経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第11回)‐議事要旨

日時:平成26年7月17日(木曜日)10時00分~11時37分
場所:経済産業省地下2階講堂

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、永田委員、松村委員

オブザーバー
日本ガス協会 川岸常務理事
日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
石油連盟 押尾事務局長
東京電力株式会社 佐藤カスタマーサービス・カンパニーガス営業部長
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 本間課長補佐
消費者庁 消費者調査課 石井企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 佐藤課長補佐
経済産業省
資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 多田部長、村瀬政策課長、都築熱供給産業室長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 石油流通課 濱田企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

委員の意見

【論点4-1】LNG基地の第三者利用の促進

  • 本日の論点に入る前に一言。保安については、保安を担当する別の審議会で議論するのは当然だが、保安の審議会が自由化の議論に口出しするのはおかしい。保安は保安、自由化は自由化で、それぞれ議論して平仄を合わせていく話であり、本小委員会での自由化の検討を変える必要はない。消費者にとって、自由化によりガスの選択の自由が得られるのは大きなメリットでありその原点を忘れてはならない。
  • 本日の議題について、資料3の事務局提案で方向性はよいが、電気事業者や石油事業者のLNGタンクへの影響を整理する必要がある。資料4について、消費寄託方式の利点は理解したが、そうなると石油タンクの第三者利用もあり得るのか。石油タンクについても、ボトルネック性が高いのは同じではないか。

→石油タンクは石油会社や流通会社も保有している。欧米でも同様だが、LNGタンクのように公益性が高いとは考えていない。そのため、これまでもルールを決める必要性もなかったと考えている。基本的には全てオープンである。

→基地事業者にはいくつかの主体がある。現在の資源エネルギー庁及び公正取引委員会による指針はその主体で区別していない。本日の議論は、本指針を前提とした見直しの議論であるので、全てのLNG基地を対象と想定している。

  • 基地利用について、米国ではいったん第三者利用を促進したが、投資インセンティブを削ぎ基地建設が進まなかったという事実が提示された。一方、欧州では規制型にして一定の規制をつけたことで第三者利用が進んだ。両者は逆の展開となったわけだが、その原因を考えると、欧州ではLNG基地の会計分離により原価の透明性を確保し、明確な料金計算の方法が確立されたのが大きなポイントではないか。日本でも、会計分離による独立性の担保、さらに場合によっては基地を法的に別会社として分離することも検討の余地があるのではないか。

→導管の託送供給料金は届出制としているが、これは導管の流量予測が可能なため、それで原価を割って単価を算出することが可能なためである。LNG基地の場合、利用方法により料金が大きく変わる可能性があり、単価を予め定めるのが難しい。一方、基地のコストが示されていれば、割り算による料金算出は利用依頼が来てから行うこととしても、概ねの料金の見通しはつくのではないか。基地コストの透明性確保の上で、会計分離か法的分離まで求めるのかは、様々な選択肢がある。

  • エネルギー基本計画にもあるとおり、今後シェールガスが輸入され、世界のガスの融通体制が変わってくると、ガス価格は下がる可能性が大きい。そして、天然ガスへのシフトにより長期的にガス需要が増える。そのためには、基地を増やす必要があり、新規参入者も合理的に参入できるようにすることが重要。このため、事務局案は長期的には内容は正しい方向性。ただし、現状を考えれば、これまでガス事業者は地域独占の中で需要が見通しやすく、その見通しに合わせて長期契約でLNGを調達し、それに合わせて、冬のピークなどに合わせ、適切な規模のLNG基地を作ってきたと推測される。基地の第三者利用を義務化するとしても、基地余力をどの程度開放するのかがわからなければ、その是非を議論しにくいのではないか。これまで、基地容量が予備分をうまく活用してスポットが安い時期を調達し、全体最適化を図ってきた。こうした状況を考えれば、基地余力の開放が調達戦略に与える影響を考える必要がある。現存の基地に対する第三者利用の義務化は、慎重に制度設計を検討すべき。
  • 外資系企業が開放された基地を利用し、自国産の安いガスを入れて発電所を作った場合、安価な電力供給が行われれば消費者には利益があるが、最終的には国富の流出となる可能性がある。基地の第三者利用を義務付ける際には、外資系企業に対する制約はどうあるべきか、慎重に検討する必要あり。
  • 自由化における新規参入という方向性に異論はないが、ガスシフトがあって、ガス需要が増えたときの話である。既存の基地はギリギリでやってきており、どういう制度設計とするのか慎重に考えないといけない。
  • 資料3の14ページに「一律の料金表を示すことは困難と考えられるため、料金算定のルールを定めて届け出ることを求め」、「不当な差別的取扱いをするものである等、不適切な内容である場合には、経済産業大臣がその変更を命じることができる」とあるが、この「不当な差別的取扱い」とはどのような状況を想定しているのか。具体的には、基地の利用料金とは基本的にコストベースという理解でよいか。仮に全ての人に同じ料金を求めるというだけで、その料金がどんなに高くとも問題ないということであれば、自社部門にとっては内部の部門間のやりとりだけの問題だが、新規参入者は極めて高い料金となり利用できない。このため、コストベースでなければ「不当な差別的取扱い」に該当すると考えてよいか。
  • 資料3の14ページ(4)の「正当な理由のない」とは、原則拒否できないという整理かと思うが、一方で、「LNGが安価な時期に機動的にスポット調達を行う等の計画を有している場合には、そのための適切な余力分については留保を認めてはどうか」との記載について、これを拡大解釈すれば余力が一切ないと言いうる。安くなればスポットで買う計画なので留保するとの主張を常に認めれば、事実上基地を開放しないで済むことになり、本制度は無意味になる。「計画を有している」とあるので、抽象的ではなく、相当具体的な計画が必要であるという点を確認したい。
  • 基地建設のインセンティブについて、今回の資料で提案された程度のことで損なわれるほどの脆弱なインセンティブなら、ガス版の広域機関を作り、基地建設もそこに担わせることを考える必要があるのではないか。インセンティブを損ねるとの文言が安易に用いられないようにすべき。

