経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第6回)‐議事要旨

日時:平成26年3月11日(火曜日)13時00分~14時40分
場所:経済産業省地下2階講堂

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、永田委員、松村委員

オブザーバー
日本コミュニティーガス協会 鴇田会長, 松村専務理事
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 吉川課長補佐
消費者庁 消費生活情報課 谷本企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 徳大寺課長補佐
経済産業省
資源エネルギー庁電力・ガス事業部 高橋部長、村瀬政策課長、都築熱供給産業室長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 小島石油流通企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

(1)委員の主な意見と事業者の回答

  • 簡易ガスと都市ガスの二重導管問題について、簡易ガスの供給地点に都市ガスが進出してきた場合、それまで簡易ガスが供給に用いていたガス導管を用いて、需要家が都市ガスに転換することは可能か。

    →簡易ガスの需要家は1団地につき70戸以上であるが、その全ての需要家が都市ガスへの切替に合意すれば可能。団地の一部の需要家のみが切替えることは難しい。

  • 都市ガス事業者が自身の子会社で簡易ガス事業を経営する場合もあると考える。その場合、都市ガス事業者が供給区域を拡大する中で簡易ガスの供給地点を包含すれば、既存の簡易ガスの導管を使用して都市ガスを供給するので二重導管の問題は生じないのではないか。

    →都市ガスの供給区域が自身の子会社である簡易ガスを包含する際、簡易ガスの需要家全員が都市ガスへの切替に合意する場合は、簡易ガスの導管を都市ガス供給に利用することが可能。ただし、都市ガス転換に合意しない簡易ガス需要家が1者でもいる場合は、簡易ガスの導管を残し、別途、都市ガスの配管をする必要がある。また、既存の簡易ガスと都市ガスが別事業者の場合は、二重導管問題が発生しうる。

  • 簡易ガスの需要家が都市ガスに切り替える場合、簡易ガスの導管の上に都市ガスの導管を敷設する方法と、需要家全体を都市ガスに切り替え既存の簡易ガス導管を供給に用いる方法があるということになるが、実際はどちらが多いのか。

    →簡易ガス団地の需要家のうち一部が都市ガスに切り替えるケースが多く、したがって、簡易ガス導管のあるところに、都市ガスの導管が敷設されるケースが多い。

  • 資料3の9ページに、簡易ガス調定数減少の理由について、「空き家の増加」や「建物の廃止」が多いとの記述があるが、今後、小売が自由化された場合の簡易ガスの競争環境の状況についてイメージを聞きたい。

    →競争環境については、現在でも都市ガスが簡易ガスの供給地点に対して進出することは可能であり、一方でLPガスとの間では自由競争にさらされている。自由化によりそのような競争環境がさらに激化するかは、定量的にはよくわからない。ただし、自由化の影響で都市ガスが今まで以上に積極的に競争するようになる可能性があり、また電気事業者のガス事業への新規参入の増加やオール電化の普及も考えれば、競争の激化が予想される。

  • 簡易ガス事業者の保安水準について、LPガス事業者や都市ガス事業者と比べるとどのような状況か。

    →保安については、LPガスや都市ガスと制度上同等の状態が保たれており、それについて優劣をつけることは難しい。

  • 保安について特徴的な取組があれば教えていただきたい。

    →簡易ガス事業者は団地ごとに簡易なガス発生装置からガスを供給しており、製造段階のガス事故が年間10件程度発生している。そのうちの大部分がガス配送時の開栓忘れなどのヒューマンエラーであり、その防止に努めている。

  • 簡易ガス制度により、導管の敷設のしやすさや料金規制等、メリット・デメリット双方が生じていると考える。都市ガス事業者からは、ヒアリングにおいて、大手事業者から中小事業者まで全面自由化を前向きに捉える旨の発言があった。簡易ガス事業者は、需要家数200戸以下の小規模事業者から比較的大規模で地域に密着した事業者まで含め、自由化したほうがよいという考えが多数を占めるのか。

