経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第31回)‐議事要旨

日時:平成28年4月22日(金曜日)16時00分~17時50分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

山内委員長、池田委員、引頭委員、大石委員、柏木委員、草薙委員、樋口委員(竹村代理)、福田委員、二村委員、松村委員、深山委員

オブザーバー
一般社団法人日本ガス協会 幡場事務局長
一般社団法人日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
東京電力エナジーパートナー株式会社 佐藤常務取締役
国際石油開発帝石株式会社 深川天然ガス供給本部 パイプラインユニット コーディネーター
石油資源開発株式会社 中島経営企画部長
一般社団法人全国LPガス協会 内藤専務理事
石油連盟 奥田専務理事
消費者庁 消費者調査課 澤井課長
総務省 自治財政局 公営企業経営室 福西課長補佐
経済産業省
電力取引監視等委員会 事務局 松尾事務局長、新川取引監視課長、都築ネットワーク事業監視課長
電力・ガス事業部 多田部長、畠山課長、藤本課長
資源・燃料部 石油流通課 田久保企画官
商務流通保安グループ ガス安全室 下館課長補佐

議事概要

熊本地方での大地震に関する都市ガスの復旧について

(委員長)
  • 第31回ガスシステム改革小委員会を始める。
(事務局)
  • <オブザーバー紹介>
(委員長)
  • 本来であればここですぐ議事に入るべきであるが、先日発生した熊本地方での大地震に関する都市ガスの復旧について、事務局から参考資料をご説明していただきたい。
(事務局)
  • <参考資料説明>
(委員長)
  • 関連して発言があればお願いしたい。
(オブザーバー)
  • 御礼とご報告を申し上げる。
  • 事務局からの説明の通り、この度の熊本の大地震により、熊本市周辺の西部ガスの供給区域において、約10万件強のお客さまへのガス供給が停止した。
  • 日本ガス協会では熊本県、また経済産業省をはじめ、関係各方面のご協力・ご支援をいただきながら、業界を挙げた応援態勢の下で日夜、復旧作業を行っている。
  • この場をお借りして、関係各所のご支援に対し、改めて深く御礼を申し上げたい。一日も早い全面復旧を目指して、今後も業界一丸となって、頑張ってまいりたい。
(オブザーバー)
  • 簡易ガス団地については、資料に記載の6団地のうち2団地は震源地と見られる益城町にあり、家屋の損傷が激しく、お客さまも全員、避難をされている状況である。したがって、その2団地の復旧には相当時間がかかるのではないかと思われる。
  • 先ほど事務局から「供給停止の団地が1団地増えている」との話があったが、昨日夕方から供給停止したその団地は高台に位置しており、道路のひび割れや、一部、雨による傾斜地崩壊のおそれがあるとのことで、団地自治会からの要請を受け、保安確保のために、一時閉栓している状況である。
  • いずれにしても、今後とも情報の把握に努め、保安の確保を図りながら、シリンダー等による仮復旧も含め、迅速に対応していきたいと考えている。
(オブザーバー)
  • 同じガス体エネルギーを供給している立場で一言、ご報告をさせていただく。
  • 全国の皆さま方の支援をいただき、地元の熊本県LPガス協会を中心として復旧作業に努めている。
  • 熊本県内には50万世帯のLPガスのお客さまがおり、443の販売事業者が供給を行っている。現在、それらの事業者が一生懸命復旧作業を行っており、残念ながら、その販売事業者の中の4社では、社屋の1階が半壊するような状態になっているが、その4社もお客さま対応を続けているため、お客さまにはご迷惑をかけない状態になっている。
  • LPガスには、お客さまの軒先に常に1か月以上の在庫を持っているという特徴がある。そのような意味で、供給途絶は起きていない。ただし、家屋の倒壊や地滑りに巻き込まれた場所においては、現在、手をつけられない状態になっている。
