経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第30回)‐議事要旨

日時:平成28年3月31日(木曜日)16時30分~19時20分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

山内委員長、池田委員、引頭委員、大石委員、柏木委員、橘川委員、草薙委員、樋口委員、福田委員、二村委員、松村委員、深山委員

オブザーバー
一般社団法人日本ガス協会 川岸常務理事
一般社団法人日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
東京電力株式会社 佐藤執行役員カスタマーサービス・カンパニー・バイスプレジデント
国際石油開発帝石株式会社 奥園天然ガス供給ユニットジェネラル・マネージャー
石油資源開発株式会社 中島経営企画部長
一般社団法人全国LPガス協会 内藤専務理事
石油連盟 奥田専務理事
消費者庁 消費者調査課 船津課長補佐
総務省 自治財政局 公営企業経営室 福西課長補佐
公正取引委員会 調整課 井堀課長補佐
経済産業省
電力取引監視等委員会 事務局 松尾事務局長、新川取引監視課長、都築ネットワーク事業監視課長
大臣官房 吉野資源エネルギー政策統括調整官
資源エネルギー庁
電力・ガス事業部 多田部長、藤本課長
資源・燃料部 石油流通課 田久保企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

二重導管規制について

(委員)
  • 今回の提案と前回の提案とで違う点があるのかどうかをお聞かせいただきたい。単純に範囲が大きくなっただけだと、既存の一般ガス事業者の需要が伸びなくなる事態を放置する状況を助長するのではないかと懸念があり危惧している。
  • 3年間に期限を広げてみる考え方は、基本的に賛同の立場。
  • 二重導管規制の理念で、大口部門の産業競争力強化の観点も重要だと思うが、今回の配布資料では、どのような方向に移っていくのか、影響が見えにくいところがある。メリットとデメリットの比較衡量は必要。
(委員)
  • 平成23年度から需要の伸び率が小さくなっている。平成23年度はちょうど震災の年。震災を境にこの伸びが変わってきているが、平成20年度から平成26年度という長期の数字で使ってよいのか。
  • 震災後は電力会社に対する火力発電のためのLNG供給をガス会社が行なったと記憶している。その部分が需要に乗っていれば、平均伸び率1.5%という前提が本当に正しいかもう一度確認させていただきたい。
  • 需要の伸び率はどの数字を取るかによって、大きく伸びが変わってきてしまうが、それでよいのか。
  • 大手4社の総販売量は239億m3。ここから「卸売」と「家庭用」を除くと163億m3。239億m3に4.5%を乗じると10.8億m3。163億m3と比べると、比率が6%。思ったよりも大口での比率が少し高いことにもなるが、この点もこの理解でよいのか。
(オブザーバー)
  • 二重導管について、今回の事務局からいただいた4.5%というのは、託送不可能ガスに対するニーズを踏まえた実効性のある水準であり、新規参入者に対して競争の活性化、お客さま選択肢の拡大、産業競争力の強化に貢献するよう期待されているものだと受け止めている。
(オブザーバー)
  • 今回の事務局から提案は、新規参入者への配慮という意味からも大変ありがたい。ただ、1年目や2年目で4.5%が獲得されてしまう可能性もあり、自由化後3年の間であっても需要家利益が阻害されないと判断される場合には、4.5%を超える既存需要の獲得も可能となるような制度設計をお願いしたい。4年目以降の二重導管規制をどうするかについては、市場の実態を踏まえ、上限値を設定する必要性も含めて、改めてご検討いただきたい。
(委員)
  • 平成20年度から26年度までの数字を捉えたことについては丁寧に説明する必要がある。最近のデータではマイナスの数字が出る。いずれの数値を取っていくのが妥当かを慎重に見極めていただきたいと思う。トレンドは平均の伸び率として見たときに下がり基調にあることは否めないと考える。
(オブザーバー)
  • 二重導管による託送供給不可能ガスの既存需要への供給については、二重導管の周辺に位置しない需要家にとっては選択肢の拡大にはつながらない。既存需要の離脱によって、導管の稼働率が低下した場合には、多くの需要家が負担する託送料金の原価を上昇させることになる。
