経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 ガスシステム改革小委員会(第33回)‐議事要旨

日時:平成28年6月16日(木曜日)10時00分~12時30分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

山内委員長、池田委員、引頭委員、大石委員、柏木委員、橘川委員、草薙委員、樋口委員、福田委員、二村委員、松村委員、深山委員

オブザーバー
総務省 公営企業経営室 福西課長補佐
消費者庁 消費者調査課 澤井課長
公正取引委員会 調整課 井堀課長補佐
一般社団法人日本ガス協会 幡場副会長・専務理事
一般社団法人日本コミュニティーガス協会 松村専務理事
東京電力エナジーパートナー株式会社 佐藤常務取締役
国際石油開発帝石株式会社 天然ガス供給本部天然ガス供給ユニット 奥園ジェネラルマネージャー
石油資源開発株式会社 経営企画部 中島部長
一般社団法人全国LPガス協会 内藤専務理事
石油連盟 押尾常務理事
三菱総合研究所 社会公共マネジメント研究本部政策マネジメントグループ土谷主任研究員
経済産業省
電力・ガス事業部 多田部長、藤本ガス市場整備課長
電力・ガス取引監視等委員会 松尾事務局長、新川取引監視課長
資源・燃料部 田久保石油流通課企画官
商務流通保安グループ 大本ガス安全室長

議事概要

費用便益分析と導管整備方針について

(委員長)
  • 第33回ガスシステム改革小委員会を始める。
(事務局)
  • <オブザーバー紹介>
(委員長)
  • それでは議題に入る。
(オブザーバー)
  • <資料3説明>
(事務局)
  • <資料4説明>
(委員長)
  • まず、費用便益分析と導管整備方針について、ご議論いただきたい。
(委員)
  • 資料3の費用便益分析の算定結果については、私も計算の段階でコメントとしたこともあるため、最初に意見を述べたい。
  • 今回の需要ルートと地下貯蔵ルートについては、いずれも限られた時間とデータの範囲の中でよく分析をしていただいたと思っている。ただ、今回の検討はかなり個別最適な意味での費用便益分析の評価にとどまっており、現状の分析はまだそのような段階であるということは、ご理解をいただきたい。もちろん、費用便益分析自体は全体最適を目指していると思うが、方法的にかなり限定的なものになっていることは、現時点では仕方なく、例えば、他のマーケットへの影響や、セキュリティー向上の便益については、今回は計測できていない。
  • その上で、いくつか具体的なコメントと質問をさせていただきたい。例えば、第三者便益として、石油関連税収が減収する便益とCO2排出量が削減される環境改善便益が計上されており、税収とCO2削減という全く性質の異なる二つの要素を足し合わせるとマイナスになるとの結果になっているが、CO2削減便益自体は、需要家及び供給者便益に比べて、1割程度の割合であったはずであり、その点について、可能な範囲で内訳を示していただくと、より理解が進むのではないかと思う。
  • 後半の地下貯蔵ルートについては、特に費用の部分で、クッションガスに関係する費用を除くと、大体3分の1程度になるとの計算結果になっているが、地下貯蔵の場合、ネイティブガスもクッションガスの一部として使えるとの話があったかと思うが、その点について、きちんとネイティブガスの影響も加味して、クッションガスに相当する費用が計上されているのかどうかを教えていただきたい。
  • プロジェクトライフ30年という設計について、ホームページに「導管については、きちんとメンテナンスを行えば、半永久的に使用できる」と記載している事業者もあるが、そのような状況下で、本当に30年というプロジェクトライフでよいのかが気になっている。
(委員)
  • まず、プロジェクトライフの想定が30年というのは、同様に疑問に思った。通常、本当に導管を30年で取り替えているのかを確認したかったが、既に発言いただいた。同じ疑問を持っている。
  • コストの諸元だが、これは従来のものを安直にそのまま使ったのか、何らかの精査をしたのか。調達の実績を参考にしているのだとすれば、例えば入札などをしていないことについては、一定の効率化係数を掛けるなど、そういった類のことをしているのか。これは上げ方向だけではなくて、下げ方向もある。タンクの代替などもある。どちらの方向に行くかは分からないが、コストはきちんと精査したのかを教えていただきたい。
