経済産業省
文字サイズ変更
アクセシビリティ閲覧支援ツール

電力システム改革貫徹のための政策小委員会 財務会計ワーキンググループ(第5回)‐議事要旨

日時:平成28年11月29日(火曜日)16時30分~17時56分
場所:経済産業省本館17階第1~3共用会議室

出席者

電力システム改革貫徹のための政策小委員会財務会計ワーキンググループ委員
山内座長、秋池委員、伊藤委員、大石委員、加賀谷委員、永田委員、松村委員、村松委員
経済産業省
村瀬電力・ガス事業部長、畠山政策課長、小川電力市場整備室長、山影電力基盤整備課長、曳野電力需給・流通政策室長、浦上原子力政策課長、石川電力・ガス取引監視等委員会ネットワーク事業制度企画室長

議題

  1. 原子力事故の賠償の備えに関する負担の在り方について
  2. 福島第一原子力発電所の廃炉費用の負担の在り方について
  3. 送配電網の維持・運用費用の負担の在り方検討WGにおける検討状況について

議事要旨

資料3 原子力事故の賠償の備えに関する負担の在り方について

  • P6の一般負担金の決まり方について、現行制度の負担額はどのように決まり、今後はどう決めていくのか。今後、万が一、不足の事態が起きたときにどうなっていくのかを確認したい。
    →(事務局)P3及びP4の条文を参照されたい。負担金額は、原賠機構の業務である資金交付等に要する費用の長期的な見通しに照らし決める。万が一、事故が起こって資金交付する対象が増えれば、機構の業務に要する費用は増えることになる。他方で、各事業者の収支状況を踏まえて、運営に支障を来さない程度の負担額としている。従って、現状の1630億円という額をもっと増やしていくかと言えば、事業者の負担との関係もあり、バランスを見て判断することになる。
  • 仮に事故があれば費用が増えるかもしれない、との説明は現在の一般負担金の話であり、本日議論する過去分の議論とは関係ないと思う。一般負担金の額は、事業者の収支の状況に照らして決まるという上限があることが、今回の議論の発端。また、各事業者の費用の応分はキロワットを指標に切り分けているという理解。その意味で、現行の1630億円が適正かというのは検証が必要。具体的にこの委員会の検討事項でないのは分かるが、原子力が稼働していった時にはキロワットアワーに応じた負担もあって良いと思う。
  • 税と託送料金については、P12で比較している違い以上の差異はないようにして欲しい。託送料金への反対意見は、託送原価に溶け込むといくら負担しているのか分からない、と言うのが不安だからではないか。その点、賦課金はFITの例をイメージして賛同しているのだと理解している。個人的には税でも託送料金でもいいが、明示することの重要性は明らかであり、託送料金のスキームを隠れ蓑にせず、きちんと負担額を示すのであれば問題ないと思う。
  • 公平性については、どこまでいっても割り切れるものではないと思う。沖縄エリアでは負担がないと思うが、震災後に沖縄に引っ越した人はどう扱うか。結局のところ程度の問題なので、それらの点を留意していれば、過去分の負担の手段は託送と税金のどちらでも、基本的に変わりない。
  • 過去、選択の余地はなかったとは言えども原発の安い電気を享受していた事実はある。当時のことは知らないと言って、後に判明した費用の負担を拒絶するのは道義的に責任逃れであり、受益者負担を考えたときに「過去分」の負担は仕方ないのかと思う。他方で、負担規模や期間といった先の見える話がないと、未来永劫徴収されるのではという不安が生じる。また、当初の見積もりに基づいて進めていっても、当然見直しが必要になることもあると思う。
  • P12について、負担主体は小売電気事業者、最終負担者はすべての需要家とある。小売電気事業者の場合、需要家に理解を得られないから料金転嫁できない、よって制度に反対となると消費税と同じ議論になってしまう。需要家に適切に転嫁されるためには、事業者の説明責任だけに委ねるのではなく、国民の理解を得られるための仕組みは必要だと思う。
  • 議論が乱暴かも知れないが、原賠機構法の目的に立ち返ることが重要だと思う。長期的な見通しに照らし、事故の被害者に賠償するための実効性ある仕組みを講じるべきである。いくら体制を整備しても、資金が集められなければ意味がなく、目的に合わせて手段を選ぶことも必要。
  • 3つの観点での意見。1つめは、今回の議論は自由化進展の中でどのように対応すべきかというもの。2つめは、原賠機構法の趣旨が将来の保険・互助の考え方で負担していこうという前提でスタートしている点。ただし、当時分からなかった新たな事象を後の時点で認識し、相当分をその時点で確保するというのは、会計上も有り得る概念である。3つめは、現行の一般負担金の考え方は変わらないかという点。
  • 税か託送料金かの議論については、受益者が全国一律の負担とすべきかどうかがポイントだと思う。受益に応じて、ということであれば託送料金が妥当な方法ではないか。
  • 福島第一原発(以下、1F)事故以前において、賠償に対する備えの必要性を判断したのは国であるとの説明があった。消費者は、当時妥当だとされた料金を払ったのに、今になって遡って徴収すると言われても納得しがたい。過去分が1F事故に充てられることを思うと感情的には支えたい思いはあるが、国が判断できなかったのであれば、誤りを認めその事実をきちんと国民に説明し、特別税として広く国民から徴収すれば良いのではないか。
  • 責任論は、国ではなく事業者にも一定の責任があると自分は考える。その上で、今般の制度措置は原子力事業者に対する優遇になりうる訳で、別のところで議論されている非化石価値市場、ベースロード電源市場といった、原子力事業者に負担の生じる話題の検討をする際には、この話も考慮して議論して欲しい。
  • 託送料金の一番の懸念は費用の内訳が見えないこと。使用済燃料再処理等既発電費では、必要額を計算し、どのくらいの期間で回収するかというのをイメージできたからこそ託送料金で回収することを認めたと理解している。これからどれだけ費用がかかるか分からない状況で、託送という手段だけを結論とするのはどうか。海外の例については、ストランデッドコストを託送料金で回収する際には、自身の資産を売ってそれでも回収の必要性がある場合に認められていると理解している。
  • 継続して議論に参画してようやく電気事業の特性が理解できたこともあり、普通のビジネスではあり得ない「過去分」の観念も、電気事業の特性を踏まえれば仕方ないとも思う。ただし、会議に参加していない市民が結論だけを聞いても、「過去分」というものを回収しないとどうなるのかが分からない。表面的に負担の部分だけ聞いてしまえば、納得できないという反応となるだろう。また、税でも託送料金でも大差はないと思うが、どちらにしても、丁寧に説明することが重要ではないか。
  • 税金という意見もあるが、国が回収している構図になり、事業者から遠い議論になってしまうことを懸念している。当事者として最後まで責任持って取組むという観点を踏まえると、事業者と切り離す税金ではない方策を考えるべきだと思う。
  • 1F事故の責任は東電にあると承知。他方で、今後、原発を使っていくのかという国民議論のために、それに関わる費用を税金という見える形で回収する事は意識を喚起させることにもなる。税だと当事者意識を欠落させるとの意見もあったが、では託送料金だとそうならないかと言われれば違うと思う。回収する金額が不透明になる可能性のある託送料金という対案が適切なのかわからない。
  • 一般負担金の金額について、万が一、事故があると増えることがあり得るのであれば、ベストな想定だけでなく、起こりうる悪い想定も未来のためにしておくべきだと思う。