  • 大口需要家の獲得競争を推進して小売部門にも効果が波及すると記載されているが、電力の償却の進んだ導管の託送料金相当額は都市ガスの5分の1程度と示されているため、競争は起こらず、単に既存から、第三者に需要が移転するのみ。
  • 平成20年度以降の需要の伸びについては、LNG火力発電への需要増加分が含まれており、このような数値を用いて判断基準を決定することは適切でない。
(委員)
  • 元々5%との数字を挙げていたので、今回の提案は高く評価する。
  • 今までのようなノミナルな数字ではなく、きちんと全うな数字を出すために、事務局が苦心して数字を作ったとの側面もあるのではないかと思うので、「需要のことを見ると若干問題がある」などと言うようなことは説得力のある議論だとは到底思えない。
  • 直近の数字の方が正確だという意見には断固として反対。一定の年限、確定した年限をとることは合理的。競争を促進して全体の利益を高めるという大きな目的のためにやるものだから、私はこの4.5%は維持していただきたい。
  • 需要の議論が尤もだとするならば、託送料金の推移をきちんと見ていただきたい。かなり長い目で見れば産業用需要はどんどん拡大しており、そうであれば、託送料金はどんどん下がってくるはず。実際の託送料金はそれほど下がってきたのだろうか。「全く下がってこなかった」と言うつもりはないが、需要の伸びに対応するほどの低下はなかった。その分、4.5%分ぐらい効率化して、託送料金を維持すべき。
(委員)
  • 鉄鋼、化学、石油を中心に、ガスの料金で二重導管の規制が緩和されることによって、産業競争力のアップにつながるという声が聞こえた。
  • そもそも上限を何%と設定すること自体に反対であるが、方向性としては今回の事務局提案は前回の者よりも進歩したのではないか。
(委員)
  • 今のエネルギー政策と一致する方向で、数値を定めるべき。特に、ガス業界は小規模事業者も非常に多いため、慎重にお願いしたい。公益性のあるガス事業なので、需要家の選択肢及び利益は勿論のこと、事業者の利益もきちんと担保すべきではないか。1.19%が非常にクリティカルな状態の平均値を代表的な平均値とする妥当性は何なのか。託送料金が上がることがあれば、対応すると書かれているが、小規模事業者で多いと思うので、非常に賛成できる。
  • 今後、原子力がベースになるとガスの伸びは多くないかもしれないので、そのようなこともよく考えた上で、この数値も考えていく必要がある。全てを競争原理にさらすことは、ガスシフトというエネルギー政策の観点からも非常に疑問点が残る。
(オブザーバー)
  • 旧簡易ガス事業者が供給するガスはLPガスで、その導管は天然ガスの供給を想定する旧一般ガス導管事業者の導管との関係では、そもそも二重という概念は生じない。
  • 旧簡易ガス事業者の導管は全く異なるガス種の導管であるため、規模の問題や、二重導管規制の問題に絡める必要もない。制度の見直しは、異なるエネルギー間でも公平に競争の活性化を図ろうということであるため、「4年目以降については改めて検討」という部分も必要ないのではないか。
  • 二重導管規制の問題は、「変更あるいは中止命令」の基準の問題。ガス小売事業者が導管を敷設しようとするときには一般ガス導管事業者としての許可が必要になり、改正法第37条(一般ガス導管事業の許可の基準)で設備の過剰性が問題。法制的に「旧簡易ガス事業者を含むガス小売事業者」が本当にあるのか。ここでいうガス小売事業者とは簡易ガス事業者を指していると考えられるため、「LPガスを供給する簡易ガス事業者には留意が必要」と書いていただいているものの申し上げておきたい。
(委員)
  • 今回の事務局案で、「需要家の利益を阻害しない範囲内で」という文言に変わっている。前回から考え方が少し変わったと感じている。制度設計の中で託送料金が確実に下がるように検討していただきたい。
(委員)
  • ネットワーク需要の数字を根拠に議論すること自体について、合理性はない気がする。その意味では結論として4.5%との提案が妥当なのか考えざるを得ないような気がしている。
  • 導管自体に競争性を持ち込むことになるのは、法律が目指しているものと異なるのではないか。「導管の中立性」あるいは結果として「需要家の利益を阻害するか」という観点から適宜判断していくことになるのではないか。実態として全体としてのバランスがどうなのかということ見ていくしかない。
  • 現時点で4.5%に直ちに反対する気はないものの、3年経過後に、ガス事業全体を振り返り、必要に応じて見直す。現時点ではこれ以上緻密に数値を議論しても、あまり実質的では無いと思う。
(委員)
