経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

電力システム改革貫徹のための政策小委員会 市場整備ワーキンググループ(第5回)‐議事要旨

日時:平成28年12月5日(月曜日)10時00分~12時30分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

委員
横山座長、石村委員、大橋委員、大山委員、崎田委員、武田委員、廣瀬委員、松村委員
オブザーバー
秋山株式会社エネット経営企画部長
斉藤イーレックス株式会社執行役員・経営企画部部長
柳生田昭和シェル石油株式会社執行役員・電力需給部長
佐藤電力広域的運営推進機関理事
國松日本卸電力取引所企画業務部長
内藤関西電力株式会社総合エネルギー企画室長
鍋田中部電力株式会社執行役員・グループ経営戦略本部部長

議題

  1. ベースロード電源市場について
  2. 制度設計専門会合における卸電力市場の競争的な市場構造実現に係るこれまでの議論について
  3. 今後の進め方について

議事要旨

(資料3と資料4について事務局より説明)

  • 小売競争のボトルネックを探るという思考方法が重要ではないか。これにより、供出を求める事業者、拠出量、他地域での旧一般電気事業者のアクセス問題などについて、自ずと一定の解答が得られるのではないか。このような作業を踏まえ、慎重にボトルネック性が認定される限り、電源が長期契約下にあることは、必ずしも非対称規制の足かせにならないと考える。
  • ベースロード電源市場を地域ごとに作るのか、あるいは全国大で作るのかが分からなかった。
  • 地域ごとにするのであれば、地域ごとの一般電気事業者の比率が異なり、シェアに応じたものにするのかと考える。
  • ただし、地域ごとの分断を推薦しているわけではない。
    →(事務局)先渡市場の様に全国一律の市場にすると市場分断リスクがある。需給状況等を鑑みて、ヘッジ商品とセットで一つの市場とするのか、市場を地域ごとに分けるのかは、商品設計と同時並行的に検討していく。ただし、9つの地域ごとの必要は無いと考えている。
  • ベースロード電源を切り出すことで、競争環境においてイコールフッティングを図ることの議論の方向性に賛成する。
  • 事務局資料のベースロード電源の効果のところに記載がある、3割の持つ意味は何になるのか。
    →(事務局)設備の比率で比較した場合の3割、電源構成で比較してもおおむね3割の差があり、この差を埋めるための数値になる。また現行常時BUについても、増加する供給力の3割を上限としている。
    →(事務局)2020年の受渡し開始の前提にて制度設計をしている。自主的な取組には限界があり、制度的な仕組みが必要と考えている。
  • 産業界の電気料金は、2010年と比較して40%上昇している。電気料金が上がっていることで国際競争力の観点から問題があると考えており、ベースロード電源の切り出しによって産業用電力料金の更なる上昇に危惧している。
  • ベースロード電源は安定的かつ纏まった電気を使用する産業向けとして使用してきた。それに対する優遇も受けており、需要と供給の関係で成り立ってきた。 ・比率の3割という意味、全体の3%で程度であれば大きな問題は無いが、今後の議論で全体の3割だと問題になってくる。エスカレートすることなく、ある程度、切り出しの議論に歯止めをかけて欲しい。
  • マクロでは、コストの安いベースロード電源を保有している事業者は旧一般電気事業者のみであり、一番効率の良いことは、経営合理化をさせた上、そこから購入することであると考える。
  • 競争環境が整うことによって、電気料金が下がることも期待するが、切り出しの量が大きくなることに懸念を抱いている。
  • 先ほど、3割ならば問題無いと発言したが、現状の比率についての言及であり、3割を固定し、供出量の増加を前提としているわけではない。全体の割合に歯止めを掛けて欲しいという意味である。
  • ベースロード電源市場の対象電源をどうするのか。原子力や水力を入れるのは問題無いと考えるが、石炭についてはどうか。
  • 新電力は石炭設備を作るためのアセスメントを受けている。そういった新電力の電源を作ることのインセンティブを損ないようにして欲しい。
  • 新電力の設備形成と、旧一般電気事業者の設備を保有することのインセンティブの両面から非対称規制の在り方に留意する必要がある。容量市場での手当の仕方によっては、日本全体でコスト高になることがあると考えている。
  • こうした懸念から、電気事業全体として検討する必要があり、旧一般電気事業者と新電力の対比のみに着目してしまうと、方向性を見誤ってしまうだろう。
  • 量についてもきちんと視野に入れる必要があり、何らかの目安が必要になると考えるため、議論をしていく必要がある。
  • 市場支配力の行使の監視は、非常に重要であり、電力・ガス取引監視等委員会や公正取引委員会における制度的、人材的な体制整備が必要だろうと考える。
