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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第32回)‐議事要旨

日時:平成28年5月24日(火曜日)10時00分~12時10分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

山内委員長、池田委員、引頭委員、大石委員、柏木委員、橘川委員、草薙委員、樋口委員、福田委員、二村委員、松村委員、深山委員

オブザーバー
一般社団法人日本ガス協会 幡場副会長・専務理事
一般社団法人日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
関西電力株式会社 グループ経営推進本部 松村副本部長
国際石油開発帝石株式会社 天然ガス供給本部 天然ガス供給ユニット
奥園ジェネラルマネージャー
石油資源開発株式会社 中島経営企画部長
一般社団法人全国LPガス協会 内藤専務理事
石油連盟 奥田専務理事
総務省 自治財政局 公営企業経営室 福西課長補佐
消費者庁 消費者調査課 澤井課長
公正取引員会 調整課 井堀課長補佐
経済産業省
吉野資源エネルギー政策統括調整官
電力・ガス取引監視等委員会 松尾事務局長、都築ネットワーク事業監視課長、新川取引監視課長
電力・ガス事業部 畠山政策課長、藤本ガス市場整備課長
資源・燃料部 田久保石油流通課企画官、定光石油・天然ガス課長
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

LNG市場戦略について

(山内委員長)
  • 第32回ガスシステム改革小委員会を始める。
(藤本ガス市場整備課長)
  • <オブザーバー紹介>
(山内委員長)
  • それでは議題に入る。
  • 本日はまず、先日G7のエネルギー大臣会合の場で発表されたLNG市場戦略について、事務局から説明いただきたい。
(事務局)
  • <資料3説明>
(橘川委員)
  • LNG市場戦略非常にタイムリーな指摘で方向性としては正しいと思うが、本気で政府はやる気があるのかを伺いたい。本当にハブになるためには、ヘンリーハブにしても、ナショナルバランシングポイントにしても、活発な取引が大前提。
  • 今の日本のエネルギーミックスでは、現状8,800万トンの天然ガスが2030年では6,200万トンに減るという見通しになっている。これから伸びてくるアジアの需要を見ても、例えば、シンガポールにハブを作る方が合理的ではないか。
  • 港湾の接続審査の迅速化や、流動性がある基地の必要性に言及されていたが、現状本格的なリロード施設としては袖師基地が挙がるぐらいであり、その状況で本当にやる気があるのか、また、やれるのかどうか、非常に疑問である。当然、タンクの第三者利用と関わってくるが、まずは、この市場戦略自体の実現可能性を、もう少し突っ込んで確認したい。
(松村委員)
  • LNG市場戦略に書かれていることには、ほぼ全面的に賛成。橘川委員がご指摘のとおり、例えばシンガポール等にハブができるということが仮にあったとしても、日本のほうが非効率的であったために負けたのではなく、日本が十分効率的になって対抗することになったとしたら、仮に国外にハブができたとしても、非常に効率的な市場ができるはずであり、それは日本にとってもとても良いことになるはず。効率的な市場が世界全体で作られることに資するように、是非なっていただきたい。
  • そのためには、多様なプレーヤーが入ってくることが最も重要。今までの天然ガスの購入価格について不利な条項にもかかわらず高い水準で買っていた。市場化されることによって多様なプレーヤーが入り、その結果、だらしない買い方をしていたら市場で生きていけなくなるという状況をつくることが、基本的にとても重要ではないかと思っている。
  • LNG市場戦略には全面的に賛成するが、若干、手ぬるいのではないか。例えば、仕向地条項の撤廃に向け努力していくことは全く間違ってないが、これはずっと言われていることである。例えば、経過措置料金の査定の段階で、仕向地条項があり安く買えて当然だったものを高く買ったものに関しては、高く買った部分については原価算入を認めないとか、原料費調整制度を適用する際に、仕向地条項がついているものは低い方の連動しか認めないというようなことを考えれば、きちんと交渉してもらえるのではないか。