  • 次に、割引率について、事業報酬率という分かりやすいものがこの業界ではあるのにも関わらず、なぜ4%を使ったのか。「ガイドラインでそう書いているから。」ではなく、ガス特有のことをやっているわけなのに、なぜそうしたのか。
  • いずれにせよ、これは分析の出発点で、まだ色々な要素が入っていないという意味で、粗々なので、これからブラッシュアップしていけばいいと思う。
(委員)
  • 試算いただき感謝申し上げる。三菱総研によるエネルギー関係の試算は非常に権威があり、3つの需要ルートのうち1つだけがプラスとなり、地下貯蔵ルートは大幅なマイナス結果となっている。留保条件は付いているものの、結果の独り歩きが心配である。
  • 今後、新しい組織を作って検討する際、一点は、JAPEXの新潟・仙台線の事例を見ても明らかなように、便益側にLNG火力が算入できるか否かが決定的に大きな影響を与える。これはひとえに、次のエネルギー基本計画、エネルギーミックスとも深く関係するのではないか。LNGをベースロード電源としても使用するという考え方が加われば、その便益が大きく変わる可能性について、留意しなければならない。
  • もう一点は、やや思いつきではあるが、資料には、既存事業者は部分最適的な整備しか実施していないと記載されている。しかし、その中でも、静浜幹線、東京ガスの日立から内陸へのライン、東京ガスが検討している日立と鹿島のライン、あるいは鹿島と千葉のラインなど、幾つか注目すべきパイプラインがあった筈である。建設済あるいは建設予定のそれらの路線は、前の段階(建設決定の段階)で、今回の試算と同じ枠組みで計算した場合、どのような費用便益結果となるのか。結果は相当なマイナスになるが、実際に建設したというケースもあるのではないか。そのような計算も行った方が、このデータは活きてくるのではないか。とにかく、このデータは前向きな方向で使用した方がよい。
(委員)
  • 素人の質問で恐縮だが、CO2排出量の削減を環境改善便益に換算する方法について具体的に教えてほしい。
  • 特に関心があるのは、先ほど30年が適切かという話もあったが、30年とは相当長い期間であり、CO2排出量が世の中へ与えるインパクトも30年後には相当違っているように思われる。この試算において、そのような時間的な変化は織り込まれているのか教えてほしい。
(委員)
  • 導管の整備方針について。(資料5)p5には、導管整備の具体的なアクションについては最終的に民間事業者に求める、具体的には国があれこれ指示するのではなく民間のアクティビティーに任せると記載されている。
  • 先日、私はイタリアへ行って来たが、水素の普及前に天然ガスありきとされ、天然ガスシフトが非常に進んでいる。天然ガスのステーションも、イタリアには1平方キロメートルあたり270ヶ所あるが、日本はまだ全国で240ヶ所強とオーダーが全く異なる。ステーションへはLNGで供給する場合もあり、パイプライン整備のみが全体最適化を実現し得るとは限らない。日本全体で捉えた時に、最も経済合理性があり、かつ強靭的であればよい。ステーション自体、取扱商品はLPGやガソリンもあれば、軽油や灯油もある。そこへ天然ガスを導入すれば、コージェネレーションシステムの導入により電気自動車への対応も可能となり、水素、天然ガス、LNGトラックへの対応も可能となる。多目的なハブを整備していく事が、日本にとっても重要である。
  • 話は元に戻るが、民間に任せていると部分最適化がベースとなり、全体最適化はそれほど見込めないという記載には、多少疑問がある。ローリーでも全体最適になり得るし、あるいはその方が経済便益性も優れているかもしれない。これに対して、先般の二重導管規制では、パイプライン自体は公共財として法的分離する事が決定されたため、ネットワーク需要の増加分に関しては、誰もが参入可能な形での規制改革を行うのだろうと認識していた。その後、増加分については、一定規模は自由としたまま、またある一定規模は延伸のために財の配分を特定導管事業者へ割くというように、その方針を一変させた。今般、再び全体最適化を進めることは整合性が無いように思われる。
  • 今後、政令等で重要な項目について決定していく事になるだろうが、その過程では、このような全体最適化もあれば、国がある程度指示をしながら民間の活力に任せる考えも出てくるだろう。その際には、二重導管規制との関連等にも十分な注意を払った上で、リアリティーのある形での答申案や政令、省内で決定することができる条件等の作成をお願いしたい。
(委員)
