経済産業省
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電力システム改革貫徹のための政策小委員会 財務会計ワーキンググループ(第1回)‐議事要旨

日時:平成28年10月5日(水曜日)9時45分~11時30分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

電力システム改革貫徹のための政策小委員会委員
山内座長、伊藤委員、大石委員、永田委員、松村委員、圓尾委員、村松委員
経済産業省
村瀬電力・ガス事業部長、小川電力市場整備室長、山影電力基盤整備課長、曳野電力需給・流通政策室長、浦上原子力政策課長

議題

  1. 電気事業の財務会計について
  2. 財務会計面の課題について

議事要旨

資料3 財務会計ワーキンググループの設置について、事務局から説明

資料4 議事の運営について事務局から説明

委員からの異議の申し出なし

資料5 電気事業の財務・会計等

  • 財務会計ワーキンググループで取り上げる項目は3つに分けられると認識。一つは旧一般電気事業者固有の問題。二つ目は新規参入者の参入障壁是正。三つめは電力自由化によって必要になる容量メカニズムやベースロード電源市場、連系線利用ルール等の新制度を取り入れる際の会計面への影響。特に、自由化にあたって必要な新制度であっても、事業者に過度な負担が発生しないか配慮しなくてはならない。
    →(事務局)新制度を取り入れる際の会計面の影響については、市場整備ワーキングループの議論の経過を踏まえ、必要に応じて取り上げるべき点を整理したい。
  • 託送料金は、昨年の託送料金査定でも制度面の課題が多く出ており、現在も議論が続いている。本ワーキンググループの議論を進める際も、これらを認識しておくことが必要。
  • 自由化とは、競争に負けたときの撤退を許容すること、という点を意識すべき。従前のように事業者救済をするのはシステム改革に逆行する。他方で、問題を放置することで国民負担が増えるとなれば、それは不適切。廃炉会計制度の議論は、一民間企業が超長期的に対応し続けられるのか、皆で支えていくにはどうすればよいか、という意識から検討されたもの。
  • 電気事業の直近の財務状況を見ると、燃料費コストが下がったという外部要因によって利益が出てきていると認識。電気事業者が安定供給、安定した経営を行うために、自らコントロールできる費用はあるのか。
    →(事務局)P16に総原価の構成を記載。公租公課を除けば、他の費用はコントロール可能と言える。中でも、設備投資に関係する減価償却費や修繕費は事業者の裁量が大きい費用ではあるが、電気の安定供給を行うための一定の制約が働いている。
  • 例えば、航空機産業は安全が最優先であるため、新技術をすぐには取り入れず、実績が積み重ねられたものを採用していると聞く。電力自由化が為された今、電気事業においては、安定供給のための制約がどの程度働き、どの程度自己の裁量で事業運営できるのか。
    →(事務局)送配電事業は引き続き規制分野であり、安定供給確保のための一定の投資を求められ、それに対応する認可料金が設定される。発電事業は自由化されているが、安全面や電気の質に対する要求が、即座に無くなるものではないと考えられる。
  • コントロール可能な費用は何かという点については、事業者自身にコントロールを任せると、電気料金水準が高くなることもあり得るため、従前は国による審査を行ってきた。現在は、規制料金が撤廃される電力自由化の過渡期であり、規制の在り方と新規参入促進のための事業環境整備のバランスを図るという難しい議論になると思う。
  • 電力自由化前は、安定供給を維持し且つ効率的な経営を行うことを前提に、そのコストを回収できる料金を課していた。よって、高コストな経営をしても全て電気料金で回収できた訳では無い。コストの適正性を議論する際は、送配電事業、発電事業、小売事業を分けて考えることが重要。電力自由化によって、安全性を損なう設備投資が行われるのではないかという懸念があるかと思うが、他の安全規制は引き続き課されている。また、万が一、例えば火災事故を起こすようなことがあれば、著しい経済損失にも繋がるため、事業者は安全面に十分に注意するインセンティブが引き続き働いていると考える。
  • 財務会計ワーキンググループで廃炉会計制度を取り上げる上で、事故廃炉や一般廃炉など、議論の対象となる範囲を確認したい。
    →(事務局)予め特定の議論のポイントを排除するものではなく、検討課題は電力自由化を進めるにあたって生じる、財務、会計面の課題。廃炉にかかる問題についても、電力自由化によって生じるものは検討の対象になる。