→料金算定はコストベースが基本。導管とLNG基地で位置付けが異なることは前提だが、届出制である現行のガス導管事業者の託送供給料金について、「特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと」、「届出に係る託送供給約款により供給を受けようとする者が託送供給を受けることを著しく困難にするおそれがないこと」というルールがある。すなわち、料金など供給条件について差別的な執行はできず、また異常に高い料金によって導管の所有者以外は誰も利用しない事態とならないようにしている。こうした趣旨については、基地利用について条文で定めるとすれば、同じような規制をかけることとなると考えて提案している。また、基地の第三者利用は、基地建設という大きな投資判断が阻害されることがないようにするとともに、せっかく建設された基地を有効に活用したいとの趣旨とのバランスが重要であり、いずれかを強調するものではない。具体的な利用ルールの中で、基地保有者が基地余力を全部必要と主張した場合でも、そのまま認めるのではなく、どの程度の余力が確保されれば妥当なのかを検討する仕組みが必要と考えている。

  • 石油連盟の説明資料にある消費寄託方式は合理的と感じた。基地事業者として、この方式では困るということがあれば後ほど教えていただきたい。特に問題がなければ、消費寄託方式をベースとするのがよい。
  • 既存のLNG基地と今後建設する基地を分けて議論した方がよいと考える。既存の基地はガスや電力の独占供給によりコストが回収できる制度下で建設されたもの。一方、今後は競争環境の中で作られるため、投資が回収できるか不明。このため、基地事業が成功した場合に、そのリターンを第三者と共有する義務があるのでは基地建設のインセンティブが損なわれるのではないか。このため、既存の基地には導管と同様の強い規制とし、今後建設する基地は規制しないこととしてはどうか。既存基地について相対交渉での利用が進まなかったのは需要がなかったとの説もあるが、使いづらいという理由もあったと考える。利用促進のために、ガス導管や基地についても、送電線と同様に、基地保有者の利用計画や留保するマージン、空き容量の情報開示が必要。一方、マージンを確保しておいて使わなかった場合にはキャンセル料を取るようにすれば、空マージンも抑制できる。
  • 基本的に事務局の案に賛成。LNG基地はインフラの1つであり、第三者への開放を義務付ける方向性はよい。一方、ガスシフトが起きて総合エネルギー企業が成立した場合を考えると、基地は我々の想像と違う使われ方をする可能性があり、基地所有者がその基地を用いて様々なビジネス展開ができるよう、基地所有者にある程度の自由度を残した方がよいのではないか。ただし、利用希望者に対する情報開示や予見可能性の確保は必要。一度定めたルールで固定するのではなく、制度を運用しながら改善していく考え方も必要ではないか。
  • 事務局に質問。資料3の13ページに、新規参入者からの意見として、基地の利用目的をガス事業のみに限定せず様々な目的に用いたい、との意見があるが、これをどのように考えるか。

→資料3の3ページの表のとおり、基地の適用法規は保安の観点で分けられており、ガス事業者はガス事業法、電気事業者が電気事業法、それ以外は高圧ガス保安法である。総合エネルギー企業を生み出していく観点から、基地は発電や都市ガスの卸に使われ、自己の工場使用に使われる場合も考えうるため、ガス事業に限定すると自由度が低くなる。どれかだけのために使っている基地は少ないため、使用目的を限定しない方向で考えたい。

  • オブザーバーに質問。インターネットで公開されている基地の利用要領によれば、申込みを受けてから実際に利用の可否が出るまでに最大3ヶ月を要するとある。一般的な事業者からすれば、3ヶ月間申し込みの結果が分からないのはビジネス上問題と感じる。この点について、何ヶ月以内にすべきというわけではないが、エネルギー業界では特段問題がないのか伺いたい。

