経済産業省
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電力システム改革貫徹のための政策小委員会 財務会計ワーキンググループ(第4回)‐議事要旨

日時:平成28年11月16日(水曜日)10時00分~11時42分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

電力システム改革貫徹のための政策小委員会財務会計ワーキンググループ委員
山内座長、秋池委員、伊藤委員、大石委員、永田委員、松村委員、圓尾委員、村松委員
経済産業省
村瀬電力・ガス事業部長、畠山政策課長、小川電力市場整備室長、山影電力基盤整備課長、曳野電力需給・流通政策室長、浦上原子力政策課長

議題

  1. 財務会計WG及び市場整備WGにおける議論の関係性
  2. 電力小売自由化の下での費用負担の在り方
  3. 福島第一原発の廃炉に充てるための送配電事業の合理化分の扱い

議事要旨

資料3 財務会計WG及び市場整備WGにおける議論の関係性について

  • 全体の論点を俯瞰できる資料であった。この小委員会で目指しているのは、論点を総合的に判断してより市場を活性化していくことと認識。その際、新電力が懸念しているのは、メリットをもたらす制度の実効性が確保されているか否か。実効性が担保されていなければ納得は得られないと思う
  • 自由化の議論では、コスト低減ばかりが議論されているが、3E+Sが完璧なバランスで成立することは簡単なことではなく、安全性を追求すればコストが増える可能性もある。自由化の貫徹という議論が、必ずコスト低減に繋がるものだという誤解を招かないよう、わかりやすい説明をお願いしたい。

資料4 電力小売自由化の下での費用負担の在り方について

  • P3の電気事業の特性について、自由化前には認められた範囲以上にリスク分を料金に算入出来ないとあるが、その時のリスクで積み立てないという判断をする主体は誰だったのか。また、廃炉に必要となる費用を決めていたのは誰だったのか。
    →(事務局)料金原価に算入して良いかどうかは国が定めていた。事業者が自由に算入できたわけではない。例えば賠償費用は、福島の事故の前は一部の範囲でその費用を認めていたが、事故後、国が新たな法律を作り、追加の費用を算入できるようにした。廃炉に必要な引当金は、国が制度を決めており、積立方法を変えた事はあるが、算定方法が根本から変わる等の事態は生じていない。
  • 過去、原価算入を認められなかった費用がある場合、それは誰の責任かという点について、リスクに対する費用を無尽蔵に積めたという訳ではないので、資料も嘘ではないが、料金算定規則に基づく原価算定には、相当に裁量の余地はあったはずである。また、バックエンド過去分のように、未回収分の存在が指摘されていたのに、国が算入を認めてこなかったものを事業者の責任にするのは厳しすぎるが、事故廃炉費用は事業者側からの指摘はほとんどなかった。仮に事業者が計上して申請してきても、査定によってカットされる場合を除いて、そもそも事業者がコスト計上をする意思があったかどうかは不明のままである。経産省は国に責任があったと言うが、事業者にも一定の責任はあったと思う。
  • P5について、自由化は2000年には始まっていたとして、今まで費用の回収方法が問題として顕在化しなかったのか。P17について。費用の負担方法の説明は通常炉の廃炉、事故炉の廃炉、原子力の損害賠償のどれを念頭にした整理か。
    →(事務局)例えば、2005年のバックエンド過去分の回収については、既に自由化が始まっており、99%規制下にある小売での料金ではなく、託送に乗せた経緯がある。P17の整理は、個別の費用について言及したものではなく、仕組みとしての特徴を比較したもの。
  • P17について、発電関連の費用を送配電事業者が回収すると。送配電事業者の財務諸表で収入として表れることになるが、会計的には問題ないのか。
  • 電力事業をどう捉えるかにもよる。持ち株会社、グループ内の立場としての営業的な判断もあるので、それも加味して費用認識することは有り得る。事業目的に照らしたとき、発電コストだから発電事業者が全て負担するという訳ではないと個人的には思う。
  • 負担主体は事業目的等に照らして、きちんと整理することが必要である。会計の観点では、費用として認識すべきかどうかの判断は契約、定款等の記載による。負担すべき費用を整理する際に合理性があるかどうか、細かくその費用の性格等の詳細や、その目的性に留意するべき。
  • P17では、小売料金で回収する方法がいずれの観点でも「×(バツ)」となっているが、金額が足りなければ、料金に上乗せすれば良いのではないか。小売自由料金であれば、足りなければ値上げするだけであろう。確実性を「×(バツ)」とするのは、何か会計的な理由があるのか。
  • 廃炉時点で資産価値がないという概念ではなく、発電と廃炉は一体の事業とに考え方に基づき、費用回収の確実性があることを前提として将来の廃炉終了時まで資産認識する廃炉会計が措置されている。自由化する小売料金だと、費用回収の確実性が予見できないことから不十分、という議論の経緯がある。
    →(事務局)着実な資金回収ができるとはどういった場合かを判断をする会計士からすると、「十分な費用が捻出できなくなったので値上げします」と主張する事業者をどこまで信用するかという問題かと思う。いくら「これから費用削減して捻出します」と主張しても、事業計画だけでは会計士や社会からは信用されない。値上げをすれば顧客が減るリスクもある。これら懸念を踏まえ、小売料金は確実の観点で他と大きな差があることから「×(バツ)」にしている。
  • 需要家に広く負担を求める、ということは、消費者の自由選択を無視しても良いと言うことか。
    →(事務局)消費者の選択肢を広げることは自由化の意義の一つであることはご指摘の通りで、一方で原発依存度低減というエネルギー政策の目的もあるため、両者の難しい選択がある。
  • なぜ、今になってコストを上積みするかについては、当時のコスト設定時に自由化を想定していなかったという理解で良いか。他の事業であれば、適切な見通しを立てられなかった事業者の経営責任だとは思うが、電気事業という特殊な業態では、何十年もの長期間で費用回収をする必要があったものが、自由化により前提が崩れたということか。
    →(座長)あらかじめリスク分を料金で回収すれば良かったという主張もあり、他方で制度的に計上できなかったという見解もある中での議論。また、どの程度回収できたのかという点では、段階的自由化を経てきた日本は、急激に環境の変わった欧米とは違うので、その点は考慮すべき。
  • 自由化に伴うストランデッドコストの回収は、海外で多く認められている、というのはミスリーディングではないか。日本では、コストを強制的に課していた訳ではなく、競争政策の観点からも手放せと言ってきたのに囲い込んでいたという構図。
  • 責任を持って廃炉を確実に進めていくという前提が重要である。そのため、計画に予見性が持てることが必要で、日本は欧米のような劇的な変化が生じたわけではないが、継続性を担保する制度であることが重要だと思う。費用の負担方法(論点(3))について、税などによる全国一律の負担は難しいと感じており、託送料金は一つの案として妥当。
  • 過去に受益があったのなら費用を負担するのは仕方ないが、原則負担すべきだった電力会社からの説明責任が必要、という見解の方は多い。また、託送料金で回収するのなら、何がいくら含まれているのか、回収した資金の使途と合わせて明らかにされたい。加えて民間事業者として、経営努力による費用捻出は前提である。当然実施しているとは思うが、適切に対外説明を行い、世の中の納得感を得た上で、需要家から回収するべきである。なお、新しい制度の検討に際しては、シンプルな方法であることも重要。料金として回収して再配分する等のプロセスで生じる間接コストも、塵も積もれば山となるので、注意が必要。

