経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第4回)‐議事要旨

日時:平成26年1月30日(木曜日)10時00分~12時15分
場所:経済産業省本館2階東3共用会議室

出席者

山内委員長、引頭委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、永田委員、松村委員

オブザーバー
東部ガス株式会社 穴水 代表取締役社長
京葉ガス株式会社 小井澤 常務取締役
武陽ガス株式会社 山下 代表取締役社長
北陸ガス株式会社 今井 取締役総合企画部長
中部ガス株式会社 神野 代表取締役社長
大津市企業局 山口 局長
大分瓦斯株式会社 福島 代表取締役社長
一般社団法人日本ガス協会 蟹沢副会長・専務理事
一般社団法人日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 吉川課長補佐
消費者庁 消費生活情報課 谷本企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 廣澤室長
経済産業省
資源エネルギー庁電力・ガス事業部 村瀬政策課長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 小島石油流通企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

  • 卸事業が自由化された際の想定では、電力会社も卸事業に参入し、電力とガスによる競争が行われるものと考えていた。京葉ガスは複数社から卸を受けているため、この競争の利益を十分得ているという理解でよいか。また、武陽ガスは1社からしか卸を受けられていないのはどのような状況なのか。

    → 自社製造工場の老朽化により新たな供給先を探すタイミングで、立地条件も良かったため、東京ガスに加え東京電力からも卸を受けることとなった。ガス会社と電力会社からの調達をうまく組み合わせることで、価格低減に一定程度寄与している。

    → 東京電力からは、以前、卸の話があったが、現在は自社用のLNGが不足しているためか、そうした話が来なくなった。

  • 中部ガスは特徴あるグループ経営を行っているとのことだが、自由化がグループ戦略にどのような影響を与えると考えるか。セグメント経営は、セグメントごとに利益率を管理し、資源配分、人材、設備投資等の組み換えを行って経営効率化するものと理解するが、自由化によりガス事業の投資回収率が下がる場合、ガス事業への投資のタイミングをずらす、先延ばしする、額を減らすということが起こり得るか。

    → 都市ガス事業への投資もセグメントとしての事業採算性、事業計画に基づき行っている。ガス事業はガス事業法に基づき行っているため、グループ経営の一部ではあるが、分社化し会計上明確なセグメント分割をしている。これは自由化後も変わらないが、複合的サービスがより自由に組み立てられるようになるという意味では、自由化により大きな変化があるかもしれない。供給、設備面、メンテナンス等、ワンストップでサービスを行うことが可能となり、幅広い収益の可能性が出てくると思う。

  • 卸元との取引環境について、本日指摘があった中では、例えば契約書の写しを提出させることは優越的地位の濫用にも聞こえかねない。調達先が1社に絞られていることを超えて、取引条件について問題があるように感じた。また、更なる取引環境の向上が必要との指摘もあったが、卸取引環境の改善について具体策はあるか。他方、京葉ガスと大分ガスは、卸元との関係ではこうした問題は解決しているように感じた。京葉ガスの場合には、電力会社から卸を受けた時に行う熱量変換が重要であったように感じたが、それは難しいことなのか。また、大分ガスは近隣にコンビナートがあるため調達先の多様化が可能であったことを強調したが、津波等に対して脆弱性があるのではないか。全体として、卸元との取引環境を解決するのは各社特有の条件によるものか、それとも一般性を持った形で解決しうると考えるか。

    → 卸取引所が創設され、実際に機能することで、取引環境の改善が進むと考える。なお、現行、卸事業の料金規制はないが、今後は小売料金の総括原価方式も撤廃して欲しい。

    → 東京電力からは気化した状態でガスを購入し、自社で熱量調整を行っている。自社に熱量変換の施設があるため行っているのであり、それにより東京電力との卸売の関係が強くなったということはない。分散した卸元から供給を受けているが、卸元のさらなる多様化は必要と考えている。

    → 卸元からは、販売先が大口に当たるかの確認のために需給契約書の写しの提出を求められる。提出を求められているのは当社だけではなく、複数事業者あると聞いている。提出する側としては手の内をさらすことになり、自由化した際にはそうした販売先を取られるのではという不安がある。