    →(事務局)電源開発への影響という点では、新電力の石炭電源の保有は1割に限定されている。様々な計画が公表されているが、足元ではベースロード電源へのアクセスは不十分である。将来的に増加していく中で、少なくとも設備形成のインセンティブが損なわれないように配慮していく。
  • ベースロード電源の切り出し量に関しては、それなりの量だと考える。
  • 旧一般電気事業者と新電力のギャップを埋めることを強調し過ぎてしまうと、新電力が電源開発を辞めてしまう蓋然性があり、そのために、これ以上はバックアップをするものではないと設定することが必要だろう。
  • 支配的な事業者では無くなる場合、非対称規制は無くなるものと考えるが、その基準を今決められないと認識している。10年で安心等の議論は出来ないだろう。
  • 契約の見直しについて、当局の関与として、指針を示すことは重要である。今般の契約変更に伴い、違約金の要求といった行為が横行しないように、関与されることは重要である。早く市場を立ち上げるため、そのようなことを見逃さないようにして欲しい。
  • ベースロード電源市場の価格は市場で決まる。入札の最低価格として、コスト以下を求めると、自由に売れなくなるため、ある種の私的財産権の侵害に該当することへの留意は必要だが、コスト割れを要求しているわけではない。
  • コストベースで入札をさせるということを誰が確認するのかということが極めて大事である。電力・ガス取引監視等委員会がモニタリングをすることは自然だろう。一定の審査は必要であるが、料金審査以上に厳しいものを必要とするのかは意見が分かれるだろう。
  • 新電力がベースロード電源市場に参加することにより、新電力も産業用の需要に参入することが出来、競争が生まれ、産業用電気が安くなる可能性が高いと考える。
  • 産業用分野の競争が激しくないことから、電気料金が高止まりしているのだろう。競争の効果が広がれば、理論的には、電気料金は安くなるはずである。
    →(事務局)本件の非対称規制の前提において、少なくともずっと行われることではないとの意見を頂き、事務局も同じ意見である。どの段階で終了にするのかについては、いろいろな意見を頂いたところ。本件は発電事業者としての支配的地位という形で提案しているところ、年限を区切って何年ということの提案を想定していない。電源設備形成、競争状況を勘案していく。
    →(事務局)コストに関して、約定していないものを特に監視していく必要があるのではないか。
  • 電源の供出量の目安が多すぎるという意見も出ているが、その他の地域では旧一般電気事業者も新電力と張り合うことも出来るし、新電力の後、自ら購入することも出来るため、事務局案に賛成である。
    →(事務局)約定しなかった部分は、旧一般電気事業者との取引は可能になり、これについては流動性の観点も踏まえ全体として検討していく。
  • その他制度との整合性に関し、地域をまたいで電源を購入する場合を想定し、市場分断が余りに起きてしまうのは良くない。市場分断が起きないよう、連系線の容量の確保をお願いしたい。
  • 切り出しの方向性に賛成である。3割に関しては、変化の量に柔軟に対応して欲しい。
  • 財務WGともバランスを取り、進めていくことが大事である。
  • 沖縄に関し、系統がつながっていない等、特殊な状況があるため、競争的な環境作りが大事だと考える。
  • 自主的な取組がなされるかは、分からない。新電力と競争していく環境作りが大事だと考える。
  • ベースロード電源市場につき、十分な取引量と適切な価格を確保することが重要である。
  • 発電事業者がベースロード電源の供出の対象となるように整理をして欲しい。
  • これまで電源開発の自主的取組は進捗していないと思うが、公営の電源の切り出しもお願いしたい。
  • グループ内でも、会社ごとで価格設定が異なるはずである。価格指標性の向上、市場流動性の向上の観点からグループ一体ではなく発電事業者別に価格を設定するようにして欲しい。
  • ベースロード電源の切り出し量につき、新電力の3割で良いものと考える。
  • ベースロード電源市場にて競争環境を実現し、必要に応じ制度の見直しをして欲しい。
  • 入札価格などの監視をお願いしたい。特に、スポット市場との裁定取引を想定している。転売についても一定の規律が必要なのかも知れない。
  • 電力自由化の恩恵として、産業用の高負荷率電力も含めた広範囲の需要家に対して恩恵を届けることが重要である。
  • 産業用需要を想定すると、新市場の商品はある程度期間の長い商品が必要と考える。つまり1年間のみではなく、3年間や5年間といった商品も必要である。
  • 供出の対象は発電事業者として頂きたい。
  • ベースロード電源市場はオークション形式で賛成である。
  • 実効性に一番関連する事項として、入札価格が挙げられる。保有するベースロード電源の加重平均を上限とするのではなく、各電源を、それぞれのコストを上限として切り出して欲しい。