    →全国1400もの簡易ガス事業者がおり、理事会で参集する代表者や各支部から間接的に各社の意向を聞いているが、基本的には自由化に前向きである。特に、小規模事業者にとっては、料金認可に係る手続きや事業廃止等の許可申請が大きな手間となっているようである。他方、小規模事業者が供給している地域は小規模なマーケットで地域に密着していることもあり、自由化に対して不安も少ないという背景がある。したがって簡易ガス事業者においては基本的には自由化の流れに逆らう意向はないと認識している。

  • 災害時の強さ等を考慮すると、LPガス価格が下がれば、簡易ガス又はLPガスが都市ガスの供給区域内に普及するという可能性も考えられる。その場合、従来指摘されてきたような、都市ガスが簡易ガスの供給地点に進出する場合とは逆の二重導管問題が起こると思うが、どのように考えるか。

    →簡易ガス事業者の側でも、都市部で都市ガスに対抗するべく都市ガスの供給区域内で簡易ガス事業を行いたいと考えている。セキュリティの観点も含め、コミュニティ単位でエネルギーを持ちたいという要望も出てきている。その意味で、都市ガスの配管上に簡易ガスが配管することも今後は出てくると考える。

  • 70戸規制を廃止して欲しいという要望は理解したが、その場合、液石法の規制下に移行したいという趣旨か。

    →本日は、液石法へ移行すべき、あるいはガス事業法にとどまるべきといった意思を今回表明したわけではなく、現行のガス事業法において簡易ガス事業者がいかに不公正な立場にあるかを理解いただく、要請だけを述べたもの。

  • 当委員会において、一般ガス事業者については、209社を4グループに分けてヒアリングを行った。他方、簡易ガスについては、1400もある事業者を日本コミュニティーガス協会がまとめて意見を言うというのは、限界があるのではないか。

    →指摘はもっともである。可能な限り実情を説明し、限界があるのであれば、別の形を考える必要があるかもしれない。

  • 自由化の制度設計によっては、二重導管問題は解消できると考える。現状は、簡易ガスが供給している地点に都市ガスが進出する場合、供給地点の需要家全員が合意しなければ二重導管問題が発生する。ただし、簡易ガス導管による託送を可能とすれば、簡易ガス導管により都市ガスを供給することが可能となるため、二重に導管を敷設する必要がなくなる。また逆に、全面自由化後、都市ガスの供給区域で簡易ガスを供給する場合、簡易ガス事業者は、小売事業者としてガスを供給すればよいため、この場合も二重に導管を敷設する必要がなくなると考える。

    →全面自由化されるのであれば、技術的には不明だが理論的には可能かと考える。

    →簡易ガス事業者が都市ガス供給区域において小売を行う際に託送を利用することは可能と考えるが、都市ガスが簡易ガスの供給地点に進出してきた場合には、現実には都市ガスへ切り替える需要家と、LPガスにとどまる需要家を切り分けることが難しい。この場合、両者に供給するガス種が異なるため託送が難しく、二重導管を回避するのは困難なのではないか。