  • エネルギー政策は基本的にS+3Eだと思うが、この二重導管規制問題に一番関わるのはエコノミー、エネルギーのコストである。日本の産業は相当きつく、エネルギーコストを下げるのが至上命題だが、それを素直に考えた場合、二重導管規制を外し、上限を設けず、メーカーが安いガスを使用可能にするのが、日本のエネルギー政策に合致する方向性ではないか。ただ、導管が競争材になるのは違和感があるため、見直す際は、一般ガス導管事業者と特定ガス導管事業者の線引きの問題を議論する必要がある。
(委員)
  • 消費者は直接的に安い託送供給不可能ガスは使うことはできないので、結果的にはp14の資料にあるような仕組みが機能しているのかが、おそらく最終的には消費者としても判断する基準になるのではないかと思う。
  • したがって、効果が本当に出ているのか、小売部門における効率化が進んでいるのか、託送料金等が下がるような動きが適切にできているか検証の仕組みについてもご検討いただきたい。
(事務局)
  • 期間の採り方について、今回は平成20~26年度の6年度間の伸びを見ている。5年度間というキリの良い数字にしなかったのは、リーマン・ショックが含まれているため。回復時のプラス面のみが採られないように、前年度に延ばして伸びを見た。この統計で採れる限りの期間で見た場合も平成18~26年度で1.51であり、1.47と近い数値となる点が、今回の判断基準になっている。
  • 平成27年度累計ガス販売量の数値については、累計ガス販売量には託送分が入っておらず、ネットワーク事業とは若干違う数値になっている。ガス事業生産動態統計調査の数値が1年後くらいに出るため、今回は平成26年度までの数字で計算している。
  • 「東日本大震災の後で原子力発電所が止まったことにより、火力発電の焚き増し分が入っているのではないか」という点だが、最近のトレンドとして続いているのではないかと見ている。
  • 今後もネットワーク需要の伸びに着目するのか、上限値を設けるのかといった点については、4年目以降のあり方を検討する際に検討しては如何か。今回は大きな変化になるため、4.5%を上限とする整理にしている。
  • 需要家に還元しないという点であるが、考え方が変化している。大口の競争が促進されれば小売部門の効率化が進み、大口需要家、小口需要家へのメリットとして考えられるとの考え方に改めたところ。
  • 大口での比率が高いとの指摘については、ネットワーク全体の効率性を議論しているため、ネットワーク需要全体の中での比率として見るべきではないかと考えている。加えて、大口の託送料金の方が比較的安く設定されているため、大口が離脱した際の影響はより小さいと見ることもできるのではないか。
  • 需要家利益が阻害されないかという点については、原則規定に加え、託送料金上がってしまう場合には、ガス導管事業者による別の導管での直接のガス供給は認めないという例外規定を設けている。
  • 特定ガス導管事業者と一般ガス導管事業者の導管の違いについては、そもそも2つのガスの種類に区分をして全体を検討している。託送供給できるガスについては引き続き一般ガス事業者の導管網を使っていただくということであり、これまでの基準を大きく変えない形となっている。託送供給不可能ガスの判断基準として、新規需要を獲ることを認め、加えて、需要家の阻害利益性を考えた上で既存需要を獲得することを認めるということで、2つに分けて検討している点は改めて強調させていただきたいと思う。
(委員長)
  • 二重導管規制については基本的に資料5p3の黄色に塗ってある箇所の問題ということはご賛同いただいているが、上限の問題や、競争の在り方、競争の作用の仕方について、少し意見に違いがあった。まだ全面的に結論を出すところまで至っていないと感じているため、また議論をすることになると思う。

パンケーキ問題について、国産天然ガスを対象とした原料費調整制度について

(オブザーバー)
  • 事務局案は、ガスの卸料金の透明化と公益的なガス流通の実現を通じたより競争的な天然ガス需要の・実現に寄与するものと我々は考えている。
  • パンケーキ問題の解消に併せて、割高な卸託送料金についても改善されれば、中小ガス事業者のガス料金の低廉化や、都市ガス市場における一層の競争活性化が期待できるものと考えているので、レートメークの考え方についても、引き続き託送料金審査の中でご議論いただきたい。
(委員)
  • パンケーキ問題の解消には賛成。最終需要家にとっても料金請求が分かりやすくなり、電力の場合と平仄を合わせる意味でも進めていただきたい。
  • 中小事業者が今回事務局の提案された精算の仕組みにうまく対応することに時間がかかるのではないか。パンケーキ問題が解消すると言っても、最終需要家が支払うことになる託送料金は変わらないので、急ぎすぎることなく制度設計をいただくべき。
