経済産業省
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電力システム改革貫徹のための政策小委員会 市場整備ワーキンググループ(第4回)‐議事要旨

日時:平成28年11月24日(木曜日)12時30分~14時30分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

委員
横山座長、安念委員、秋元委員、石村委員、大橋委員、大山委員、崎田委員、武田委員、廣瀬委員、松村委員
オブザーバー
秋山株式会社エネット経営企画部長
斉藤イーレックス株式会社執行役員・経営企画部部長
柳生田昭和シェル石油株式会社執行役員・電力需給部長
佐藤電力広域的運営推進機関理事
國松日本卸電力取引所企画業務部長
内藤関西電力株式会社総合エネルギー企画室長
鍋田中部電力株式会社執行役員・グループ経営戦略本部部長

議題

  1. 市場整備WG及び財務会計WGにおける議論の関係性について
  2. 容量メカニズム、非化石価値取引市場について
  3. 制度措置・変更に伴う既存契約の見直しの必要性について

議事要旨

(資料3について事務局より説明)

  • 前回でも触れたが、全体として総合的な判断をすることに賛成。
  • 1Fの負担は大きくなると思うが、その額の配分に注力し過ぎてしまうと、個々の市場の本来の価値を毀損してしまうことが懸念材料。慎重に進めて欲しい。
  • ベースロード電源市場の実効性確保策を明確化するべき。
  • 電気料金への影響を明確化するべきなのは、全くその通り。またベースロード電源市場で述べられている論点の2点(想定される市場規模、実効性確保策の明確化)は、その他市場でも重要と認識しており、詳細設計で配慮頂きたい。
  • 電源の想定される規模はどの様に試算するのか。実際にやってみないと分からないかもしれないが、新電力からの買い注文の想定を出発点とするのか。
    →(事務局)市場は自然発生的に形成される面もあると思うが、次回、何らか提示出来るようにしたい。負荷曲線に一定の仮定を置くことで、需要規模の提示は出来ると考えている。但し、コストは市場に出てくる売り玉、買い玉の関係で決まるため、正確には見積もれない。
  • 全体の内容に関しては、前回の貫徹小委で述べた通り、総合的な判断を行うことに賛成。時期に関しても、出来るだけ同じ時期にスタートするべきと考える。
  • 但し、全て一緒の時期では難しいとの意見もあり、社会への時期の情報発信に留意して頂きたい。社会へ発信する際には、キーワードベースになるものと考えるが、出来る限り慎重に発信して欲しい。
  • 時期について、お願いがある。廃炉費用の負担を需要家に納得してもらうのは難しいと思っている。ベースロード電源市場からの調達コストが安定し、需要家に還元出来るようにすることが重要と思っているため、廃炉費用負担の先行だけは避けて欲しい。

(資料4について事務局より説明)

