経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第7回)‐議事要旨

日時:平成26年4月3日(木曜日)10時00分~11時52分
場所:経済産業省本館2階東3共用会議室

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、永田委員、松村委員

オブザーバー
日本ガス協会 蟹沢副会長・専務理事
日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
関西電力株式会社 北村グループ経営推進本部副本部長
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 原田課長補佐
消費者庁 消費生活情報課 谷本企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 廣澤室長
経済産業省
資源エネルギー庁電力・ガス事業部 高橋部長、村瀬政策課長、都築熱供給産業室長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 小島石油流通企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

委員の意見

論点1-1 事業類型の見直し

論点1-2 ガス小売事業に対する規制の程度 について

  • 論点1-2について、許可制と登録制の違いは、実質的には需給調整を行うか否かである。許可制の場合、需要に対して参入が過剰にならないことを要件とすることがポイントであり、今回、参入を自由化することを考えれば、これは外すべきと考える。現行ガス事業法では、需給調整を行うので許可制としているが、それを外すならば登録制とした方が、変化がはっきりする。
  • 論点1-1について、現状の制度は過去からの積み上げで複雑になっており、「ガス小売事業」と「ガス導管事業」に分けるのはよいこと。その場合、現行の大口ガス事業は引き続き届出とすべきかが論点。論点1-2は、行政が事業者に退出を求められる制度とするかがポイントであり、悪質な事業者に行政が退出を求められる登録制が妥当である。
  • 論点1-2については登録制でよい。ただし、許可制と登録制の違いは、需給調整の有無ではなく、公共の利益を阻害しないかの審査の有無である。このため、資料にあるとおりの理由により登録制を選択すべき。
  • 広義の許可制は、事業遂行能力を確認するもの。法律に許可要件を記載し、行政がその要件にあてはまるかを確認するものが登録制である。一方、狭義の許可制は、それに加え需給調整を行うものであり、行政の裁量が入る。いわゆる特許制や免許制と呼ばれるもの。現行のガス事業法は、この免許制の意味を含め許可制と呼んでおり、それより緩やかな規制とする観点から、登録制とした方がよい。許可制が必ず需給調整を含むわけではない。
  • 論点1-2について、届出制と登録制の違いは、行政が退出を求められるかという点は重要。一方、例えば登録制を採用する場合、退出を求められた事業者が再度参入する状況を考えると、事業者の健全性を確認する仕組みがあるべき。一方、届出制であっても、退出は求められないが事業停止を求めることができるならば、それは十分に重い効果があり、事業者の健全性把握の仕組みがあれば、届出制でよいともいえる。
  • 行政が事業者に業務改善命令や登録抹消をできる登録制を支持する。
    →委員長から、論点1-1については「ガス小売事業」と「ガス導管事業」の2類型に整理すること、論点1-2については登録制が適当であること、で概ね一致と総括。

