経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第10回)‐議事要旨

日時:平成26年6月5日(木曜日)10時00分~11時15分
場所:経済産業省本館2階東3共用会議室

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、杉本委員、永田委員、松村委員

オブザーバー
日本ガス協会 川岸常務理事
日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 原田課長補佐
消費者庁 消費生活情報課 谷本企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 佐藤課長補佐
経済産業省
資源エネルギー庁電力・ガス事業部 村瀬政策課長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 石油流通課 義経課長補佐
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

参考資料の紹介

議事に先立ち、第9回小委員会での需要家保安の議論に関連して、大阪ガス株式会社から提出のあった参考資料1につき事務局から説明。

委員の意見

【論点5-1】 現行一般ガス事業の供給区域での参入規制の必要性

【論点5-2】 供給地点に係る簡易ガス事業間での独占及び料金規制の必要性

  • 【論点5-1】について、今後人口が減少しコンパクトシティ化が加速する中、効率的なエネルギー供給のためには、都市ガスの小売自由化の流れと併せて考えれば参入規制は必要ない。料金規制については、都市ガスの料金を自由化するならば、当然LPガス事業者も簡易ガス事業者も自由化すべき。また、既にLPガス事業者は料金が自由化されているので、料金規制は必要ない。ただし、公益性のあるエネルギーであり、一部で価格が急に上昇するなどの懸念もあるため、標準的な家庭料金等に関して目安を公表する程度は必要ではないか。
  • 【論点5-1】について、参入規制の必要はないと考える。本制度は、一般ガス事業のコスト増を回避するための制度と理解しており、ストランデッドコストが限定的であるという状況を鑑みると、参入規制の必要はない。また、簡易ガス事業を自由化するならば料金規制は基本的には必要ない。一般ガス事業者には税制上の恩恵があると認識しているが、簡易ガス事業にもそうした制度はあるか。

→ガス工作物の固定資産税の課税対象を、最初5年間は1/3、その後5年間を2/3に軽減する制度がある。自由化により本制度がなくなるか不明だが、なくなる場合にはコスト増となる可能性はある。

  • 料金規制を外すことに反対。様々な料金から消費者が選択できる環境の整備は大事だが、料金規制を一気になくすべきでない。電力システム改革では、既存電気事業者に、自由料金の設定を認めつつも経過措置としての料金規制と最終保障サービスを残している。ガスも電力と同じく、経過措置を残すべき。
  • 【論点5-2】について、資料3のP12に、LPガス販売事業で新築時の配管コストを負担する旨の記載があるが、これがLPガスに係る苦情の温床と聞いている。また、リフォーム時などで需要を獲得している旨の記載があるが、やはり切り替えは新築リフォーム時であると考える。簡易ガスの利用率は8割弱にとどまる旨の記載もあるが、これは逆に8割弱は簡易ガスを利用していることを意味しており、「とどまる」という表現は適切でない。また、新規の簡易ガス団地は集合住宅型が7割を占めており、このタイプの団地では、70戸未満ではバルク及び付属設備を買い取る形での競争がある旨の記載があるが、そうした競争が簡易ガス事業の自由化によりどの程度実現するか、具体的な数字で示していただきたい。
  • 【論点5-1】について、参入規制は必要ない。そもそも供給地点数70戸という区切りにも科学的・技術的根拠があったわけではなく、政治的に決まったものと聞いている。そう考えれば、今の形で制度を維持することが需要家の利益になるとは考えられない。制度創設当時の背景は現状と異なっている。
  • 【論点5-2】について、都市ガスが自由化される中で、簡易ガスについても料金規制、独占ともに必要ないと考える。また資料3のP14では、供給地点数3,000を越える事業者についてどう考えるか、との論点があるが、これは基本的に他の簡易ガス団地と同じ扱いでよいと考える。資料にあるとおり、そうした団地は全体の0.2%に過ぎず、許可を受けた時期は大半が1970年代であること、2000年以降の許可事例がないこと、LPガスとの激しい競争があることを踏まえると、大規模団地も含め自由競争にした方が経済合理性にかなうと考える。
  • 資料3、P8の図表3-4について、簡易ガスの需要家数は頭打ちとの説明があったが、ガソリンスタンド数と比べれば、まだ頭打ちとは言えないと考える。ある程度増加していた後で多少減り始めたところであり、事業発展の可能性はまだあると考える。図表3-5で、枠で囲まれている事業者とそうでない事業者では状況が異なり、近年供給地点を増やしている事業者もあるのではないか。集合住宅型へシフトしているのであれば、コミュニティでのエネルギー供給業の可能性もあると考える。そうした状況を踏まえれば、競争促進がなされれば簡易ガス事業が拡大しむしろ料金が下がる可能性がある。このため、【論点5-1】【論点5-2】いずれも規制を外すことに賛成。
  • 規制を外し液石法の対象とすることに賛成。消費者が値上がりを懸念することは理解するが、その懸念について具体的に教えていただきたい。都市ガスにも関連する話だが、むしろ、供給規模が大きく効率化が進んで比較的価格の安い地域の方が値上がりの懸念がある。一方、人口密度が低く、都市ガスの導管網では採算がぎりぎりの地域ではLPガスとの競争により価格を上げることができず、規制がなくとも相対的に価格は上がりにくいと考えていた。このため、供給規模が大きい地域での懸念は理解するが、供給規模が小さい地域では、LPシリンダー供給とオール電化との競争が相当あるため、本日議論されている簡易ガスの価格規制を外しても、相対的に影響は小さいと考える。むしろ小規模事業者の方が値上げをする心配がある、との意見もあるが、これまで供給地点数69戸以下の事業者は規制されていなかったにもかかわらず、問題は生じていない。また、消費者団体の方がそうした事業について具体的に問題があると指摘したことはないと認識。69戸より多少規模が大きくなっただけで、急に問題が生じるとは考えられない。一般論としてそうした懸念は理解できるが、例えば規制を残すのではなく、大幅に価格を上げる場合には自主的に行政への報告を求め、著しく問題がある場合には行政が再度規制を検討できる余地を残すよう監視していくことでは不十分か、もう一度意見を伺いたい。
  • 自由化されたLPガスでは、料金に係る苦情が大変多い。簡易ガスを自由化し、料金規制がないと、料金の苦情が多くなるのではないかと懸念。