  • LPガスの供給形態として、マイコンメーターがついており、地震が起きると、自動的にガスがシャットダウンされる。地震の後、お客さま自身で復旧することもできるが、それができないお客さまに対しては、販売店が出向いて復旧作業を行っている。また、これらの復旧作業とは別に、念のため配管、ガス機器の点検も行なっている。
  • 一連の復旧作業については、避難所に避難されているお客さまを除き、ほぼ全てのお客さまに対し進めている状況である。
(オブザーバー)
  • 石油も頑張っているので、簡単にご報告する。
  • 元々、石油は可搬性が高く備蓄も豊富なので、「エネルギーの最後の砦」と位置付けられている。今回の地震対応でも応急活動や救急活動等に必要な電力供給を含め、安定供給を維持することを目指し最大限努力している。具体的には、災害時の石油供給連携計画を発動し、各社を超えた連携を行い、供給を継続している。
  • 幸い、これまでの強靱化投資で様々な供給施設に補強をしたこともあり、供給施設には被害がなかった。またタンクローリーにも被害がなかったため、全面投入しており、ガソリンスタンド等への供給についても、一時、安全点検のために少し時間がかかったとか、道路が閉鎖になったため運搬に少し時間がかかったということはあったが、ガソリン供給については、ほぼ問題が解消している。
  • 現在は、九州電力の非常電源対応用に軽油を切らさないよう供給するというオペレーションを中心に行っており、石油供給についてはご安心いただきたい。
(委員長)
  • 大変な事態ではあるが、各位にはご努力いただき、一日も早い復旧をお願いしたい。
  • それでは議事に入る。

前回の御指摘事項について

(事務局)
  • <資料3,4説明>
(委員長)
  • まずは「前回の御指摘事項」について議論いただき、その後「導管整備方針」について議論いただきたい。
(委員)
  • 経過措置料金規制の解除手続きの点について2点、意見を述べる。
  • 1点目。基本的に「都市ガスへの新規参入」と「消費者の側でスイッチが起きる」ということが経過措置料金を解除する条件だと考えている。スイッチが0件でも経過措置が課されない事業者が生じ得るということは、消費者の選択という圧力が働かない中で自由化になる可能性もある。自由化されたからといって、乱暴な値上げを行ったり、十分な説明がないままにサービスの変更や値上げを行ったりする事業者が出てくれば、自由化は良くなかったのではないかという評価になってしまう可能性もある。この点を経済産業省やガス事業者に認識していただきたい。前回の委員会で適正な競争関係について確認しながら総合的に判断するという回答だったと認識している。この点を外さずに判断していただきたい。
  • 2点目。解除の手続きにおいて、パブリックコメントを全部の事業者に実施するという意見を採り入れていただき、ありがたく思っている。パブリックコメントで意見が寄せられれば、それも判断の一つになると考えている。
  • 現時点で、どのような指摘があるか想定できないが、寄せられた意見と、それをどのように評価し、判断したのかという過程をきちんと記録に残して公開していただきたい。
(委員)
  • パブリックコメントを行うことについてはありがたく思う。解除に関しては解除するときに行うことになるのだろうが、指定する事業者については、自由化が始まった後でないと本当に事業者の競争が起こっているか消費者には分からない。それ以前に都市ガスの自由化を消費者がどれだけ認識しているか。その上でのパブリックコメントでないと意味がない。まずは来年の4月から都市ガスも自由化するという告知からパブリックコメントが始まるのではないか。
  • 現在までに多くの消費者団体から、消費者の意見として、経過措置料金については要望が出されている。まずはこれが一番大きな、国民のパブリックコメントであり、それを無視せずに進めていただきたい。
  • LPガスについて、前回の議論の中で、何をもって不当な値上げとするかという基準ははっきりしていないが、提出した資料のような料金改定に関して、自由化後に不当な値上げとして注意勧告をすることは難しいのではないか。こうしたことが起こらないような措置として、ぜひ経過措置料金については考慮していただきたい。