(オブザーバー)
  • パンケーキの解消について、新しい託送料金制度を創設することになる。新しい託送料金制度の創設に当たり、慎重な検討が必要。
  • パンケーキが解消されると遠方に立地する製造設備が結果として優遇される。近接地域への製造設備の建設インセンティブが削がれる制度になる。ガスにおいては電気に比べて、卸託送料金を一般負担化するときの影響が相対的に大きいという特徴もあるので、検証していく必要がある。
  • パンケーキを解消すると卸先、卸元事業者間の精算契約、具体的な支払いといった実務が発生するが、流通経路が極めて複雑な場合もある。上流の卸元事業者の特定が困難なケースもあるので、制度設計のハードルは高い。こうした実態を踏まえた詳細な制度設計をお願いしたい。
  • 中小事業者が影響を受ける課題が多いので、小売全面自由化と合わせてパンケーキ解消を実施する場合には、まず実務的な課題が解決されることが前提。
  • 現在50者以上の事業者が国産天然ガスの卸を受けている。卸供給契約の内容がLNG価格リンクになると、卸を受けている事業者においては、当該購入ガス費用は外生的な要因によって、変動する。この変動を、料金に迅速に反映するスライド制度を導入いただき、卸を受けている事業者についてはその他の固定費部分でさらなる効率化に努めていくという姿が望ましいと考えている。
(委員)
  • 資料のパンケーキのイメージを何度見ても、Cの供給区域にいる需要家の託送料金が上がるようにしか見えない。需要家に近いところに製造設備を作ったとしても、評価されず、遠くに製造設備を作った小売事業者ほど得をする。一般負担化されて、同じ託送料金で参入できる仕組みが本当にいいのか疑問。地産地消など需要地の近くに分散型のものができると考えた場合に、地域活性化に問題が出ないのか。また、事務局案で本当に効率化が進むのか。需要家の負担割合、あるいは小売事業者の負担が変わるだけの話と思うので、そこは整理が必要。
  • 206者のうち何者のガス事業者が徴収の義務を負う事業者になるのか。事務手続きも大変なのではないか。電気の場合、振替料金は低廉で、最終需要地のところの料金が大きい。一方、ガスの場合、パンケーキ一個ずつが大きく形成されているので、誰かに押し付けることが全体として効率化になるのか分からない。
  • タンクローリーでパンケーキとパンケーキの間をつないだときの、タンクローリーのコストはどうなるのか。また、最後まで導管でつながるとパンケーキが3枚で済むが、タンクローリーが途中で挟まり、5枚や7枚となった場合に、どのように定義することになるのか。実際の運営上に問題がないか疑問。
(委員)
  • 遠隔地に物を作るインセンティブが増える、ガス協会からは近いところで作るインセンティブがなく不利になるという発言があったが、今まではガス販売を広げる方向へのインセンティブが弱すぎた。基地の近くの需要稠密地帯には一生懸命やるインセンティブが強かったと思う。なぜ弊害なのか分からない。もし本当に大問題だと言われるのであれば、説得力のある形で、今まで外縁部のインセンティブはこんな過大だったがこれがもっとひどくなる、ということを説明していただきたい。
  • LNG基地など託送供給の起点となるところを、遠隔地が有利になったから遠隔地に作るというのはあまりにも荒唐無稽。地産地消を考えて、近くにパイプラインで供給したほうがコストが安いのにLNG基地を作るなど、託送料金設定のために基地建設の考えが大きく歪むなどというのは、荒唐無稽。現実に問題になるとすれば、どういうようなものか我々のイメージが湧くように説明をお願いしたい。
  • 電力に比べて事業者数は多いので、潜在的に多くの事業者を跨ぐとか、精算が複雑になるなど、抽象的な可能性は分かるが、しかし一方で、電気の場合では一応細いなりに北海道から九州まで繋がっているため、相当多くの事業者を跨ぐことも考えられる。さらに双方向で出てくることも考えられる。ガスの場合は大抵、片方向である。しかも、全国で繋がっていないため、限定的なイメージ。具体的に事例を示したほうが、多くの人がイメージできるようになるのではないか。
(オブザーバー)
  • 片方向で卸が行われているというケースも確かにあるが、関東地区を中心に複雑な流通経路で卸が行われている事例もある。
(委員)
  • 消費者の立場からはパンケーキ問題が解消され、競争が起きて、様々な事業者が参入する方が消費者にとってはうれしい。