資料5 福島第一原発の廃炉に充てるための送配電事業の合理化分の扱いについて

  • 前回、原価に入れると値上げに繋がるリスクがあると指摘があったが、例えば福島の廃炉費用を理由とした値上げは認めないなどすれば、対処可能と思っている。また、超過利潤を計算した上で、控除するという事務局提案も一案ではある。いずれにせよ、託送料金が高止まりすること、捻出しやすいところから出すことを防ぐ方策が重要である。また、東電からは、どこをどれだけ合理化したのか説明されることが望ましい。
  • 留意点(1)について、対応策としてベンチマークに他社の乖離率を用いるとのことだが、各社の託送関係のコスト構造を一様に比較できるのか。東電固有の部分もあるので、単純な比較で良いかどうかは検討すべき。反対に、他社の様子見だけで「検証したけれど、過度な高止まりにはなっていないので値下げは見送った」のような骨抜きにされないかを懸念。
  • 留意点(1)について、東電からすれば、合理化努力の分を廃炉に充てることは美しい話だが、単純かすれば「他社はまだまだ効率化できる」という話になっていく。個別事情等もあるので、杓子定規にやるのではなく、柔軟性をもってやっていただきたい。
  • 廃炉までの一貫した事業について、グループ全体で負担するというのは一つの考え。収益を出せなければ廃炉費用が出せない、となると国民全体として、廃炉が進まないのはマイナスになる。ただし、パワーグリッドが廃炉費用を負担するなら、費用計上がパワーグリッドの事業目的に合うことを担保すること、つまり、契約等でその根拠を明確にすることが重要である。バックエンド過去分も、費用認識は契約に基づいていると理解している。国民の理解を得る上でも重要だと思う。
  • 廃炉会計は早期廃炉を促進するための施策とのことだが、一般炉の廃炉と違い、福島の廃炉はいち早くとりかかるしかないものと認識している。廃炉会計は早く廃炉を始めるための制度なのか、短期間で廃炉を終えるための制度なのか。それによって適用の是非も変わるのではないか。
    →(事務局)今の廃炉会計の制度では、福島原発も一部適用される。これを今後どう扱うかは次回の議論としたい。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年11月22日
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