【容量メカニズム】

  • 印象として、余り精緻に構えてしまうと、身動き難くなってしまうと思う。既設電源への過剰なレントを避けるため、古い電源と新しいのに分ける、その際には償却度合いに応じて段階的に設定する等が考えられるが、それは面倒なことになる。経営者の発想では、償却が進んだら利益が生まれるのは当たり前のこと。例えば、高炉で鉄を作る場合、償却が済んだら、残りは楽しみになる。
  • いくつもの新規参入者への配慮があるが、一度走らせてから、これはいかんとなってから、考慮してもいいのではないか。
  • 容量メカニズムの有無に関わらず、中長期的に必要な供給力を確保するコストは等しいと説明を受けている。もしそうならば、容量メカニズムを設けることは必要不可欠ではない、ということになるのではないか。取引費用は回収するとして、どちらでもいいならば、理論的に容量メカニズムを設けなくてもいいということになるのか。
  • (供給力確保策について)容量メカニズム以外の2つのものでも同じ結果を得られる。但し、リスクプレミアムが異なることになることにより、投資家が求めるプレミアムが変わることになる。それは、結局のところ消費者へ転嫁される。
  • リスクプレミアムは相応にあり、容量メカニズムの市場運営コスト以上になるだろう。そのため容量メカニズムでは発電投資が促され、卸価格が下がり、その他の容量価値と同じになるというロジック。
  • 既設電源にはその効果が無い。電源促進効果がないのは「つかみ金」になってしまい、つかみ金は消費者負担になる。
  • 消費者から、コスト純増への批判的な意見があるのも理解する。前回説明したように、やり様はある。
  • 既設と新設の扱いは何らか分ける方が適切。製鉄業の例では、製品自体のクオリティが異なる。そうした中で、自然に技術の発展がなされる。
  • 一方、電力は国内に閉じており、かつ、品質に差が無く、何もしないと既存の古い電源が存在し、目指すべきエネルギーミックスが達成出来ない可能性があるため、新設と既設で分けるのが適切。
  • 既設電源への支払の在り方に関し、そもそもkW価値が同じであれば、同じ価格になるのが原理原則。
  • 加味するべきものは、将来の需要。将来、かなりだぶつく姿を見込んでいるならば、新設を別途作るのはコスト増になる。
  • 新設を既設と一緒にし、新設にも競争をさせ、既設の退出を防ぐことを推奨。
  • 再エネに特別対応をすることも考えられるが、kW価値が同じならば、同じだけ払うことで良いのではないか。
  • 市場支配力に関し、容量メカニズム内に入れるのは良くないと思う。監視等委員会が取り締まるのが、役割がはっきりして良い。
  • 既設電源が40年で止まるのを50年にまで伸ばすことのインセンティブを与える。新しい電源を作るより、メンテナンスでも良い時もある。
  • 逆に、新設を作っても良い時もあるだろう。経済状況が(もし産業が海外に出ず)良くなれば、需要は上がることになり、その場合には電源のリプレイスをしていくこともあるだろう。
  • 新設も促す制度も必要で、既設と新設でなんらかの傾斜配分が必要。(2分化するわけではない)
  • 少なくとも2つ以外の措置として、広域機関の設立、電事法で、需給で3%切ると広域機関は他の供給エリアから融通指示をしている。つまり市場価格が上がる前に、他エリアから融通してしまっていることになり、スパイクは生じなく、Energy Only Marketでもない。そのため、容量価値分下がってしまう道を進んでいる。
    →(事務局)既設と新設について様々なご意見をいただいたが、分ける際のやり方によって、結果は変わり得る(負担増にも負担減にもなる)のではないか。新設の枠を作ってそれが大きければ新設分の価格が上がるが、一緒にして既設だけで約定すれば価格が下がることもあり得る。既設はある程度、総括原価で回収が進んでいるものの、修繕をする必要はあるものと認識。
  • 基本的には、再エネを増やしていきながら、安定的な設備容量に関して社会が支えていく。
  • 運営に関心を持つのは重要であり、支払はどこかでしなければならず、制度的にコストが高くならないようにして欲しい。