  • 消費者にとっては都市ガスの自由化というのはあくまでも都市ガスの事業者同士の競争があってのことであり、LPやオール電化といった他燃料に変えられるから既に競争が起きていると見ることは、消費者側の意見を無視している。自由化後の競争が起きていることを検証するという形で進めていただきたい。消費者の代表としての立場としては今回の案は受け入れられない。
(委員)
  • 全ての一般ガス事業者、簡易ガス事業者に対してパブリックコメントを実施することは望ましいと考えている。
  • うまく捌くための手立てを併せて考えていただきたい。色々な主張が入り乱れてくると思うが、総合判断の材料として、しっかりと対応していただきたい。
  • パブリックコメントはテクニカルな領域のものと考えており、全面自由化の例外措置である経過措置料金規制の趣旨や目的、パブリックコメントで何を求めるのか、といったことを明らかにした方がよい。例えば、自ら敢えて競争を怠って客を奪われるような企業戦略は決して好ましいものではなく、そのような例をパブリックコメントで事実として明らかにすることは有益なので、そのようなことを誘導するような説明書きがあると好ましい。したがって、説明の工夫についても考えていただきたい。
(事務局)
  • 都市ガス同士の競争があるまでは経過措置を適用すべきではないかという点については、都市ガスが他燃料と競合する財であることは既に説明したとおりである。こうした競争関係を背景に、法律上も電力とガスとで経過措置の扱いを変えていると考えている。
  • 自由化の周知については指摘のとおりと考えており、今後行政としてもしっかりと取り組んでいく必要があると認識している。
  • この場でLPガスについての回答は差し控えるが、都市ガスはガス事業法において、料金値上げに関する手続きについて供給条件の変更を行う場合には、法律上の事前説明義務、書面交付義務が課される。これにより、需要家に対して必要な情報の提供が適切に行われるものと考えている。
  • パブリックコメントのやり方については、極力丁寧な進め方を心がけたい。
(委員)
  • 経過措置料金の指定解除に際して、パブリックコメントを全事業者に広げたことは、良い判断であり、支持したい。
  • 地域ごとに競争状況は異なっており、適切な競争関係にあるか否かを一番よく分かっているのは当該地域に住む消費者であることを踏まえれば、その全ての消費者に意見を言う機会が与えられることは良いことである。
  • 経過措置規制の指定および解除の判断は、国が行うとされているが、ここで言う「国」とは、具体的にはどこなのか。
(事務局)
  • プロセスとしては、電力・ガス取引監視等委員会の意見を聞きながら、資源エネルギー庁として判断をしていくこととなる。
(委員)
  • 二重導管規制について。公共財として、法的分離まで実施してパイプラインの公平性を保つような措置をとっていることから、全部を競争財とせず、一部分を競争財にし、残りはネットワークのため、つまり託送料金の低減や延伸を可能とすることに使っていくという、当初の事務局案の考え方は妥当であると思った。
  • 今回、伸び率に関しては、その全部を競争原理の中に入れている。仮に既存事業者が需要の半分を取ることができれば、当初の事務局案と同様の構図になるのであろうが、下手をして全部取られてしまえば、もはや延伸の問題や託送料金低減などは考えられなくなる。50%は競争原理に晒し、残り50%は他の考え方に拠るという、当初の事務局案が妥当ではないか。
(委員)
  • 成長の伸びを、新規事業者と既存事業者の需要家で半々に分けるという考え方はどうなったのか、確認したい。
  • ネットワーク需要の伸び率について、直近3年間は低い傾向がある。また地域によって需要の伸び率が違っていること等を考慮すると、需要家の利益阻害性を考える必要があり、行政として、地域や事業者のコスト削減の状況等を含めて、丁寧に見ていただきたい。
(委員)
  • 需要調査・開拓費については、「需要調査・開拓費を託送料金に上乗せしたら、その伸び以上にネットワーク需要が伸びることを見込んで、託送料金に含む」との趣旨だと思っている。今回の二重導管規制の議論は、一部の需要が託送供給不可能ガスにシフトする話だと思うが、その話と需要調査・開拓費の話のつながりが不明。
(委員)