  • 経過措置料金と逆になるが、新規事業者が入ってこないと価格が固定化されてしまうこともあるため、今の状態でパンケーキ問題が解消されないと、需要家にとってはマイナスの面が大きい。
(事務局)
  • パンケーキ問題解消により、託送料金は確かに従来よりも一部上がる可能性はゼロではない。パンケーキ解消により、新規参入しやすくなる点は大きいと認識。小売間の競争が起こることは、供給区域の需要家にメリットだと考えている。タンクローリーのコストは今回対象外。
  • 運用上の問題がないよう設計は詰めていきたい。
(委員)
  • 国産天然ガスと輸入LNGの燃料の比較でみると、輸入LNGのほうが小売料金に反映しやすいのに対し、国産天然ガスの場合には原料費調整制度を使えなかった。制度間の不公平性を感じる。LNGリンクに関わりなく、原料間での競争上の公平性の観点から、原料費の調整制度を使えるようにしたほうが望ましい。
(委員)
  • パンケーキ解消の検討は、ガスの流れの問題についても考慮する必要がある。仮に都市ガスネットワークをひとつのタンク(定容容器)、ガスを音波、需要場所をタンクに空いた穴に例えて考えてみると、タンクの中は空洞で圧力が一定のため、ガスをタンクのどこに入れても、タンクのどの場所の穴からでも一定の圧力で出てくるため、位置関係を考慮する必要がない。しかし、現実のガスパイプラインの場合は、ガスの注入場所と需要地との位置関係によって流れ方が変わるため、圧力を一定に維持しなければならない。パンケーキが解消されれば、製造設備を遠くに建設してもいい、どこに造ろうが同じだということになるのかもしれないが、それは多少違和感がある。もう少し慎重に考えるべきであり、電気とは違うと思う。電気の場合は電子の流れであるから、どこに発電所を建設しても大体届く。しかし、ガスは流体、特に圧縮性の流れなので、位置関係を考慮せず遠隔地からの供給でもいいという考え方に関して、流体力学的に考える必要がある。
(委員)
  • 原料費調整制度の件について、そもそも卸契約の締結方法をもっと柔軟にすることで対応できないのか。それだけでは不十分だということをもう少し明確に教えてほしい。例えば、契約に原料費調整条項を入れることによる対応など。先ほどの説明で、数年ごとに卸先と個別交渉を行い、その間の価格は固定されており、非常に硬直しているということについてはよく理解できたが、個別の卸契約なので、自ら対応できないのか確認したい。
(オブザーバー)
  • 卸料金は個別交渉で決めている。営業上の交渉バランスから、なかなかマーケットに追いついていけない実態がある。国産ガスに原料費調整制度の制度担保がないため、卸先もマーケットダイレクトリンクを受け入れにくい実態がある。
  • 当方の埋蔵量は有限であり、常に探鉱費等を支出しないと埋蔵量も維持出来ない。今回、原料費調整制度を入れていただくことにより卸先のリスクも吸収できるような制度を置いていただければ大変ありがたい。
(委員長)
  • 国産天然ガスの原料費調整制度については大きな反対はなかった事務局のご提案で皆様ご同意いただいた。
  • パンケーキについても、手続き上の問題、運用上の問題、ガスの圧力の問題があったが、パンケーキの制度自体についてはそれほど大きな反対はなかった。指摘事項を事務局でご確認をいただいた上で、この方向で進めさせていただきたい。
  • 論点4のLNG基地の第三者利用制度、前回のご指摘事項について、ご意見・ご質問等のご発言をお願いする。

LNG基地の第三者利用制度について、前回の御指摘事項について

(委員)
  • 前回の指摘事項のうち、経過措置料金の問題について3点意見を述べる。
  • 1点目は、消費者の側からは、実質的な選択肢が保証されて初めて競争状態だと思っている。都市ガス間の競争が起きてない地域について経過措置料金を外すことは慎重に考えていただきたい。今回、総合的な判断をするという提案もいただいているので、判断の基準などをしっかりと具体的に検討した上で進めていただきたい。
  • 2点目は事後監視について。合理的でない値上げと不当な値上げの考え方を整理していただき、以前よりは分かりやすくなったと思うが問題は体制をどうするかである。料金の値上げや料金体系の変更について、把握、監視ができるような体制を取っていただきたい。
  • 3つ目は経過措置料金の解除の手続きについて。パブリックコメントを位置付けるという提案をいただき、この点については消費者としては非常に重要な点であり、このような仕組みが入ることはいいことだと思っている。
  • ただし、大きな事業者だけという点は納得がいかない。原則的には公営事業者を除いて、規模に関係なくすべての事業者に適用すべき手続きではないか。大きな事業者を利用している消費者には意見を言う機会や権利があるが、中小の事業者を利用している消費者にはその機会がないということは合理的とは言えない。