  • 常時バックアップなどの既存の制度は即時廃止するのではなく、常時バックアップより良い制度や効率的な制度を創設し、新制度の実効性を確認する必要がある。
  • 沖縄についての特殊性は十分理解しているが、新規参入者として、卸電力市場が無いこと、電源調達手段や需給調整手段が限定的なことに苦慮している。他の地域と同様に、電力・ガス取引監視等委員会による沖縄電力への自主的取組のモニタリング、電源開発からのより多くの切り出し等、競争環境整備をお願いしたい。
    →(事務局)沖縄に関しては市場のアクセスが今のところなく、電源アクセス策を別途検討する必要があると考えている。需要家の方々が選択できるよう、整備をしていく必要があると考えている。
  • 発電事業者が電源を供出するべきである。
  • 同一グループでも、会社別とする括りはあり得るだろうか。原子力発電所の固定費を抱えたグループの入札価格は高止まりし、結果的に約定しなくなってしまうことを危惧するため、会社別を希望している。
    →(事務局)オブザーバーの方から会社ごと、電源ごとに価格設定することのコメントを頂いたところ。今般の提案は、旧一般電気事業者と新電力との間におけるイコールフッティングを図るための制度になる。発販一体の会社であれば、コストを発電から小売に転嫁している。電源ごと、会社ごとに価格設定していくかについては、新電力と旧一般電気事業者との間における小売事業者の観点でのイコールフッティングにも留意し、検討をする必要があると考えている。グループ会社の関係は、少なくとも制度的な対応と区別する必要があると考えている。電源開発の場合は、別会社なため、グループ会社とは別議論として整理していく。
  • ベースロード電源市場の商品の年限設計につき、1年物より長くして欲しい。1年物のベースロード電源を購入した場合でも、長年供給する想定のお客様の電気料金を下げることのインセンティブは働かず、結局1年物の入札用になってしまうだろう。あるいは、安くなった分を、小売事業者がポケットに入れてしまう懸念もあることから、小売事業者に利することの無いようにして欲しい。
    →(事務局)この制度は競争を通じ、需要家がメリットを受けられる制度としていくことが大事であり、何らかの工夫をしていく。
  • 稼働している発電所を対象として量や価格を設定するよう検討して頂きたい。
  • 供出価格については、既存のベースロード電源であれば、償却が進んだ価格ベースになるだろうと理解している。
  • 監視の在り方は、非常に重要なため、よろしくお願いしたい。
  • 電源保有者として、安全対策、地元の方々への説明責任等、電源を建設し運営することの難しさを理解している。そのため、本音では、当該電源を自社で活用したい。
  • 他方、新規参入者がこれから自前で開発をすることが困難なのも理解出来る。
  • 双方の立場を鑑み、財産権の侵害にならないようなバランスの取れた配慮として、適切な量を適切な価格によるベースロード電源の切り出しをお願いしたい。新旧の発電事業者の投資インセンティブを削ぐようなことがあってはならないと考えている。
  • 市場供出量として新電力の需要の3割の規模感は過大であると認識している。新電力のkWベースの需要の3割と試算されているが、契約電力の単純合算で試算された需要(供給電力)は供給計画上の新電力合計を上回る数値になっている。常時BUを残すならば、なおさら過大になるだろうと考えている。
  • このままでは賛成しかねるので、再検討をして欲しい。常時BUと部分供給については、今後廃止して欲しいと考えており、非対称性も競争が活性化した後に排除して欲しい。
    →(事務局)切り出し電源の量が過大という意見も出ている。事務局案はkWベースでの試算を示している。実際に量が大量に出た場合、3割が約定されるのか、負荷率が高まるのかは、精査が必要と考えている。負荷率が極めて高くなってしまうのは、イコールフッティングとの関係で、提案している姿では無いため、詳細につき更なる検討が必要と考えている。新電力が需要の3割までアクセス出来るようにすることと、電源のタマ出しのkWベースでの3割は別の話と考えるため、バランスを図っていく。
  • 目標年度をいつに設定するのかという問題もあるが、新規参入者の供給力2,100万kWの3割から630kW、アワーベースで550億kWhを試算しており、現在の供給電力量の400億kWhを上回っている。また2015年度の供給計画上の供給力の1,200万kWをベースに計算するとベースロード電源の供出量の630kWは50%を超過していることになる。3割でのイコールフッティングとの関係でもう少し考えて頂きたい。
  • 新電力のベースロード電源の供給力は、2020年度に240万kW、2025年度に220万kWと供給計画上は、それほど増えない計画をされている。しかしながら、今後、石炭開発等が行われると聞いている。電源開発動向等にも留意しつつ、見直しを行う必要があるだろう。
  • 新電力も市場が荒れることの無いよう、需要量に応じた量の確保をして欲しい。