  • 今回の自由化を受け、託送料金は競争の中で下がっていくべき、というのが大原則であり、当然、需要家としては、それを期待している。需要家の利益阻害性については、上がらないだけでなく、下がることに対する逸失利益も含めて評価いただきたい。
  • 結果的にガスの需要の伸びは、例えばCIFベースのガスの輸入価格の変化、震災に伴う自家発の需要増や、震災に伴う電力代の上昇等、様々な複合要因の結果と考えると、4年後の検証の中で、どのような内容で検証するのか。最終的に、ガス料金の低下、託送料金の低下が等しく共有できるよう検討していただきたい。
(委員)
  • 今回の事務局の提案のとおり、4.5%を支持する。
  • ガスシフトとは、日本全体でエネルギーをガスに切り替えていくことであり、新規参入者が売るガスも当然、ガスシフトに入っている。この点については、利益阻害性のない範囲でできる限り自由にし、競争によってガスの価格が下がっていくことが、まさにガスシフトだと思う。
  • 託送料金のことだけではなく、生ガスをそのまま使える需要家の利益も当然、トータルに考えて、全体として本当によかったのかを数年後にきちんと見直すことには賛成する。そのときに託送料金のことだけを見ることは、やはり、明らかに誤っていると思う。全体の利益を、数年後に見直すときにきちんと考えることが正しいと思う。
(委員)
  • 導管近辺にあるところしか利益はなく、需要が一定で伸びない状況がこれから続くということであれば、流れている量は全く同じで託送料の低減にはならない。逆に、量が少なく、ガスの新規参入が少ない場合託送料は上がる。
  • 関係のない第三者の託送料が上がることに関しては不公平な面があり、ガスのネットワーク需要の増大分をその平均値で仮定して、それを全て競争の範囲に晒すことは、公平性の面から、多少問題があるのはないか。
(委員)
  • 私は、今回の事務局案の、年数をなるべく長く取り、託送ニーズをしっかりと見る立場に立った説明は、合理性があると見ている。何よりも3年で4.5%のレベルであれば、ダイナミックな競争が期待できるので、これを支持したい。
  • しかし、やはり、4年目以降に精査することは非常に重要で、その精査は3年4.5%という数字を修正することもあり得るという前提で、検証という形で新規参入者も協力すべき。
(オブザーバー)
  • 未熱調導管による既存需要への供給が可能となれば、既存ネットワークから一部の大口需要家が離脱する。その結果、未熱調導管を選択できない多くの需要家の託送料金の原価が上昇し、託送料金の値下げが難しくなる、あるいは、値下げの幅が小さくなるような事態が生ずるのではないか懸念している。
  • この制度では、未熱調導管の延伸も可能になるが、これにより、今後の諸々の導管網の整備が、効果的・効率的に進まなくなるのではないかという懸念も抱いている。
  • この事務局案に対して、様々な懸念を持っており、ぜひ引き続き、ご議論・ご検討いただきたい。
(事務局)
  • 当初の考え方からの変更について。理由の一つが、安価なガスを使うことによる日本の産業競争力の強化を考えるべきではないかという点。また、仮に二重導管規制の見直しによって、大口需要家の獲得競争が促されれば、その果実は全ての需要家に還元され、全ての需要家の利益が増進することになると考えている。以上2つの理由によって、新しい考え方を提示させていただいた。
  • 料金のご指摘、あるいは、地域ごとに需要が違うのではないかというご指摘については、事務局として「3年4.5%を原則とするが、仮にその範囲内であっても、この需要が離脱して、託送料金が上がるような状況になれば、そうした別の導管での供給は認めないという例外規定を設けたい」との提案を行っている。
  • 4年目以降は、導管の延伸に悪影響が生じていないかという点や、4.5%に至っていない場合はその残分をキャリーオーバーできるかどうか、また4.5%といったような上限を設けることがそもそも適正かどうか等を十分見極めながら、しっかりと検討していくべき。
  • 新制度では、需要調査・開拓費につき、託送料金原価に算入することを認めている。調査・開拓を行う者としては、新規参入者である可能性も十分にあり、ネットワーク需要を伸ばせば、二重導管によって離脱が生じるため、しばらく需要を伸ばすことは控えようということを、一般ガス事業者の小売部門だけがコントロールすることにはなってない。