資料6 財務会計面の課題について

  • 廃炉について、一般論として、建設から廃炉までのコスト計算をした上で運営していたはず。電力自由化という外部要因があったとしても、自由化が進むことは予め分かっていたはずで、何故今になって費用が足りないとなっているのか。契約者が新電力に切り替わったと言うが、契約数では2%程度で、一方、旧一般電気事業者の自由料金メニューに移行した人が非常に多いと認識。顧客が旧一般電気事業者の安い自由料金に契約を切り替えたから、収入が減り、費用が足りなくなったということか。
    →(事務局)今回の廃炉会計の議論は、「自由化によって足りなくなった費用を広く回収する」という言うものではない。廃炉会計という制度があり、その制度は確実な費用回収の上で成り立つものであるから、自由化後にどう対応していくかというもの。電力自由化前は、小売の規制料金で回収確実性を担保していた。ストランデッドコストと廃炉会計の議論は分けて考える必要がある。
  • 消費者は、電力自由化前は電気の購入先を選べなかったため、原子力発電に関連する負担をすることに一定の理解があったが、電力自由化後に原子力発電以外の事業者を選択した需要家に対しても負担を強いるのは、納得を得られないと思う。
    →(事務局)2015年3月の廃炉会計ワーキンググループの報告書は、費用回収を確実に行うための制度として、託送料金制度を念頭に書いた。指摘の内容については、「需要家間の公平性等に考慮する」という同報告書の考え方も考慮して、論点を整理したい。
  • 廃炉会計は、廃炉に伴って資産価値が無く収入を生まなくなる設備について、原子力発電は運転から廃止までが一つの事業と考え、電気料金による収入を構成していることをもって、資産と整理することとしたもの。今般の議論も、費用回収の確実性が原点と認識している。その上で、回収方法をどうするのか、負担者の範囲や負担割合をどうするのかといった議論が必要。
  • ストランデッドコストという整理が適切か、と言う部分から議論すべき。コストの高いものを無理矢理長期契約で買わされてきて、当該契約を電力自由化後も解消できず回収不能になった、といったものが、本当に存在するだろうか。電力自由化後も安定供給維持のためのコスト負担の必要性は変わっておらず、調整力の調達もそうであるが、今後もキャッシュ回収の仕組みが必要なのであれば、まずはその仕組みを整備すべき。まったく別な形で合理的な対応ができるのではないか。また、仮に規制環境下で過大な投資を強いられたのであれば、電力自由化後に不要になって売却することになる。その際、簿価で売却することができなければストランデッドコストと言えるが、現実は旧一般電気事業者が発電施設を手放そうとしていない。ストランデッドコストの概念は日本の電気事業で当てはまるのだろうか。
  • 具体的には、P10に関連して、需要規模から見たときに、自由化によって発電設備の規模の経済性が活かされなくなる、というのは現実的にはないと思う。具体的にこの資産、というのが出てこないとリアリティがない。P11では、リスク対応費用は原価に算入できなかったとあるが、事業報酬の中にリスク対応経費を手当てしている。また、販売戦略までを規制していたわけではいない。その他の2点は理解。
  • 原子力に関しては、電力各社は自らリスクを取って投資してきたとの理由で、新電力のアクセスを断ってきた。このように、電力各社は自らのリスクで最も効率的な手法で投資を行ってきたはずで、自由化によって回収不能になったといえる費用はあるのだろうか。今後、仮に原子力は国策として進め、民間事業者がリスクを負って投資するものでは無いとすれば、それも自由化に伴うものではなく、政策転換によって発生するもの。ストランデッドコストと位置付けるにはもう少し精査が必要。 →(事務局)海外で議論されたストランデッドコストが日本で当てはまるかどうかは論点。今回提示した廃炉会計の議論とストランデッドコストの議論は分けて考える必要がある。
  • P31の法人事業税について、受益する行政サービスとの対応関係及び負担能力を勘案した「課税の公平性」の議論がある。収入割は、所得がなくても課税されるものだが、所得割に変更しても資本金1億円超の法人には外形標準課税が適用され、所得がなくても課税されることに変わりはない。よって、方法の差異のみをもって税負担が重い、軽いとは言い切れない。他方で、外形標準課税が適用されない中小法人は、その事業規模から大きな所得が得られないことが考えられるが、仮に所得が生じなければ、行政サービスを一定程度受益しているのに課税されないのか、と言う受益者負担の議論になり、これらの論点を考慮する必要がある。
    →(事務局)御指摘の通り。課税負担が重いので軽くするという議論ではない。事業環境としてのイコールフッティングの議論であり、税制変更によって負担が大きくなる事業者もいると思う。電気事業への参入促進の議論に繋がる論点。
  • 次回までに、P27の課題設定を分かりやすくして頂きたい。原発事業者は一民間事業者なのだから、必要なキャッシュは自ら調達すべきとなればその通り。例えば、キャッシュを生み出す力を実績で示すだけでなく、制度的な裏付けがないと廃炉会計の適用が会計上認められないから、何らかの措置が必要とか、エネルギー政策の観点で何か問題があるのか、問題の所在がどこにあるのかがわかりにくい。また、論点を整理するにあたっては、送配電事業とその他の事業も分けて整理していただきたい。
  • 廃炉会計を議論するにあたって、事故炉と一般廃炉を分けて議論すべきだと思う。
  • 意見を踏まえ、事務局には次回までに課題を整理して頂きたい。

総括

(事務局)

  • 次回は、10月19日12時30分開会予定。詳細はホームページでお知らせする。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年10月11日
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