経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第9回)‐議事要旨

日時:平成26年5月29日(金曜日)10時00分~12時10分
場所:経済産業省本館2階東3共用会議室

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、永田委員、松村委員

オブザーバー
日本ガス協会 蟹沢副会長・専務理事、金子技術部長
日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
関西電力株式会社 北村グループ経営推進本部副本部長
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 原田課長補佐
消費者庁 消費生活情報課 谷本企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 佐藤課長補佐
経済産業省
資源エネルギー庁電力・ガス事業部 高橋部長、村瀬政策課長、都築熱供給産業室長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 濱田石油流通課企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

委員の意見

  • 事務局資料のA~Eの分類について、より細分化して検討すべきという意見がオブザーバーにあればいただきたい。なければこのA~Eの分類で分けて意見を述べたい。

→技術基準適合維持義務は広い概念を包含しており、より細分化して検討すべき。特に、内管の漏えい検査と技術基準に不適合の際の改善命令先は分けて検討すべき。また、D(小口の緊急時の対応義務)は(2)案(小売事業者が一義的に担うが要望すれば他の事業者に委託が確実にできる)、その他は(3)案(小売事業者が一義的に担い委託は受託事業者と合意すれば可能)とすべきと考える。

  • ガス協会が、小売事業者が保安義務を担った方がよい理由として、LPガスや簡易ガス事業者など既に保安体制を持つ事業者の参入が可能となることを挙げているが、これはそうした意見が実際にあることを踏まえたものか、ガス協会が想像した主張か。小売事業者が保安を担うべきとする理由は何か。需要家にとっての利便性か。

→LPガス業界に確認したわけではなくガス協会としての意見。小売事業者が一義的に担うべきとする理由は自主保安の水準を後退させないため。

  • 関西電力の資料のP4下の表でガス配管図面を作成し直す必要があるとの記載があるが、これは実際に生じた問題か。それならばガス協会の資料5のP16は説得力がない。仮に利用者の情報を知っていたにもかかわらず小売事業者が切り替わる際に情報提供をしなかったならば無責任である。ただ、利用者の企業秘密であるという理由で提供しなかったならば不当とは言えないので、確認したい。他の電気事業者が関西電力と違う意見であるならば後日書面で意見を出して欲しい。
  • 関西電力は既に相当な投資をして保安体制を整えている。それにもかかわらず、全面的に(1)(導管事業者が担う)と主張するのは、余程保安業務の遂行に困っているとの主張だと理解する。経済学的には、関西電力は既にサンクコストを支払っており、今後参入する事業者に対し相対的に低いコストで済む利点があるため、保安は小売事業者が担うべきと主張しても不思議はない。需要家保安の責任を負うことが大きな参入障壁となっているとの主張であることを十分認識すべき。
  • 資料5、P8の例1について、ガス事業者ブランドで販売した機器の修理依頼を受けたのか、それとも、機器メーカーブランドで販売された機器の修理依頼を受けたのか。自社ブランドのみの修理対応であれば、ガス小売事業ではなくガス機器小売事業としての問題である。例2について、営業担当が頻繁に利用者を訪問しており、そこで異常を発見したら即座に保安担当に連絡をするならば、どのような制度になるにせよ小売と保安の両方の担当が情報を持つ必要があるとの趣旨か。

→事実関係として、大阪ガスから利用者の図面は受け取っていない。利用者が自らの図面を管理していない場合もあるため、8割は自前で図面を作成したり修正した。ただ、大阪ガスから意地悪をされているという言い方はフェアではない。設備情報は利用者の情報であり、大阪ガスはそれを利用者から受け取るのが筋と考え、当方に対し利用者から受け取るよう言ったと認識している。ただ、事業者間での引き継ぎという意味ではうまく機能していないと考える。
東京電力及び中部電力も、(1)案(導管事業者が担う)でよいとの意見で一致していると認識している。  
これまでコストをかけて保安体制を整えたにもかかわらず、(1)案(導管事業者が担う)を主張する理由は、電力の保安体制を活用しつつ何とか対応してきたが、現行体制に余力があるわけではない。今後の事業拡大や家庭用への参入を考えると、更なる体制の構築が必要であるが、それは大きな負担と考えている。