(オブザーバーから発言)

→資料3のP3にあるとおり、一般ガス事業の供給区域内では、供給地点での利益阻害性と設備過剰性の要件により一般ガス事業との調整がなされている。後者の判断はP5上段の審査要領により、一般ガス事業者の既設導管との距離等で行われる。そして、いわゆる直着の場合、住宅団地型か集合住宅型かを問わず、すなわち導管が二重となるか否かを問わずガス工作物が過剰と判断されてきた。現在、簡易ガス事業の対象でない70戸未満の団地についてはLPガスが相当のシェアを占めており、今後この設備過剰性判断を一切行わなければ、70戸以上の団地でも相当に設備過剰となる事例が出てくると考える。一般ガス事業は、これまで将来需要を想定し計画的に導管網を形成してきており、こうした既存導管網の有効利用には、引き続き設備過剰性の判断が必要と考える。

  • 以前の小委員会で議論したが、未熱調ガスと熱調ガスの二重導管問題について、同じ導管で流しうるものの大幅に緩和すべきとの方向性が出ているが、そもそもLPガスと天然ガスは同じ導管では流せない。その上で設備が過剰と考えるのは、さらにハードルが高い話。また、現実的にも未熱調ガスの導管よりさらに大きな影響があるとは考え難い。また、直着の供給地点とは、都市ガスが最も競争力がある地点。それにもかかわらず簡易ガスに需要をとられるほど都市ガスの価格を高くする考えがあるのではないかと懸念する。競争圧力が働かないよう規制が必要との主張をするのであれば、都市ガスの小売全面自由化に際して料金規制が必要ないという前言を撤回せざるを得ない。

→二重導管規制による利益阻害性の件は認識しているが、ガス種が違う中でも、現に簡易ガス事業との設備過剰性の調整は行われており、これまでとの連続性から考えても都市ガス事業と簡易ガス事業の間の一定の調整は引き続き必要と考える。また、供給区域内でも、資料にあるとおりLPガス販売事業者が配管コストを一旦負担するなどして、相当なシェアを持っている例は現実にある。中規模都市では、一般ガス供給区域内の新規着工の半分以上がLPガスという事例もあると聞いている。