  • 問題のない事業者であればコメントはそれほど来ないはずであり、それほどコストがかからないと思っている。消費者の納得性という観点から、全ての事業者に適用すべき手続きではないか。
(オブザーバー)
  • 集合住宅の一括供給については、電気において既に全国でのサービス提供件数は40万件を超えている。ガスにおいても認められれば、使用量が集約され、電力同様に低廉なガス販売が期待できる。
  • また、電力とガスのセットでの契約が可能になるなど、一括受ガスは消費者にとって十分有意義な選択肢になる。
  • 今回の事務局見解では、保安等の観点から現状ではガスの一括供給は認めることが難しいという内容であるが、ガスにおいても電力と同様に一括供給のビジネスモデルが実現するよう、前向きな検討をお願いする。
(委員)
  • LNG基地の第三者利用制度について、タンクの要件と、ガス製造事業者をどう考えるかに関する事務局の提案は、非常にロジカルで分かりやすい。私は賛成である。
  • 次に、経過措置料金規制の解除基準について、総合的な判断には賛成である。ただし、運用について「事業者が恣意的に」と記載されているが、事業者の行動が解除を目指しているのか、戦略として行っているのか、「恣意性」をどのように判断するかは非常に難しい。事務局としては「故意」ではなく「競争状態」の把握をすべき。競争状態を把握するための補完的な見方としてどのようなものがあるか、もう少し検討していただきたい。
(委員)
  • 経過措置料金に関してこのような案でいいのではないかと思う。
  • 前回、「恣意的」と申し上げたのは、事務局案を十分条件としたら極端なケースでまずいことが起きることを例示しただけであり、心配しているのはそれだけではない。エネルギー間競争が相当厳しく10%のシェアを獲られそうというところと、エネルギー間競争がほとんどないところで10%シェアを獲られているところは当然違う。総合的に判断するとはそういうことだと思う。今、挙げた例、あるいは委員会で出てきた要素も総合的に考えながら実質的に競争が進んでいると判断できるところを外していくことを守っていただきたい。いずれにしても実際に経過措置を外す時には、また議論があると思うが今回はこの提案で賛成である。
  • 次に、ガスのアグリゲーションであるが、電気でできることと、ガスではできないことを区別する必要があると思う。電気で4月1日以降もアグリゲートするために高圧設備が必要不可欠なのかチェックする必要がある。もし必要ないとすると、ガスでの低圧と中圧、あるいは受ける総量、アグリゲートした量の大小で分けるということは、説得力がなくなるのではないか。現時点では保安の問題があるため、当面は改定しないとの結論は変わらないが、将来のスコープが変わってくるので、その点の確認をお願いしたい。
  • 電気の場合、自由化された高圧はすごく低いが、小口が非常に高いところへの牽制や競争圧力として今まで機能していた。この機能はガスでもありえると思っている。小口が不当に高いところで、卸供給をリーズナブルな価格で受けて小分けして売ることができれば、このようなビジネスモデルの参入が競争圧力としてありえる形となるので、制度の監視がとても重要になってくる。今のガス事業者がきちんと卸供給をするということを監視する仕組みを整えたうえで、解禁しないということと、そこの監視が緩いということで解禁しないのでは経済的な意味が大きく変わってくる。従って、卸価格に対する監視は、アグリゲーションを解禁しないことを前提とすれば、さらに重要になると思うので、卸価格監視をきちんとやる前提で今回の提案に賛成する。
  • 基地開放は、今回、基地ごとに分ける同時同量制度を導入したと認識。そうすると地域を分けることになるため、LNG基地のエッセンシャル・ファシリティー性は高まっている。今まで以上にLNG基地のエッセンシャル・ファシリティー性が高まったので、対象範囲を若干狭めることはリーズナブルな提案と思うが、もう一度長期的には考えなければいけないのではないかと思う。託送のやり方、同時同量のやり方を変えることに対応して、考える必要がある。
  • 専ら電力事業に使っているような基地も第三者利用が可能であり、開放することが電力市場の発展にも、ガス市場の発展にも資すると思う。従って、電力事業者が持っている基地の第三者利用もガス事業者に対する規制と同程度の規制が入って当然。エネ庁全体で何とか同じように道を開けないか、検討されることがあって然るべきではないか。