  • このような強権的な手段は他の手段を尽くしたあとの最後の手段ということで、採用されていなかったが、それでもなお仕向地条項を撤廃できないなどというような状況になったら、強権的な手段も真剣に考える必要があるのではないか。
(草薙委員)
  • LNG市場戦略には全面的に賛成。日本はLNGの世界最大の消費国であるため、レベルの高いLNG調達者として動くべきであり、ハブを目指すことは大変頼もしい。是非、この方向で日本の新しい立場を世界に発信していただきたい。
  • 仕向地条項について、ヨーロッパはパイプラインガスとLNGを共用している点で、撤廃に有利に働く事情もあるが、法的な評価として、そもそも仕向地条項には問題があると考えている。日本にも、仕向地条項の緩和・撤廃を是非求めていっていただきたい。日本は仕向地条項に対して法的にどのような見解を持っているのか、聞かせて欲しい。
  • LNGハブについて、空港におけるハブは競争の観点から議論されることが多いが、資料3で説明されたLNGハブは、アジアのハブとして協調路線をとるベクトルかと思われる。競争の観点からどのような思惑を描いているのか、また、将来的にハブ同士の競争を想定して議論しているのか。
(柏木委員)
  • ジャパンハブの実現にはオープンかつ十分なインフラの整備が必要と書かれており、既存のLNG基地への第三者アクセスを、このガスシステム改革の一環として捉えている。
  • しかし、単にオープンにさえすれば国力が増強するかと言えば、そう簡単ではない。やはり、国家間のコンセンサスが得られなければ、グローバライゼーションの中でのハブ形成は難しい。
  • 先日のG7エネルギー大臣会合で林大臣が発言した方向へと日本が進む点に異論はないが、DOE米国エネルギー省の意見を踏まえつつ進めることになる場合、米国の要望が相当反映される可能性がある。健全な市場の形成は日本だけの考えではできない。まず国営トレーディング基地を整備すべきであり、既存の基地の第三者アクセス許可はその次のステップではないか。
  • まず我々がすべきは需要の統合である。東京電力と中部電力がJERAを設立したが、まとめ買いによって長期でも安価で購入できるようになる。このように需要を統合しつつパイプラインを延伸し、需要を喚起することによって、国内で安定した天然ガス需給構造を構築していくことが先決である。
  • これと並行して、国策としてジャパンハブを作るのであれば、それなりの順番があるのではないか。順番については、まずトレーディング基地を国力で整備する。そして、この基地を完全にオープンにして、諸外国にも販売でき国内へもスポットで購入してくることができるようにすれば国力も増大する。これにより価格も低減され、ボラティリティも一定の大きさに収まるのではないか。
(定光石油・天然ガス課長)
  • 橘川委員から発言のあったエネルギーミックスとの関わりについて。ガスが市場ベースで透明に取引され、価格が形成されるということになれば、ガスのエネルギー財としての魅力が高まるということになるのではないか。よって、松村委員から発言があったように、このような取り組みを進めること自体が、ガスの需要拡大につながっていくという面はあるのだろうと思う。
  • シェールガス革命の効果として、グローバルにガスがしばらくは安価であるということを、今のエネルギーミックスで十分、勘案しているのかという観点からの検証も必要になると思う。今、我々としては、現在のエネルギーミックスにしたがって、様々な制度整備を進めているが、このLNGの市場整備については、3年、4年おきのエネルギーミックスよりも長い視点で取り組みが必要になると思っており、様々な状況変化やLNGの市場整備の取り組みも踏まえながら、新しいエネルギーミックスを議論していくことも含めて考えていくべきではないかと思う。
  • 海外の色々なハブの共存や、シンガポールとの関わりについて、柏木委員、草薙委員、橘川委員からご意見をいただいた。まず、ハブの共存はあるべきだと思う。アジアの中で、日本だけがハブを独占する必要はなく、韓国にあってもよし、上海にあってもよし、シンガポールにあってもよしと思う。それぞれがそれぞれのリージョナルな値段を発信しながら、お互い裁定が働いていくことになる。その中で日本の優位性はどれぐらい見込みがあるのかについては、おそらく人によって、色々な考えがあるかと思う。
