経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第14回)‐議事要旨

日時:平成26年9月24日(水曜日)11時00分~13時00分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、杉本委員、永田委員、松村委員

オブザーバー
日本ガス協会 蟹沢副会長・専務理事
日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
日本熱供給事業協会 辻副会長
関西電力株式会社 北村グループ経営推進本部副部長
野村総合研究所 植村上級研究員
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 有本係長
消費者庁 消費者調査課 石井企画官
総務省 自治財政局 公営企業経営室 福西補佐
国土交通省 環境政策課 地球環境政策室 長谷室長
経済産業省
吉野審議官
資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 多田部長、村瀬政策課長、都築熱供給産業室長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 石油流通課 濱田企画官
省エネルギー・新エネルギー部 戸邊新産業・社会システム室長
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

1. ガスシステム改革について

(1)利用者保護のための措置

  • 資料3の欧州調査の結果では、ドイツは個別供給が多く相互乗り入れに熱心でないように記載されているが、例えばドイツ系企業であるE.ONは、企業全体で見れば相当程度ガス事業にも算入しているので、ドイツが総合エネルギー化に熱心でないというのは違うのではないか。また、自由化後に料金が上がったという話があるが、これは原料費変動の影響ではないか。原料費の変動分を分けた調査はあるか。

→今回調査では、ドイツでは価格比較サイトも含め電気・ガス以外の併売はあまり行われていないとの回答であった。理由についても明確な回答はなかった。料金絵変動における原料費とそれ以外の要素の影響については、2006年の調査がある。直近では英国が調査中であり、2015年に調査結果が出る予定。

→全面自由化による消費者利益についての実証的研究としては、2005年にコペンハーゲン大学が調査を行っている。その結果、市場開放及び導管の第三者利用に係る制度改正は、原料費の影響を除いた消費者の料金低減に有意の効果があったとしている。また、2009年のケルン大学による調査でも同様の結果が得られている。