論点1-3 小売料金規制の必要性

論点1-4 利用者保護の観点からガス小売事業者に課すべき義務

  • 論点1-3について、今回の全面自由化は利用者が幅広い選択肢を得られ、事業者も幅広い選択肢を提示できる制度が狙いであり、現行の総括原価方式は適当でない。しかし、どのような価格でもよいわけではない。海外ではレベニュー規制やプライス規制などの規制例もある。価格について、何らか行政がモニタリングできる余地は必要ではないか。
  • 論点1-4について、消費者が事業者間で比較できるようにするために、情報開示が重要。また、インターネットでの情報開示など、詳細は今後詰めるべき内容と考えるが、必要な情報を公衆に明らかにすることが競争の原点である。
  • 全ての小売事業者に課すべき規制と、規制なき独占への対処のための規制を分けて議論する必要がある。電気事業における料金規制の経過措置は、後者の観点からの規制と理解しており、現在の一般電気事業者に暫定的に課されるもの。一方、前者の観点では、これまでの事業者ヒアリングにおいて、約款の届出を求めその条件以外では供給できない規制を課すのはLPガス等との競争上不利となるとの問題提起がされており、その弊害は十分に理解。一方で、一切の届出は必要ないとすべきかは別問題であり、約款を少なくとも1つ届け出て、基本的にはそれで供給するが他の価格設定も自由にできるという制度設計もあり得る。その場合、届け出られた価格が著しく不当でないか行政が確認する必要がある。なお、ヒアリングで指摘があった基本料金と従量料金の間のリバランスの必要性については、行政が確認する際に考慮すればよい。
  • 論点1-3について、自由化する場合には料金も自由とすることが原則。ガス&パワーのような総合エネルギーサービスが実現すれば料金の低廉化が期待でき、そうしたビジネスモデルの多様化が自由化の意義。そうなれば、原則、料金規制は設けないこととすべき。電力の場合、新規参入者は、ベース電源を保有することも市場で調達することも難しく、その結果競合が少ない現状があり、代替性もないため、消費者保護の観点から経過措置を置くことは妥当。一方、ガスは自由化分野の新規参入者のシェアが現在で17%もあり、オール電化やプロパンとの競合もあることを考えれば、規制を設けなくても市場が機能するのではないか。ただ、利用者保護を考えると基準料金や透明性は必要。標準的な料金をオープンにして、熱量ベースで分かりやすく整理するという程度のものが、自由化のメリットを引き出す上で有効と考える。
  • 論点1-3について、代替性においてガスと電気に違いはなく、同じ取扱いとすべき。料金規制の撤廃は理想的だが、自由化しても新規参入がなければ市場が機能しないので、その場合を考えれば電気と同じ結論となる。プロパンとの競合を考えれば、ある場所で都市ガスが入っているのは、その場所でプロパンより経済性があるからであり、都市ガスの新規参入者がなければ、都市ガスは本来安く供給できるにもかかわらず、プロパン並みの料金に上げてしまう懸念がある。すなわち、規制なき独占の懸念があり、安全のため補充的な料金規制が必要と考える。一方、現在の規制料金の体系は実際のコストに合っていない問題があり、これを修正することも必要。具体的には、上限料金を残すことが必要ではないか。加えて、標準料金の情報提供も必要。利用者としては、もし自分の料金が標準より高ければ、それを疑問に思って行動できるようになる。
  • 論点1-3について、競争無き独占を排除するために、一定の期間、一定の料金規制が必要という考え方は同意。一方、事業規模や需要家数から考えて経営が相当厳しい事業者も多数あると考えられ、そうした事業者にとっては、自由化によりある程度値上げして財務を改善する余地があるというとらえ方はあるのではないか。これは、事業者の延命措置というより、業界再編を促す上で、いわゆるのれんの価値を確保するという意味がある。中小事業者が合従連衡や統合により競争力を得るためには、買収価値を高めるという切り口もあるのではないか。
  • 論点1-3について、自由化では利用者が事業者を選べることが重要であり、スイッチングコストを下げることが重要。都市ガスは料金が規制され、一方でLPガスが自由化されていることが問題の背景。これから両事業とも自由化となれば、最低限の規制は必要であるものの、都市ガス事業者も自由に意志決定できる環境を整えるべき。
  •  今後、競争のパターンとして、電気事業者の新規参入、ガス卸事業者が小売事業に参入、小売事業者同士が競争、LPガスと都市ガスの競争、という4つがあり得る。それぞれについてスイッチを容易にすることが重要。例えば、ガスメーターやガス器具の設置・撤去サービスも含めて、サービス設計の自由度を高めることがよい。また、LPガスや電力との競争においては、利用者から見て競争条件に歪みがないものとすることが必要。
  •  論点1-3について、料金規制が必要といっても、総括原価方式である必要はない。自由化で料金が上がらないよう安全弁があればよいので、例えばベンチマークを設定してのプライスキャップといったイメージ。家庭用都市ガスへの参入条件は難しい面があり、競争相手が現れない可能性もある。規制がなくとも料金が上がらないという確信は持てない。
  • 論点1-3は、他の論点とも絡むため、現段階で基本的な方針は決め難い。例えば、取引所が整備され規制が必要ないほどに競争が十分に起こりそうならば、価格の上限規制は不要ということに同意。また、料金を公表して競争するのは当然との発言が事業者からあったことは歓迎。公表した料金からの値下げの自由を確保したいという意見は聞いており、これは問題ないと考えるが、そうであれば届出を義務付けても問題ない。約款が届け出られ、それを上回る料金とならないという利用者の安心も得られるので、規制について支持されたものと理解。
  • 東京ガスの管内ですらLPガスが事業を行っていることは理解しているが、それで都市ガス料金が抑制されるとは考えられない。強力な競争相手がいることは理解するが、それが非常に少数であり、競争者がいなくなる危険性があることについても認識すべき。
  • 一方で、ガスは電気と比べて料金体系が異なり、逓減料金となっていることから、比較的大口利用者に有利な料金となっている。そうなると、新規参入者が指摘するアグリゲーションが可能な制度となり、卸市場が監視され、マーケターが参入できる環境が整えば、大きな競争圧力となる。こうした制度が機能することを見極めた上で、厳しい規制は必要ないと判断できるかもしれない。卸供給に関する議論を行った上で、再度議論したい。
  • 論点1-3について、規制なき独占や競争がどの程度発生するかは、委員により意見が異なり、予測しきれないところがある。制度設計時に良い制度を追求することは当然だが、大原則として、制度を動かした後で見直していくことが大切であり、この点を確認したい。
  • 電気事業者が都市ガスに参入する場合は、同じ財で競争することになるが、LPガスと都市ガスには熱量の違いや非常時対応に関する特性の違いなど、非代替性があることにも留意すべき。このため、必ずしも料金のみでの競争ではない。また、既にシェールLPガスが輸入されていることを考えれば、LPガスは価格が下げられるはずであるが、一方で先日発表のLPガス需給見通しでは家庭用需要は減少見通しとなっている。すなわち、LPガスは安く販売していないという問題があると考えられ、単純にLPガスの存在があるから都市ガス価格が抑制されるということにはならない。むしろ、今は非代替性のおかげで、都市ガスエリアでLPガスを販売できていると考えるべきではないか。