  • シンガポールの関係者と議論する機会があったが、シンガポールは政府主導で、3セクがLNG基地を作り、トレーダーに開放し、証券取引所と連携して価格の指標を定期的に発表しており、国主導で首尾一貫した取り組みが進められている。日本にとって有力な競争相手かと思う。ただし、シンガポールがハブになるかというと、シンガポールが引き取っているLNGの量は日本に比べ10分の1、20分の1以下であり、物が集まっている量は圧倒的に日本の方が多く、日本にも十分ハブを目指しうる素質があるのではないかと言う方は、シンガポールの関係者にも少なくない。
  • LNG市場戦略がフィージブルなのかについては、この場で委員の方々にさらにご議論いただき、オープンな基地や、色々なインフラ整備の議論をあわせて進めていくこと、関係省庁との連携を進めていくことなど、様々な課題があろうかと思う。
  • その中で一番大事なことは、松村委員の発言にあったとおり、色々なプレーヤーが入ってくること。電力会社、ガス会社、日本の国内でLNGを調達している事業者だけでは、決してこのような市場は立ち上がってこない。多様なLNGを持ち込む人、評価をする人が集まって、そのような人たち同士で売り買いが起きることが重要。これは、電力会社、ガス会社にとって、直ちにマイナスの作用だけではなく、自社でタンクや一定量のLNGを抱えなくても、自由にやり取りできるよりフレキシブルなマーケットが隣にできるということであり、より多様なプレーヤーが参加しながら、皆がその市場の恩恵を感じ、需要も広がっていく、というサイクルがどのようにしてできていくかという点が肝なのではないかと思う。
  • 仕向地条項について、手ぬるいのではないかという指摘について、ヨーロッパではすでに競争法上違法であるという判断を下して、EUからは仕向地取引を一掃した経験がある。我々も公正取引委員会とも情報交換をしているところである。ただし、民間企業も頑張っており、アメリカの仕向地条項の無いガスが出てくるということで、よく状況を見ながら、さらなる必要な手だても決して排除せず研究をしていきたいと思う。
  • 柏木委員からの「国営の基地がまずあるべきではないか」との御指摘については、おそらく一つの考え方かと思っている。他方、欧米の例を見ていても、国主導でインフラを作ったから、そこで流動的な市場が立ち上がっていったという事例は、少なくとも私は思い出せない。国主導である必要がどこまであるのかという議論が必要。LNG基地は欧米では、パイプラインの一部としてパブリックインフラと位置づけ、国営ではなく、料金規制の下で成り立っているという事例も少なくないと認識しており、国が作ることが決して一つのやり方ではないと個人的には思っている。その点も含め、これからの議論に委ねたい。
(山内委員長)
  • その他、この問題について発言の希望はあるか。
  • 議事を進めさせていただく。次は本日のメインの議題であるが、「小売全面自由化の詳細制度設計等」の中で、「LNG基地の第三者利用制度」と「導管整備方針」について議論をお願いしたい。まず、事務局から資料5について説明いただき、その後議論したいと思う。
(藤本ガス市場整備課長)
  • <資料5説明>
(山内委員長)
  • それでは議論いただくが、まず「LNG基地の第三者利用制度」について議論いただき、その後に「導管整備方針」について議論いただきたい。
(草薙委員)
  • ガス製造事業者が公表すべき事項について、LNGの貯蔵余力の見通しについて、ガス製造事業者とガス小売事業者間の情報遮断は当然なされた方が良いと思うが、いかがお考えか。
(大石委員)
  • 今回対象となっているLNG基地には、都市ガス専用以外にも、例えば、火力発電所のための基地も含まれるのか。今、都市ガス導管に繋がっていないところもパイプラインで繋げることによって、先ほどのLNG市場戦略に資するのではないか。
(奥田オブザーバー)
  • 石油業界からの要望も反映していただき御礼申し上げる。
  • 石油業界としては、これから申し上げる4点について、最終的な省令やガイドライン等で明らかにしていただくようにお願いする。
  • 1点目は、LNG基地のオープンアクセスにつき、消費寄託方式による第三者利用のより積極的な位置付けをしていただければと思う。
  • 2点目は、「第三者利用を拒否することができる正当な理由」で「需要減リスク対応幅」等につき、事業者として合理的な考え方が提示されるようにお願いしたい。
  • 3点目は契約期間について。期間について一律な方針を示すことは難しいとは承知しているが、15年以上という長期契約を需要家と締結することもある。
  • 最後に4点目は、製造事業者と第三者の間において、不当な扱いがあった等の場合にも、資源エネルギー庁や電力・ガス取引監視等委員会が適宜関与するような体制の整備をお願いしたい。
(深山委員)
