経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第17回)‐議事要旨

日時:平成26年12月3日(水曜日)16時00分~18時20分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

山内委員長、引頭委員、柏木委員、橘川委員、古城委員、杉本委員、永田委員、松村委員

オブザーバー
日本ガス協会 蟹沢副会長・専務理事
日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
東京ガス株式会社 高松常務執行役員
大阪ガス株式会社 松坂取締役常務執行役員経営企画本部長
東邦ガス株式会社 冨成取締役常務執行役員
静岡ガス株式会社 戸野谷取締役社長
西部ガス株式会社 柘植取締役常務執行役員
常磐共同ガス株式会社 猪狩代表取締役社長
石油資源開発株式会社 中島経営企画部長
国際石油開発帝石株式会社 池田取締役常務執行役員 天然ガス供給本部長
東京電力株式会社 佐藤ガス営業部長
関西電力株式会社 北村グループ経営推進本部副本部長
中部電力株式会社 小山執行役員エネルギー事業部長
石油連盟 松井専務理事
株式会社伊藤リサーチ・アンド・アドバイザリー 伊藤代表取締役兼アナリスト
公正取引委員会事務総局 経済取引局 調整課 本間補佐
消費者庁 消費者調査課 阿部補佐
総務省 自治財政局 公営企業経営室 御手洗係長
経済産業省
吉野審議官
資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 多田部長、村瀬政策課長、都築熱供給産業室長、横島ガス市場整備室長
資源・燃料部 石油流通課 濱田企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

導管部門の中立性確保について

  • 本日の事業者の説明の中で、料金規制の移行措置や解除条件を明確化してほしいとの意見があったが、地域別の供給実態の実例として、供給計画にある市区町村別の普及率の一覧表を示してほしい。

→料金経過措置の対象については、普及率の活用を前提とした場合、全体の平均値ではなく、供給区域内に普及率が高い地域も含まれているのではないか、との指摘と認識。今すぐに手元にデータがないが、対象事業者や地域の検討にあたり考慮していく。資料の揃え方を検討したい。

  • 料金規制について、先ほど事業者から料金規制をやめてほしい、との要望が出たが、その理由がよくわからない。競争が活発で利用者をとられるので、料金を下げて利用者を取り返す自由が必要、との主張ならば理解できる。しかし、本日の主張はそうでなく値上げの自由もほしいとの意見と認識。値上げは何のために必要なのか。また、資料6には、料金規制のために莫大な投資回収が困難になっている、との記載がある。しかし、現在の料金規制の下でも、十分に利益が回収できる水準に料金を設定可能なはずである。投資回収が困難との理由がわからない。
  • オール電化率が90%を超えている、との説明があったが、昨年の供給区域内でその割合はどの程度か、具体的に示してほしい。
  • 現行制度では料金が均一のため、新規参入者に利用者をとられ、コストが回収できていない利用者ばかりが残ると困る。そのために料金をリバランスする必要があり、そうした自由を要望しているならば理解。しかし、地方ガス事業者であまり参入が無い段階で値上げの自由を要望する理由がわからない。

→本日の説明における値上げとは、LPガスとの競合によるもの。オール電化との競合ではほとんど負けている。オール電化率の分母は住宅着工数。供給区域内の新築の9割がオール電化で、残り1割を120社のLPガス事業者と競争している状況。LPガス事業者は、内管や機器の貸付により利用者を獲得している。都市ガス事業者が内管や機器費用を利用者に請求すれば、利用者はLPガスに流れる状況。これを、LPガスと対等に競争できる状況とするため、利用者が同意すれば、ガス料金に内管や機器の貸付分をある程度付加できるようにしたい。

  • 資料10について1点確認。海外で自由化が行われた際、格付けが下がったというのは事実か。

→その通り。

  • 資料10のP7について、格付けが下がり資金調達コストは上昇したが、財務体質が健全になっている。これは、他の事業の拡大や収益の改善により、結果的に財務体質が改善したと考えればよいか。

