経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第8回)‐議事要旨

日時:平成26年5月2日(金曜日)13時00分~15時10分
場所:経済産業省地下2階講堂

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、永田委員、松村委員

オブザーバー
日本ガス協会 川岸副事務局長
日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
石油資源開発株式会社 中島経営企画部長
国際石油開発帝石株式会社 坂本常務執行役員・天然ガス供給本部長
東京電力株式会社 石井ガス営業部長
関西電力株式会社 北村グループ経営推進本部副本部長
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 原田課長補佐
消費者庁 消費生活情報課 谷本企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 佐藤課長補佐
経済産業省
資源エネルギー庁電力・ガス事業部 高橋部長、村瀬政策課長、都築熱供給産業室長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 濱田石油流通課企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

委員の意見

論点2-1 都市ガス導管事業に対する規制

論点2-2 託送供給条件に対する規制

  • 論点2-1及び2-2に共通することだが、事務局提案は単なる規制強化という話ではない。制度Aと制度Bを統一する際に、何でも規制強化が悪いとなれば、常に緩い制度にそろえる選択肢しかなくなり、制度設計上の大きな制約となる。供給区域という制度がなくなる結果、導管事業を統一的に扱わざるを得なくなり、現在異なる2つの規制のどちらに揃えるのかという視点であり、結果的に規制強化になることもあり得る。許可制に揃えると規制強化となるとオブザーバーから発言があったが、届出制に揃えると問題が生じてくるためと事務局資料にある。変更命令付きであれば届出制でも許可制と同じではないかという主張は、原理的にはそうだが、届出制の下で変更命令を発動するのはよほどの事態であり、問題が発生するという一定の懸念がある場合には許可制を選択するのが合理的。導管については、工事の際に公共の道路を掘り返す必要があり、道路を掘り返して導管を敷設したところ、その導管が結果的に不要となった場合には、単に変更命令を出せばよいというわけにはいかない。すなわち、公益特権を与えるには許可制が適当、というのは、この文脈では一定の意味がある。
  • 届出制から許可制へ変更されると導管投資インセンティブが損なわれるのではないかという理屈は、これまで本日出席の事業者のように導管整備に努力してきた者が主張するならば分かるがが、日本全体でみれば導管敷設が不十分であることは10年前から指摘されており、いまだに東京-大阪間も接続されていない中で、一般論として許可制の導入が導管投資を阻害すると主張するのは筋が通らない。規制が導管投資の阻害になるため問題というなら、ずっと導管投資を怠けていれば規制されないという論理になってしまう。それならばガス版の広域機関を設けて導管投資を命じるといったスキームさえ検討する必要があるのではないか。
  • 事業者からは、前回議論した小売料金の公表についても言及があった。大口ガス供給は相対的に件数が少なく、事実上どの事業者に係る料金か分かる問題がある。家庭用の小売のように件数が多い場合と一緒に議論はできないという意見は理解した。
  • 現行の届出制が許可制になった場合に、一番の変化は事務コスト手続きの増加なのか。また、事業者からは予見可能性の高い制度にしてほしいというが、具体的にどのような制度とすれば予見可能性が高くなくなるのか。

【オブザーバーからの返答】

→事務コストが増える懸念がある。また、届出制は事業者の意思が尊重されるが、許可制は行政側にその投資判断を委ねることとなる点を懸念。ただし、許可制の導入が規制強化を目的としたものでないならば、そうした懸念は払拭できる。

→事務コストの増加以外に問題が生じるかは、制度の詳細が不明なので分からない。これまで導管整備は自らの経営判断で進めてきたが、許可制にするとどのような影響があるか不明な点を懸念。制度の予見可能性については、これまで長期的に投資回収してきたが、制度が途中で変更されることとなり、今後も同様に長期的な投資が可能か不安。