  • 簡易ガスとガス種が近い都市ガス事業者もいるのではないか。

    →LPガスを提供している都市ガス事業者はいるが、そのような事業者は数が限られる。天然ガスとLPガスを同じ導管に流すことは難しい。

  • 業界団体が簡易ガス全事業者を代表できるのかという点については、都市ガス事業者についても209社全てから意見を聞いたわけではないため、都市ガスの状況と大きな違いはないといえる。制度設計をしていく中で、意見が異なるところがあれば文書で意見を出していただきたい。また、今回のヒアリングでは、現行の簡易ガス事業の問題点を提示していただいたが、例えばガス事業法と液石法のどちらで規制すべきかといったことについては、業界として統一した意見は述べず、本委員会において検討してほしいという趣旨と理解した。その上で、指摘された問題点が解決されていないということであれば、再度文書で指摘していただくという方法をとりたい。
  • 二重導管とは、都市ガスの供給区域内で複数の導管が敷設された結果、同じガス種で本来なら一つの導管で足りるのに二重に導管を敷設することが非効率であるというという観点から問題とされる。ガス種が違うものに関して違うガス管が敷設されていることは二重導管とは言わないことを認識し、整理する必要がある。既に簡易ガスがネットワークを築いている地域に都市ガスの導管を敷設することは、二重導管とは違う言葉を用いて、別の問題として整理するのがよいのではないか。
  • LPガスと都市ガスの導管を間違って接続するような工事がある、との指摘があったが、ヒューマンエラーの可能性は常にあるものの、専門家が工事を行っているのであり、それが深刻な問題であるとは考えられないLPガス導管と一般ガス導管とを同地域にひかせないようにしているわけではないと考える。

    →2年前に、現実に施工業者が誤って都市ガスとLPガスの導管を繋いでしまったことがある。件数が多いわけではないが、重大事故に繋がるおそれがあるという意味で指摘した。

  • 簡易ガス事業は、実態として導管方式でガスを供給するものであり公共性が高く、ガス種が異なっても一般ガス事業と同等の性格を持っている。しかし、ガス事業法創設当時の事情を背景として、一般ガスとは異なる事業規制となっている。今般のシステム改革において、新たに位置付けを整理するなら、簡易ガス事業も一般ガス事業と同じネットワーク事業として位置付け、規制やインセンティブ等について整理するべきと考える。