  • 資料3について、大変詳しい分析をしていただき感謝申し上げる。ただ、資料にも書いてあり、また、何人かの委員が発言したように、費用便益分析の前提として今回挙げられたものが全てではない。その中で、素人が見ると、やはりクッションガスのコストが非常に高いこと、あるいは、ガスパイプラインの敷設コストも結構高いことが気になる。現在の技術や考え方では、便益が費用に勝ることは若干難しいようにも見える。
  • ただ、パイプライン整備は、日本にとっては必要だと思う。資料4p2の(注)で、「必要な天然ガスパイプラインが整備され得る環境整備の一環として、必要に応じて、天然ガスパイプライン整備コストの低減に資する国による支援策や導管敷設に係る規制緩和等についても継続的に検討していくことが適当。」と書いてあり、この点が非常に大事だと思う。例えば、クッションガスも従来考えているやり方だけでよいのか、他のガスが使えないのか、あるいはルートが引けないか等、様々なR&Dができるかもしれない。ガスパイプラインに関しても、規制緩和によって敷設する場所が変われば、コストも下がる可能性がある。R&Dについて、もっと大きく取り組んでいただきたい。R&Dに並行的に取り組むことを前提に、今回事務局が提示したパイプライン整備のための会議体の設定に賛同する。
(委員)
  • 今回資料3で説明された各ルートの費用便益分析は優れたものであると感じる。しかし、作業時間が限られていたため、概して限定的な計測に留まっていると理解した。日本における新たなパイプラインの敷設について、中立者やあるいは事業者を交えた国の会議体で扱うことは、非常に有意義だと感じる。ぜひ、さらに深く、多く扱っていただきたい。
  • 電気の送電網は全国津々浦々すでに張り巡らされているのに対して、ガスパイプラインはまだまだ白地が多く、伸び代がある。効率よくガスパイプラインが延びることは、一層の競争導入や都市ガスの高度利用にもつながると期待される。従って、国には、計画策定の段階から費用便益分析を含め、様々なルートを精査していただきたいと考える。これは長期的な観点での課題であり、国には果敢に取り組んでいただきたいと思う。
(オブザーバー)
  • いくつか技術的な観点について、回答申し上げる。
  • まず、委員から、資料3について、特にCO2削減と環境改善便益と石油税収変化を個別に表示した方が良いのではないかというご指摘について。内訳を表示する形で対応させていただきたいと考えている。現状を申し上げると、実は石油税収の変化のマイナス分と環境改善便益のプラス分は近い値であるが、石油税収の変化の方が少し多くマイナスが出ており、第三者便益がトータルでマイナスになっている。
  • 同じく、委員からクッションガスの想定における、ネイティブガスの取り扱い等をどうしているかという質問について。今回、時間的な制約もあり、東京ガスの報告書をベースとして試算をしているが、詳細は今後確認していきたいと考えている。
  • 次にご質問のあった、プロジェクトライフが30年間という想定について。今回はあくまで仮定として、ガス事業託送供給約款の料金算定規則にある30年という数字を適用している。ただ、ご指摘のような点もあると思うので、検討を深めていきたいと考えている。ただ、今回は社会的割引率を4%と設定しているので、例えば30年を50年に延ばしたから社会的割引率が2倍になるかというと、そうではなく、将来、数字は下がっていくので、その点はご理解いただければと考えている。
  • さらに、コストについてご質問があったが、現在、パイプラインについて様々な想定に基づいて、具体的なルート、道路なども考慮しながら工法を想定して費用を試算している。
  • 地下貯蔵については、過去の報告書でのデータを、事業者のアドバイスも踏まえながら補正したもので、まだこれから精査が必要かと思うが、そのように理解していただければと考えている。入札等々を考慮した値かどうかは、今後、検討が必要かと考えている。
  • 割引率4%についても、様々なご指摘があるかと考えていたところである。今回、国交省のガイドラインが、道路も公共も鉄道も同じ値を適用するという形になっており、他省庁が所管されている公共事業も4%という数字に準じており、今回、ガスについても4%という設定にしている。これについては、実は4%自体が、この経済状況からすると高いのではないかという議論も専門家の中ではあるので、今後、ガスだけに限らず検討が必要な数字ではないかと考えているところである。