  • 投資回収リスクは導管事業にとって大きなポイントであることは理解。ただし、様々な事業者が勝手に導管を敷設するような状況では、事業者にとって投資回収の予見は難しいのではないか。そう考えれば、投資回収リスクを最小とするためにはある程度の行政の判断が必要であり、その方が投資回収の予見可能性を高めるのではないか。
  • エネルギー基本計画にあるとおり、今後天然ガスシフトが進行する。日本は導管網が欧州に比べて脆弱であり、この整備に導管事業者が貢献してきたのは事実。今後の導管整備は、より一層の合理的かつ全体を見据えて、最適な敷設を行うことが必要。自由化の議論の中で日本全体の導管網の最適化を考えると、過剰投資は避けるべきであり、広域的な観点から投資を回収できる制度設計とするのは当然。全体最適を考えた合理的敷設をしていく条件として、ある程度の行政の介入があってもよいと考える。
  • 許可制の制度Aと届出制の制度Bがあって、それを区別する必要がなくなったため、制度A´に統合する、という点は賛成。そうなると、間をとって登録制がよいかと考える。ただし、形式を統合した上で、その具体的な規制内容がどうなるかという実質的な議論が必要。また、託送料金の認可方法については、現行制度は合理的であり、変更の必要性はないと考える。
  • 論点2-1は、投資インセンティブと二重投資問題という2つの立場をどう解決するかという問題。将来の投資がサンクコスト化するのを避けることと過去に投資したものの二重投資を避けることは、投資をいかに回収するかという意味では同じ。本日の事業者の意見では、規制をかけられないことが投資インセンティブであるように聞こえたが、一方で許可制とすることで、減価償却や圧縮記帳など、税制上のインセンティブを付与することも考えられる。規制によるデメリットと逆にインセンティブが付与されることのバランスをどう取るかがポイントであり、今後も定量的に議論をすべき。
  • 論点2-2の託送供給条件について、料金が自由化されて総括原価方式がなくなっても、事業者は一定の原価計算をして原価を託送料金に入れ込むだろう。また、もう一つの義務として会計整理及び公表があり、これは非常に重いもの。これまでの原価区分による託送料金設定は透明性が徹底されていないのではないかと考えており、第三者評価を導入する等により届出制を維持するか、認可制とするかではないか。認可制による行政の関与によって透明性が担保できるという議論もあるが、会計整理の公表義務を厳格に運用することでも担保できるのではないか。
  • 本小委員会は制度の議論をする場だが、制度を変更することが導管網の形成に対してどの程度影響を与えうるのか、その限界を考えておく必要がある。事業者から指摘があったように、導管投資回収に関する予見性が重要となれば、制度がどうあろうと、導管投資が経済的に成立するかという点が重要となる。そうなれば、導管網の形成は、制度的な面に比べ、原子力への依存度やそれに伴うLNG火力発電所の必要数により影響を受ける。そうした限界を認識しつつ、必要な議論をしっかりと行っていくことが重要。
  • 導管事業は許可制、料金は認可制とし値下げ届出制とすべき。また、予見可能性が高いのは許可制である。届出制であれば、一旦料金を設定した後に、万一それが行政から認められない事態となれば、予見可能性を著しく損なう。
  • 一般論として、ネットワークへの接続料に関し、値上げを含めすべて届出制とするのは不自然な制度設計。一方、投資インセンティブを損ねてはいけないというのは重要である。例えば基地や導管の整備により一時的に託送料金が上がることはあるかもしれないが、それにより既存導管網まで含めて厳しい審査が行われるとなれば、導管敷設への逆インセンティブとなる。これは様々な方法で払拭しうるが、ここでは値下げ届出制とするが正しいと考える。

→委員長が、論点2-1については、効率的な導管整備という観点から許可制、論点2-2については、託送供給約款は認可制とすることで概ね一致と総括。また、託送供給需要がほとんど想定されない場合に、これまで同様に経済産業大臣の承認により約款の策定を義務付けないことについても、特段反対はなかったと総括。