  • 今、基地のタンクにここでいう余力があるのか。事業者は、過剰な投資を普通はしないだろうと考えており、それほど大きなインパクトのある話にはならないような気がしている。
  • 他方、新規にガス事業に参入してくる事業者にも、応分のリスクを負ってもらうことを前提にして、ガス事業全体のパイを増やすことにつなげていく一つの手段としてこの第三者利用制度を捉えていくといいのではないか。
  • 最終的には多様な小売につなげていく一番川上の部分の仕組みとして、基地利用についても柔軟性を持たせるような発想で、制度設計をしていただくと非常に将来につながる話になるのではないか。
(山内委員長)
  • 発言が続いたため、ここで一旦事務局より回答をお願いしたい。
(藤本ガス市場整備課長)
  • 草薙委員から質問があった情報遮断については、法律上92条で措置されている。
  • 大石委員から質問のにつき、火力発電用の基地がガス事業にも使用される場合は対象となるが、発電専用の基地は、ガス事業法で対象にすることは難しいため、今回は対象とならない。
  • 石油連盟・奥田オブザーバーからのコメントは、今の深山委員からのコメントにも関わるが、まず、タンクの一部を共用する形は、拒否する正当な理由にあたらないと整理。この制度の中で、まさに柔軟な、多様なビジネスモデルが出てくることを、我々も期待。
  • 余力ではない範囲が過剰とならないようにとの点であるが、仮に第三者との間で紛争になった場合には、国に対して、正当な理由を製造事業者が説明をすることとしており、過大に見積もっていれば、当然、見直しを求めていく。
  • あまりにも長期の契約となり、その間の余力が十分見通せないとの理由による拒否は、さすがに妨げられない。国としても場合によってはその判断の合理性の確認を行う。
  • 紛争になった場合には説明を必ず求めるが、拒絶されていない場合であっても、何かあればいつでも相談に応じるため、遠慮なくご相談いただきたい。
(松村委員)
  • LNG基地は競争部門に係る設備であり、リスクをとった上で多額の投資を行ってきたとの記述に関して。そのような立場でルールが設計されている点は否定しない。
  • しかし、総括原価と地域独占、公益事業者特権に守られていた時代に建設された施設を、完全にリスクをとり民間の力による成果と同一視してもよいのかという発想は当然である。
  • 日本でもLNG基地は基本的にパイプラインの末端に接続しており、ある種の公益的な性質を持っているネットワーク施設であると捉える発想は、現在の日本では採用されていない。パブリックな側面があるにも関わらず利用が促進されないという状態になれば、この考え方を改めることも長期的課題の一つとなる。
  • 自由に価格設定してもよいという考え方もあり得るがやはり「内外無差別」とすべきなのではないか、という内容が示されている。極めて合理的な提案であり、支持する。
  • さらに、コストベースという観点から、余りにも不当な料金提示があれば行政も一定の監視を行うと回答いただいたことから、「内外無差別」であればどのような不合理に高い料金を吹っ掛けてもよい訳ではない点も明言いただいた。
  • 正当な理由がない限り拒否してはいけないとは、原則として拒否してはいけないという意味である。例外として拒否を許容する理由が3点挙げられており、該当していることの挙証責任は拒否する側にあり、その挙証の正しさ等は第三者が判断するという制度であるべき。疑いがあれば拒否された側は行政へ申告し、行政も適切に審査を行うようにしてほしい。コストについても不透明さがあれば、積極的に行政へ訴えてほしい。
  • 最後に余力に関して。消費寄託方式であれば、かなりの程度の余力はあるということは、電気の料金審査の文脈ですでに明らかになっている。さらに言うと、ガス田への貯蔵、およびそれに連結するパイプラインについての議論は、(限界があるという議論と)直結しており、今後必要になってくると思う。
(柏木委員)
  • 「同一条件同一料金」の考え方を伺いたい。
(中島オブザーバー)
  • 現在福島県相馬港にLNG基地を建設中であり、将来的に、この制度の対象となる会社の立場で、「同一条件同一料金」について意見を申し上げる。
  • 第一に製造事業については、法律での会計分離は課されていないにもかかわらず、弊社の製造部門が小売部門に対して料金を課金するということは、それが仮にバーチャルなものであったとしても、実質的な会計分離の下でしか行えないものであり、法律で想定されていない義務が政省令で事実上課されることに違和感を覚える。