  • 【論点5-1】及び【論点5-2】について、事務局提案のとおり規制緩和の方向でよいと考える。議論全体の進め方として、先が見えず心配になる部分もあり、意見が割れることはあるが、全面自由化により消費者に選択の自由をもたらすという大局的な目的を見失うべきではない。スピード感も重要であり、本日の意見の違いの程度ならば、合意があったと考えて議論を進めた方がよいと考える。先送りとなることが最も問題。
  • 今のオブザーバーの意見を聞いても規制を外すべきという意見を変える要素はなかった。公益特権について質問がある。仮に簡易ガス事業が液石法に移行した場合は、公益特権はなくなると理解しているが、公益特権が必要となる場所は多いのか実態を伺いたい。

→簡易ガス団地には住宅団地型と集合住宅型があるが、住宅団地型では典型的には宅地造成する場合、同時に道路も作る。住宅を販売し道路に導管を敷設した後、自治体に道路を移管する。一方、集合住宅型は導管が宅地内で完結する場合が多い。住宅団地型の場合、導管の維持改修のために公益特権は必要。都心ではこうしたケースは少ないが、郊外では多い。
二重導管の問題については、現実には新たな住宅団地型の造成は難しく、集合住宅型で導管が敷地内で完結する団地が大半と考えられるので、そうした問題は生じないと考える。仮に二重導管を規制するのであれば、まずは既存の簡易ガス団地内に一般ガス事業が参入してくる場合の問題を解決すべき。資料には一般ガス事業と簡易ガス事業との調整との記述があるが、これは封じ込めという意味。近年、利用者がエネルギーを選択し、結果的にエネルギーミックスが出来上がると理解しており、都市部でもセキュリティ確保のためのエネルギーの選択肢は多様であるべきと理解。引き続き規制が必要という意見には全く納得できない。

委員長から、【論点5-1】及び【論点5-2】について、参入規制は必要ないという意見が多かったと総括。また、簡易ガス事業間の独占と料金規制についても、料金引き上げの懸念があるとの指摘はあったが、多くの委員は独占と料金規制は廃止すべきとの意見であったと総括。

【論点5-3】 簡易ガス事業に係る保安制度のあり方

  • 【柏木】簡易ガス事業を廃止して液石法の範囲内とするのであれば、保安規制もその範疇で対応すべき。前回の小委員会における保安制度に係る議論では、導管事業者が保安を担うべきと意見が主であったと理解。一方、自由化の中でのビジネスの多様化の観点からは、ガス体全体として都市ガス、LPガス両方での規制基準を定め、認可を受けた事業者が都市ガス、LPガス両方の保安が出来る制度としていけば、保安と託送と一体で行う、あるいは強靭な保安のみを低廉に提供する、さらには家庭内のセキュリティを担う事業者がガスと電気両方の保安を担うなどのというビジネスモデルもありうる。そのためには、液石法とガス事業法の保安基準の整合性を取る必要があり、自由化の観点からは、保安にも新規参入者が入り、様々なビジネスが生じうる制度とすべき。

(事務局から補足説明)

→都市ガス事業では、全面自由化に伴い事業類型が小売事業と導管事業に分かれることとなり、事業者に保安責任を負わせる場合には、そのいずれが負うべきかといった議論があった。一方、LPガス販売事業や簡易ガス事業は、これまで一般ガス事業と違って託送制度はなく、小売と導管などの工作物設置の事業が一体であることが前提となっている。したがって、託送制度を導入しない限り、引き続き一体である前提で考えることとなる。現行の液石法では、販売事業者に対し保安義務が既に課されており、その販売事業者は導管事業も一体で行っている。保安業務を他の事業者に委託する場合、あらかじめ経済産業大臣が認定した保安機関に依頼する制度がある。保安を事業として独立させ、新規参入を可能とする観点でいえば、現行の液石法では保安機関として認定を受けることでそれが可能となっている。

(オブザーバーから発言)

→簡易ガス事業を液石法でまとめて対象とすべきかについてはあえて発言しない。仮にその場合でも、保安水準の維持を前提として、3月の小委員会で要望したとおり、導管維持改修ができる仕組みとすべき。簡易ガス事業制度の有無にかかわらず保安業務が必要という実態はあるので、保安確保の観点から現在の公益特権を維持すべき。

委員長から、【論点5-3】について、保安の確保を前提としつつ、簡易ガス事業を液石法にまとめていく方向で大きな異論は無かったと総括。 

今後の予定

次回の議題と開催日時は後日通知。
なお、本日の論点のうち、保安規制については、産業構造審議会保安分科会ガス安全小委員会及び液化石油ガス小委員会でも並行して議論。

以上

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お問合せ先

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電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

 
最終更新日:2014年6月17日
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