  • CO2の便益の算出方法について質問があった。本資料に詳細は書いていないが、基本的にCO2の排出原単位があるので、ガスに燃料転換したときのCO2減少量をトン数で測る。それに対して、国交省のガイドラインにある1トンあたりのCO2の価値を計算することで環境改善便益を計算している。ただ、CO2の原単位が5年か6年、詳細は覚えていないが、かなり前に設定されたものであることや、将来にわたって一定値を用いており、今後、CO2の価値が変化していくことは今回の試算に織り込まれていない。これを織り込むことは、技術的にはかなり難しい面もあると考えている。
(事務局)
  • 費用便益分析については、本日も説明させていただいたとおり、特に便益については、本日の議論を踏まえて、さらに整理をしていく必要があると思っている。今後は、新スキームでご了解いただければ、具体的なルートについて検討していくことになるが、本日のご指摘も踏まえ、さらにブラッシュアップをしていきたい。
  • ご指摘のあったLNG火力については、p5注1に記載のとおり、新スキームでの検討にはガスパイプラインだけではなく、LNG基地や火力発電所を含めた検討を行っていくことになると思われ、エネルギーミックスについても、適時、必要に応じて見直しをしていくことになろうかと思っている。
  • それから、過去のパイプラインの費用便益分析を行ったらどうだったのかという点については、検討させていただく。
  • 次に委員からのご指摘について。基本的には二重導管規制自体は一般ガス導管事業者と特定ガス導管事業者との関係を規律するものであると考えているが、それと新スキームでのパイプラインの延伸についての議論とは直接的に別の話だとは思っている。ただ、全体を通して天然ガスシフト、あるいはパイプラインの整理が進むようにというご指摘も、我々としても重要な政策だと思っており、全体の政策を講じていきたいと考えている。
  • ご指摘のあったR&Dは、民間事業者が果たすべき役割、国が果たすべき役割、それぞれあろうかと思うが、ご指摘のとおり重要な課題だと思っており、しっかり取り組んでいきたい。
(オブザーバー)
  • 第28回と第30回のガスシステム改革小委で地下貯蔵について言及したので、コメントさせていただく。今回の三菱総研の地下貯蔵ルートの費用便益分析には感謝申し上げる。結果として、著しく便益が費用を下回る結果になったわけだが、現時点の可能性として、期待される地下貯蔵の効果は、本日の事務局資料5p2に(a)・(b)・(c)と3点記載されていて、この3つが大きいものと思う。先ほど(LNG)火力発電所も挙げられたが、直接的にはこの3つだと思う。三菱総研の試算では、主に供給者である民間事業者が裨益する便益として、(a)と(b)の部分をカウントしたという認識だが、そうするとこの試算結果は民間事業者に委ねるだけでは地下貯蔵インフラの整備は困難だということを示唆するものと受け止められるように思う。
  • 一方で、石油あるいはLPGについては、国家備蓄が実施されている状況にあると思っているが、LNGについては、ごく低温であるため長期間のタンクでの保管は適さないことから、備蓄が事実上困難であるため、国家備蓄が行われていないと理解している。民間の各事業者はそのようなLNGの特性を十分に認識したうえで各社ごとにレジリエンス(強靭性)を確保されていると思っており、そういう意味で、(c)のセキュリティーの向上の効果は、民間からのニーズが出てくることはあまり期待できないのではないかと思っている。
  • そのように考えると、仮にLNGの気化ガスの地下貯蔵を行っていこうとすれば、このセキュリティー効果に着目した国家備蓄という観点でインフラ整備を先行させていき、そういうインフラができてくると、今回三菱総研が取り上げた(a)や(b)の効果を目的とする民間での活用が促され、結果としてそのような便益が発生するという考え方も一つとしてありえるのではないかと思う。
(委員)
  • 基本的に皆さんから出ている意見と同じである。これからLNGシフトということを考えた時に、このような論点は今後、国全体としてどのような方向へ向かっていくかを視野に入れ取組むべきである。
  • どうしても民間企業は、その時点での利益の有無によってパイプラインを作るか否かを決めてしまう。やむを得ない面もあるが、今後、全世界でCO2を削減していくにあたり、どの国も必ずLNGに注目してその利用拡大を考える。本日のプロジェクトは、その際に日本が世界の中でもLNGをきちんと使用していけるかという事に大いに関連しているため、ぜひ国の中で組織を作り検討いただきたい。