  • 最終保障サービスについて、以前の小委員会でも緊急避難措置として設けるべきと申し上げたが、供給事業者の破たんの際の手続を定めておくことは消費者にとって重要と考える。最終保障サービスの主体については、海外では様々な例があるようだが、日本では導管が全国つながっておらず、地域毎に導管保有者が明確であることを考えれば、導管事業者その主体となるのが利用者からも分かり易いと考える。ただ、あくまで責任主体であり他に委託することもできる。次の小売事業者を選択するまでの非常に短期間の一時的措置と捉えるべき。
  • 料金移行措置について、海外調査の結果によれば、フランスでは規制料金と自由料金の併存だが、規制料金があるために消費者がサービスを選択しなくなり、事業者も工夫をしなくなったため、競争当局から「両方併存にしたのは失敗」とのコメントがあった。一方、日本では初めての全面自由化なのでいきなり自由料金のみでよいかという議論はある。移行措置はある程度必要と考えるが、できるだけ早く規制料金から離脱できるような仕組みを入れておくべき。資料4の(ア)事前認可型か(イ)事後命令型かという点では、一長一短はあるものの、利用者との合意により自由料金の設定を妨げないとあり、規制料金ながら自由化に近いやり方という意味で(ア)の方がよいと考える。
  • 料金移行措置について、電力とガスを取り巻く環境を比較すると、電気の場合、規制料金を一定期間残す前提として、廃炉等の規制バックフィットにより投資がストランデッド化することを回避するため、料金で投資回収を担保できる制度が必要との背景がある。ガスではこうした背景はなく、電力ほど強い料金規制は必要ないと考える。一方で規制料金がなくなると規制なき独占となる可能性も斟酌すべき。また、原料費の高騰に事業者が対応できる制度の検討も必要。資料4の(ア)事前認可型か(イ)事後命令型かという点は、(イ)事後命令型の場合は実務的に詳細にモニタリングする仕組みの構築が必要となるため、(ア)事前認可型が現実的ではないか。
  • 参考資料にあるとおり、国民の意見募集の中で消費者団体の意見を提出した。この中では、電気と同様に旧一般ガス事業者の供給義務と供給約款を残してほしいという意見が多くあった。また、経過措置の内容については事前認可型とし、消費者団体も参加した透明な審議会でその妥当性を審査すべき。
  • 資料4の15ページに、競争状況を検証する際の視点として「競争の蓋然性」とあるが、電気では実際の競争の進行を確認した結果から判断するため、少し違うと考える。第4グループの料金規制の解除にあたっては、各地域の競争状態を確認し、慎重に判断すべき。資料4の参考データは、競争状況の把握には分かりやすいが、供給区域内の競争状況の指標は重要な基準なので、県単位のデータなどきめ細かく出していくべき。
  • 最終保障サービスについては、公益性のあるガスには必要不可欠であり、その主体は導管事業者とするのが最も安全で、保安を考えても一元的に対応可能と考える。
  • 料金移行措置については、自由化の本来の目的は消費者が適切な料金を選択すること。今後、日本では、EUと同様に電気とガスをセット販売するビジネスモデルを進めていくことになると思うが、その際に電力とガスで同じ料金の決め方はできないのではないか。電気で移行期間を設け規制料金を残すのは家庭における普及率が高いからであり、規制なき独占の可能性を考えれば合理的。一方、ガスでは現在もガスシフトを進めている段階であり、できれば料金規制は全て取り払うべき。ただし、料金が高くなりすぎるとよくないので、標準的なメニューを公開すべき。電力とガスを併売する場合にはトータルで公開すべき。(ア)事前認可型と(イ)事後命令型のいずれにすべきか、という点については、経済活性化やビジネスモデルの多様化を考えれば、(イ)事後命令型で監視を確実に行う方が、自由度が増すのではないか。
  • 最終保障サービスは、資料4にあるような供給事業者の倒産時に限定されるものではなく、利用者がどの事業者とも契約してもらえない場合も含まれていると考えてよいか。ただ、実際の競争の中でそうした事態で最終保障サービスを使用する利用者がいるとは想定し難く、資料4では主要な使われ方として記載しているという理解でよいか。
  • 倒産時に限定する制度ではないが、最終保障サービス提供のための追加的コストが生じることを含め、適切な料金での利用となる。このため、最終保障サービスを利用するより、普通の提案メニューを利用した方がより安く、安定的に供給されることとなる。
  • 料金移行措置について、(ア)事前認可型か(イ)事後命令型かという点以外に、対象事業者を絞るか否かも重要な論点ではないか。オール電化や他燃料との競争に直面している事業者は必要ないのではないか。その決着がなければ(ア)か(イ)のいずれか決めることは難しい。仮に(ア)事前認可型の対象を一部に限定した場合、そこから外れた事業者は一切規制を受けないことでよいのか。それでは消費者は不安を感じるのではないか。一方、(イ)事後命令型の場合、毎月届出をして監視を行うといったことは不可能と容易に予測できる。ただし、事後規制の唯一の形はこれだけではない。例えば消費者からの苦情を監視し、多くの苦情が集まった事業者については、経済産業省が値上げの理由を調査し、それが著しく不合理であれば事前規制へと移行する、というセーフティネットがあれば、事業者は不合理な値上げは行わなくなるのではないか。

→4月に議論したとおり、恒久措置としての事後監視は行う予定。著しく消費者の利益を損なう行為があった場合には、最終的に改善命令を出すもの。今回の論点は、そうした恒久措置を設けた上で、更に厳格に値上げを監視する方法として、(ア)事前認可型、(イ)事後命令型、あるいはその他のものが必要かということ。

  • そうであれば、恒久的な事後監視が十分安心できると聞いた後でなければ、暫定的な事後措置はいらない、と消費者は言いづらいのではないか。
  • 消費者団体は、電力自由化は賛成だがガスの自由化は反対と主張しているようにも聞こえる。料金規制の経過措置について消費者がコミットしすぎると、逆に実際の料金が規制の上限に張り付く事態が生じるのではないか。原則は料金規制なしでよいと考えるが、消費者団体の不信感を考えれば移行措置があってもよい。ただし、3カ月や6カ月といった移行期間を明確にすることが重要。そこで継続する必要があればまた更新すればよい。また、資料4の9ページの図表3は、サンプル調査により裏付けられていると考えられるので、原則、供給区域内利用率が75%程度を区切りとし、対象事業者を限定すべきではないか。完璧な規制というのは難しく、現時点で最善の方法で進め、それでも規制なき独占が発生したらまた制度を見直すべき。