    → 卸元からは、全ての卸先に対し同じ料金表を用いていると聞いており、関係も良好である。

    → 卸元の多様化には、LNG輸入基地との距離が問題となる。基地から離れた事業者がガスを調達する場合には、卸元の選択肢が1社になる可能性が高い。この制約は自由化されても同じである。こうした意味で、どの地域でも基地とパイプラインのネットワークが使えるようになれば、卸取引環境はより改善される。そうした観点から、制度設計がどうあるべきかを考える必要がある。

    → 卸元は1社だが、長期的な安定性や価格面を考慮し、現在の事業者から卸を受けることが最適と考えている。自由化が進めば調達先の選択肢が広がり、価格競争力が持てるようになることを期待する。

    → 需要家に対し、九州電力大分エル・エヌ・ジーや昭和電工から卸を受けていることを説明すれば、それ以上追及されたことはない。津波への脆弱性については、これまで対策を行ってきており、現状、大分の津波想定6mの基準はクリアしている。臨海工業地帯だから危険ということはない。

  • 自由化実施の時期について、一部グループのみ実施時期を遅らせることなく、全事業者一斉のタイミングがよいとの意見があった一方、グループ間で実施時期に差を設けることを主張する意見もあった。全事業者一斉がよいか、時間差を置く選択が可能とする方がよいか、また時間差を置く場合でもそれを公営に限って認めるべきなのか。

    → 迷っているが、直感的には一斉がやりやすいと考える。いずれの方法にも色々なプラスマイナスがあるため、議論を注視したい。

    → 悩んでいる。システム改革の制度設計後、準備にどの程度時間がかかるのかによる。他事業者が自由化している中で、当社のみ対応が遅れていると、需要家に不公平感が出ることは心配している。

    → 自由化へのシステム対応に一定程度の期間が必要であり、実施までに時間的余裕が必要であるが、需要家の納得感や不公平感を考えると、自由化時期は一斉がよいと考える。

    → 事業者の区分は、いろいろな切り口があり、どのような競争環境が適切かを検討する必要がある。地方ガス会社も地域のインフラとしてのサービスを提供しているため、それをどう担保するかがポイント。

    → 誤解があったようだが、自由化が決定してから実施までに、対応のための十分な時間が必要という趣旨である。

    → 自由化の実施・未実施にばらつきがあると事業がやりにくいので、同じグループ内の事業者は自由化実施のタイミングを一斉とすべき。

  • 保安について、たとえ管内で新規参入があったとしても、地元のガス事業者が保安責任を負って業務を行い、新規参入者は委託料を支払う仕組みが良いという意見がある一方、大津市は新規参入者が保安責任を負うべきとの意見もあったが、改めて見解を伺いたい。

    → 迷っている。現状のガスの保安レベルは高く、それを維持する仕組みとすることが重要。

    → 今保有している人材や設備等については、引き続き地域の保安に使っていただきたいと考える。

    → 供給事業者が保安責任を担うことが基本ではあるが、それが難しい場合は導管を保有するネットワーク事業者に委託することも考えられる。

    → 社内でまだ検討中である。

    → LPガス事業では、委託保安が認められており、制度設計としては可能であるが、その中で質をどのように担保するかが重要である。

    → 新規参入者であってもガス販売事業者が責任を持って保安業務を行うという原則は維持されるべき。ただし、ネットワーク事業者が保安を担うことを排除するものではない。

  • パイプラインについて。供給エリアが分断されておりその間にパイプラインを通すことは大変なので、政策的支援が必要との指摘があった。他方、自己のリスクにより敷設を行うとの発言もあった。パイプライン整備に関し、政策的支援の必要性について意見を伺いたい。

    → ネットワークによりガスの成分・熱量・圧力等が異なるため、単純に接続すればよいものではないと認識。むしろ、海外では全国的にパイプラインが整備た上での自由化であり、そうした整備がなされていない日本で、自由化によりどのようなメリットが生まれるのか、そのためにどのような制度設計するか慎重に議論すべき。

    → 災害対策のために自社で複数のパイプラインを維持している。また、災害に強い製造工場の設計を行った。このような取組が、一部卸元からの供給が止まった際に奏功したことが何度かあった。

  • LPガスとの競争関係について、LPガスの競争関係の中で料金体系の透明化の必要性について指摘があった一方、自社の多角化の中でLPガス事業が重要な部門となっている事業者もあった。このように、LPガス事業と天然ガス事業を両方行うということもあり得る。この点について、補足的な説明をいただきたい。

    → LPガス事業については、保安委託が認められているが、その中で安全面や消費者利益の保護、サービスの質の確保が心配。都市ガスが自由化された際にも、そうした質の確保が重要。

