経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第1回)‐議事要旨

日時:平成25年11月12日(火曜日)13時05分~14時40分
場所:経済産業省別館3階312共用会議室

出席者

ガスシステム改革小委員会委員
山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、永田委員、松村委員
オブザーバー
一般社団法人日本ガス協会 蟹沢副会長・専務理事
一般社団法人日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
日本LPガス団体協議会 葉梨専務理事
公正取引委員会 杉山調整課長
消費者庁 片山消費生活情報課長 
総務省 廣澤公営企業経営室長
事務局
高橋電力・ガス事業部長、村瀬電力・ガス事業部政策課長、横島ガス市場整備室長、南石油・天然ガス課長、大本ガス安全室長、義経石油流通課長補佐

議事概要

主な意見

(1)ガス事業の将来性について

  • 昨年の天然ガスシフト基盤整備専門委員会において天然ガスシフトというキーワードがあり、3.11以降の電力需給問題において、原発代替としての天然ガス発電の重要性を考慮すると、天然ガスの役割は大きい。ただし、価格が重要であり、天然ガスは石油、石炭に比べ、日本が行動することで値下げの方向に動かすことができる可能性が強いという観点で将来性があり、その実現により天然ガスシフトが可能となると考える。また、天然ガスシフトの内容を明確化することが必要。第1に、ベース電源としてのコンバインドサイクルの活用。次に、産業、民生用まで含め、現状3%のコジェネレーションを15%まで引き上げることと考える。
  • 天然ガスの将来については2つのポイントがある。まず、ガスシステム改革により総合エネルギー産業化を指向し、これまで培った安定供給ノウハウを経済成長モデルにつなげることで、天然ガスシフトが極めて現実味のある方向性となる。また、発電の観点から考えると、天然ガスはコンバインドサイクル発電や燃料電池など、多様な利用技術に対応できる一次エネルギーであり、今後分散型電源へシフトする中で、極めて重要な地位を占めると考える。
  • ガスシステム改革の中で需要家の選択肢確保は重要であるが、どの選択をしても需要家便益が増大しないようでは意味がない。川上、川中の制度的議論のみならず、川下のガス機器等まで含めて、イノベーションを起こしていく必要がある。ガス事業者も含めたエネルギー事業者の大きなビジネスモデルチェンジが、ガス事業の将来性に関わってくる。
  • 天然ガスはCO2排出が少なく、今後伸びていくことは間違いないと考える。ただし、天然ガス需要を無理に拡大するのではなく、適材適所での利用拡大が重要。供給サイドでの自由化により、エネルギー企業がガスや電気、石油を最適に組み合わせ工夫して売り込んでいくようにするとともに、需要家も最適な組み合わせで買えるようにすることが重要。
  • LNGの価格は石油連動のため相当高い。特に、ガス事業者は電気事業者に比べ企業体力・規模等は千差万別であり、調達においてLNGの価格政策をよく見極め、事業者間の競争が公平に担保されるようなイコールフッティングを踏まえた上で、ガス事業の将来性を考えることが必要。
  • 需要家が選べる状況を作ることは非常に重要。しかし、消費者は既存のシステムの中で長年暮らしており、色々なエネルギーを組み合せて販売するということは、消費者の混乱を招きかねないことから、明快な情報提供をする必要がある。

(2)ガスシステム改革の目的について

  • 改革においては、需要家が選べる状態を作り出すことが重要。その際、電力とガスの間、ガスとLPガスの間、ガス会社同士の間でも需要家が選べる状況を作る必要がある。そのために、インフラのボトルネックの問題や、料金システムに不透明な点があれば解決する必要がある。
  • 事務局案の4点に同意。今般のエネルギー基本計画では、電源構成等の定量的数値を出すことが難しい中、目標は明確にする必要があり、例えば「総合エネルギー企業化を目指す、そのための産業政策はどうあるべきか」を明確に示していくべき。そうなると、事務局案の(3)ガス供給インフラの整備については、単にガス導管をつなぐのみならず、ガス&ワイヤー&ファイバーなど複合型インフラとしてのあり方を、総合エネルギー企業を目指す上で議論する必要がある。
  • 最終的に、このシステム改革により日本全体としてのエネルギー効率が上がったのかを確認する必要がある。ガスシステム改革も、大きな総合エネルギー化の一環だと思っているため、全体最適が目的の中にあるとよい。また、事務局案の(4)消費者利益の保護と安全確保について、システムを改革した場合に保安に影響を与えないとは言い切れず、保安の確保は特に重要な目的の1つと言える。
  • 事務局案の(4)消費者利益の保護と安全確保について、小口部門を自由化し事業者間の価格競争が激しくなった場合、果たして安全が確保されるか、また新規参入者が災害等にすぐ対応できるのかについて不安を感じる。そうした部分を整備した上での改革が必要。