(委員)
  • この論点について、さほど専門的知見はないのだが、競争を促進しつつ公共財であるパイプラインを整備していくことは、両立しがたいのではないか。そのため、委員も指摘していたが、(資料4p2の)注に書いてあるように国の補助金も活用し、地域を超えた競争の促進にも考慮した上で、全体最適の観点から導管網を整備していけばよいのではないか。
  • また、パイプライン整備の全体を把握する組織として、電力の組織に倣った体制を検討するとのことだが、電力の場合は安定供給という観点の役割も担っていると聞いている。一方、ガスはそのような役割は無いため、果たして常設機関の確立が必要なのだろうか。具体的な体制について、現在何らかの考えがあれば聞かせてほしい。
(委員)
  • 先ほど質問したいくつかの技術的な点については、おおむね理解できた。ただし、クッションガスの費用に関して、ネイティブガスで代用できる量をどの程度想定するか次第で、費用便益分析における費用項目に占める「地下貯蔵施設建設費・維持管理費」が大きく変わると思う。この費用は特にボリュームが大きいため、もう少し詳しく精査していただきたい。
  • 先ほど委員から発言があった、国全体の整備指針や調整機関について。資料5のように、国が整備指針を打ち出すこと自体は結構なことである。電力の広域系統機関を参考にする方法も良いと思う。エネルギーセキュリティーの観点からも、ガスでも同様な組織作りが必要だと思う。
  • 資料4や資料5などで1点気になることは、広域のパイプラインネットワーク整備にあたり、高規格道路の例を挙げている点である。道路とガスパイプラインでは事情が異なるため、違和感がある。高規格道路は14,000キロメートルの敷設計画に向けて、NEXCOが建設する有料道路や、国直轄の道路建設に、基本的には国費を投入することが前提となる事業と理解している。一方、ガス導管の整備は、基本的に事業者がコストを負担すると資料にも書いてあり、国費投入を前提としている高規格道路の例を出すことに、若干の違和感がある。この点について、何か理由があれば教えていただきたい。なお、国費を投入しないから費用便益分析はやらなくていいということでは決してない。例えば、リニア新幹線みたいに、JRという完全な民間企業が進める事業であっても、社会的、あるいは環境的な意義があれば、費用便益分析を実施している。
  • また、「費用便益分析」という言葉が、ガスシステム改革小委員会の資料では一貫して使われているが、他の公共事業のマニュアル等では、「費用対効果分析」という言い方をしているものが大半である。「便益」を使用する意味は、つまり、貨幣の価値に換算できないものも踏まえ、いろんな効果も計測し、評価の検討項目に加えるためと察する。しかし、ガスのセキュリティー向上に対する取り組みを、貨幣価値に換算するには技術的にかなり難しいという現状を踏まえると、「費用対効果分析」を使用するのが適切だと思う。
(オブザーバー)
  • 今回提案いただいた新しい組織で全体最適的な天然ガスパイプラインを形成するというコンセプトについては、天然ガスシフトを進めていくことだと理解している。他方、この仕組みによってパイプライン整備を促進していく際には、現状の託送供給制度を通じて、エッセンシャルファシリティとして第三者開放義務を課せられた既存の天然ガスパイプラインネットワークを最大限に活用すること、すなわち設備過剰性の回避も国民経済の観点から必要である。そのため、需要家の便益に見合う、バランスのとれたパイプライン整備計画を取りまとめていただくよう要望する。また、この仕組みによらず、従来どおり、事業者の判断によってパイプラインを整備することも期待されるため、投資に見合う事業性の確保が前提ではあるが、当社でも天然ガス利用を一層促進することのできるバランスの取れたパイプラインネットワーク拡充を考えている。
  • 1点、懸念というほどではないが、新規導管によって、新規需要を開拓しようとする場合、運転開始時点からフル稼働はせず、徐々に需要が立ち上がるという性質がある。従って、提案された全体最適的な天然ガスパイプラインが既存の導管ネットワークに連結される場合、当面、既存地域における託送供給料金の水準は多かれ少なかれ上昇すると思われる。このため、費用負担のあり方や便益向上効果については、需要家の理解を得る必要がある。同時に、先ほど引頭委員からも指摘があったが、(資料4)p2にもあるとおり、既存需要家にとって過度の負担とならないように、天然ガスパイプライン整備コストの低減に資する国の支援策や、その導管敷設に係る規制緩和等の施策を一層強力に進めていただきたい。
