経済産業省
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電力システム改革貫徹のための政策小委員会 市場整備ワーキンググループ(第3回)‐議事要旨

日時:平成28年11月9日(水曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

委員
横山座長、安念委員、秋元委員、大橋委員、大山委員
崎田委員、武田委員、廣瀬委員、松村委員
オブザーバー
秋山株式会社エネット経営企画部長
斉藤イーレックス株式会社執行役員・経営企画部部長
柳生田昭和シェル石油株式会社執行役員・電力需給部長
佐藤電力広域的運営推進機関理事
國松日本卸電力取引所企画業務部長
内藤関西電力株式会社総合エネルギー企画室長
鍋田中部電力株式会社執行役員・グループ経営戦略本部部長

議題

  1. 非化石価値取引市場について
  2. 容量市場について(中長期の供給力確保)

議事要旨

(事務局より資料3を説明)

  • メニュー別証書によって、選択肢が増えることは良いこと。非化石価値の表示により分かりやすく社会にアピールできることも大事。
  • FITの国民負担が増大していることを懸念。FITの買取期間終了後を応援する意味でも意味があると考える。
  • 他の制度に波及する可能性があるため、制度設計は非常に困難だと思われる。
    →(事務局)他の制度との整合性はしっかり確保する必要があると考えている。次回以降このWGで議論している他のものとの関係性を可能な限り明らかにしていきたい。
  • 市場を育てるため、スタートとして参加者を小売電気事業者に限定することはその通りでよいと考える。
  • FIT由来の証書は他の証書と比べて非常に多く出てくると思われ、その市場に与える影響はしっかり監視すべき。
  • 非化石価値、ゼロエミ価値、環境表示価値の3つの価値がまとめて扱われることで制度が複雑になってしまうことを懸念。特に非化石価値にその他の2つの価値が埋没してしまうのではないかと懸念。
  • 高度化法44%の目標に向けて、政府の運用次第(目標の縛り方次第)で価格に大きな影響が出るため、事業者にとって予見性が低い制度になってしまう。
  • また、公正な競争という観点からも慎重な議論を望む。
  • 非化石価値を事業者間でトレードできる制度の整備、FITの環境価値を顕在化させFITの賦課金を減らすことを要望していたが、ようやく検討がはじまったかという受け止め。
  • 非化石証書の価格については規制の部分と併せて検討が必要。
  • なぜ、RPS制度がうまくいかなかったのかという部分の整理も必要。
  • ダブルカウントについては、一律で全て非化石証書を発行するものとしてしまえば問題ないのではないか。
    →(事務局)実務的に速やかに制度を立ち上げ運営できるかどうかは別として、理論上はすべて証書化することによりダブルカウントはなくなると思われる。
  • 買い手の制限に関しては、転売等を目的とした事業者の参入も認め、流動性を高くすることを見据える必要があるのではないか。
  • そもそもの非化石電源の導入を進めていくことも別途重要。そうでなければ市場が動かなくなってしまう。