(委員)
  • 二重導管規制問題に対する議論は、自由化に直接関係あるのか。単に大きな需要をどう取り合うかの議論にしか聞こえず、小口が自由化することに対して、二重導管の問題がどのようなインセンティブとして働くのか不透明。
  • 託送料金が下がるはずだったのに、下がらなくなるのか、それとも、価格が下がるはずだったのに、下がらないのかは、消費者の立場から見ると、やってみないと分からず、どちらの言うことが本当に正しいのかは判断しかねる。
  • そのような意味では、この「4.5%」という数値が、本当にその数値が正しかったのかどうかについては、きちんと確認していただきたい。
(委員)
  • 先程の事務局からの回答の中で、例外規定を設けることに言及されたが、これは、特定の導管についてだけ個別の認可を与える特例認可のようなものを例外的に規定するということを含んでいるのか。
(事務局)
  • 二重導管規制の本質は需要家利益の阻害性だと認識しており、託送料金が上昇するか否かで判断すべき。例えば、その需要が脱落すると託送料金を上げざるを得ないという状況になれば、4.5%まで至っていなくとも、別の導管での供給にストップを掛けるとの趣旨。
(委員)
  • 二重導管規制は、今までのガス事業の在り方として、かなり大きな制度の変更であろう。制度変更のインパクトをしっかり見ることが重要なので、単に数字のみならず、制度としてどう回っているのかという観点で、ぜひ検証していただくようにお願いする。
(委員)
  • 「託送料金の低下がとても重要」と複数の委員が発言しており、その点については同感だが、託送料金の低下と言うのならば、本来一番手っ取り早いのは、厳格な査定をしてきちんと下げること。
  • 3年4.5%であれば、競争のリアリティが考えられる。「需要が急激に減るため、4.5%でも相当不味いことがあり得る」という事業者も確かにいるかもしれないが、本当に問題になるのかと若干疑問に思っている。例外規定もあり、現時点ではそのような類のことについては、ほぼきちんと手当てできているのではないかと思う。
(委員長)
  • まず、二重導管規制については、先ほどの委員の発言がすごく本質を突いており、やはりどのようになるか分からないことが実際にあると思う。
  • 本小委員会は制度を決める場であり、実際どのようなことが起こるか分からないので決められないという訳にいかないので、3回ほど議論してきたが、本日の議論を聞く限りは、4.5%の上限について大きく反対された方はいなかったと認識している。その意味では、事務局提案で、今回の制度改正に当たっては、4.5%の上限の中で二重導管の問題を処理できるのではないかと思っている。
  • ただ、いくつか懸念点はあった。色々な右左からの見方があって、懸念が杞憂か否かということはあると思うが、先ほど事務局からの説明にもあったように、その辺りを上手く斟酌しながら、例外措置、例外規定もあることなので、そういうところを使いながら進めていただくことを委員会の総意としてよいのではないかと思う。
  • もう一つ重要な点は4年後の検証と見直しの点である。この点については、複数の委員から指摘されているので、事務局として考えていただき、よい方向の改正になるような我々の結論としたということでお願いしたい。
  • 経過措置については、消費者代表の委員から懸念が示されている。基本的に総合判断の在り方の問題、パブリックコメントの内容については重要な問題だと認識している。まだ、納得いかないところもあるかと思うが、最終的に総合判断ということで任せていただき、内容を詰めていく。事務局には、本日出された意見を酌んで対応をお願いしたい。その上で我々としてはここで提案されている経過措置料金規制の問題について了承することとしたい。

導管整備方針について

(委員)
  • 「3 供給安定性の観点からの評価について」の観点についてガス安全小委員会の中間報告書を拝見したが、本文がとても簡潔に書かれている資料であり、本当にこの設定が適正なのかがわからない。
  • 例えば、南海トラフ巨大地震を想定し、泉北第一の電気系統の機能が停止しても、残りの泉北第二や姫路からのバックアップにより製造能力の確保することが可能と書かれているが、泉北第二や姫路の電気系統は停止しないのか。本当に適切な仮定なのかどうかを吟味する必要があるのではないか。