(事務局)
  • まず、国家備蓄の話について。国の支援策については、そもそも公益事業であるが故に基本的にはかかる費用は料金で回収することがベースである点との関連や、あるいは石油やLPガスに比べるとガスのほうが調達元の多様化が図られていて、輸入元の国が中東に偏っていないことも含めて、今後、検討が必要だと考えている。資料に記載のとおり、国としての支援策は今後検討するべき課題であると考えており、本日の議論も含めて今後検討をさらに深めたい。
  • 広域機関をどのような組織にするかという点は、電力でいうと広域機関で連系線の検討が進められているが、具体的な検討は資料4p4にある委員会の場で議論が進められているところである。ガスについて今回提案しているのは、ガスの広域機関を作るということではなく、p4のような委員会をガスについても立ち上げて、この中で具体的なルートについて検討をしていただいてはどうか、という趣旨である。
  • 高規格道路について、主要都市という需要地を結ぶという意味で、道路とパイプラインに一定の類似性があるということで、例として挙げている。ただ、性質がパイプラインと道路とでは違うという点はご指摘のとおりだと思うため、そうした違いも含めて、今後、参考にしつつ検討を進めていくということではないか。
  • 「便益」なのか「効果」なのかという用語の指摘について、ご説明したとおり、ここでは「費用便益分析」という用語を使っているが、「便益」の中には、貨幣価値に変えられないもの、変えにくいものがあると思っている。そうしたメリットも含めて、パイプラインを引くべきかどうかという検討を進めていくべきという点は、委員の考えのとおりと思っている。
  • いずれにしても、新スキームについては、この中で具体的なルートの費用便益分析、あるいは主体をどうすべきか、費用の負担割合をどうすべきかなど、具体化するための検討を進めていきたいという考えである。
(委員長)
  • 費用便益分析というか費用対効果分析、それから、整備の検討スキームについて、色々と意見はいただいたが基本的には大きな反論はなかったように思う。
  • 費用対効果分析、費用便益分析の技術的な検討の内容については、これからも精査や技術的検討を加えるところはたくさんあり、ご指摘のとおりだと思うため、それは事務局にお願いしたい。特に、割引率や評価期間の話は連動していて、4%という割引率はかなり高めだということは事実である。ただ、便益と費用の出方が、分布がどうなるかによって割引率のパーセンテージ、効果が違うため、どこが最適なのかということは少し検討する必要があると思っている。ご指摘のように30年で切っても4%で割り引いてしまうと、その後ほとんど便益も費用も出てこないので、効果の違いはなくなるかと思うが、その辺りも含めて検討いただきたい。
  • 整備方針については、いくつか質問や意見をいただいたが、こういった形で検討の場を作ることに異議はなかったと思うため、事務局の提案の形でお願いしたい。
  • もう一つの論点である新規参入者の参入しやすい環境整備についての意見を伺いたい。

新規参入者が既存ガス会社等に対して消費機器調査等の委託を行いやすい環境整備について

(委員)
  • 消費機器の調査について、新規参入を促す観点から、初期の段階で新規参入事業者が既存事業者やその関連会社に委託しやすい条件を作ることは必要。
  • 一方、消費機器調査の現場において調査や保安の作業が円滑に行われること、消費者からの消費機器に関する問い合わせに対して、新規や既存、委託をしているしていないに関わらずすべての小売事業者に責任ある対応をしていただくことが必要である。
(オブザーバー)
  • 消費機器に関する保安責任は、新規や既存を問わず、すべてのガス小売事業者の重要な責務の一つである。したがって、自らで体制を整備して、遂行することが大原則である。しかし、「新規参入の促進」や「保安水準の確保」をしっかり行うためには、保安業務の委託は一定の必要性がある。
  • 他方、保安業務の委託先の企業が「関連会社等」とされているが、実際は資本関係がない場合が多く、あくまでも民間企業同士の受委託契約に基づく対等な関係である。既存のガス事業者としては、基本的な努力はするが、委託先に既存のガス事業者と同等の料金を強いることは難しいのではないか。
  • 今後、各種ガイドライン等への記載に際しては、以上の点を踏まえて、検討していただき、適正な内容としていただきたい。