  • 排出係数の整理に関しては、制度上問題が無いようにしっかり環境省と議論して欲しい。
    →(事務局)JクレやFITに係る排出係数の整理を踏まえながら検討がなされるのではないか。
  • 既存の証書制度との整理をしっかりとお願いしたい。
  • 温暖化対策の一つとして見れば、将来的には買い手の対象を広げて、電気事業者以外の事業者のCO2オフセットを認めることとして良いと思う。
  • 市場の流動性確保のためのシステム開発も必要になってくるのではないか。
  • 表示の部分が複雑になってしまう。現状のFIT表示の理解も進んでいるとは思えないが、きちんと整理して欲しい。
  • 非化石市場を今後活用していくにあたり、高度化法に関しては中間目標をしっかり設置すべき。
    →(事務局)新規参入者の障壁とならないように、非化石市場導入後の状況や日本全体の非化石電源の導入状況を見ながら検討していく必要があるのではないか。
  • 非化石電源の導入のための施策をしっかり措置して欲しい。
  • やはり、CO2がないことの価値に注目し、カーボンプライシングのような制度とセットで考えることが必要なのではないか。そうでないと、非化石市場が世間に広まらないのでは。
  • イコールフッティングの観点から、旧一般電気事業者の持つ、原子力・大型水力の持つ非化石価値に関してもしっかり新電力にとってもアクセス可能な制度を検討して欲しい。
    →(事務局)ベースロード市場と関係してくるため、次回以降論点としてお示しさせていただきたい。
  • また、原子力・大型水力の非化石価値による利益が、すべて旧一般電気事業者に帰属するという整理も納得はできない。
  • 非化石証書を特定排出者のCO2排出量報告に使える方向で検討してもらいたい。
    →(事務局)非化石証書を購入した小売電気事業者から購入を行った需要家については、間接的に排出係数を用いることでCO2排出量が下がるため、特定排出者の排出量報告に反映出来ないわけではない。
  • 具体的な数値に基づいてシミュレーションを行い、非化石価値取引市場の導入を検討していただきたい。導入に関しては慎重に検討して欲しい。
  • もし、我々のような新電力が2030年度で44%を厳格に求められ、このような証書を購入する要請が発生すると、金銭的に大きな負担となってしまうことから、事業者負担の観点からも検討いただきたい。
  • 高度化法の目標の定め方によって、価格が大きく変わってしまうのではないか。
  • もし、証書の価格が安くなった場合、実際の証書調達価格以上に需要家に環境価値を訴求する事業者があらわれ、最終的には国民負担の増大となってしまうのでは。
  • 2030年度における非化石電源比率44%を排出係数0.37kg-CO2/kWhを達成するためのメルクマールと考えると、非化石電源比率44%は達成したが、排出係数0.37kg-CO2/kWhは達成できない可能性もあるのではないか。ついては、%ではなくCO2価値そのものを取引することを検討してもらいたい。
  • 電気とそれに付随する非化石価値を分けた設計とすることで、電気だけ買いたいときはスポット市場を使えばいいので使いやすくなる。
  • JEPXとしてはこれまでの取引の経験を活かし、スポット市場、非化石市場ともにしっかりとやっていきたい。