論点2-3 二重導管規制

論点2-4 同時同量制度

論点2-5 熱量調整

  • 論点2-3について、行政が全体を見るべきであり規制は必要。論点2-4について、事務局が提案した第3の方法について賛成。事業者からも意見があったが、現行制度では託送供給の依頼者が相当細かなオペレーションを求められるため、依頼者と実施者の合意ができれば、オペレーションのイノベーションとなると考える。ただし、優越的な地位を濫用することがあってはならないため、何らかのモニタリング制度は必要。論点2-5について、オペレーションを変えることで解決する可能性があるのではないか。本日は詳しいデータがなく、未熱調ガスをどの程度の需要家が求めているのか、実態を教えて欲しい。
  • 論点2-3について、消費者にとって、きちんとした目的に沿って制度設計がなされ、料金の抑制につながるのであれば事務局案に賛成。また、容量に上限がある道路での過剰な導管敷設は、交通渋滞を招いたり管の混在で事故時の対応が難しくなったりするのではないか。論点2-4については、最も重要な安定供給は担保されると考えるので、事務局案に賛成する。
  • 論点2-3について、今回のシステム改革の目的の一つは、ユーザーの選択肢が増えて多様な料金が提示されること。ユーザーの選択肢として発電用導管からの未熱調ガスの販売も考える必要がある。一方、一般ガス事業者がこれまで導管を敷設し熱量調整して供給していた需要が、未熱調ガスに置換されることで、既存導管の効率が悪くなり、相対的に託送料金が上げざる得なくなる。こうした場合、一部の事業者のために他の導管利用者のコスト増大につながるため、よく精査して納得できる範囲内で制度設計を行うべき。論点2-4については、同時同量が原則と考える。供給するガスがコージェネレーション等により電力として利用される場合もある。電力市場が自由化され、ディマンドレスポンスが行われることとなれば、高く売電できる時間にガス料金も高くなる可能性がある。そうであれば、ガスを使用した時に同時同量で注入していくという原則は守るべきではないか。本日の事業者の意見については、全体として託送供給の実施者と新規参入者がお互いの利益をシェアできる制度設計とすべきと考える。
  • 論点2-3について、事務局案に賛成であるが、白地から導管網を形成する場合には二重導管規制は不要と考える。一般ガス事業者の導管と発電用導管は、流れるガス種を考えれば別種の導管と考えられる。また、理屈上は、二重導管規制は導管の強制敷設とセットで考える必要があるかと思うが、実際には難しく、二重導管規制は競争の中で抑制されるべきもの。問題は、既存導管網が存在しているところに、新規参入者が導管を敷設し、予想できないほど需要が移った場合に投資回収ができなくなること。その場合に、利用者に負担がつけかえられると問題であるため、二重導管規制が必要となる。論点2-4について、導管の安全性のために同時同量制度があるが、電気の場合と異なりガスの場合は緩和の余地があるもの。緩和の方法としては、一日単位の同時同量も考えられるが、例えばある時間帯に急に圧力が上がりネットワーク管理上問題がある場合には託送を断ることを可能とする制度も考えうる。また、電気では空き容量の開示などがあり、ガスも同様に事業者に導管の空き容量を開示し、それを勘案して新規参入者は計画値により託送を依頼する方法もある。
  • 論点2-3について大幅に緩和すべき。事務局案で、既存導管の有効性が下がり他の利用者の不利益になることと未熱調ガス供給による便益とを比較衡量すべきとあるのはそのとおりであるが、事務局案の「既存導管網全体の利用者の料金に影響がある場合には、変更・中止命令を行う」との記載には到底賛成しかねる。これでは、そういう趣旨ではないと思うが、1円でも上がったら命令すると読めてしまい問題。また、消費者への影響を考えるとの議論もあるが、例えば、ガス事業者がコージェネレーションにより売電しており、ガス価格が高くなり競争力を失い系統電力に負けた結果ガス需要が減る場合を考える。この場合、送られるガスの量も減り、託送コストが変わらないと託送料金単価が上昇する。類似の例は他にいくらでもあり、こうした影響を考慮しないのに、二重導管だけを厳しく規制すべきではない。例えば、普及開発費等のコストに比べ、影響度がはるかに大きい場合には、行政当局がこれを立証した上で、規制を発動する制度とすれば、抑制的に運営されてよいのではないか。さらに、ほとんどの需要家には熱量調整が不要にもかかわらず、それに膨大なコストをかけており、熱量調整コストと比較して影響が小さければ、これも認めるべき。発動に厳格な要件が必要。事務局案では、原則として競合する全ての需要家が置き換わるという前提で試算しているが、これは相当に過大な試算。
  • 論点2-4について、仮に、電力市場で一般電気事業者が巨大な蓄電池を持ち、同時同量が必要ない状況を考えると、その蓄電池のコストは託送料金に含まれる一方で、新規参入者はこれを利用できず同時同量を求められるとなれば、明らかにイコールフッティングに反する。ガスは、これに極めて近い状況になっていると考える。事務局案は、この弊害の低減には役立つことは間違いないが、全く不十分。一般ガス事業者が現行の2つの類型しか提案せず、新規参入者との議論がこう着状態となる可能性がある。本日事業者から提案があったように、現在一般ガス事業者が行っているピークカット分と同等の利用を当然に認めるよう、ガイドラインにきちんと記載すべき。もしそれで安定供給上の問題があるならば、一般ガス事業者が挙証すべき。そして、どうしても決着しない場合には、適正取引委員会で公開の場で対処するという制度的担保があるべき。
  • 論点2-5について、熱量調整が公平性の観点から不可避だという事務局提案は残念であり、到底納得できない。一般ガス事業者はかつて月の前半と後半で熱量を変えて月間平均熱量で決済していた。この場合、月の前半に集中的にガスを使用したすでに不公平は存在しているが問題とはされていなかった。また、一部の需要家に安全性に問題があるならば、そうした需要家についてのみ対応することが公平と考える。本論点は10年以上議論してきたが、ガス事業者が熱量調整を止めることを拒否してきており、このままでは導管の相互接続ができないため、次善の策として熱量を統一するという提案が出てきたものと理解しており、大変残念。仮に熱量調整を続けるならば、未熱量調整ガスと熱量調整を行ったガスは違うガス種と認識し、二重導管ではなく二重投資の問題として扱えば、事実上ほぼ自由となりドラスティックな改革となる。ここまでの案は賛成も得られないと思うが、そのようなことを考える余地もあるのではないか。

→委員長から、論点2-3については規制自体は存続させるものの変更・中止命令の判断基準等については意見に幅があったこと、論点2-4については託送供給依頼者と実施者の合意により制度を緩和していく方向で引き続き議論すること、論点2-5については事業者が熱量調整のコストを下げていく努力をすべきこと、熱量調整を行わないガスの有効活用という視点も必要であること、との意見があったと総括。


今後の予定

次回は5月29日に開催し、利用者所有のガス工作物等に係る保安責任の在り方について議論。 

以上

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お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

 
最終更新日:2014年5月13日
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