→委員長から、最終保障サービスについては、料金その他の条件について電力と同様に届出制とすることで一致した、その提供主体については導管事業者とすべきの意見が多かった、と総括。また、料金移行措置については、各地域の競争状況を具体的に検討した上で判断との意見が多かった、措置内容については基本的に事前規制がよいとの意見が多かったが具体的な状況を見ながら検討していく、移行措置の期間については本日の意見も踏まえつつ取りまとめをしていく、と総括。

(2)導管部門の中立性確保

  • 法的分離のメリット・デメリットについて、欧州の現地調査の結果はどうであったか。

→必ずしも全ての論点について調査できたわけではないが、一応、デメリットの指摘として、法的分離により、情報のやり取りにコストを要するとのことであった。一方、新規参入者が多くなるというメリットも指摘された。

  • ドイツの連邦カルテル庁の担当者のコメントとして、本当に大事なのは、ネットワークへのアクセス権を担保することと料金の透明性を確保することに尽きる、とのことであった。今回議論に当たっては、導管の中立性確保に何が大切かということに主眼を置くべき。資料5の3ページでは、欧州の状況について、導管部門の別法人化や経営判断の独立化などの行為規制が記載されているが、それは間接的な統制策であり、導管の中立化そのものとは異なると考える。導管の中立性担保のために何を確保すべきか、そのためにどうすれば良いのかを考えるべき。また、欧州での法的分離や行為規制の背景には新規参入者の不満や行政指導があったかと思うが、託送拒否等を理由とした行政指導は日本では行われていないということも考える必要がある。また、欧州ではパイプラインがつながっているが、日本では現時点でつながっていないことも考える必要がある。
  • 第3グループのヒアリングの際に、優越的地位の濫用と聞こえなくもない事例があった。システム改革でやるべきことではないかもしれないが、公正取引委員会も参加されているので、是非監視を強めていただきたい。
  • 消費者は自由化に反対しているのではなく、自由化しても少なくとも料金が上がらないよう料金規制をしてほしい、また最終保障サービスを残してほしいと主張している。
  • 導管部門の中立化について、経済産業省の資料で、卸を受ける事業者は自社でLNGを輸入している会社と比べ、原料費以外の原価が1.5倍であるとのデータを見た。託送料金は小売料金にも影響するので、大手ガス事業者の周辺のガス事業者の供給区域に住む消費者にも、よりも安いコストの事業者を選べるようにして、内々価格差の解消をしてほしい。先日、消費者団体主催の電力自由化の学習会で、託送料金の認可審査は、公開の委員会で透明性を確保するという話があったが、ガス導管事業も同様にするのか。
  • 法的分離は中立性確保のための手段であり目的でないのは当然だが、それによりアクセスの容易さや料金の透明性にマイナスとなることが少しでもあるのか不明。情報のやり取りのコストについては、確かに考えていくべき事項。特に行為規制については、必要以上の規制を置けばかえってコストが嵩み利益が得られないことは十分にあり得る。ただし、情報共有のコストがかかるということは、逆に分離していなければ中立性の観点で問題があるともいえる。すなわち、同じ法人内では情報共有のコストが低く、外の人との情報共有コストが高いため、イコールフッティングとなっていないということである。
  • 法的分離が中立性を担保する上でマイナスであるという意味ではなく、全体としての経営効率化を考えた場合に、果たしてそれが必要か、バランスの問題であるという趣旨である。
  • 電力が法的分離の方向で法的整備を行っているが、それと同じような形態でガスも歩調を合わせる必要はない。それぞれのインフラ整備の進展状況に応じて適切な処置を行うことが重要である。電力の場合には全国大でネットワークがつながっており、中立性担保は法的分離で行うことが有用。また、欧州ではパイプラインが網羅されており、日本とは状況が異なる。都市ガスの供給区域が5%程度しかない中で、導管部門を切り出すことが適切か、慎重に対応すべき。目的はあくまでもアクセスが中立的であることであり、その手段として本議論が適切か理論武装した上で議論を進めるべき。
  • インフラが整備途上である状況がなぜ特殊であり、なぜ本議論に影響するのか理解できない。電気について言えば、中立性が十分確保されていないことによりインフラ投資が進まず、そのために連携線が十分整備されていない、という議論すらある。
  • 目的は中立性担保であり法的分離はその手段である。あくまでもエネルギー基本計画と一体的に進めるべきであり、今後、ガスシフトを進め、分散型電源や熱電併給を進めていかなければならない。こうした中、ガスパイプライン網が全国大で発展していけるかどうかが本来の目的であり、法的分離がガスシフトに資するのかを併せて検討する必要がある。