(事務局より資料4を説明)

  • 電力は需要側の変動が激しく、貯蔵することが難しいため、供給側が生産量を合わせる必要がある。容量メカニズムは変動分を吸収するための余力に対して、何らかのインセンティブを与える制度と理解。
  • 供給側は、できるだけ変動を抑えて安定的に電力を供給する義務がある。再生可能エネルギーも例外ではなく、変動分を火力発電でバックアップするのではなく、例えば太陽光発電であれば、バッテリーを具備して安定的に供給できるようにするべき。
  • 需要側は、需要変動に対して電源を確保する必要があり、そのために容量メカニズムは必要な制度であると理解。
  • 大規模災害が起きた場合の需給インバランスに対し、常時から発電事業者が準備しておくのはコスト負担が大きい。このような大規模な稀頻度リスクに対しては容量メカニズムの対象外とし、広域機関で対応する方が望ましいのではないか。
  • 設備で対応するだけでなく、ネガワット取引や瞬時調整契約なども活用して需要変動を抑え、国全体でインフラコストが増えすぎないように制度設計をするのが望ましい。
    →(事務局)供給側と需要側の原因を分けるべきではないかという点については、系統増強の費用負担ガイドラインでも同様の考え方をとっており、御指摘の趣旨も踏まえて対応していきたい。
  • 2011年に計画停電があった地域では、地域の自然エネルギーを使って電力自給率を上げようとする試みがあり、電力の安定供給が地域の暮らしにとっていかに重要であるかを実感した。容量メカニズムに関しては、きちんとした仕組みを構築することが重要。
  • 再生可能エネルギーの急増リスクと自然災害リスクの両面に対して、安定供給を担保するために、全ての事業者に参加してもらうことが重要。
  • ネガワット取引については、モデル事業としてピーク電源を2割カットしている事例もあり、ある程度は認めていった方が、メニューが多様化して、新しいチャレンジも広がってくると思う。
  • 発電と小売の双方で有力な地位を占める旧一般電気事業者の存在を前提に制度設計を考える必要がある。例えば、kWhとkWを抱き合わせて発電市場で競争者を排除する動きについては、現在の日本の電力市場では看過できない。集中型と分散型の選択については、集中型の方が望ましい。
  • 集中型と分散型のいずれの場合でも、容量市場が機能するためには、卸電力市場が十分機能していることが前提。市場が十分に機能していれば、人為的な市場操作についても自ずと明らかになってくるのではないか。
  • 日本の場合、稀頻度リスクとして大規模災害への対応は大切だが、これに対して、あらかじめ大量の発電設備を確保しておく必要があるかどうかについては議論が必要。大規模災害発生時には、短期的には広域機関の指示による地域間融通で対応し、その後は、通常とは別の容量市場を創設して対応する方が、必要量も見極めやすく、合理的であると思う。
  • 市場支配的な事業者への対応については、電源を必要以上に多く持つことにならないように、広域機関が需給見通しをいかに公正に正確に行うかということが重要である。
  • 新規投資を促す施策を工夫することが重要。大規模な電源を持っている市場支配的な事業者が電源を停止しようとする際に、それを監視できるような仕組みが必要。
  • 本日は今後の制度設計に向けて、集中型か分散型かという大きな方向性について決めるものと認識している。市場支配的な事業者が存在する限り、集中型が良いのではないかという意見に賛成。集中型は需要曲線の作り方が難しいが、この点についてはこれから検討していけば良い。
  • 容量メカニズムは投資の予見可能性を高めるために創設するもの。そうすると、総括原価方式の下で大昔に建設された電源をどのように取り扱うかという問題がある。例えば、容量市場で支払われる金額をプールしておき、広域機関の電源入札や連系線増設の原資にしたり、新規参入者の容量市場における負担軽減の原資にしたりすることも考えられる。このような論点については落とさずに検討してほしい。
  • 容量メカニズムの存在を全く想定せずに建設された大昔の電源に対してまでも、容量メカニズムによって過剰な収入を与える必要はないという考え方もあり得る。他方で、必要な補修が進まなくなることが懸念されるため、補修に限定してインセンティブを与えるという考え方もできる。このような論点についても落とさずに検討してほしい。
  • PJMは分散型から集中型に変更した経緯があるが、PJMにヒアリングしたところ、地域ごとの電源特性を考慮する場合は、分散型より集中型の方が望ましいと言っていた。なお、PJMでは相対取引も1割程度は認めていると言っており、ある程度ハイブリッド型になっている。
  • NYISOは分散型で相対取引を行っているが、NYISOにヒアリングしたところ、相対で取引できなかった分は、NYISOが管理者として入札を行っていると言っていた。そういう意味では集中型とも言え、実際の状況に応じて柔軟に運用しているような印象を受けた。
  • フランスは分散型であるが、まだ運用年に入っておらず、実効性確保の観点からは集中型の方がやりやすいのではないかと思う。
