経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第13回)‐議事要旨

日時:平成26年9月5日(金曜日)13時00分~15時30分
場所:経済産業省本館2階東3会議室

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、松村委員

オブザーバー
日本ガス協会 蟹沢副会長・専務理事
日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
植村 哲士 野村総合研究所 上級研究員
森田 浩仁 日本エネルギー経済研究所 理事
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 本間課長補佐
消費者庁 消費者調査課 石井企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 福西補佐
経済産業省
吉野審議官
資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 多田部長、村瀬政策課長、都築熱供給産業室長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 石油流通課 濱田企画官
省エネルギー・新エネルギー部 戸辺新産業・社会システム室長
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

1. 熱供給システムに関する検討開始

  • 熱供給を受けている消費者の多くは集合住宅に住んでいると聞いている。料金が上がった際に、暖房設備は替えられても給湯設備を変えるのは大変。利用者のヒアリングを行って参考としてほしい。

→委員長と相談しつつ、対応を検討させていただきたい。

  • 本小委員会で熱供給事業の在り方を検討することに異論はない。熱供給事業法はあくまでも規制法と理解しており、エネルギー基本計画に書かれているような熱電一体供給を効率的に実施するために、規制を含めて在り方を見直すものと理解。どのように規制緩和すればシステムが効率的になるか、という方向でシステム改革を捉えたい。熱供給事業法が推進法でないことは分かるが、その全体像について、経済産業省としてはどのように考えているのか。

→電気、ガス、熱供給を含め、エネルギーサービス間の垣根は下がってきている。電気、ガス事業で制度改革の議論が進んでいる中、熱供給事業についてもこれらと整合的に改革を進めることで、エネルギーの組み合わせサービス等、事業者の創意工夫を促し、需要家の利益が向上していくと考える。熱も電気もトータルでエネルギー供給を促進していく土俵作りを進めたい。

委員長から、本小委員会で熱供給システムについて検討項目として取り扱うこととし、次回以降で具体的な検討に入っていきたい、と総括。

2. 海外のガス事業の状況

  • かつて英国では小口と大口(卸・電力)が市場として完全に分かれており、都市ガス事業者は電力向けではほとんどシェアを有していない一方、小口は特有のサービスがあったと理解しているが、現在でも同様の状況か。また、主要事業者のシェアの在り方も、大口と小口で大きく異なる印象であったが、現在でもそうか。

→英国では小口と大口で事業者が分かれているが、近年では企業グループ化している場合もあり、1つの企業グループ内で大口、小口それぞれ子会社が供給する場合や、電力用、家庭用を企業グループ内の卸売部門が一括して調達するといった動きもある。シェアの在り方は御指摘のとおり。イタリアでも同様のことが起きている。

  • 小口の参入戦略はどうか。かつて英国では電気とガスのセット供給でコストを削減していたが、現在も同じか。各国でどのような工夫が行われているのか。

→一部事業者では、グリーン電力購入などで付加価値を高めている。5年前に比べ、新しいサービスが生まれていると理解。

→英国では、電力からの参入が中心。このため、電力との組み合わせ販売が強みになっていると考えられる。

  • 海外調査では、自由化により小売コストが下がったか調査してほしい。消費者目線での役割、メリットを確認したい。また、本日の資料によれば、海外でガス料金が下がったという結論は明確に出ておらず、発展途上の課題と認識。英国では規制当局から複雑な料金メニューの簡素化が命令されたと聞くが、消費者保護について規制当局がどのような機能を有し、また苦情にどのように対処しているか調査してほしい。
  • 法的分離をすれば様々な投資が進まなくなるとの意見があるが、法的分離が進んでいる欧州で、具体的に弊害や問題が出ているか調査してほしい。
  • 資料4の16ページ、図表24について、なぜスペインだけ爆発的に切り替えが進んでいるのか。

→ヒアリングを行ったが、統一的な回答はなかった。同グループ内の子会社同士での切り替えもカウントしているためではないかとの解釈や、2008年からガス価格が下がり買い手市場となったため、利用者がより安い供給者を求めて切り替えたのではないかとの解釈があり得る。

→2009年にEU第3次指令が適用された結果、上下分離が進み、小売事業者が多く参入した。その結果、小売事業者が営業攻勢をかけ、消費者へのメニュー提示が活発化し、また政府も価格比較サイトを用意し消費者が比較しやすくした。一方、英国では以前からそうした取組が進んでおり、またドイツでは中小小売事業者が多く、影響が小さかった。スペインはEU第3次指令の効果がよく見える例ではないか。

  • 欧州は調達先が多様で、域内パイプラインも張り巡らされ、ハブで安くガスが調達できる。このため自由化のメリットが出やすい。米国もガスが産出される場所にはパイプラインがしっかり整備されており、ハブで市場原理によりガス価格が決まる。こうした海外の事例を調査することは大切だが、日本の現状と何が異なるのか、また真の自由化のメリットが出てくる領域は何か、見極めることが必要。欧米とはインフラ整備や調達の状況が異なる。その違いを確認した上で、我が国でエネルギー基本計画に示すような将来像を実現するため、どのような時系列で制度設計をしていけばよいかとの視点を持って調査していく必要がある。
  • 資料4の25ページについて、米国の各州における自由化状況は、電力との自由化と連動している場合とずれている場合がある印象があるが、州ごとの考え方がわかれば教えてほしい。

→事実関係としては、ガスで全面自由化しかつそれが機能している4州は、電力も自由化している。カリフォルニアは一時電力も自由化したが、2001年の電力危機の際にとりやめた。テキサスは、ガスは自由化していないが電力は自由化している。