(3)検討の論点について

  • 一般ガス事業者は209あり、また調達・供給設備により分類すれば4グループになるが、全面自由化の際の影響は各グループで影響が大きく異なる可能性がある。消費者の観点からは分かりやすく一本化した結論が求められるものの、事業者が受ける影響が異なることをどのように考えるかがこの委員会の1つの論点。例えば、結論は同じとしつつ、適用する時間軸を変える等の工夫も必要ではないか。
  • システム改革を行うのであれば、全てのガス事業者を対象とする必要がある。しかし、売上等を考えた場合、事業者間でレベルが違い過ぎるため、一律に何かをやれば良いというものではなく、まずは上位の事業者を対象とし、段階的に小規模事業者もそれに倣うような形にしていく、ということはあると考える。
  • 自由化の検討では「一国二制度」もあり得ると考える。競争が機能し、国民経済的に意味あるところに限って先行的に実施するという整理も可能ではないか。また、検討を進めると全面自由化という話になると思うが、その結果、産業全体が効率化しなければダイナミックな成果は得られない。ガスも電気も一緒に売ることや、川上で共同調達などの様々な工夫を行うことによって、ダイナミックな効率化が達成できる源泉となると考える。
  • ある地域で競争が起きない可能性も考えて、消費者保護に配慮することは必要であろうが、最初から競争は起きないと決め付けるべきではない。また、事務局案(1)のうち、エネルギーサービスの相互参入を可能とすることは非常に重要であるが、ガス単体で新規参入も可能とする制度設計にしなければならない。
  • 1)東京―福岡間でもパイプラインが連結されていない、2)電力のJEPXに対応する卸市場がない、3)電力でいう常時バックアップに対応する、管理下での卸供給の仕組みがない、4)アグリゲーションが規制により不可能、といった点で、ガス市場は電力市場と比べて競争基盤が脆弱。ガス市場における競争基盤整備が必要不可欠。また、ガス市場は電力市場に比べ競争的という側面はあるが、それは電気事業者等の少数の強力な競争者がいるということ。この競争者が競争をやめれば、市場競争はなくなってしまうという意味でも脆弱性がある。競争基盤整備の上では、事務局案は電力システム改革でのネットワーク中立化の努力に比べれば相当マイルドな表現であるが、導管部門は電力と同様に十分中立的でなければならない。
  • 事務局の5分類に異存はないが、検討のポイントとして調達・供給設備以外にも事業者のステークホルダーは様々であることに留意すべき。例えば、自治体は一般の民営企業とは異なる会計制度を採用している。小売の自由化にあたり、消費者利益の確保のため情報の透明性、正確性を担保する意味で、前提が異なることを十分考慮すべき。
  • 消費者にとっては安全確保と安定供給が必須だが、自由化してもそれが確保されるのか不安がある。今のままでも良いのではないかという感覚もある。
  • 安全性を確保していくための制度設計は本検討で最も重要な点。ただし、一般論として、競争があると安全が損なわれ、独占だと安全というわけではない。例えば独占企業であれば消費者には選択肢がないため、安全性を損なっても顧客の流失はないが、競争市場では消費者の信頼を損なえばその企業は存続が危うくなるだろう。競争市場、規制市場に関わらず、安全性は最重要であり、それを担保する制度設計を行うべき。
  • 自由化議論にあたり「一国二制度」には問題があるが、それぞれの事業者の需要環境の違いを踏まえて丁寧に議論することが必要。また、事務局案の(1)小売の自由化範囲の拡大については、総合エネルギー企業化の可能性や、ガス機器産業まで含めたバリューチェーン全体の視点からも検討すべき。また事務局案(2)競争の活性化による料金の抑制に関連して、卸取引についても議論すべき。ガスはネットワークがつながっていないが、電力と異なり貯蔵可能。この特性を活かし、何らかの取引により、バーチャルなネットワークのような取扱いができないか。
  • 事務局案のように事業者の類型を定義することは、明確で分かりやすい。ただし、(1)及び(2)と、(3)~(5)の違いは明らかであるが、(1)と(2)の違いは分かりづらい。現状から考えれば、この2つを別グループとすることは多くの人が納得すると思うが、制度上分けて扱うことの理論的根拠については、具体的な制度設計の段階で考える必要がある。

今後の予定

事務局から、第二回は11月28日、第三回は12月25日に開催し、今回提示された事業者のグループごとにヒアリングを開催していく予定であることを報告。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

 
最終更新日:2013年11月15日
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