経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

電力システム改革貫徹のための政策小委員会 財務会計ワーキンググループ(第3回)‐議事要旨

日時:平成28年11月2日(水曜日)16時30分~18時16分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

電力システム改革貫徹のための政策小委員会財務会計ワーキンググループ委員
山内座長、伊藤委員、大石委員、松村委員、圓尾委員、村松委員
経済産業省
村瀬電力・ガス事業部長、畠山政策課長、小川電力市場整備室長、山影電力基盤整備課長、曳野電力需給・流通政策室長、浦上原子力政策課長

議題

  1. 自由化の下での廃炉に関する会計制度について
  2. 東京電力を取り巻く状況
  3. 原子力事故対応に係る財務会計面の課題

議事要旨

資料3 自由化の下での廃炉に関する会計制度について

  • 論点の確認をしたい。電力自由化が始まり、原子力事業でこれまで予測できなかった費用がかかることになったため、廃炉会計の見直しの措置をするということか。元々措置すべきだったものを、今、措置していくという議論か。
    →(事務局)ご指摘の論点は、次に提示する負担金の議題に関連すると思う。現在議論しているのは、これまで小売規制料金で担保されていた廃炉会計制度について、小売規制料金が撤廃される際にどのような仕組みが必要になるかという点。
  • 原子力に関係する費用回収のツールとして託送料金を利用することには反対。電力システム改革は、発送電分離を行う等で競争を促し、電気料金の抑制を図ることで消費者に利益をもたらすという目的がある。発電事業者が負担すべき費用を送配電事業者に負担させることは、発送電分離の考え方に反し、また、費用を一律に託送料金に入れてしまうと、競争の幅が狭まる。ガスのシステム改革も行われる中で、ガス導管費用についても、導管の維持管理以外の費用は含めるべきでは無いとの新規参入者側の意見がある。託送料金に送配電以外の費用が入ることは、新規参入者の競争意欲を削ぐのではないか。どのような費用であっても、必要な費用だとして消費者が納得できるのであれば、その上で電気料金に入れるべきではないか。託送料金に入れることは電力システム改革に相反すると思う。
  • 前回までの議論の繰り返しになるが、電力自由化という理由と、制度が変わったからという理由は分けて考えるべき。先の委員の発言と関連して言えば、仮に総括原価方式が残っている間にLNG事故が起きて、多額の設備簿価が残ってしまったとしても、設備廃止後の償却費を料金原価に載せられる訳ではない。予想外の事象が発生したからといって、総括原価方式の下であっても、自由化の下であっても何でも料金原価で載せられる訳ではない。
  • 他の委員の発言にあった、託送料金に送配電以外の費用が入ることが新規参入者に不利に働き、競争意欲を削ぐとの点は、間違いではないと思う。他方で、例えば電気に係る税金を措置するとした場合、その徴収方法は、独占が認められている間は電気料金に課すというやり方があったと考えられ、それが小売部分なのか託送部分なのかの違いで、公平性に差が生じることにはならないと考える。
  • 新規参入事業者に不利にはならないとの点は理解するが、そもそも新規参入事業者も払わなければいけないのかという点は納得し難い。これまでも原発を使わず、これからも使わない事業者に負担を強いるのは公平性を欠くのではないか。小売自由化で事業者を選択する個人の権利を守らなくて良いのか。
  • 事業者のビジネスリスクの範囲なのか、政策的な方針に配慮せざるを得ないのかが論点。原発依存度を下げるというエネルギー政策が背景にある状況で、廃炉にかかるコスト負担を全て発電事業者の責任とする意見は馴染まないのではないか。手法として託送料金がベストかどうかはわからないが、少なくとも数ある議論の中ではベターではある。小売事業者の競争力に影響という議論はあるが、別の制度で競争を担保する、例えば原発由来の電気を市場に拠出することを担保する等、全体の枠組でスキームを検討していくべき。