→資料4、P8の例1について、ガス機器の修理はガス事業者ブランドか否かを問わず現場に駆けつけ、例えばガス機器メーカーに対応を手配するなどのサービスを行っている。例2は、導管部門より利用者に接する機会の多い販売・サービス部門が不具合を発見する場合が多く、その場で対応または修理を手配する方が妥当ではないかとの趣旨。

  • 関西電力は(1)案(導管事業者が担う)を主張しているが、これまで現場で頑張ってきたガス担当としては気持ちが萎えるのではないか。新規参入の勢いが止まったように感じ残念に思った。別の解釈をすると、関西電力は現在原子力発電所が停止して大変な状況にあり、全体をリストラする必要がある中で、こうした考え方が出てきたのではないか。また、新ガス小売事業者と新ガス導管事業者間である程度の情報交換が必要との意見だが、それはどのように担保すればよいか。
  • ガス協会の案は、まず緊急時とそれ以外で区別し、さらに緊急時は大口と小口で区別するというものでやや複雑な案。最初は簡単な制度として、その後試行錯誤で修正していくべき。この場合、簡易ガス事業者は都市ガス事業への新規参入が容易になると考えるか。

→(1)案(導管事業者が担う)を主張するのは、内部で相当議論した上での結論。保安業務を通じ様々な知見を得て、それが財産となっているのは事実。一方、今般は家庭用も含めた全面自由化であり、さらに管外を含め総合エネルギー企業としての飛躍を考えれば、(1)案がよいと判断した。現在、保安業務に従事している者のことも考えた上での選択である。  
小売事業者と導管事業者との情報交換について、例えば、利用者が大型消費機器を設置した場合、内管も併せて工事する必要があり、その部分は導管事業者が保安責任を持つため情報伝達が担保される。しかし、消費機器のみを設置した場合は、小売事業者から導管事業者に確実に情報が伝わるルールが必要。現在、関西電力でも託送供給約款に基づいて託送供給実施者に設備概要を提出しており、それを充実させればよいのではないか。

→ガス協会の主張は、保安の責任は供給者が持つことが大前提というもの。その上で、緊急保安は規模の経済が働き、専門性が高いため、既存ガス事業者が全面的に委託を受けるとの立場。予防保全は緊急保安ほど専門性が高くなく、件数に応じた体制構築が可能なため、既存ガス事業者の判断で受託の可否を判断し、相対の交渉により積極的に受託する形とすべき。また、大口ガス供給において現行制度は十分機能していると考えているが、我々も相対交渉において積極的に委託を受ける用意がある。全体として、ガス供給を行う限りは保安責任を担うべき、ただし新規参入の阻害にならないようにするとの考え方で一貫している。

→我々も自身で保安を担っており、新規参入しやすい面はある。最も大きな要素は料金であるが、保安も大きな要素である。新規小売事業者にガス供給の経験がなければ、経験のある事業者に委託することはあり得る。一方、新規小売事業者と既存小売事業者は競争関係にあるので、公正な競争ができる範囲で委託が可能か若干心配。参入障壁にならない程度に委託できる体制が必要と考える。

  • 資料5のP5で、緑色の部分は自主保安、オレンジ色の部分は法律上の義務とあるが、導管事業者が保安義務を負うこととした場合、導管事業者が実施するのはオレンジ色の部分のみで、自主保安は小売事業者が行うという意味か。保安責任とは何を指すのか詰めて議論すべき。

→緑色の部分は自主保安であり、現在は、既存ガス事業者が社内の各部門の連携により行っている。一方、導管事業者が保安責任を負うならば場合、緑色の部分を担保する仕組みが必要であり、それは法制的な手当が必要かもしれない。導管事業者と利用者との接点は、今の販売部門より相当少なくなると考えられるため、導管部門では現在の水準の自主保安を実施できないのではないかと考えている。

  • 利用者の情報の引き継ぎについて、現在、利害が相反する事業者同士が保安の引き継ぎをする場合のルールがあるのか確認したい。その中で個人情報を含む顧客情報があればそれも引き継ぐのか。新たな制度下ではルールを設定するのか。

→大口利用者については、保安に係る知見が高く図面を管理されていると期待され、利用者から入手可能と考えられる。一方、小口利用者では自ら図面を有していない者もあると考えられ、引継ぎをルールで定めることはあり得ると考える。