資料4 福島第一原子力発電所の廃炉費用の負担の在り方について

  • 廃炉会計制度の適用にあたって、事故の経営責任や国の政策の観点が入るため、事故炉は別に扱うべき。経営責任が問われるものは、自己責任で賄うべきと考える。5,6号機はさておき、1~4号機は廃止用取得資産を伴っており、かなり巨額というイメージがある。やはり一般炉と分けるべきだと思う。他方で、既に適用され、減価償却している資産の処理方針は継続してよいと思う。
  • 事故炉の扱いの議論に際して、1~4号機と5,6号機は分けて議論すべき。1~4号機は平成24年の料金審査でも当然廃炉だろうという議論があったが、5,6号機は、料金審査という技術の専門家ではない委員による精度上の議論では、事故炉かどうかは自明ではなかった。エリア的に放射線量が高く、廃止措置にコストがかかる意味では事故炉に近いが、1~4号機のような損傷は起きていない。難しい要素を含んでおり、そもそも一般論とは切り離して扱うというのは一つの判断としてあるのではないか。
  • 当時の料金査定では、1~4号機と5,6号機の議論に加え、どういうコストがかかるかというのも議論だった。安定化維持費用を原価参入したが、1~4号機は、会計的に特別損失として扱うという事業者の意思もあり、それを原価に入れることは相応しくないという判断だった。他方、損傷がなかった5,6号機の扱いは難しく、廃止もされていなかったため、減価償却費を原価に入れる判断をした。1~4号機は、事故炉という扱いにした時、事業者の積立てや利潤という事業者自身の責任の下で対処するのが相応しいと思うが、5,6号機は廃炉作業にどの程度の費用がかかっているか等、データを見ているわけではないので判断が難しい。
  • 制度の継続性を完全に無視してはいけないと思う。会計上の整理、廃炉の円滑な進行という意味では、一定の継続性を持った制度を議論することも重要。他方、経営努力による超過利潤を廃炉費用に充てる制度措置は、賛成である。
  • 選択肢にある制度措置毎に、どのような措置をするとどのような費用が発生するか等のシミュレーションがあると分かりやすい。

資料5 送配電網の維持・運用費用の負担の在り方検討WGにおける検討状況について

  • 固定費が8割を占めるという説明について、内訳はどうなっているか。
    →(監視委員会)送電線、変電所の減価償却費が大半を占める。高圧送電網が4割、配電設備が3割、メーター等の需要家部門が1割程度。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力市場整備室

最終更新日:2016年12月6日
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
Copyright Ministry of Economy, Trade and Industry. All Rights Reserved.