経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第12回)‐議事要旨

日時:平成26年7月31日(木曜日)10時00分~11時37分
場所:経済産業省地下2階講堂

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、松村委員

オブザーバー
日本ガス協会 川岸常務理事
日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
関西電力株式会社 北村グループ経営推進本部副本部長
石油連盟 松井専務理事
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 本間課長補佐
消費者庁 消費者調査課 石井企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 廣澤室長
経済産業省
資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 多田部長、村瀬政策課長、都築熱供給産業室長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 石油流通課 濱田企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

委員の意見

【論点6】(1)総合エネルギー企業創出のための環境整備について

  • 総合エネルギー企業の定義について、入口で様々な一次エネルギーを取り扱うという意味か、出口でガス以外も取り扱うという意味か。資料3の13ページを見ると、電力に参入する場合に天然ガス火力以外の発電所を保有することが困難であるとのことだが、そうなると第一の点は志向しないということか。総合エネルギー企業の議論をする際に、入口についての議論がなされないのは不自然。

→入口、出口両方があると考える。ただし、発電所について、天然ガス火力以外の大型発電所の保有は、時間的にも難しいと考える。

  • コージェネレーションは分散型電源であり発電効率も上昇していることから、電源のうち一定規模を占めるべきと主張してきた。エネルギー基本計画の中で、再生可能エネルギーがトッププライオリティとの方針が出ている中、供給安定性のある電源として、不安定な再生可能エネルギーとうまく組み合わせてインフラ整備を進めていけば、本格的なスマートコミュニティにつながると考える。資料3では逆潮について説明があったが、電力システム改革が順調に行われて、市場が機能していけばメリットオーダーの市場が出現するはずである。ベース、ミドル、ピーク電源市場ができ、そうなれば逆潮はミドル、ピーク市場で、適切な価格で販売できるようになる。逆潮できるようにするためには、電気の制度設計と一体でガスシステム改革を進めるべきと改めて感じた。
  • 現行の固定価格買取制度について、家庭のダブル発電の場合、燃料電池が余剰電力を押し上げ、比較的安く買い取られる傾向にある。不安定な電源が供給側に入ってくると、周波数調整が大変であることを考えれば、ダブル発電でキロワット評価した方が価値があるのではないか。
  • 資料3の総合エネルギー産業のあり方については、ガス事業は一次エネルギーを扱っており、電気や水素への変換、需要サイドでの負荷平準化、分散型ネットワーク構築などを進めていくならば、一次エネルギー事業者がICTと一体化することも含めて総合エネルギー企業化をまず進めるべきではないか。
  • 資料3の17ページにある、託送原価に開発費を算入するというのは、新しい考え方であるが、いかがなものか。他の産業では見たことがなく、合理的な説明がない限り賛成し難い。
  • 電力システム改革とも関連しているので要望があれば積極的に出すべきであり、内容はかなりの部分妥当な要求と考える。本日は要望は聞くだけでよいのか。いくつか納得できない点があるが、それらについて反論しなければ受け入れたことになるのか。研究開発費を託送原価に算入する話は新しいアイデアではなく、かつての基本問題委員会でも出されたがほとんどの委員は支持しなかった。実現のハードルは高いことは承知していると思うが「とりあえず聞いた」という位置付けでよいのか。

→ガスシステム改革は、電力システム改革小委員会において「託送や小売全面自由化についてはガスでも同じ考え方を貫くべき」との指摘があって開始された経緯がある。これを踏まえ、ガス事業側からも電気事業制度について言うべきことを言う趣旨で本日機会を設けた。本日は議論するわけではなく、あくまでガス事業者からこうした意見があるということを提示しておく趣旨。

  • 資料3の17ページの技術開発費については引っかかる部分がある。他の業界で例がないものだが、電気と比べると機器開発事業者が少ないことも事実。一方、本日の説明では、開発内容や方向性は各社が自由に決められ、コストだけ託送料金に算入できることとなり問題。もしそうした仕組みを主張するならば、研究開発の方向性に関する情報開示等とセットとすることが必要。