  • 資料4の32ページの図表43について、読み方が難しいが、事務局の説明では普及率75%までに相当多くの事業者が含まれるということであった。ガスは既に他のエネルギーとの競争に巻き込まれているとの理解でよいか。また、このデータには都市ガス間の競争は反映されていないと思うが、自由化するとその競争が加わる可能性があるとの理解でよいか。料金の経過措置を考える上で、この評価が重要。

→何をもって競争というかは難しいが、ガス管が家の前まで敷かれているにもかかわらず、他のエネルギーを利用している人が25%以上いるということを表している。それは、多くの場合LPガスやオール電化である。自由化すれば都市ガス間の競争も出てくるので、それは新しい競争状況として踏まえた上で、料金の経過措置を検討していくものと考える。

  • 図表43の供給内普及率の解釈について、供給するつもりもない区域を含め、広い供給区域を設定している場合もあるのではないか。そうした空の供給区域を減らしてきた努力は理解しているが、どのように解釈すべきか。インターネットのサイトではガス管を引くために数百万円もかかるといった例も見られる。

→この5~10年で、申請された供給区域にはきちんと敷設してもらい、そうでない場合には供給区域を減らすよう指導してきた。低圧管の多少の工事は必要となる場合があるものの、ほぼ供給区域は導管の敷設状況を示しているという整理で提示している。一方、供給区域になっていない場合でも、利用者からガス管を引きたいという希望があれば、その地域を供給区域に加える変更許可を受けた上で、管を敷設することとなる。インターネットの事例がどちらに該当するか不明だが、全体としてこうした制度運用を行っている。

  • 図表43のデータをもって、ガスが競争にさらされていると積極的に説明するためには、その分母は全て供給して貰おうと思えば供給を受けられる人でなければならない。かつて市町村単位で供給区域が定められていた時代に比べ、相当改善されていることは理解しており、直着に近いところ以外は分母に入っていないと断言できれば、本データを活用してもよいのではないか。

→直着でないところでも供給区域となっている場合が無いわけではないが、近年、供給区域の設定は厳しく確認されており、そうした地域は減ってきている。(ガス協会)

  • 自由化の過程で、消費者にとっての利益という視点に加え、事業者にとっても競争にさらされることで株価や格付けなど企業価値にどのような影響があったのか、両面から確認すべきではないか。

→予備調査は行ったものの、2009年のEU第3次指令に前後して発生したリーマンショックの影響が重なっており、自由化の影響ははっきりとわからなかった。今のところ、うまくいった企業もあればそうでない企業もあったという認識。今後も可能な範囲で調査していきたい。

  • 初めて海外のデータが示されたことは評価。海外のガス料金の推移をみても、自由化の効果はよく見えない。競争によりコスト低下がしたのか不明。原料・税金以外の、輸送や小売のコストが自由化により下がったのかが重要。また、供給者変更率が国により大きく異なるが、その背景を知りたい。欧州では、輸入が多いところでは規制料金も残っている印象。こうした国々ではEU主導の自由化に疑問が呈されていると聞くが、その動向も知りたい。また、自由化の先進国と考えていた米国で家庭用を自由化していない州が半分以上ある理由を知りたい。
  • 国内の小売について、地域により競争が大きく異なり、一挙に消費者の保護策を廃止することは危険と考える。事業者別又はエリア別に新規参入のシェアを教えてほしい。また、供給区域内の都市ガス普及率について、供給区域とは導管が普及している地域と考えてよいのか。区域内でガス管を引くために、数十万円の負担が発生するという話も聞くが、そうした状況がある中で、普及率が他燃料との競争事態を示しているか疑問。また、何割ならば競争状態にあると考えるべきか不明。
  • 家庭用のエネルギー消費に占める都市ガスの比率について、国土の5.5%しか都市ガスが普及していない中で、全国での平均データをとれば、都市ガスの比率は約2割と少なくなる。給湯や厨房について各世帯は1つの熱源のみを採用していると考えられるので、給湯や厨房については都市ガス普及地域のガスのシェアは8割前後を占めており、必需品であることがわかるのではないか。1990年と比較すれば、都市ガスが好調で逆にLPガスの割合が減っていると見るべきではないか。

→米国について、コネチカット州の規制委員会によれば、パイプラインの容量が非常に少なく、自由化制度は安定供給に悪影響があると判断をしたとのことであった。一方、ニューヨーク州の規制委員会によれば、供給者変更率が増加しない理由として、価格差があまりなく買手にメリットがないからではないか、とのことであった。

→欧州が自由化及び市場統合を進める理由の一つは、バーゲニングパワーを増すためである。北海からのガス産出が減少し、ロシアからの輸入が増加する中、市場統合により調達する事業者が大きくなり、購買量が多くなれば交渉の立場が強くなる、という意図がある。一方、消費者保護も重要であり、この点は各国の考え方は様々。引き続き議論が行われている状況。

  • 現行では研究開発等は総括原価に含めて徴収している。一方、自由化となれば一般的にそれが減少することが考えられるが、もし導管部門だけ別会社になっていくことを考えれば、例えば欧米ではそうした費用をどのように担保しているのか。例えば、託送料金の中に一定のパーセンテージを算入し、それをファンド化して、中立的に研究開発のための公募事業に使うなどの方法も考えられるのではないか。
  • 欧州の自由化後のシェアについては、大口と小口で分けて調査してほしい。予想では、日本では大口自由化後もシェアを2割も失っておらず、欧州に比べて変化は小さいという結果になると考える。この理由は、新規参入者がLNGを調達できないためであろう。一方、小口については依然欧州でも大手都市ガス事業者が強いと考えていたが、本日の資料によれば、英国で自由化後に都市ガス事業者のシェアが下落しており驚いた。日本でも自由化により、都市ガス事業者のシェアが欧州と同じような動きになるかが、今後の議論のポイント。

以上

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最終更新日:2014年9月16日
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