→基地利用の可否が示されるまでの3ヶ月という期間を短くしてもらいたいが、不可能な場合はその理由を示して欲しい。

  • 新規参入者がガスを供給する場合、そこから家庭に届くまでに複数の導管を通ることになり、託送料金が加算され、安いガスが供給されないのではないか。その結果、地元のガス事業者のガス料金より高いものとなっては消費者にメリットがないため、託送料金の加算を解消するような制度設計が必要。
  • 以下、オブザーバーから発言。
    • 現在、ガスの調達価格は国全体として引下げが求められている。ここ数年でLNG市場の流動性が上がっている。仕向地制限のない米国産LNGが入ってくるとその傾向はますます高まる。スポットの調達や海外を含めた共同調達などの取組を進め、調達価格の引下げを図ることが必須。このような取組が阻害されず、LNG調達に悪影響のないよう慎重な制度設計をお願いしたい。提案のあった消費寄託方式について、利用者によりルーム貸方式、消費寄託方式のいずれがよい場合もあり得る。いずれか一方のみというわけではなく、利用希望者の要望を聞きつつ、ケースバイケースで対応を考えたい。ただし、消費寄託方式は既存事業者と利用希望者のLNGを一本化して考える面もあるため、既存事業者の配船計画や調達計画について、調達先との調整を要することから、一定の制約があると考える。
    • 電気とガスの垣根を越えて、競争環境が整備されることは歓迎。ただし、基地事業について、現在の適正取引ガイドラインによる対応を法制化まで行うかについては、いろいろと議論した上で判断いただきたい。基地の第三者利用が進むことで利用者の選択肢が拡大することは、メリットとして十分認識している。一方、電気事業を営んでいることもあり、電力の安定供給への影響がないか危惧している。その点に十分配慮して検討を進めていただきたい。さらに、基地の第三者利用のみならず、以前の小委員会で申し上げた二重導管規制の緩和、同時同量、保安も併せて議論し、競争環境の整備をお願いしたい。また、基地の第三者利用の制度設計にあたっては、LNGの特殊性も含めて議論いただきたい。LNGは産出地により性質が異なり、それを混ぜることでロールオーバーなどの問題も発生しうる。そうした技術的な面も含めて検討が必要。基地利用の可否の回答に要する期間が3ヶ月と長いという指摘について、基地運用の決定は、長期のLNG調達契約を年単位、さらに月や週単位に分解した上で、配船やタンクからの送出などを検討して行っている。これらを精査するために必要な期間として理解いただきたい。
    • 消費寄託方式のデメリットをあえて挙げれば、様々な利用者が参加するので、計画どおりに払出や搬入が行われず、予定日に対する過不足が生じうること。利用者が払出量や搬入量を遵守することが必要。また、予定が変更された場合の全体計画の見直しも必要となる。

→委員長から、事務局資料の方向性に大きな反対はなかった一方、基地建設のインセンティブ確保や料金算定のルール、余力の把握方法、情報開示の方法について様々な指摘があり、今後詳細の議論を進めて欲しいと総括。

【論点4-2】卸取引の活性化と透明性の向上

  • 中長期的にはガスの卸取引所は非常に重要な意味を持つが、他の業種の例を考えれば、参加者が少ない中で市場を創設しても取引の活性化は見込み難い。今後の取引の活性化に向けて、どのような施策が有効か、十分に調査検討して次の議論に備えることが必要。事務局資料の方向でよいと考える。
  • 基本的に事務局案に賛成。海外の実態調査を進め、を踏まえた検討を始めるべきというの。電力も市場を利用して電気料金をより安くする議論をしたが、料金審査の過程で卸電力市場の料金査定所といったメリットを出す工夫をした。事業者側にインセンティブがあったり、逆にないことのデメリットがあったりするなど、そういう議論をしないと活性化しない。それを踏まえて議論が必要。
  • 卸取引所については、事務局提案では、電気に比べが色々と難しい面があり、全面自由化後すぐに創設することが難しいことから長期的課題に格下げになったと理解。これはリーズナブルな対応であり賛成。一方、全面自由化に合わせて行うのは取引条件の監視のみであることから、この監視が実効性のあるものとする必要がある。ヒアリングにおいても、卸供給を行っている事業者は小売料金より高い価格で卸していないとの発言があったと認識。今後、家庭用を含めて全面自由化した際には、大口で仕入れて小分けして販売する事業者が参入してくる可能性があり、そうした事業者に対しても不当に高く卸売りしないことが重要。
  • 資料4の21ページに事務局の考え方があるが、国内にパイプラインが整備されて、市場が形成されることが重要。その前の段階で卸取引所を創設しても、原料を出す事業者が限られ、本格的に機能しない可能性が強いため、こうした記載になったものと理解。海外の取引所の調査を進め、我が国でも成立するか検討をするという案は妥当。長期的には、日韓でアジアハブを作るなど国際インフラができてくれば、市場は活性化するのではないか。現在、ソウル大学と東京工業大学で日韓国際ガス&ワイヤー&ファイバーの研究会を開催しているが、こうした国際的な動きも含めて検討していくことが必要。
  • 今回は資料の中に海外の事例があって理解しやすい。6月の審議会で、消費者にとっての自由化メリットを理解するため、海外事例を示していただきたいと依頼したが、改めてお願いしたい。

→委員長から、基本的には事務局資料の方向性で進めていきたいと総括。

今後の予定

次回は7月31日に開催。

以上

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最終更新日:2014年8月12日
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