  • 公営ガス事業について、自由化により料金設定などに制約が生じるようなことはあるか。大津市は全面自由化に賛成との意見であったが、その意図を伺いたい。また、公営企業を買収した経験のある北陸ガスからも、補足的な説明をいただきたい。

    → 県内の公営企業が民営化を志向した場合も、当社が全て引き受けるというわけではなく、需要家や株主に説明し判断する。

    → 過去に2度、民営化の検討を行ったが、経営も安定しており、当面は公営を維持することが望ましいと判断した。今後とも、ガス市場環境の変化を見て、必要に応じて検討する。自由化により競争が激化する中、公営事業者として各種制約の中で事業展開が困難になる可能性もあり、例えば需要家のニーズに対応できなくなれば、民営化の検討が求められると考える。

  • 自分たちから直接意見を聞く場を設けてほしい、今回のように意見を述べる機会が設けられたことは有意義、との主張は歓迎。我々委員もガスのプロフェッショナルの意見を聞かなければ正しい制度を設計できない。今後、個別論点について問題がある場合にも是非意見をいただきたい。こうした意見表明は、意見書という形でもよいので、公開の場に提出されることが重要。
  • 自由化について、概ね肯定的な意見であったが、天然ガスの普及拡大に資するならば、との条件付の言い方が多く、他のグループに比べ若干前向き感が弱い印象。天然ガスの普及拡大は、制度設計も重要だが事業者努力にも強く依存する。自由化により自由に料金が設定できるようになったとたんに経営効率化努力が小さくなり、ガス料金が高くなり、ガスの普及拡大が進まなかったということのないよう、事業者は自覚を持って取り組むべき。
  • 自由化のタイミングについては、一部事業者のみ遅らせると混乱するため全事業者一斉にそろえるべきとの指摘があり、その意見は尊重すべき。ただし、一斉に自由化する場合でも、一番準備の遅い事業者にあわせて自由化自体が遅れるようなことがないよう注意すべき。
  • 卸の自由化が早過ぎたのではないかという意見があったが、大口を自由化する一方で卸事業が自由化されないのは不自然であり、自由化自体は間違いでなかったと考える。ただし、自由化といっても、一切の規制も監視もなくすというのは唯一の選択肢ではなかったし、現状の競争が極めて弱いことを考えれば、一定の規制を導入することも選択肢となり得る。少なくとも、電力で検討している程度の監視・規制は今後ガスでも検討する価値はある。卸取引所の創設となれば更にハードルが上がるが、検討する価値はあると考える。
  • 卸元が卸先に大口需要家の契約書の提出を求めることについては、相当問題があるのではないか。そのような体質を持つ事業者が卸供給の大部分を握っていることは、卸のみならずアグリゲーションにも関係してくるので、十分に監視することが必要ではないか。
  • 保安について、地域の供給に自負を持っているので、今までどおり保安について全面的に地域の企業が責任を持つが、そのコストを回収できる制度とすべきという意見は正当である。仮にネットワーク事業者が保安を担う場合でもコスト回収できる制度とすべき。また、保安責任の担い手として、小売事業者が負う方法、ネットワーク事業者が負う方法、小売事業者が負うが委託を可能とする方法、の3つがあるが、いずれも重要な選択肢であり、メリットデメリットを考えながら検討していくべき。
  • 小売料金を届出制とした場合、実際の料金がその届け出た料金から変更できないとすることは適切でない、との意見があった。各事業者が様々な意見を持っているので、それらの意見を聞きながら、天然ガス普及の障害にならないよう考えていく必要がある。
  • 保安は大変重要。ガスを販売する事業者が責任を持つべきとの意見もあったが、既存のガス事業者は、各需要家の器具や配管の情報を持っており、より効果的に対応することができる。新規参入者はそれらの情報を持っていないため対応しにくいのではとの不安も感じる。それらを考慮して、新たな保安制度を作っていく必要がある。家庭の中にガスと電気の両方があり、それぞれに適した使い方をできるのが理想であるのに、ガスの保安が適正でなくトラブルが起こると、やはりガスは危険ではないかといわれてしまう。そうならない制度設計としたい。

今後の予定

次回は2月24日に開催し、第4グループの6事業者からヒアリングを行うことを事務局から通知。

以上

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お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

 
最終更新日:2014年2月17日
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