→自由化直後はコスト削減や効率化により、収益が確保された。その後、多くの国で企業の集約が進んだこともあるが、料金が上昇し始めている。以前、海外のエネルギー事業者と意見交換した際に、EU主導の電力・ガスの自由化がその国の利用者にどのようなメリットをもたらしたかを質問したが、メリットがあったという答えは一度もなかった。いずれの企業でも、会社の収益を拡大し、株主に利益を還元できるようにした、との回答であった。したがって、自由化当初はコスト削減や効率化、その後はスケールメリットや料金引き上げによって、収益や財務体質の改善を実現したと考えることが妥当。

  • 資料10のP6~7について、電気事業者のデータが多いが、ガス事業者のデータがあれば示してほしい。次に、静岡ガスから、保安について導管部門と小売部門の社員が一体であることが重要、との説明があったが、それは第2グループ事業者の規模だからこそ問題なのか。事業者の規模に関わる問題と考えるか伺いたい。また、資料3のP9に、「既に一般ガス事業者がコールセンター等を委託している事例があること等から、災害時においてそれぞれが別会社であっても可能ではないか」とあるが、東京ガスでは別会社の保安業務を委託している場合もあると聞いている。法的分離をしても保安に影響がないか考える上で、東京ガスのケースを伺いたい。
  • 前回の第3グループに比べ、法的分離に消極的な意見が多い印象。ただ、議論が供給者サイドからのみ行われている印象があり、需要サイドからは法的分離はどのようにとらえられるのか。重要な影響があると考えられる大口利用者の意見を聴きたい。

→資料4のP3にあるとおり、供給区域は3つに分断されている。このため、保安を1カ所で包括管理する体制はとりにくいという問題がある。必ずしも利用者件数だけでなく、供給区域が分断されている事情からも保安に関する工夫が必要。

→資料3のP10の図表3は、平常時はこのとおり。一方、災害時は図表の左側(自社内)で完結する対応としている。大災害が生じた際には、発生直後の時間帯の対応が勝負となる。特に、ガス漏れが生じた場合には、いかに短時間で修理するかがポイント。さらに、休日や深夜に非常事態が発生した際でも、現場で緊急時対応の技術を持った人員を確保できることが必要。こうした考え方をベースに、現在、東京ガスがどのような保安体制としているか説明したい。全社員7,000名のうち、震度5強では約9割の社員について出社義務がある。震度6では無条件に全員出社となる。災害時には、それに特化した役割分担により、全社員が総力を挙げて対応する。通常は保安業務に従事しない営業部門等についても、災害時の業務を事前に細かく決めており、それにしたがって年に数回訓練を実施している。地震発生直後は、まず対策本部を作り、社長の下で統一した指揮命令系統で対応する。二次災害を防止するためには初動対応が重要。現場にはまず導管部門の社員が対応。営業部門等を含む全社員が、ガス漏れ受付や支援業務に従事し、保安業務をサポートする。肌感覚ではあるが、営業部門等の社員も様々な部門を経験しており、ある程度保安の知識がある。これは非常時の現場対応で非常に重要なこと。指摘のあった関連会社については、社員と異なり昼夜を問わない出社義務は課しておらず、指示により動く対応となる。このように、災害発生直後の初動は、まず社内で完結する対応をとり、その後の関連会社も含めた開栓や導管復旧の対応となる。

  • 本日のガス導管事業者の意見は、法的分離に消極的なものに聞こえたが、これは対象事業者の範囲を明確にすることで解決できるのではないか。事務局が、対象範囲の基準を明確にしたことは評価。ただし、導管総延長に係る基準については、「1割」の妥当性が議論となる可能性がある。特に、東邦ガスの場合、その基準ぎりぎりであり、分割した場合には対象外となる可能性があるが、これをどう考えるか。