(委員)
  • 前回の指摘事項の事後監視に関して、LPで原料価格が上がっていないにもかかわらず料金を値上げすることを消費者に通知している事業者が出ている。そういった事後監視以降の合理的でない値上げに関してどのように対処していくのかということは、電力の市場監視を参考にするということは出ているが、具体的な監視方法が出ていないことが気になっている。
  • 経過措置料金規制の解除だが、前回、多くの消費者団体からの意見として、いきなり経過措置料金を外すのではなく、競争が起きていることを確認したうえで経過措置料金を外してほしいということが書かれている。このように、大きなパブリックコメントが国民から寄せられていると認識していただきたい。それから、大きな事業者だけが対象ということになっているが、逆に競争が起きないような地方の小さな事業者のことを心配しており、そういう意味では全社で行っていただくとともに、インターネットを使わない消費者も多数いるため、紙媒体を使うなり市区町村の協力を得るなりして、きめ細かな対応をしていただきたい。
  • 消費者委員会において、電気の経過措置の解除基準で優越的地位の濫用基準についての質問に対して、「4割から5割を超えると競争が働かないため既存電力会社のシェアが過半という状態ではまだ経過措置料金を解除するべきではない」という指摘があったと聞いている。明日の電力の自由化では、電力料金に経過措置料金が残してあるため、消費者がわりと落ち着いて電力自由化の日を迎えられる。そういう意味でも、本当に競争が起きていることを確認してからの経過措置料金の解除をお願いしたい。
(オブザーバー)
  • 今回の事務局案については、その考え方自体は間違っていないと思う。今後、共同配船や2港上げなどの可能性もあると考えるため、小売全面自由化後のガス供給構造の変化に応じた適切な見直し行なっていただきたい。
  • 「第三者が活用し得る最大のタンク容量」について、赤い部分で示された「物理的に入れられないタンク容量」や「物理的にポンプで引けないタンク容量」の部分については理解できるが、「需要増減リスク対応幅」や「原料供給途絶リスクへの対応量」について、それらを考慮すると、タンク操作可能範囲は、一般的に60%程度になるとのことだが、もう少し緻密に数字を示していただきたい。特に石油連盟などは、従来から消費寄託方式による第三者利用を提案している。「需要増減リスク対応幅」や「原料供給途絶リスクへの対応量」の部分についても、利用者間で融通を可能とすることができ、タンクの効率的な運用が可能になると思う。
(委員)
  • 先ほど、電力の小売全面自由化は経過措置があるから消費者は安心しているとの話があった。そのような側面もあると思うが、消費者は自由化されてより安い電気料金のメニューが沢山出てきたことの方がずっと喜んでいる。ガスの自由化についても同じことが言えるのではないか。
  • コンロや給湯、暖房まで使っている普通の消費者がガスの自由化で一番望んでいることは、値下げのメニューが沢山出てくることだと思う。経過措置料金を残しても値下げはできるのではないかとの議論があるが、経過措置がかかるとリバランスがしにくくなるという点が問題なのではないか。総合的な判断で解除する時に、リバランスによる値下げメニューを高く評価する方向にすべき。
(委員)
  • 一括受ガスの芽は摘まないと位置づけていると理解した。将来的に一括受ガスというビジネスモデルを許容するための制度改正を実施するか否かについて、小売全面自由化後の需要家ニーズも踏まえつつ引き続き検討すべき。4月1日から電力は小売全面自由化となり、今後も一括受電に対するマンション住民の要求が消えない場合は、一括受ガスへの需要家ニーズはあると十分に推定されるのではないか。
(オブザーバー)
  • 前回、暖房、給湯、厨房等の用途別エネルギーの比率に関して、地域の実情に応じた総合判断をお願いした。寒冷地とその他の地域では明らかに違いがある。地域の実態を考えると問題ではないか。
  • 簡易ガス事業を監督する地方経済産業局の一部で、他エネルギーに切り替えられて1年程度経過すれば団地の供給地点数を減少させるように指導している。競争の結果で他のエネルギーに切り替えられた供給地点数を除外することは、競争の状況を見るための基準で実態が反映されないことになる。指定解除に当たって、総合的に判断するという考え方を入れていただいたので、簡易ガス事業の実態や地域の実情を踏まえて、実効性ある適切な運用としていただくようお願いする。
(委員)
  • 経過措置料金について、電気の場合だが、経過措置料金などないほうが良いという消費者は周りには一人もいない。経過措置料金についてこだわるのは、消費者として間違っているとは思わない。