  • 先日熊本で、震度7の地震が連続して2回発生するという事態が実際起きている。建築基準法で定めている耐震設計基準では、今回の地震のように連続して震度7が来るということを想定しておらず、1回の大きな地震に対応した耐震設計になっているそうである。この観点について、ガス安全小委員会の報告書の中では議論されていないのではないか。
  • 地震の外力に地域係数をかけて、地域ごとに外力を設定しており、例えば、今回熊本は今まで地震が多くなかったので、地域係数は低く設定している。ガスのインフラに関しても、そういった耐震設計における地域係数のようなものがあるのではないか。その辺りがどうなっているのかを検討してみる余地もあるかもしれない。
(委員)
  • 結論から言うと、今回の事務局の提案を全ての点で支持する。この方針でいいのではないかと思う。
  • 震災前の電気の報告書において連系線の増強を議論した際、事業者の「現在の設備で十分であり、増強する必要はない」という説明に対し、第三者がそれを追認するという形で増強は必要ないとの結果を出した。事業者としては、自分たちの利益にならないため増強したくないとの意見はよく理解できるが、結果的に愚かな結論を出し、震災後に大いに反省することになった。
  • そのような事実を見てなお、ガス安全小委員会の報告書は震災後に出たものであり、電気の経験を十分に踏まえた上で、中立的な組織であるガス安全小委員会が確実に検討し、こうした結果を出したのだから、私たちは受け入れざるを得ない。ガス安全小委員会の結論に関して、本当にこれが正しい判断なのかどうかは、本委員会では責任を負いかねる。専門的な委員会が出した結論に基づいて考えれば、合理的な提案と言えるだろう。
  • 実際に仙台で起きたような悲惨なことが三大都市圏で起きた場合、ガスシフトなどという議論はすべて吹き飛び、ガスに対する信頼は失われ、ガス安全小委員会の信頼性も完全に損なわれる。大惨事が発生した際に消費者が信頼しなくなることがないように、事業者には安全投資に関して十分すぎるほど確実に取り組んでいただきたい。
  • ガスの地下貯蔵に関しては、経済性の観点から見て調査をすることはとても良い点だと思う。これは経済性に加えて、結果的に安定供給にも相当資すると思われる。三大都市圏をつなげるパイプラインの検討より、ガスの地下貯蔵を先に考えるほうが、時間の点、コストパフォーマンスの点、および安定供給の点からもリーズナブルな選択だと思う。加えて、安定供給にも資する効果があることを決して落とさないように、フィジビリティスタディを実施していただきたい。
  • 長期的に見て、日本全体の供給安定性を考えると、やはり、電力の基地、ガスの基地、ガスパイプラインを総合的に考えることが重要だと思う。今は残念ながらその段階にはないと思うが、そのようなことを議論する段階で、もう一度日本全体の供給安定性について、どこかで考えていただきたいと思う。
(委員)
  • 広域のパイプラインがつながると、その地域を越えた相互参入という競争が活発になるのではないかと思うが、そのような地域を越えた競争が活発になるという視点は分析されるのか。
  • 費用便益分析を行うとのことだが、その結果が出た後は国としてどのようなことを考えているのか。
  • コストとベネフィットを分析した結果、まだ民間では進んでいないとすると、民間に任せているだけではなかなか費用対効果が合わないということであるので、補助金等の国による支援も必要になるのではないか。
(委員)
  • 供給安定性の観点からの評価に関し、事務局案については科学技術的な知見からも言えることだと理解した。但し、セキュリティーやレジリエンスという言葉に代表される国土強靱化や、競争活性化といった政策の方向性から申しあげると、広域パイプラインの意義は大きいことは確認させていただきたいと思う。
  • 天然ガス地下貯蔵の開発、本格的な活用にはコストがかかると思うが、是非その低廉化を目指し、ガスの卸取引にも活用できるように繋げていくことが望ましいのではないかと考える。
(委員)
  • 導管を延ばしていくという事務局案は、大変良いと考えている。