  • 第二に、ガスシステム改革小委員会報告書において、「余力については、基地事業者の主たる事業に支障をきたさない範囲とするとともに、基地建設のインセンティブを損なうことがないよう、留意すべき」と記載されており、報告書策定時に想定されていたインセンティブが、余力の範囲の開放に係わる同一条件同一料金という基本原則に盛り込まれているとは思えないという点である。
  • 第三に、ガスシステム改革小委員会報告書において「基地への出資者等への位置づけに留意して」と記載していただいている点について。LNG基地への出資者は、必ずしも基地利用を目的に投資するとは限らないため、自らの小売部門に対する料金よりも高い料金を設定することを初めから排除することは、そうした出資者の収益機会を制限するおそれがあると考えられる点である。
  • また、第三者に対して利用枠を与える以上、その第三者が実際にLNGをきちんと入れて、それに見合った料金を払っていただかないと、場合によっては、機会損失が生じる可能性もある。
  • 我々は、基地の余力を第三者に積極的に有効活用していただきたいと考えているが、そうした取り組みを積極的に行うためにも、詳細制度設計に際しては、ガスシステム改革小委員会報告書の趣旨に立ち返った丁寧な検討をお願いしたい。
(幡場オブザーバー)
  • LNG基地はそもそも競争部門の設備であるという前提、建付けであり、「同一条件同一料金」をガス製造事業者の小売部門に対しても求めることについて、反対の意見を述べたい。
  • 既存の基地事業者と第三の利用者の事業のリスクの差に対する配慮を欠いたまま「同一条件同一料金」を求めることは、既存事業者の経営において非常に厳しい措置であり、新しい基地の建設や既存設備の増強に対する投資インセンティブを著しく削ぐ可能性も否めない。
  • したがって、ぜひ、適正な競争環境の整備、また天然ガスシフト、インフラ整備等の幅広い観点からの検討を、引き続きお願い申し上げたい。
(藤本ガス市場整備課長)
  • 松村委員の指摘について。事務局としては、LNG基地は導管部門とは違う公共性を持つと判断し、小売事業や卸売事業の下流における競争促進、競争活性化の観点から、余力につき、第三者利用の制度を導入する形をとった。
  • LNG基地の第三者利用は、原則として正当な理由がない限り拒否できない。拒否する側に挙証責任があり、その点は、監視する側として、厳格に対処する。
  • 柏木委員からの指摘について、今回の制度では、正に様々なコストを加味したうえで、内外無差別の「同一条件同一料金」を求めている。
  • 石油資源開発の中島オブザーバー、日本ガス協会の幡場オブザーバーから、反対意見があった。第三者利用の制度を導入する趣旨は、下流の小売事業、あるいは卸売事業の競争活性化であり、上流のLNG受け入れ、あるいは気化の部分で基地を持つ者と持たない者に値差があるのは適当ではないということが、事務局提案のベースになっている。
  • 内外無差別の確認方法については、製造部門と小売部門の会計分離は求めていないため、この中でどう確認をしていくかという点について、詳細は今後詰めていきたい。
  • LNG基地の第三者利用制度が基地建設のインセンティブを削ぐのではないかという議論について。制度導入後の検証のタイミングで、基地建設のインセンティブが削がれていないか注視し、制度を変える必要があれば対応するのだと思う。
(福田委員)
  • 余力の範囲を考えるときに、短期スポット取引を促進するための見込容量部分を余力としてみなすのかどうか。
(橘川委員)
  • 先ほど松村委員はLNG基地を「限定された競争財」だと整理を行っており、そのような考え方の上でバランスをとり、このような案が出ている。基地が公共財であると言うのならば、もう一度、競争財か公共財かというバランスを取り直すところまで、今後議論が進む可能性があると感じる。
  • 長期的には、LNG取扱量は8,800万トンから6,200万トンに減少すると想定されている。将来的には基地は余ってくると考えるのが普通ではないかと思う。同一条件同一料金の考え方によって、第三者の料金をガス製造事業者の小売部門に対する料金より安くするという道を阻害しないでいただきたい。
(引頭委員)
  • 市場活性化のためのLNG基地の第三者利用のご提案について、全面的に賛成する。
  • 料金の考え方が外から分かるように基地で公表を行い、ぜひ適用後は役所も見ていっていただきたいというのが1点目である。