→資料5、3ページの2(導管部門のさらなる中立性確保の必要性)について新規参入事業者として補足したい。導管部門の中立性確保について、公平性や透明性が十分図られていないのではないかと思われる事例があり、現状では不十分と考える。全面自由化に際し、対象となる需要家件数が飛躍的に増加するので、これまで以上に導管部門の中立性、透明性の確保が不可欠。例えば、気化原価が託送料金に含まれていることや、託送収支の超過利潤の取扱いなどの問題は早期是正を図ってほしい。また、託送料金は事前の厳格な審査のみならず事後評価もしっかりやってほしい。また、検討料の特定負担や検討期間の問題など、既存事業者の小売部門とのイコールフッティングが図られているか、新規参入者には確認できない部分があるので、そういった点も解消してほしい。また保安についても、現在、導管事業者の具体的な運営方法について検討中かと思うが、厳正な中立性確保の仕組みが必要と考える。以上のように、既存事業者の小売部門と新規参入者の間で差別的な取扱いがなされないように、既存事業者の導管部門と小売部門の仕分けをしっかりと行ってもらい、導管部門の中立性が外部から見ても分かるようにしてほしい。

→託送制度の検討にあたっては、小売のみならず卸取引にも影響があるという点も含め検討したい。導管部門の中立性確保について、欧州では10万件以上の利用者を持つ場合は法的分離とされているが、それらの中にも小規模な事業者はあるようで、どこまで厳格に執行するかが課題とのコメントがあったと聞いている。インフラ整備について、欧州では輸送導管と配給導管が明確に区別されている。一方、日本では輸送導管は発達していない一方、配給導管は相当発達しており、むしろ日本の方が長い。欧州では配給導管も法的分離の対象となっている。管の性質を区別しつつ各国との比較を考えることが必要。

→委員長から、本日出た論点について次回以降に検討していく、と総括。

2.熱供給システム改革について

  • 家庭用の消費者に対しアンケートを実施していただき感謝。資料6の中で、契約解除を検討した理由として、75.9%が料金が高いことを理由としている。一方、契約解除をためらう理由として、改修コストや代替がないこと、入居条件、管理者の意向等が挙げられている。また、解約を検討しなかった理由として代替手段がないという点が大きい。代替性については、簡易ガスを使用している集合住宅や賃貸住宅でも同じことが言えるため、簡易ガスと熱の料金規制の整合性も考えていくことが必要。家庭用の消費者では、単独での建て替えは困難であり、値上げの料金規制と供給義務は消費者の安心感から議論すべき。料金メニューの多様化で事業者が漉すと回収しやすくする議論も大切。
  • 熱供給はこれまであまり事故もなく、緩和の方向に進むべきと考える。自由化の方向で進める場合、エネルギー基本計画にもあるとおり熱電一体型の普及を推進する方向ならば、熱のみならず自由化により電力も販売できるようになる。今後、ビジネスが多様化できるよう、熱法自体は規制法であるが、容積率の緩和や、排熱をうまく利用してくれるところへの規制緩和などが行われれば、都市部でもより一層普及が進められるのではないか。

→委員長から、本日の意見を踏まえ今後具体的な検討を進める、と総括。

今後の予定

次回は10月30日に開催。

以上

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最終更新日:2014年10月3日
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