していくことが必要。個別の論点についての批判はあり得るが、暫定的には今回のとりまとめの内容で良いのではないか。
  • 賠償の備えとして、新電力負担分が60億円とあるが、これは「新電力ルート」と考えるのが適切だと認識している。
  • 賠償の備えについて、需要家に正しく伝えることは重要だと考えるが、料金明細表以外の方法で周知することも可能であり、小売事業者の自由度を確保していただきたい。なお、確認として、賠償の備えの総額が2.4兆円、1年当たり600億円で、新電力のシェアを10%としたときの年間の負担が60億円とあるが、旧一般電気事業者が残り540億円を負担するという理解でよいか。
    →(事務局)需要家への周知方法については、あくまで需要家にきちんと伝わる方法であることが重要であると認識している。また、旧一般電気事業者の負担分が540億円である点はご認識の通りだが、これは新電力シェアが10%と仮定した場合の金額であることに留意されたい。
  • 賠償の備えについて、新電力の負担が年間60億円になるという説明には留意が必要である。新電力のマーケットシェアにより変動するものであり、ベースロード電源市場の恩恵250億より負担が少ないという理屈は適当でないと考える。あくまでも需要家に対し2.4兆円という多額の負担を課している自覚を持つべきである。
  • 本小委員会の評価として、大きな絵は描いたものの、例えばベースロード電源市場において何年物の商品とするのか等、詳細は未だ決まっていないと認識。これからの詳細制度設計が一層重要であり、きちんと理屈を考え抜いてその時点でベストという案を検討していくべき。
  • 賠償の備えについて、本来は事故リスクも踏まえた上で価格設定すべきであったところ、そのような制度措置を講じていなかったため将来にわたって負担していただくということ。過去の需要家と今の需要家は厳密には違うので一概に比較できないが、ほぼ同一と捉えて、日本全体のメリットを考えてこの制度でやっていくことで理解しており、これは丁寧な説明をしていく必要があると思う。
  • 賠償の備え、通常廃炉について、託送料金の仕組みを利用することで、費用の詳細が外部から見えにくくなること、また、なし崩し的に増えることを懸念している。全体の負担感を示した上、透明性を確保し、国民に対して分かりやすい説明が必要。
    →(事務局)手続の透明性に関する指摘について、中間とりまとめ案では妥当性を担保すると記載しているが、この点はしっかり対応していきたい。
  • 託送料金の仕組みを利用することについて、どの委員も「仕方がない」とのコメントである。開かれた議論を行い、そのうえで税金とすることが適切だと考えている。省令だけで制度変更できることにも不信感を抱いており、真に必要なものであれば、政府として責任をもって税金という形で措置していただきたい。
  • 本小委員会は、電力分野で必要な3E+Sの対応を、市場メカニズムを活用して実現していくための場である。その上では、フェアな市場であることは非常に重要であると考える。旧一般電気事業者がこれまで一定の規制環境下に置かれていた点には留意が必要で、その上で最終的にフェアになるような俯瞰性が必要。
  • 市場は短期で動くので短期のメリットオーダーは実現出来るが、長期のメリットオーダーを達成するのは難しい。現状では想定し得ない事業者の行動もあり得るため、常にリバイスしていくことが重要。
  • 今回のとりまとめがベストではないかもしれないが、方向性を取りまとめると言うことでは納得はしている。他方で、賠償の備えなどの今回の議論を一般の消費者が理解するのは簡単ではないと思われる。ウェブサイト等の手段も活用し、分かりやすい説明が必要である。
    →(事務局)今後、審議会のほか、様々な方法で丁寧な説明を行うよう努めたい。
  • ベースロード、卸電力市場、容量メカニズムを使い、小売事業者間の競争を促していく施策と理解している。その中で、主たる供給者が旧一般電気事業者である時、どうしても市場支配力を行使しやすいため、専門的かつ継続的な観点からの監視をしっかり行ってほしい。
  • 報告書のベースには3E+Sというエネルギー政策の基本的な考え方、長期的な視点があるものと理解しており、その意味で、報告書の冒頭に、より総論的な記載をすべきではないか。「おわりに」にある整合性の記載や総合的政策判断、これら施策の一体的実施についてとの記載は重要であると考える。
  • 制度導入のスケジュールについて、いずれの施策も2020年前後にほとんど同時に一体的に導入されると理解しているが、今後、詳細設計に際して相当困難があると思うし、時間を要すると思っている。一刻も早く実現すべく、全力で取り組むべきではあるが、資源エネルギー庁には万全の体制で指導して頂きたいと思う。また、万が一の場合にはスケジュールを見直すことも念頭に置いて頂きたい。
  • 賠償問題をどうするかという議論について、企業は本来、利益を追求すべきであるところ、東電は賠償にも廃炉にも懸命に取り組むということが求められている。グループ全体の収益バランスを一括で見たとき、外からは見えない部分でいわゆるダンピングのようなことが行われないか懸念している。国民の納得感を得る様な事業展開を行う事が重要と認識。
    →(事務局)不当廉売については、適正取引ガイドラインの中で、独禁法上も問題であり、電気事業法上も問題のある行為であるとして、業務改善命令等の対象になると明記している。しっかりと監視していきたい。
  • (小委員長)本日のご意見を踏まえ、事務局と相談して精査させていただきたい。それらを前提として中間とりまとめを確定し、パブリックコメントにより広く意見を募りたい。詳細は一任頂きたい。

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資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年12月22日
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