  • 2点目。今回の議論には全然書かれていないが、仮に、契約期間が終わった後に出ていかなかない場合、その退出についてのルールが、きちんとしていないような気がしている。借り手側の相談だけじゃなく、貸し手側からの相談も経産省でみていただきたいと思う。
(二村委員)
  • 第三者利用を促進する制度については、基本的には賛成であるが、やり取りをうかがっている中で、いくつか心配に思う点がある。
  • 一つは、この制度を運用した後、参入が促進されているのか、ガス料金に対してどういう影響があるか、あるいは新しいビジネスモデルが生まれているのかなど、そういった点について検証していく必要があると思う。
  • 紛争があった場合には資源エネルギー庁や電力・ガス取引監視等委員会に対して説明を求めるという内容が書いてあるが、どこに、どの様な権限があって、最終的にどの様なことができるのか、今後詳細化が必要。
(草薙委員)
  • 「実際にLNG基地の第三者利用を行う第三者が現れた場合は、当該第三者に対して求めるガス受託製造料金の考え方についても、資源エネルギー庁や電力・ガス取引監視等委員会に対して説明を求める」ことについては、恐らく知見を重ねることにも資すると思われるため、賛成する。
  • また、省令レベルで整備していかれると思うが、あまりに厳しい義務を負わせることは問題があると考えるため、そのようなことがないよう配慮いただきたい。
(樋口委員)
  • 今回ご提案いただいた製造設備の余力を第三者に開放して活用することは、原理・原則的に既存設備を有効利用でき、ガスの低廉化に寄与すると思う。また、同一条件同一料金で、競争の活性化に寄与する点についても、賛成である。
  • 第三者利用を拒否できる制度について、余力を利用している小売事業者が、契約更新によって需要家に対してガスを供給出来なくなるといった不具合が発生しないよう、契約について不利がない制度設計を是非お願いしたい。
(池田委員)
  • 今回のLNGの第三者利用に係る制度については、多様なプレーヤーが入ってくる市場環境を整備するという意味で、大変重要な制度設計だと思う。
  • 自分でリスクを負って設備投資した財産について第三者利用をさせる場合には、その投資インセンティブの保護とその下流における競争促進のバランスが常に問題になるため、その点についての検証は必要である。
  • 余力に対する考え方について、スポット取引等を活用して、柔軟に安価な燃料を調達したいというニーズもあると思うし、その部分を設備投資した会社が活用できることも含めて、事業に支障をきたさないように考えるべきではないかと思う。
  • 「第三者が活用し得る最大のタンク容量」について、余力の範囲については、柔軟に考えていいのではないか。
  • 利用料金をどう考えるかについては、公共財側で考えるのか、あるいは競争財側で考えるのか、またはその中間なのか、もう少し検討が必要ではないか。エリアによる特性も考慮した方が良いのではないか。
(藤本ガス市場整備課長)
  • まず、福田委員から指摘につき、既存事業者が短期取引・スポット取引での調達を行うことを予定して、その分を自分が使う分として確保する、ということもあり得ると考える。ただし、正当なのかどうかということは十分にチェックをする必要があろうかと考えている。
  • 橘川委員、他の委員からも指摘があったが、公共財と競争財のバランスがこの制度でうまく取れているかどうかという点については、今後検証していくことが必要。
  • 橘川委員から指摘のあった、安く売る道を阻害しないように、という点については、第三者に対して、自分よりも安く売ることは排除しているわけではない。
  • 引頭委員から指摘のあった、使用の仕方、条件が違う場合には料金差があり得る、ということはそのとおりと考えている。料金の考え方は約款の中で提示・公表していただく。
  • 契約が終わっても、出ていかないようなケースは、基地を持っている事業者の事業に支障が出ることもあり得るため、例えば違約金を取るといったことを契約で担保していくという対応かと考えている。
  • 二村委員の指摘である、情報開示を求めると調達に不利になるケースも出てくるのではないかという点を考慮して、公表についてはイメージでの公表にとどめ、守秘義務契約を結んだ上で、第三者のみに提示をするということも許容したいと考えている。
  • 正当な理由にあたらないと我々が確認すれば、是正を求め、是正を求めても変わらなければ業務改善勧告や業務改善命令を発することもあり得る、ということかと考えている。
  • 草薙委員から指摘のあった、料金についての説明は必ず求めるということになる。事業開始時に一括して料金設計を説明することも許容したもの。