→対象範囲について、対象事業者を導管の規模としているが、従業員数も規模に応じて大きくなる。また、導管の一体性をどのように考えるかという点もあり、例えば本日の西部ガスの説明では、北九州と福岡だけが導管が一体であり、それを考えれば導管規模は全国の2.6%との説明があった。そう考えれば、2位(大阪ガス)と3位(東邦ガス)も開きはあるが、それ以上に3位と4位(西部ガス)に大きな開きがある。今回は1つの目安として1割を提示したが、1割以下の事業者について今回から直ちに対象とするのはどうか、ということを含め、1割を基準として提示したもの。加えて、2つ目の基準(保有する導管に複数の事業者のLNG基地が接続していること)を満たす事業者も、大手3社のみである。なお、規模の基準を入れる場合には、ある一定の資本関係がある事業者については、一体の導管網として対象とすることが必要と考える。

  • 電力の場合には、多くのプレーヤーが存在するため、中立性担保のための法的分離が妥当な場合がある。一方、ガスの場合には、ネットワークや基地を保有する事業者は多くないため、コストを考えれば、行政が個別に規制することで中立性を担保する方がよいという考え方もある。例えば、天然ガスシフトのためには、導管を延伸し全体の需要量を増加させることが重要だが、法的分離を行った場合、投資インセンティブがどうなるか、中立性担保の手段としてどのような方針がよいのか聞きたい。また、ガスは一次エネルギーであり保安の問題は慎重に扱うべき。導管から機器まで保安は一貫体制が良いのか、事務局提案のように業務委託で問題ないのか、事業者及び事務局の意見を聞きたい。

→ヒアリングによれば、金融関係者は出来る限り緩やかな分離を望む声が多かったという印象。法的分離でもよいが、その際には可能な限り行為規制を課さないでほしい、という意見が大半であった。機能分離や会計分離でも行為規制の内容を精査すべきとの意見が多い。一方、法的分離を行えば格付け引き下げの検討を行う旨の声明を出している機関でも、行為規制の内容により評価は変わるとしていることもある。すなわち、重要なのは、分離形態より行為規制の内容だという意見が大半。

→小売部門の職員が、本来業務ではないが緊急時に導管部門の仕事を手伝うということであれば、それは分離形態にかかわらず必要であり、その対応のあり方はガス安全小委員会で検討すべき内容。なぜなら、小売の全面自由化により小売に新しい事業者が参入するため、緊急時には自社の小売部門のみならず、新規参入者にも手伝ってもらう必要があるためである。緊急時に小売事業者が導管事業者の業務を手伝うことについて、平時から1つの会社でなければ影響があるのか、もしあるとすればよく検討する必要があるため、ガス事業者から説明してほしい。

→全面自由化となれば、極端には小売は自社と関係ない会社のみとなる可能性も当然あるため、新規参入者との連携がなければ安全は担保できない。しかし、それは理論上の話であり、現実には新規参入者がどの程度参入するか、新規参入者とどう連携するか、法的分離の際に既存ガス事業者にどのような影響があるか、まだ検証できていない。ガス安全小委委員会で、保安の専門家にもう少し審議してもらいたい。現実問題として、現在行われている仕組みがあり、それを変えるためには相当な努力が必要。これを変えることが良いことか判断が難しく、専門家の意見をもらいたい。