  • 容量市場が機能するための前提条件として、競争メカニズムが働いていることが重要。調整力公募と容量市場の二重取りと言われないためにも競争メカニズムは重要。
  • 既存電源が退出するのを防ぐのが先で、それでも容量が不足する場合に新設電源にもインセンティブを与える、それでも不足すれば最終的に広域機関の電源入札、といった階層的な安定供給に向けての仕組みが重要。
  • 論点5で電源別に調整係数を設定するという考え方は良いが、恣意性が入りやすいのではないか。過去の稼働実績を勘案するのであれば良いが、それ以外にどのような要素を入れるのかは慎重に考えるべき。
  • 論点6でペナルティをあまり緩くすると、調達側としては事前の容量認証の要件を高くせざるを得なくなる。他方、DR事業者の場合は、ペナルティを多少厳しくしても事前の要件を低くした方が参加しやすいのではないか。
    →(事務局)調整係数については、事前に決めるだけでなく、事後に評価するアプローチもあるかと思うので、御指摘の点も踏まえて整理していきたい。
  • 論点4について、新規の投資を重視するのであれば、容量確保時期が3年前というのは新設にとっては短すぎる。単純なkW価値だけ考えれば安価な既設の延命という考えもあるが、適切な新陳代謝のためには、一定の新設の投資を促す必要があり、そのバランスを取って制度設計をしていく必要がある。
  • 供給計画を管理している広域機関などの専門的な知見も踏まえて必要時期や容量を精査し、最終的に費用負担する消費者や事業者が納得できるような制度設計をしてもらいたい。
  • 論点2で、小売の供給力確保義務と整合を図り、調整力の部分については容量市場においても一般送配電事業者が一括で調達した方が効率的なのではないか。また、ベースロード電源市場との重複がないように配慮してほしい。
  • 論点7で、大型の電源を持っている旧一般電気事業者の市場支配力を考慮した上で、相対取引の自由度も一部認めるなどミックスした制度が望ましい。事業者の声も踏まえて慎重に検討してほしい。
    →(事務局)御指摘の点も踏まえ、広域機関ともしっかり連携しながら検討を進めていきたい。
  • 過度な国民負担を強いるような制度とならないよう配慮してほしい。容量市場は中長期的に必要な供給力を、市場原理を活用して効率的に確保する制度と理解。供給力としてカウントする必要のない電源にまで国民負担を通じて固定費を支払うような制度にならないようにしてほしい。
  • 集中型と分散型のどちらが良いかという点については、単純な二者択一ではくコンビネーションも考えられるところ、現時点ではどちらが良いということは判断できない。
  • 容量メカニズムは電源のリプレースをしっかり進めるという観点からも重要。
  • 稀頻度リスク対応については、既存を延命することにもつながるので、容量メカニズムで対応するのは難しい。どのようなリスクを想定して、どこにどれだけの供給力を持つべきかについては、容量メカニズムではなく、広域機関で検討する方が効率的である。費用については、小売負担ではなく、必要であれば託送料金で回収する方が違和感はない。
  • 論点2で、FIT電源については、kW価値として評価することに違和感はない。
  • 論点3で、投資予見性の観点では4~5年前からの容量確保が望ましいが、ネガワットも同じタイミングで容量を判断することは難しいのではないかと思う。
  • 広域機関の電源入札制度は最終手段であり、そこにしわ寄せがいかないような容量市場を設計してほしい。
  • 集中型か分散型かという点については、基本的には集中型の方が良いと考える。
  • 大地震等の稀頻度リスクについては、常時の制度である容量メカニズムで対応するのではなく、緊急時の対策は別途考える必要があるのではないか。2011年に計画停電があったが、世界的に見れば上手く対応できたと考えており、不必要にコストが増えないようにするべき。
  • 論点5の調整係数については、供給力計上ガイドラインでエリアの供給信頼度を設定しており、そちらも参考に検討してはどうか。連系線の利用についても、エリア外の供給力と合わせて検討してほしい。
  • 論点2の調整力公募については、再エネの出力変動によって電源IIの重要性が増していることもあり、必要な調整力が確保できるように検討していきたい。
  • 導入時期については、卸市場活性化、需給調整市場、連系線利用ルールの検討状況も見ながら、整合的に決めていってほしい。
    →(事務局)他の検討中の制度との関係についても、整合を図りながら進めていく。前回の会合では、既設と新設を分ける考え方を一案として提示したが、再生可能エネルギーが増加して調整力が必要になる点は全ての電源に影響がある。制度が過渡的な段階では、何らかの経過措置が必要かどうかといった論点があると認識している。
  • →(事務局)本日の集中型か分散型かという大きな論点については、集中型を支持する意見が多く、少なくとも、集中型が問題だとする意見はなかったと認識。

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最終更新日:2016年11月21日
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