(2)今後の進め方および論点について

  • 料金を含めた事前の情報開示や財務状況等の事後の情報開示については、一般ガスか簡易ガスか、上場か非上場か等によって開示できる内容が違うと認識している。したがって、一律の情報開示は現実的には難しいと考えるが、自由化の際に値上げとなる場合、企業の内部情報の開示が重要だと考えている。難しい点もあると思うが、今後検討すべき。
  • 第3グループヒアリングの際、小売全面自由化へのシステム対応に一定期間が必要との指摘があった。地方銀行では共同システムの開発等も行っているが、事業者間で共通の事項は一定程度共有化するなどの工夫ができるのではないか。システム開発は自由化に際して重要であり、システム統合のための第三者機関を創設するなど、このシステム改革をより効果的、効率的に進める上で工夫が必要。
  • 料金について、LPガス事業者や電気事業者も含め、同じレベルで情報開示がなされないと、消費者にとっては比較して選ぶことができず意味がない。それぞれの担当部局とも共同で検討すべき。
  • 最終保証サービスについて、仮にガス事業者が倒産した場合の手続は考えておかなければならない。また、ガス事業者が急にガスを供給できなくなった場合に、最終需要家に負担がかからず支障が生じないような制度を検討する必要がある。
  • 託送料金について、今後も導管投資へのインセンティブを確保するための制度構築が必要であるが、例えばプライスキャップ、レベニューキャップ等含め、踏み込んで検討すべき。
  • 電力市場との相互参入について、電力以外の事業者の参入可能性もある。異業種とエネルギー事業者との連携についても触れておく必要がある。
  • 消費者に対する啓発について、海外では、自由化後に価格が上がり自由化は失敗だったという声も挙がっている。自由化した際には消費者の責任も発生するので、それを消費者に理解してもらうための仕組みづくりが必要。
  • 保安については、様々な問題があると考えるため、より深掘りして多用なケースをよく検討していきたい。
  • 自由化後の異業種からの参入について、天然ガスは一次エネルギーであり、原子力発電所が再稼動すれば、ガスが余ると考えられる。また石油の需要が減ることも考えられ、石油事業者がガス市場に参入してくることも考えられる。さらに、商社が輸入してガスの販売まで行ったり、外資企業が直接販売に入ってくる可能性もある。さらに、電力自由化の中で発電所を建設し、ガスとのセット販売により全てのエネルギーを外資系企業が供給するシステムを組み立てることも可能。そのような場合も、国内で供給されるエネルギーについて国内で資金が循環するように、リスクヘッジするという観点も持って制度設計する必要がある。
  • 本委員会においては、基本的にガス事業のことを議論すべきことは理解するが、本検討は電力市場にも影響を与える。特に、基地開放や卸市場の創設について検討する際には、それが電力市場の競争基盤となることも念頭において検討する必要がある。
  • 【論点4】(1)の卸市場の活性化は是非取り組むべき。しかし、その前の段階で、小売価格と卸価格が矛盾しないよう卸価格を監視するようなシステムを検討すべきである。マンションや団地においては、場合によっては天然ガスを卸で受けて、一括で小売供給するといったことも将来的にはありえる。その際に、卸供給を受ける価格が、卸元の大口小売価格に比べ著しく高いと、そのような事業は困難となる。したがって、大口小売価格に対し卸価格が著しく吊り上げられ、参入障壁となるような価格となることのないよう監視することが必要。電力システム改革でも同様の視点が入っており、【論点4】を議論する際にはこの視点を落とさないでほしい。
  • 【論点1】の小売料金規制について、論点の立て方はこれでよいが、料金規制の検討を要するのは新規参入が難しい第4グループのみで、第1グループでは競争は起こるだろうから規制が必要ないという認識であれば間違い。第4グループのかなりの部分が、LPガスと激しく競争しているということはありうるため、過度に価格を上げられないという可能性は十分あると考える。他方、都市ガスが圧倒的にコスト優位性のある地域では、LPガスと競争により料金を上げにくくなることはないのではないか。このため、他燃料との競争による価格抑制という観点からは、むしろ第1グループのほうが料金上昇の懸念は強いと考える。
  • これまで5つのグループの話を聞き、一般ガス事業者間の競争に加え、電力やLPガスとの競争の形も見えてきた。ガスシステム改革を進めるにあたって、そもそも電力システム改革から受けた影響は大きかった。同様に、今回のガスシステム改革からLPガス業界に対しても影響を与える、という方向性も打ち出すべきではないか。
  • 保安については、都市ガスとLPガスは事業規制や市場が分かれているが、保安はむしろ一体的に行っていると考える。このため、保安に対しても何らかのメッセージを発するようなシステム改革になると良い。また、都市ガスとLPガスの保安のスピード感にずれを感じるので、その間の調整を行うべきではないか。
  • 小売自由化への移行については、需要家から見て同時が自由化を実施したほうが分かりやすい。電力システム改革と同時期とすることも考慮する場合、手続きが間に合うのか。
  • 前回まで一般ガス事業者の意見を聞いていただき感謝。様々な地域特性や事情がある反面、大きくは各社共通の認識が2点あったものと考える。これらを踏まえて制度設計を進めていただきたい。
  • 1点目は、中小事業者を含めて多くの事業者が、総合エネルギー事業に取り組むとの方向性を示したこと。具体的には、これまでの熱供給に加え、コージェネレーションやエネファーム等による電力供給、さらにエネルギーソリューションの提供を付加させていく分散型の総合エネルギー事業である。そのような中、今後の制度設計にあたっては、「天然ガスの魅力が生かされるような新たなビジネスやサービスの創出」というガスシステム改革の目的が達成され、事業者が目指す総合エネルギー事業への意欲が後押しされるような改革を期待
  • 2点目は、多くの事業者から、小売の全面自由化に対し前向きなコメントがあったが、その前提として、需要家のメリットが損なわれないことが重要との指摘があった。そのためには、廉価で安定した調達やインフラ整備とその投資回収が着実になされる仕組み、保安水準が維持向上できる仕組みが実現することが重要。
  • また、全面自由化の中にあっても、新たな供給者も含め全事業者が、地域の活性化や安全な地域づくりに貢献してくことが重要。

今後の予定

次回以降は具体的な制度設計を議論することとし、次回は4月3日に開催し、都市ガスの小売事業について議論することを事務局から通知。

以上

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お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

 
最終更新日:2014年3月19日
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