  • 樋口委員から指摘のあった、余力の縮小は認めないということについては、十分に供給計画を見ながら余力の設定をしていただくことで、供給できなくなる事態は避けられるのではないかと考えている。
(山内委員長)
  • 残り時間が30分ほどになったため、次の導管整備方針について議論いただきたい。
(橘川委員)
  • これからFSをかけるルートの中の日本海ルートの最後の西側の出口について、かつての委員会で検討したときは多賀だったと思うが、三田が加わった理由を伺いたい。
  • また地下貯蔵を活用したルートの検討において、新潟側が非常に重要な戦略的ポイントになるが、新潟県知事とエネ庁との間の意思疎通はどうなっているのか伺いたい。
(草薙委員)
  • 費用便益分析を行うことについては、産業需要に対応する形であっても、いろいろな特徴を備えているはずであり、そのような趣旨から、さらにルートの数を増やすこともあり得るのか。
(松村委員)
  • 整備すべき具体的ルートとしての提案ではない点に留意が必要であるという点はもっともだと思う。しかし、今までもこの手のコストベネフィットアナリシスを何回もやって、それでもほとんど導管整備が進んでいない。経済効率性に合わないものを無理やり作れと言うわけではないが、残念な結果を繰り返さないといいと思っている。
  • 新潟から西に伸びていくラインについて、富山までは既存ラインを利用するのか、あるいは新潟から引き直さなければいけないことを念頭に置いたスタディーになるのか。後者だとすると、グランドデザインを早いタイミングで備えて、コストミニマムな格好で整備していくことが、いかに重要かを示している気がする。
(藤本ガス市場整備課長)
  • 橘川委員からの質問の、モデルルートに三田ルートが加わった理由は、関西圏内の現在の大阪ガス管内に、より効果を及ぼすのはどちらなのかという点も含めて検証したいということである。
  • 新潟県とは、こういった議論が進んでいるということは、情報共有をしているところ。
  • 草薙委員からの質問について、今回のルートの費用便益分析は、あくまでもモデルケースとして行うものであり、引くべきところは、ここに限定されていることでは全くないと思っている。
  • 時間的制約もあり、今回、ルートを増やすことは考えていないが、まずは、これでやってみて、今後さらに検討する必要があるということであれば、また改めて考えていく。
  • 松村委員から指摘のあった、過去何回も費用便益分析を行ってきたが、ほとんど進まなかったという点につき反省は感じている。電気については広域機関で具体的に決めていくスキームがあるが、ガスについてどうするかは、整備が進むような仕組みについて考えていきたいと思っている。
  • 富山まで既存のルートが使えないかというところは、基本的には、中部圏・関西圏の需要を満たすだけの十分な能力のある導管が必要と考え、今回の提案は新潟から太く能力の高い導管を引き直すということをベースに考えている。
  • 今後、導管を引く際には、まさにグランドデザインを持ちながら引くべきだという点は全く同感である。
(山内委員長)
  • 今日、基地開放と導管整備を議論いただいたが、基地開放については基本的な方向性について、皆さんに同意いただいたかと思うが、いろいろ細かい点や留意すべき点、LNG基地の根本的な、競争財なのか、公共財なのか、その競争財と公共財の間のどこか、といった問題もあったが、そういった指摘を踏まえて事務局で詰めていただければと思う。導管整備方針は、事務局から提案のあった、モデルルートについて費用便益分析をやってみたい。これについてはよろしいか。
  • それでは、そのような形で、事務局で作業を進めていただければと思う。今後の予定について事務局から説明をお願いする。
(藤本ガス市場整備課長)
  • 次回の第33回は、6月16日に開催することで委員の皆様の了解をいただいている。議題は追って連絡する。
(山内委員長)
  • 以上をもって、第32回ガスシステム改革小委員会を終了する。

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資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 ガス市場整備室
電話:03-3501-2963
FAX:03-3580-8541

最終更新日:2016年6月24日
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