    →委員長から、論点1-3については、委員間で競争の形に関する認識が異なっていることから、現時点では結論を出さず、他の論点の議論が一巡した段階でもう一度を議論する、論点1-4については、消費者保護は契約前に料金や供給条件について書面で説明を行うとともに、契約後には契約内容について書面やインターネットで交付を求める、との総括。

論点1-5 安定した供給確保の観点からガス小売事業者に課すべき義務

論点1-6 最終保障サービスの必要性

  • 論点1-5について、自由化しても、例えば事業者に業務改善命令を行う場合を考えれば、行政が全国のガス供給の状況を把握することが必要。供給計画の提出について、何らかの形での義務は必要。一方、届け出るのが既存事業者のみとなるのは問題であり、卸取引所の整備状況等を見つつ、義務を課すべき。
  • 論点1-6について、ガスはある意味代替性があるので、最終保障サービスは不要。一方、有事の際に突然供給を止められると利用者が困るので、いわばつなぎ供給の担保は必要ではないか。
  • 家庭用の利用者にとっての代替性を検討するためには、参考データが必要。大口部門における地域毎の新規参入件数、既に自由化されている欧米での家庭用小売価格の推移、取引に関する苦情の事例、また日本でのLPガスの原料及び小売価格の推移、苦情の事例などを示していただきたい。
  • 論点1-6について、論点1-3で議論されたある種の料金規制、すなわち最低1つの約款を届け出られるということを前提として、事業者を切り替えるルールが整備されれば、最終保障サービスは不要と考える。
  • 論点1-5について、提出する事業計画等の範囲が問題。資金計画や投資計画は入らないと考えるが、念のため定義を明確にする必要がある。また、論点1-2の議論で、事業者に経理的基礎を求めるという議論があったが、事業計画の範囲を明確にすべき。
  • 論点1-6について、最終保障サービスは不要。その理由として、一般ガス事業者の供給区域が全国に及んでいないこと、熱エネルギー源としての代替性があることは理解できる。一方、資料では電気が必需財であるとの理由から最終保障サービスが設けられているとの説明があるが、熱エネルギーについても必需財であり、それを認めた上で前述の理由から最終保障サービスは不要と整理すべき。
  • 論点1-5について、従来は一般ガス事業者が自らの供給義務のためにLNGを確保し、この結果国全体で必要なガスは確保されてきたが、全面自由化されれば小売事業者の需要が不確かな部分があるため、LNGを調達する事業者が必要量を全部調達できず、その結果安定供給が損なわれることはないか。こうした観点から、小売事業者には何らかの義務が必要と考えられ、そうした観点から資料にある案に賛成だが、多少の工夫が必要ではないか。
  • 論点1-5について、自由化されれば供給義務はなくなるが、一方で市場が機能するための制度設計が重要。新規参入者が上流権益まで確保するのは難しく、大手ガス事業者や商社等が調達したものを市場で購入できるように、商品取引や先物取引が充実すれば、安定供給日に資することとなる。
  • 論点1-6について、地域が過疎化し都市ガスのネットワークの維持が難しくなった場合の最終保障を考えた場合、LPガスで供給することが最も経済的。すなわち、市場原理の中でうまく機能するのではないか。
  • 今後、ガスメーターも電力と同様にスマート化すれば、電気のネガワットに相当するガス版デマンドレスポンスのようなビジネスモデルが出てくる可能性がある。そうなれば自由化の恩恵は非常に大きい。このため論点1-5,1-6に関しては、市場の機能を活用することでうまく制御されうるものと考える。
  • 論点1-5について、ここでいう安定供給の確保とは、10年後をにらんでLNG基地を建設してガス調達を計画するというものではなく、消費者に販売の約束をしたのに販売するガスを調達できていない、という場合に利用者をどう保護するかの話であり、区別して考えるべき。安定供給の観点といっても、ガス田の権益まで考慮するとなれば、それは参入障壁となる。今後、卸市場が出来れば、そこから調達する場合も十分な供給力とみなされるべき。調達の実現性がなく利用者に迷惑をかけることを阻止するというものと認識すべき。

    →委員長から、論点1-5について、消費者保護の観点から需要に応じる供給能力確保の義務づけ、販売計画という形で行政が内容を確認すること、論点1-6について、ガスについては基本的に必要ないということ、で概ね一致と総括。

今後の予定

次回は5月2日に開催し、導管事業に係る制度について議論。

以上

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お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

 
最終更新日:2014年4月9日
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