  • 経過措置料金は、実際に競争が働いて経過措置料金で買ったら損をする状況になるほど安い価格が出てくるのが望ましいが、これはあくまで安心のためにある。自由化すると寡占化が進んで、価格がものすごく上がるという心配に対して最低限の歯止めになる。今の規制料金よりは高騰しないことになり、それなら安心だというのが私の周りでは大半である。これはガスについても同じことが言えると思う。
  • ただ、電力会社のように範囲がすごく広ければ、別荘地のような特定の性質を持った需要家ばかりといったことはまずないだろうが、ガス会社の場合、小さな事業者は特定の性質を持った需要家がかなりの割合でいることは十分あり得る。そういった点から、リバランスの必要性が大きいことを私たちは認識すべきだが、一方で寡占化して価格が上がってしまうのではないかというリスクはガスのほうが大きいという可能性すらあると思う。
(委員)
  • 大阪ガスは東京電力と組み、東京ガスは関西電力と組むというのは非常に大きな可能性としてあると思う。あえて言うと、先ほどのアグリゲーションの話も、ガス会社が他地域のガス会社に攻め込むときには重要な武器になる可能性があると思っており、今の状況を守るという発想が強すぎるが故に、それが問題だと思っている。私の先ほどの発言は、どちらかというと後者のほうにもうちょっと競争マインドを発揮して欲しいというところにある。
(委員)
  • タンクの第三者利用について、タンク操作可能範囲は60%であり、一隻が平均12万klのため、それで割り切ると20万kl以上のタンクを対象にするとされている。内需というか地域活性化を考えた場合に、自由化では外資が産油国から直接入ってくることもあり得るため、外資規制についてもう少し詳しく教えていただきたい。
(事務局)
  • パブリックコメントについては、影響を受ける消費者や需要家から丁寧に声を聞くことについて、実際の運用はそのような形で進めたい。一方で事業者の数を考えると、都市ガス事業者は206者あり、簡易ガスも7,500団地ある。参考にした料金認可時の消費者庁との協議についても、中小企業も含めて料金認可の影響は生じるところ、一定の事業規模で切っている点はそれなりに合理性があると思う。本日の意見も踏まえ、どこまでできるのか考えさせていただきたい。
  • 恣意性の判断については、実際に解除しない事由について、意見も踏まえて今後更に詰めていきたい。
  • 経過措置については都市ガス同士の競争がない限り継続すべきという点は、ガスでは法律上の経過措置のかけ方の建て付けが他燃料との競争もあることを踏まえたものとなっている。実際に利用率が50%を切っている事業者も沢山おり、そこも踏まえて経過措置をどこまでかけるかについて判断すべきではないかと考えている。
  • 外資規制については、国内に外資が入ってきてガス事業を行なう場合には、原則として国に対して届出を行う必要がある。
(事務局)
  • 電気の一括受電について、現状のルールでは低圧でも一括受電が可能となる。ただし、受電の実態は確認を行い、名義貸しやいわゆるホワイトラベルはやめていただくと整理している。
  • 電気事業者の発電専用のLNG基地の問題については、これまで直接議論の遡上にあがったことはあまりなかったが、ご意見として承らせていただく。
  • 最後に、消費者と事業者の関係について。我々が期待しているのは、我が国のエネルギー市場として垣根が外れていくことである。自由化の中で、消費者の方々からも料金だけではなく、「こんなサービスがあるといい」といったニーズを出していただき、事業者のニーズを引き出していくようなこともやっていただきたい。また、地域や企業を越えて様々な連携をして、双方向で我が国のエネルギー市場、マーケットがより豊かなものになっていくことを期待している。
(委員長)
  • 基地開放については、さらに議論を深め、次回以降議論させていただきたい。
  • 経過措置については、それほど大きな反対がなかったと認識している。いくつか指摘していただいた注意すべき点について事務局で確認させていただく。
  • アグリゲーションは、今回は保安上の問題と皆さまに納得いただいたうえで、将来どのような形になるか、引き続き探ることが残された課題と認識している。

以上

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最終更新日:2016年5月12日
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