  • 導管事業者が保安責任を負った場合、小売事業者が負った場合それぞれについて、実務上のリスクはどのようなものがあるか。
  • 事務局から説明があった技術適合維持義務について、所有者と保安責任を負う者が法律上一致しておらず、利用者が自分のものと意識していない可能性もある。また、保安水準も法定保安と自主保安の部分があり、自主保安の内容はガス事業者によって異なるであろう。その場合、どこまでが法律上の義務で、どこからがサービスの範囲かを考える必要がある。法律上の義務以上のサービスの範囲について消費者が責任を負うべきかもう少し検討した方がよい。また、新築物件と既築30年の物件で必要な保安水準は異なると考えられるが、こうした点をどのように取り扱うべきかなど、様々な議論の切り口がある。
  • 関西電力は約560名の保安体制を構築したとのことだが、電力との兼務でもあり、ガス事業としての投資規模はどの程度か。また、図面の引き継ぎ問題は頻繁に生じているのか。

→小売事業者が保安責任を担い、導管事業者へ委託するのであれば、大きな実務上のリスクはないと考える。

→小売事業者が保安責任を担う場合、図面の引き継ぎの問題、複数事業者間での連携のリスクがある。補足すると事業者間の連携はルールを決めれば担保できるが、実際に発生する事象を想定して対応するのは困難。次善の策として、緊急時にはガスを止めるという対応もありうるが、利用者に不利益を与えることとなり、そのルールを決めるのが難しい。細かい取り決めができない場合は、主任技術者が判断すべきだが、委託先と委託元の主任技術者の判断が割れるリスクもある。また、導管事業者が保安責任を担う場合、利用者が独自に機器を入れ替えたときに、その情報がいかに導管事業者に伝わる制度とするかという問題があり得る。
保安体制への投資規模は、ガスの原価にかかわるため公開できないが相当な規模。
図面の引き継ぎの問題は、大阪ガスから受け取っておらず、8割の事例で図面を作り直すことが必要だった。

→自主保安の在り方について、今の安全基準の法制上の考え方は、安全規制に関する行政の関与を最小限にして保安水準の維持向上を図るもの。その結果、保安水準は向上していると自負している。自主保安は不可欠であり、導管事業者が保安業務を担う場合は自主保安も担う必要がある。自主保安はサービスの機会を通じて行うものであり、保安の委託を受けることは、小売事業者が行うべきサービス活動をも委託することとなり矛盾が生じるのではないか。我々は、法制上決められている緊急保安や予防保全を担っていく。予防保全には一部自主保安も含まれ、その部分も含めて委託を受けていく。

  • 小売事業者が保安責任を負う場合について、消費者の立場での不安点を申し上げる。まず、緊急時対応について、既存事業者には体制と知見があるが、新規参入者は同じレベルで担保できるのか。また、小売事業者が替わったときに新旧の小売事業者で情報が確実に引き継がれるのか、関西電力の資料でマンションでの事例があったが、たくさん事業者が入って緊急対応をすることは困難とのことであり、空き家などの保安を確実に担保できるかも懸念がある。高齢世帯が増える中で、悪質な点検商法も懸念される。地元密着型の顔が見える事業者が保安を担うのが安心。
  • 事務局資料の問いかけに、需要家保安を小売事業者間で競争する対象とすべきか、とあるが、家庭の利用者は決してその対象とすべきではないと考える。もし保安を競争の対象とするならば、担う者は国家資格を持つ事業者としてチェックする体制とすべき。
  • 関西電力が、これまでの保安体制の構築に要したサンクコストを放棄することは、ガス事業に対する同社の取組の後退であるというのは間違った認識。例えば、電力における30分同時同量制度に対応している事業者が、その制度の変更を要望したとしても、それを取組の後退というのは間違っている。サンクコストを放棄してでも、制度の変更を要望しているということを重視すべき。
  • 保安を新ガス小売事業者に担わせると、毎年担い手が変わることもあり得る。資料5、P8の例2の点が深刻であるとすれば、保安維持の上で極めて心配。導管事業者が保安を担えば、その事業者に情報は蓄積されるため、はるかに自然な考え方。情報受け渡しのルールを決めてはどうかとの指摘もあったが、導管事業者に対する情報提出をルール化することでも対応可能。大阪ガスが関西電力に情報提供していなかったことは不当とは考えないが、保安を最重要と考えるのであれば、需要家を説得してでも関西電力へ情報提供をさせるべき。この点を考えれば、ルールを作れば対応可能というのは楽観的な考え方。
  • 供給者が保安責任を負うべきという哲学が従来のガス事業法でも貫徹していたとは考えられない。資料5、P8の例1について、自社ブランドでないガス機器についてもガス事業者が修理対応するとのことであるが、供給者が責任を持つならばガス機器メーカーがその修理に責任を持つべきである。結局、これまでもガスの供給プロセス全体の中で、消費者に最もよい方法で工夫しつつ保安を担保してきたのであり、今後もそうあるべき。ガスを小売するならば保安にも責任を持つべきという考え方ではなく、供給プロセス全体を見た場合、どのプロセスを行う者が需要家保安に係る責任を担うのが一番よいか考えるべき。
  • ガス協会は、委託があれば真摯に受けるとしたが、これまで大口市場において委託を受けていなかった事業者が存在する事実を把握しているはずである。それにもかかわらず、これから真摯に受託するので、(3)案(小売事業者が一義的に担い委託は受託事業者と合意すれば可能)のような自主ルールを主張しても、信用が得られない。