→(電力・ガス取引等監視委員会)

  • 監視の体制、監視の手法、沖縄の監視、監視の重要性に関し、指摘を頂いたところ。どの様な取引が不適切な取引に該当するのかは、今後の詳細設計によると考えている。
  • 委員会は適切な電力取引の確保をすることの役割を担っているため、監視の在り方を今後検討していく。

(資料5について事務局より説明)

  • 基本的な考え方として、制度の導入時期を2020年に設定している。各事業者への公平性の観点で、共通の目安を設けることは望ましいとこと考える。ベースロード電源市場と容量市場の時期はずれているが、目安があれば公平感はあるだろう。
  • それぞれの制度設計では、システム導入にはそれなりの時間を要すると考えるため、十分に準備期間を設けて欲しい。
    →(事務局)スケジュールありきではなく、導入の目安として示している。ベースロード電源市場に関しては、卸電力市場の活性化が喫緊の課題と認識しているため、遅くとも2020年には始められるように検討をしていく。
  • 各制度の導入時期の説明スライドから先物市場に関する記載が省かれている。先物を導入するタイミング等はどうなるのか。
    →(事務局)先物市場に関して、関係各位と調整をしていたが、具体的に明示できなかったため、資料には記載していない。最終的に何らかの位置付けの整理が必要と考えている。
  • 非化石価値取引へのコメントとして、FIT電源の認証制度は既に存在するため、2017年度から先行して導入されることに賛成する。それ以外の非FITに関しては、FITの卒業電源の出てくる2019年度に合わせることに賛成する。
  • 非化石価値の認証の仕組みをきちんと検討する必要があると考える。国内の高度化法対応を目的とするならば、簡易な対応でも良いと考えるが、パリ協定まで考慮した場合、認証の方法に信頼性があった方が望ましいと考えている。GHG認証ほど精緻にする必要はないかもしれないが、ある程度のところを想定する必要があるだろう。
    →(事務局)認証の仕組みに関して、現行のFIT電源の認証に問題が生じていないと考えている。国内外の事例も参考に制度設計の在り方を検討していく。
  • ベースロード電源市場の導入時期までにかなり時間的余裕があり、その間に1年物以上の商品のリスク分析等いろいろと難しいことへの対応をすることと理解をしている。
  • 相対契約の見直しに関し、ベースロード電源市場のための見直しを待たずとも、早く出来ることは順次対応して欲しい。
    →(事務局)相対契約の見直しにつき、2017年度から2019年度まで何もしないわけではない。例えば、新電力から個別に要望を頂いた2017年度から2019年度の間に行った取引を2020年度以降における供出量に勘案出来る等、緩やかな制度対応を可能とする工夫を出来るか出来ないかを検討していく。
  • 競争の活性化のため、可能な限りベースロード電源市場の導入時期を前倒しして欲しい。
  • 大型水力、原子力等の全非化石電源について、旧一般電気事業者と新電力での間で高度化法の公平な義務の履行を実現する環境整備の議論をして欲しい。
  • 各制度の導入時期につき、これからも事業者からの意見を聞いて欲しい。
    →(事務局)旧一般電気事業者、新電力等の事業者からのニーズを伺った上で、商品設計等の詳細を詰めていく必要があると考えている。
  • 事業者として、いろいろな意見を述べさせて頂いた。今後の詳細設計についても、そういったことの機会を頂きたい。今後策定される具体的な数字、スケジュール、移行措置の設定等が非常に重要なものになると考えているためである。

(座長)

  • 事務局から以下の2点の提案があったが、特に異論は無かった。一点目は、本日の議論も含め、本WGにおける内容は、貫徹小委員会での審議を踏まえ、中間取りまとめに反映することである。二点目は、容量市場に関し、今後は、広域機関においても、詳細な検討を平行して行い、適切なタイミングで国の審議会等で審議することである。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力基盤整備課
電話:03-3501-1749
FAX: 03-3501-3675

最終更新日:2016年12月12日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.