→透明性の担保が必要との点は御指摘のとおり。詳細はこれからであり、御指摘も踏まえつつ考えたい。

(2)ガスシステム改革小委員会におけるこれまでの審議の整理

→今回の資料でLNG基地の第三者利用の情報公開、料金算定の方向が出ており、主張が反映されていることに感謝。LNG基地の第三者利用について、料金算定の具体的提案として消費寄託方式を説明したが、可能であればこの点を資料中で言及いただきたい。

  • 事務局案に賛成。コメントが2点ある。1点目は、自由化の目的の一つは、消費者の選択肢が増えることで利益が増えることであるが、情報非対称性により逆に消費者が不利益を被る可能性もある。自由化により消費者利益が達成できるよう手当てが必要。2点目は、導管と基地の第三者利用を徹底して進めるべき。第三者利用は、利用希望が出されてから相対で交渉する方法と、最初から空き容量を開示し利用できるようにする方法がある。電気ではすでに後者の制度となっているので、ガスも可能な限りの情報公開等を制度化する必要がある。
  • 事務局資料は、今までの議論が忠実にまとめられており、評価できる。LNG基地の第三者利用について、天然ガスシフトで市場が膨らんできたときに市場原理で建設されたものは、キャッシュフローを改善するために第三者利用を進めることは問題ない。一方、既存の基地については総括原価方式の下で需要に見合ったぎりぎりの容量を建設してきたのであり、それを開放するのは燃料調達等を考慮した場合、得策にならないことも考えられる。資料中にもあるとおり、LNGを輸入で調達していることを考えれば、国家戦略上の重要性も考えた制度設計とすべき。
  • 簡易ガス事業について、一気に料金規制を撤廃することに反対。集合住宅型では個別に他燃料への転換が難しいため、上限として現行の料金規制を残すべき。そうでない場合には、集合住宅の利用者の理解を得るために、69戸以下の買い取り実績数などのデータを丁寧に示すべき。
  • 簡易ガス事業の料金の透明性を確保すべき。(液石法により規制される)LPガスの価格に関する相談は毎年1,700件以上ある。消費者団体連絡会のホームページによれば、料金に関する苦情が多くその不透明性が指摘されており、家庭用のガス供給全体について、標準的な料金表の公開など情報公開の整備を進めるよう要望が出ている。簡易ガス事業について、液石法に移管し個別に料金表を交付しない場合は登録取消しをするといった対応とするのではなく、こうした消費者からの苦情に対応する方向で検討すべき。
  • 6月5日開催の小委員会の資料14ページにある大規模な簡易ガスは都市ガスと同様の規制とすべきかという論点はどうなったのか。大規模な簡易ガスでは託送制度もなく、LPガスへの転換の容易さだけで料金規制が撤廃されるのは、料金値上げや供給拒否の不利益が生じるので反対。

→料金規制について、簡易ガス事業者間の独占があることに対応して料金は認可制となっているが、この独占は実体としては非現実的であり、一般ガス事業と同じく認可制であることは根拠が乏しいとの主張は昔からある。集合住宅で競争がないのではとの指摘について、液石法の対象となる69戸以下の集合住宅では、既に競争は存在している。また、保安について、自主保安を主体とするガス事業法に比べ、液石法では保安は法令上むしろ細かく規定されており、液石法に移管されても保安水準が落ちることはないと考える。

→今後の検討について3点コメント。1点目は、利用者の選択肢拡大のための二重導管規制の大幅緩和を期待。2点目は、同時同量制度が実態に即した柔軟な運用が可能となるよう、託送供給の依頼者と実施者の合意形成を促すルール作りと必要な情報提供を含め、適正取引ガイドラインへの明記をお願いしたい。3点目は、新規参入者にとって参入障壁とならないような保安制度の検討。大口・小口の区別なく、導管事業者が一元的に責任を負い、小売事業者が真摯に協力する制度とすべき。また、小売事業者の参入に際しての検討期間の問題、顧客情報へのアクセス、導管ネットワークの供給コスト等の実務的諸課題の検討をお願いしたい。また、制度見直しの施行時期は、総合エネルギー化の中で電力と平仄を取ってほしい。制度設計について、なるべく早期に見直しが実現するよう、検討のスケジュール感を示してほしい。