  • 本日のオブザーバーの説明では、法的分離を決める前に行為規制を十分に議論し、明確にした上で決めるべき、との意見に聞こえたが、電気では法的分離という基本方針を出した上で、詳細に行為規制を決定した。当然、行為規制は重要で慎重に検討するのだが、それは順番の問題とは関係ないのではないか。また、保安について、仮に法的分離をしただけで災害時に大きな懸念が出てくるとすれば、ガスの保安はそれほど脆弱であり、天然ガスシフトとは極めて無責任だということになる。本日のガス事業者の説明はそういった内容ではなく、行為規制の内容が非常に重要というものと認識した。例えば、小売部門と導管部門の人事交流を完全に遮断すれば、非常時に小売部門の職員が保安について全く知識がなく、非常時対応で問題が生じるため、そういった過度な規制とならないようにすべきと理解。法的分離をすれば問題が生じるとの内容ではなかった。
  • 本日のオブザーバーの説明について、事業規模があまりに小さい事業者を法的分離すれば大きなコストが発生すること、加えて単に導管延長だけで見るのではなく、複数地域に導管網が分かれている場合にも、小規模な事業者と同様にコストがかかるという点についてはその通りであり、対象事業者を決める際に配慮すべき。
  • 対象事業者の基準についての事務局提案は妥当。資料9について3点コメント。前回提案では自主的取組の実施時期が明確でなかったが、今回は時期が示され、さらに新たな方策も示された。さらに検討を進めてほしい。次に、P6について、公認会計士による託送収支計算書の監査が提案されているが、3社はいずれも上場企業であり公認会計士の監査も受けている中で、どのような改善が見込まれるのか。公認会計士は会計処理の適正性は確認できるが、内容の妥当性は確認できないのではないか。また、P11には、現行の託送業務の監査に加え、行政が事業者の求めに応じて適正性を確認するとあるが、それが本当に機能するか検討が必要。現行の規制にとらわれない行政と業界のコミュニケーションの方法、監督の方法があると思う。視点はよいが、やり方はよく検討する必要がある。
  • 資料3のP9~10の記載は、確かにそのとおりであるが、人口が密集する大都市の災害は、事前の連携や訓練を超える想定外の連続だと思う。ガス事業者からは、初動対応が勝負であり保安に知識のある社員が対応しているとの話があった。資料3では、現場での問合せや復旧状況の発信、行政との連携や情報共有には技術や知識は求められないとの記載があるが、ガス事業者の説明に基づけば、電話対応などでも技術や知識がない人では対応は不可能ではないかと感じた。法的分離されればあうんの呼吸で現場に出動する組織力や使命感は次第に薄れていくのではないか。このため、資料3の図表1で、法的分離の災害保安体制は、「△~○」ではなく「×~▲」ではないかと感じる。
  • 資料9のP6の趣旨としては、託送収支計算書への会計監査は、電力では既に導入されているが、ガスでは導入されておらず、したがってその導入を検討するものと理解。一方、妥当性に関する監査は、仮にそれをルールとして導入したとしても、現在の公認会計士にそれが可能かといえば、相当ハードルが高いと考える。コストの妥当性の判断については、会計士の経験や知識に加え、ガスの業務プロセスに関する理解や技術的知見がなければ対応できない。したがって、制度設計の際には、監査を引き受ける専門家が対応可能か、国民が納得できる形での妥当性チェックとなり得るか、といった検証も必要となる。

→保安問題について、会社が異なれば緊急時の対応が落ちるかと言えば、必ずしもそうではなく、それに携わる人々の気概、使命感、誇りによるものだと考える。3.11の際には、石油会社の油槽所、製油所は被害を受けた。そうした中、少しでも消費者に石油製品を届けようということで、全社が石油連盟に集まり、会社・系列の枠を超えて一致団結して協力しよう、さらに資金の回収はしなくても良い、ということを決め、壊れた設備を協力して修理し、早く修理できたところから出荷した。また、タンクローリーのドライバーは違う会社の人だが、こうした人も夜中に出勤してもらい、寝ずに対応してもらった。さらに、津波で被害を受けたスタンドでもオーナーが足で給油機を動かしながら給油をした。原子力発電所の被災地域に国からの指示で石油製品を届ける際には、さすがにタンクローリーのドライバーも嫌がったが、それでも説得し、最終的には石油会社の社長が同乗して輸送した。このように、緊急時の対応は、それに携わる人々の使命感や誇りが一番大切なのであり、会社が別であっても使命感のもとで一致団結すれば対応できるのではないか。

→指摘のあった行為規制と法的分離の決定の順番については、私の意見ではなく、市場の評価に大きな影響力を有する格付け会社の見解を踏まえて説明した。保安、資金調達、導管投資のインセンティブが保証されれば、結果的には問題は生じないと考える。ただし、市場での評価はリスクを最大限に織り込んで行われるものであり、例えば、制度設計が終わるまで、ネガティブウォッチの対象とはなり得るのではないか。

→委員長から、本日は取りまとめを行える状態ではなく、引き続き議論したい、と総括。

今後の予定

次回は12月9日に開催予定。

以上

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電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

 
最終更新日:2015年1月6日
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