  • 従来、ガスパイプラインを増やしていこう議論において、供給安定性と経済合理性が両立せずに、難しいという結論になりがちだったと記憶している。そうした中、ガス安全小委員会の中間報告書を前提とし、経済合理性の方に真正面から切り込んでケーススタディをしていくという今回の事務局提案については、本当にすばらしい取り組みだと考えている。
  • 今回の事務局提案の背景には、単に地域を繋ぐだけではなく、地下貯蔵という新たなハブのようなものを、国としてどのように活用することができるかという切り口があったことが大きいのではないか。事務局説明のとおり、現在法制度上LNG由来のガスは地下貯蔵できないことから、事務局提案のとおり、法制的論点も併せて整理していただきたい。
  • 気になるのは、資料4 p13において「天然ガス地下貯蔵のサイトの実績は3社5サイトで小規模」と記載されている点。今回は行わないとしても、個別のパイプラインの経済合理性のほかに、地下貯蔵の今後の潜在能力、潜在活用量のようなものや拠点、サイトの可能性についても、合わせて提示いただけると良いのではないか。
(委員)
  • 広域天然ガスパイプラインの整備の重要性に関しては全く異論がない。パイプラインを繋げるためには、需要家が天然ガスを選択し、パイプラインが伸びていく必要がある。そのためには環境性の向上やコジェネレーションによるサプライチェーンの強靱化等に資する「需要家の天然ガス利用」に対するインセンティブが必要。
  • 資料4 p15の記載について、日本がLNG輸入国であるにかかわらず、地下貯蔵の施設が少ないことには非常に驚いた。要所要所に地下貯蔵施設を整備していくことは、これからの国土強靱化政策の推進にあたっても非常に重要なことであり、積極的な政策が必要になるであろう。
(委員)
  • 天然ガス利用促進のための導管整備の部分では、パブリック・ファンドを投入しようとの考えが念頭にあるのだと思うが、そうする以上、費用便益分析は手続きの一部として当然行うべきであり、その点に関しては賛同。
  • ただし、特に便益の部分はとても不確実な要素が多いことも当然踏まえた上で、結果を考察し、最終的な総合判断をするというスタンスは、維持しなければならないと思っている。
  • 平成24年の天然ガスシフト基盤整備専門委員会の下の研究会では、例えばガス需要関数の推定につき、データもほとんどなかったため、かなり多くの仮定を前提条件として設定した。当然色々な経済情勢において、前提条件がぶれると、出てくる便益のばらつきも大きくなることを踏まえた上で、費用便益分析結果を参考にしなければならない点は懸念事項。
(委員長)
  • この問題については、今日結論を得るという目的ではないので皆さんの意見を伺えばよいのだが、いくつか質問が出たので、事務局から回答をお願いする。
(事務局)
  • 今回の震災も含めて、こちらで当時想定していた被害の想定が変われば、検討を再度行うことになると思うが、本来担当しているガス安全室が今日は震災対応で欠席しているため、一度預かり、次回以降に回答させていただきたい。
  • 費用便益分析の後の扱いについては、先生方ともご議論させていただきたい。例えば、電気で広域機関が連系線について果たしている機能のように、国や事業者や委員会が提案、検討し、裨益しうる地域で幅広くその費用を負担するといった仕組み等を、今後議論することもあり得る。
  • 地下貯蔵の活用量については、さらに精査をして、次回以降回答したい。
  • 今日いただいたご意見を踏まえ、次回以降にご議論いただきたい。
(委員長)
  • 費用便益分析については、また委員に相談することになると思うが、よろしくお願いしたい。
  • 今後の予定について事務局から説明をお願いする。
(事務局)
  • 次回第32回については、5月24日に開催することで委員の了解をいただいている。議題は追って連絡する。
(委員長)
  • 以上をもって、第31回ガスシステム改革小委員会を閉会する。

以上

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最終更新日:2016年5月19日
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