→供給者が保安責任を担うべきとの考え方は精神論ではない。ガスはオンサイトで一次エネルギーから二次エネルギーに変換するもので、変換する部分に最も危険がある。電気と異なりガスの供給と保安は両輪で一義的なもの。供給可能な環境か否かを確認する責任があり、供給を続ける限り点検により問題が生じていないか確認すべきと考えている。そのためには、法的な点検やそのための体制整備が必要となり、費用も時間も要する。その作業は、既存ガス事業者が一義的に委託を受けた方が効率もよいので、新規参入者から積極的に受託したいと考えている。大口供給については、配管や設備は個別性が高く、販売事業者が実情を知っているはずであるので、ガス供給と同時に保安も行うべきであるが、どうしても難しい場合には相対交渉で受託するという主張である。受託の自信がなければ断ることもありうるが、基本的には、現行制度で問題ないと判断している。 保安情報の引き継ぎについては、利用者の保有するガス設備情報は、利用者の競争力の源泉であり、これを事業者間で引き渡すことは利用者が許容するか疑問。このためにルール化できなかったのではないか。そもそも供給者が需要を獲得したので、設備を把握した上で営業提案を行っているはずであり、そうした情報の引き継ぎが必要か疑問。

  • 事務局資料の選択肢では(1)の新ガス導管事業者が保安を担うことが一番よい。ガス販売者が保安すべきとガス協会は主張するが、白地地域でガス事業を立ち上げる場合、保安は最安価に提供できる者と整理される。今までのガス事業者とイメージが異なるのではないか。新ガス小売事業者が保安を担うが新ガス導管事業者が委託を受ける制度であれば、私は不安を覚える。委託の条件などいろいろいって契約が遅延するなど、保安が参入障壁として残りうる。保安の範囲はガス協会が考える以上に広い。自発的保安はサービスとの発言があったが、それは誤解である。自主規定を用意することも保安に含まれる。法律論としても常識論としても認められず妥当でない。
  • 自由化の観点からすると、ユーザの選択肢が増え、新たなビジネスモデルが出現する、小売にも新規参入しやすくなるといった意味がある。保安は最も重要であり、そこは規制によりルール化して、保安業務を行う者は政府が認定を行うことで、小売事業者が保安を一定程度把握しつつ、全体最適を図っていくビジネスモデルも出てくると考える。そう考えれば、あくまで自由化という観点でビジネスモデルの多様化を考えれば、小売事業者が自身も保安ができる一方、委託先として導管事業者が適当と考えればそこに委託でき、あるいはプロパン事業者が適当であればそちらに委託するといった形とすれば、様々な組み合わせが可能となり、自由化の流れに合致すると考える。一方、緊急保安は、これまで担ってきた導管事業者が責任を持つことで新規参入者も新たな投資が不要となり、比較的参入がしやすくなると考える。結果的には、ノウハウを蓄積した既存ガス事業者が大部分を担うことになる可能性もあるが、制度上は、自由化の流れに沿った形での保安の在り方を考えることも重要。

今後の予定

本日の論点は保安責任に係るものであるため、産業構造審議会保安分科会ガス安全小委員会でも並行して議論。ガス安全小委員会は6月9日に開催予定であり、本日の審議内容を紹介した上で、安全の観点から審議。

本小委員会は、次回は6月5日に開催。簡易ガス事業に係る制度を議論予定。

以上

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お問合せ先

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FAX:03-3580-8541

 
最終更新日:2014年6月17日
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