→今後の検討事項について2点コメントがある。1点目は、小売料金規制の移行措置について、ガスは他燃料との競合が激しいことや、電気事業者のようにガス事業者より規模が大きく直ちに新規参入できる事業者が存在するなどの、ガス事業の特性を踏まえてほしい。なお、ガス事業者としては、小売の全面自由化後も料金の透明性は維持する必要があると考える。新規参入者も同様な取組をすることで健全なマーケットを形成していくべき。2点目は、導管部門の中立性の確保について、既に会計分離により託送料金の透明性は確保されており、これまで紛争は1件も発生していない。今後、小売を全面自由化の際も、託送約款は認可制となるので引き続き中立性は担保されるものと認識。

  • 今の事業者の意見には反対。十分に競争があるとの意見について、例えば保安の議論の結果によっては、結果的に参入障壁が高くなり今と同じ市場構造が維持される可能性もある。現時点では十分に競争が起こるかは不明であり、保安の議論の方向性を見て再度考えたい。また、中立性は十分担保されており紛争は1件もないというのは認識が異なる。相当に不満を持っている新規参入者がいても、紛争処理の制度が十分に整備されていないため表面化すらしていない可能性もある。
  • 全体のまとめはこれまでの議論を忠実にまとめられている。少数意見や反対もあったが、反対を踏まえた上で方向性が固まったことは本日確認してもよいと考える。消費者が簡易ガス業界、LPガス業界に不信感がある現実は受け止める必要あり。本審議会のテーマではないかもしれないが、料金の透明化は簡易ガス、LPガスとも必要。一方、消費者団体が消費者のメリットを反映しているのか疑問。簡易ガス事業の規制撤廃は競争が激化する側面があり、むしろプラスになる可能性がある。簡易ガス、LPガスのいずれが悪いわけではなく、議論で明らかになった齟齬を前向きな方向で修正していくべき。
  • 今回、本審議会で保安の問題やLPガスとの関係について議論し、さらに基地の問題では電気事業との関係を議論した。審議会として新機軸を打ち出したのではないか。それに伴い軋轢も生じると思うが、なるべく前向きな方向で解決していく考え方が大事。また、LPガス保安の議論の場では、LPガス事業者から都市ガス保安に新規参入したいという意見もあった。そういった意味で、オブザーバーの対象を広げてはどうか。
  • 資料4の8ページでは、今後自由化が進むと、これまで政府が規制してきたものが消費者と事業者の相対取引となり、その結果商慣行が変化していく。先ほど、事業者から料金の透明性を担保するため何らかの形で示していきたい、と意向を伺ったが、自由化の時代には消費者が確認すべき点も変化していくと考える。そういったことについて、国は消費者に周知徹底を行い、消費者も勉強し理解いただくための努力をすべき。
  • 今後の論点(3)について、長期的には導管部門の中立性はなされるべきであり、適切な価格を払えば導管にもアクセスできることは当然。一方、電力と異なりガスは今後さらにインフラ投資が必要。既にインフラが整備された電力と、まだ整備が完全でないガスを同様に扱って、例えば法的分離や機能分離をすることが必要か。長期的には正しいが、短期的には何年後にどのような事業形態とすることが料金の低減や競争活性化につながるかを考えて、中立性の担保の在り方を検討する必要がある。そのような観点から、電力と同じ中立化の形態を取るべきかは今後の検討課題。
  • 今後検討すべき論点の内容には賛成。一方、(2)には、「各地域間の導管網が完全には接続されていない」との記載があるが、現実には「完全には」というには程遠い状況。事実が分かるように記載すべき。また、(3)の「導管網が全国的には接続されていないこと、中小事業者が多いこと等のガス事業の特性も踏まえつつ」との記載について、中小事業者が多い特性を踏まえるべきということはその通り。一方、導管が全国的に接続されていないことを踏まえて中立性を議論する、というのはどのようなことか。需要稠密地帯間が接続されていないことと、供給区域を今後拡大していくべきかどうかという議論を混同しているのではないか。

委員長から、これまでの審議を踏まえた整理と今後検討すべき論点について、大筋で了解されたと総括。

今後の予定

次回の議題と開催日時は後日通知することを事務局から説明。

以上

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お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

 
最終更新日:2014年9月9日
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