資料4 東京電力を取り巻く状況
資料5 原子力事故対応に係る財務会計面の課題について
資料6 永田委員提出資料

送配電事業の合理化分の1F廃炉資金への充当について

  • 送配電事業にかかる超過利潤の使途を制限することには違和感がある。民間企業の利益は将来の投資に使われるのが本則であり、電気事業であれば安全投資や設備の効率化等に使われるべきではないか。
  • 規制料金の原価には、設備投資や技術開発などに必要なコストを予め積んであるため、将来に必要な投資はきちんと行われるものと考える。ただし、超過利潤の使途を過度に制限することは、送配電事業者の合理化インセンティブを削ぐことになりかねない。一定の利潤を保有することは認められるべき。その上で、福島第1原発(以下、「1F」と表記)の廃炉費用には、まずは現行制度上認められている利潤の範囲内で充当されるべき。
  • 東電グループとして廃炉への取組が必要と言えれば、廃炉費用を託送原価として認めることに一定の合理性はあると考えられる。その際、東電グループ全体で1F廃炉に取組むことが必要で、パワーグリッドのみに廃炉費用負担のしわ寄せがいかないようチェックが必要。また、送配電部門の利潤を廃炉費用に充当することで起こる託送料金の高止まりを防ぐ必要がある。現行制度で規定されている値下げ命令の発動基準である、想定原価と実績原価の乖離率5%という水準が妥当かどうか、検討が必要。
  • 託送料金が青天井に増えてしまうことを懸念している。託送料金がどんどん高くなることを恐れ、系統に頼らない自家発が増えてデススパイラルを誘発することにならないか。託送料金で回収するにあたっては、少なくとも現状見通せる段階で一定の上限を示す等、何らかの歯止めが必要ではないか。
  • 東電パワーグリッドが廃炉費用に計上する分を、超過利潤額から控除するという案について、料金原価に含めてしまうと、どこまでも費用として積むことができることになってしまう。料金査定は厳格に行うが、託送料金をどこまでも上げられることになりかねない。そうではなくて、合理化によって生じた利益の一部を1F廃炉費用にあてるという案は、一定の歯止めがかかっていて納得がいくのではないか。ガスの託送収支の議論で出ている、導管の設備投資に回す分を超過利潤から免除されるという点と比較しても、不当な理由とは思えない。
  • 現在のビジネスモデルにおいて、託送事業の利益が廃炉の原資となるのは当然と思う。ただし、合理化によって生まれた利益を拠出することについて、拠出額の目標を定めてしまうと、拠出額に合わせた過度な合理化を誘発しないか、安全投資が担保されるかが懸念される。託送料金の変更命令基準について、パワーグリッドが1F廃炉費用をどこまでも出せるとなると、託送料金が高止まりする。何らかの歯止めが必要という他の委員の意見に対しては、事後評価プロセス等で透明性を確保することが必要だと思う。
    (事務局)超過利潤の議論について、今回提示したのは現行料金の中で生まれる利潤の整理についてであり、料金原価に含めることができるかという論点は、次回お示ししたい。

原賠機構法に基づく一般負担金の負担の在り方について

  • 一般負担金の過去分について、その負担額はどのように算定するのか。現在の一般負担金は年間1,630億円だが、その妥当性を現段階では理解できていないため、過去分の議論を深めることはできない。その上で申せば、再エネの普及については、政策的目的があって国民が広く薄く賦課金の形で負担している。原子力に関連するコストについても、過去措置すべきであったという理由より、政策としての必要性を説明し、広く負担する必要があると整理した方が納得感がある。
  • 過去分の議論とは別に、原子力事業者が負担している現在の一般負担金は措置されたままという理解で良いか。もう一点、この審議会の所掌ではないと思うが、現在の負担金の適正性を何らかの形で確認した上で、過去分の議論をするべきではないか。原発の出力で算定する現在の負担率は、原発が稼働していない状況でも多額の負担が生じることになる。原発の再稼働が見込まれる中、出力だけでなく発電量で負担率を算定する方法もあり得るのではないか。稼働することによるリスクに対して負担を求めることはあり得る。

1F廃炉のための確実な資金管理の方策について

  • 1Fの確実な廃炉を進める上で資金確保は重要であり、内部留保より資金の透明性を担保できる第三者を活用するのは当然と考えられる。ただし、第三者が民間企業の経営を拘束することになるので、管理する範囲を限定すべきではないか。

その他

  • 1Fを訪問した際、凍土壁による汚染水への対処が行われていた。それから数ヶ月経過したが、汚染水が完全に止まったとは聞いていない。原発事故は東電の責任ではあるが、現場で作業している人は必死で、頭の下がる思い。これから1F廃炉にどれだけ費用がかかるか、ずっと先の世代まで生じる負担の在り方について、このワーキンググループだけの議論で結論を導き出すことが良いのだろうか。国会で議論すべき内容ではないだろうか。原発に関連する費用を託送料金に課すことは賛成できないが、復興にかかる税金が法律で措置されて国民が負担してきているように、この問題もきちんと法律で整備していくことが必要ではないだろうか。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年11月9日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.