  • どこをどうするかは、9つの今後検討を進める上での留意事項でバランスを取って欲しい。
  • 関心を持ったのは、系統安定化コストの適正な負担の在り方。原因が特定出来なくても、そのバランスによってどうなるかが見えてくるだろうから、特定出来る場合の定義には今後議論が必要。
  • 前回も発言したが、公平・公正な競争環境の実現と柔軟性の確保に関し、色々な電気料金メニューの中で将来的にはネガワット市場の定着、社会の省エネインセンティブをつけていくことが重要。それらも応援していける柔軟性が必要。
  • 現状、供給力に余裕がある。消費者に配慮した価格にして欲しい。
  • 小売が確保するべき容量は、自社の需要に対して確保をするものであって、稀頻度リスク・再エネ変動に対するものは一般送配電で一括的な調達をすることがより効率的と思う。
  • 多くの電源を持つ事業者が自社グループ内の小売りと外部の小売とで差別されないよう、市場支配力が働かないようなインセンティブを導入して欲しい。例えば、市場支配力を持つ事業者は容量を市場に一回通すことや、価格のモニタリングをすることの想定。
  • 容量市場のインセンティブとして、償却が十分に済んでいる、総括原価で回収している電源を支払の対象にしない等、社会全体の費用対効果を考えて欲しい。
  • 適切な価格指標を作ることは大事。そのために需要の想定が重要であり、適宜見直しをして欲しい。海外では頻繁に見直している。
  • 今後の詳細設計に事業者も参加出来るようにして欲しい。
  • 容量価格が実際にどうなるのかが気になる。市場なので、需給のバランスで決まるものと認識。一方、価格が余りにも変動すると、現実的な小売事業者としての対処が気になる。
  • 元々、導入の経緯は、発電投資の価格予見性を持たせるということの理解。この観点でも価格変動が大きいと、そもそも導入の経緯と実際にやってみてどうかが気になるので、詳細設計の際、事業者も確認をし、意見を述べられる制度設計をして欲しい。
  • 1年ではなく数年の中長期とすることで変動を吸収していくこともあるのではと考える。逆に、需給バランスで変わるものを何年間もフィックスするのはいかがなものかとの意見もあるだろう。
  • 電源を所有している小売事業者は、JEPXにマージナルプライスで電源の供給をし、電源を持っていない新電力はマージナルプライスで買っていることになり、市場が歪んできている。電源を抱えている事業者はマージナルプライスに固定費を乗せないと回収が出来なくなるという面があり、そうなると誰も電源投資をしなくなるため、容量メカニズムということになるとの認識。
  • 既設と新設に関して、自らkW価値の提供をしているため、今更その分を頂きたいということにはならないものの、新設のkW価値を必要としないようにして欲しい。
  • 既設電源であればメンテナンスをし、またある程度新設の電源にすることで、中長期的に最も効率的に電源の新陳代謝を促す方法が容量メカニズムだという認識。
  • エリアの供給信頼度評価、電源の作業、運用ルールとの整合性を取っていくことが重要との認識。非常に重要なものを並行的に検討していくことになるため、市場設計の進め方を明確にして頂きたい。また協力もしていきたい。
  • 容量メカニズムはそもそもなぜ必要なのか。一つには、卸取引所取引では可変費のみの回収になってしまい、発電所が成り立たなくなってしまうから必要なのではないかと思う。しかし、卸取引所のシェアは全体の2%しかなく、残りの98%は固定費回収が出来るなか、いつから始めるのかが大事になる。取引所の厚みを検証してから進めていくのが大事と認識。いくらのシェアになったら始めるのかを見ていく必要があるのではないか。
  • 何の容量が必要なのかを示すことが重要であり、買う量は何の量を何年間ということの考え方が中心になるのではないか。
    →(事務局)電力価格の乱高下を許容するのか、あるいは安定した状況を望むのかの選択になっている。卸取引所の活性化も重要であり、車の両輪のように対応しなければならない。
  • 容量メカニズムの導入時期に関し、十分確保されている時に導入しても、全く値が付かない。市場形成的に問題は無い。導入時期と全体のバランスは重要だろう。

【非化石価値市場】

  • 価格決定方式について、シングルプライスでは売り手も買い手も、指値でも成行きでも取引は可能なのか。
    →(事務局)その通り。
  • 前回も指摘したが、持っている者と持たざる者の公平性を確保することが必要。持っていないものの負担が急に増えるといったことがあってはならない。公正な環境が必要。
  • 政策的に誘導して作ったマーケット(高度化法の44%の目標に引きずられる)となりがちなので、物がなければ取引出来ないし、物がないと価格がスパイクし、買わないといけない側の負担が大きい。価格の予見性が立ちにくい中で、国が政策的にさじ加減を自由に出来る措置は残さない方がいい。
    →(事務局)非化石電源に対するアクセスの公平性を確保し、非化石価値取引市場が整備された上で、できるだけ早い段階で2030年に向けた中間目標を設定する必要があると考えている。
  • 規制が強化されると価格が高くなるのでよく検討する必要がある。
  • 非化石電源はkWでは出るが、kWhではあまり出ないので市場が機能するだけの玉が必要。
  • オークションでの価格決定方式は、FITの国民負担軽減の観点から事務局案(マルチプライスオークション)に賛成。
  • 発電段階ですべてを証書化する場合、原子力、再エネ、水力と分けることは、消費者の関心のある判断材料となりうる。
  • FITの賦課金低減の観点から、FIT電気のみ先行してスタートするという選択肢はあると思う。
    ただし、全体が遅れてしまうのはよくないので認証の環境整備はしっかりやって欲しい。
  • 今回の議論ではないが、高度化法の中間目標の設定をしっかり進めて欲しい。
  • 事業者が非FIT電気の取引(マルチプライスオークション)によって得た収入をどのように使うのか、納得感のある使い方をして欲しい。
  • オークションでの価格決定方式について、シングルプライスオークションでもマルチプライスオークションでも経済合理的に行動すれば収入は同じになるはず。
  • 高度化法の義務履行の手段として位置付けるのであれば、旧一般電気事業者とのイコールフッティングを図って欲しい。
  • 新電力は有償で市場から調達しなければならず、新電力にとって不利なので、原子力・大型水力の非化石価値もすべて市場に出して欲しい。
  • 販売益については、国民の負担の軽減につながるような検討をお願いしたい。
  • 価格水準についても、新規参入者の妨げにならないような設計をお願いしたい。
  • 国民負担の低減につながらないコスト割れについては、今後の詳細設計の中で決まると思うが、今後の進め方やタイミングについて教えて欲しい。
    →(事務局)最低価格については、政策的な意図をもって決まるものではなく、技術的、客観的に定まっていくものだと思う。
  • FITの国民負担を減らすのか、高度化法の目標達成を後押しするのか、それとも、消費者の選択肢を広げるためなのか、これらすべてを1つの市場で満足することは難しいのではないか。
  • この市場の中で消費者のニーズまでを満たそうとすることについては無理があるのではないかと感じており、シンプルにスタートした方が良いと思う。
    →(事務局)事務局としては、少なくとも消費者が選択できるメニューを作るであるとか、事業者、消費者、発電投資を行う方々それぞれがどのように行動されるかも踏まえて、総合的に検討していく必要があると考えている。
  • FIT電気のみ先行して取引を始めた場合、仮に売れ残りが出た場合はどうするのか。売れ残った分については、これまでと同様に扱われるのか。
    →(事務局)従来どおり、調整後排出係数の算定方式に基づき、すべての事業者を介して消費者に還元されるものと認識している。
  • 非FIT電気の認証については、発電所を認識しているという観点から一般送配電事業者が適任であると考える。
    →(事務局)FITから卒業した電源については、どういう形のやり方だとコストが最少になるかについて、技術的に決めていく話だと考えている。

(資料5について事務局より説明)

  • 公正取引委員会と経済産業省が適正な電気取引の指針を出している。それを改訂して、望ましい行為・問題となる行為を明確に示し、事業者に指針等を示すべきではないか。
  • 長期相対契約の変更に関し、競争制限効果があるかどうかを慎重に判断することが重要。
  • 電気にはいろいろな価値がある。今後、市場を作り顕在化していく取り組みをしている。パッケージとして創出された価値を整理していくことが必要。
  • 当事者の交渉で参照点を作るのが必要。私契約は当事者が合意したものになり、それを否定するのは難しいものの、少なくとも考え方の整理を示すことは大事。
    →(事務局)参照点は有益になるだろう。私契約なため、従わなければならないわけではないものの、株主等のステークホルダーへの説明をするためにも、指針はある方が有益と認識。
  • 私契約が適切になされなければ、適切に成果が得られない可能性あり。
  • 国が指針を示し、監視等委員会がフォローアップすることを是非やってもらいたい。
    →(監視等委員会)事業者間の紛争の対応は勿論していく。容量メカニズム、ベースロード電源への関わり方は今後検討していきたい。電事法で出来るのか、それによって対応していく。
    →(事務局)監視等委員会と連携して進めたい。
  • 制度変化により、これまで結んでいた契約を変更することはあるだろう。
  • 当事者間の交渉が原則なものの、なんらかの指針が示されることで、滞りなく進めさせるのが良いのではないか。過不足なく慎重な議論をお願いしたい。
  • ベースロード電源市場ではどのような制度を入れるのか、相対の場合にはどのような指針を入れるのか、それぞれ微妙に温度感が異なるものと理解。それぞれにどこに実効性があるのかを、しっかり分かりやすくまとめて欲しい。
  • 国等が指針を示すのは良いことだと思う。電源投資の資金の出し手によるファイナンスの観点からは、長期相対契約はどれくらいの期間、いくらで売るのかということが分かるため、重要なものになっている。将来のキャッシュフローに影響のあるような変更には、国が指針を示すことが大事。
  • 既存契約の見直しに際して、例えば稼働率をどうするのか、運用をどうするのかを想定しながら設計していくものと理解。
  • 事業者間の私契約の変更が円滑に進むような指針を作って欲しい。

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最終更新日:2016年12月5日
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