(オブザーバー)
  • 安定供給の観点から保安責務の重要性は承知している。新規参入者としては、参入当初から保安に関わる組織体制を構築することは、実質的な参入障壁に当たる可能性があることから、既存のガス会社等に委託しやすい環境の整備は極めて重要である。
  • 今回の資料にある、「正当な理由なく委託要請を拒否しない」、「受託料金が同等である」、「新規参入者の営業活動を妨害しない」の3点を必要条件とした上で、今回示された行為類型については、既存ガス会社とその関連会社に対して実効性が担保されるような整理をお願いしたい。また、今後の運用においても、先ほどの3点に対する資源エネルギー庁や電力・ガス取引監視等委員会の監視など、今回示された具体的措置が実際に機能する体制の整備をお願いしたい。
(委員)
  • 先ほどの事務局資料の導管整備について、最初に言わせていただく。これに関しては事務局の提案に基本的にすべて賛成であり、異議はない。このような形を整えるのはいいことだが、形を整えたらうまく機能するとは限らないことを必ず認識しておいていただきたい。例えば、震災の前にもESCJ(電力系統利用協議会)の中にもこの類の中立性のある委員会を立ち上げ、審議会でやっていないというだけで、おざなりな議論で事業者の言うことを追認しただけで信頼を失うような先例を見てきたわけである。その反省を踏まえて出てきた電力広域的運営推進機関を倣って作るわけなので安心しているが、事業者の言うことをいい加減にずさんに追認するだけという委員が並ぶような、形だけの中立者が出てくる委員会が出てくれば、今回は信頼を失うのは事業者ではなくて経産省ということにもなりかねないので、形だけではなく、中身が意図した通り機能するということを最後まできちんと見ていていただきたい。
  • 関連会社の定義は共有しておく必要がある。資本関係が全くなく、出向者もいないような純粋に取り引きをしているところも、関連会社だと認定するのはおかしいような気がするので、そのようなところは関連会社ではないことを認識する必要がある。一方、大量の出向者がいるところは、例えば、出向者の人件費のやり取りの関係で、アンフェアなことをしている可能性もゼロではないため、本当にフェアにやっているかどうかを監視する必要が出てくるため、資本関係と出向者の有無は、きちんと見ていただきたい。
  • 完全に資本関係のない委託先の会社については、その会社のサービスを買っていたという優越的な一般ガス事業者に対する規律として、支配的な地位を利用して新規参入者に対して高い価格を要求するように誘導していないかをチェックすることは重要である。その際に望ましい行為としては、説明が求められた場合に、その内訳を説明できることではないかと思う。事業者が本体で受ける場合や100%子会社の場合には、より強い規制をかけるべき。
  • 仮に本体がやる場合であっても、一定の競争メカニズムが働くだろう。実際、LPガス事業者も受託できるチャンスがあるので、ある程度競争があることが前提ではあるが、競争があるのであれば規制は取り払ってもいいのではないかということではなく、実際に競争が働いているということを確認したあとで外すということとするべき。
(オブザーバー)
  • 消費機器調査等の業務は、既存のガス事業者が築いてきたノウハウや体制を新規参入者も活用できること、また、その料金が既存ガス事業者と同等と整理されたことにより、お客さまの安心・安全が従来どおり確保される環境が整えられた。また、公正かつ適正な市場競争の整備の観点から、消費機器調査の業務委託における、「問題となる行為」を整理していただいたことは、新規参入事業者にとって、極めて重要である。
(委員)
  • 消費機器調査に関して、新規小売事業が既存ガス事業者と同じ条件で事業を開始すると、既存のガス事業者が色々と優位になり過ぎるため、今回の提案が示されているのだと思うが、あるべき姿からすると、新規事業者であっても小売事業者自身が消費機器調査も実施し、保安に対して責任を負うことが望ましいことから、事務局の提案は当面の措置と思われる。資料にも今後状況の変化を踏まえて見直すと注意書きされているため、事務局も同じ理解なのだと思う。
  • 問題となる行為の定め方について、「既存ガス会社に対して、求めている料金と同等の料金で受託することを求めないことが問題である」というような表現になっている。「求めないことが問題」ということは、要するに「求めなさい」と言っているのであるが、この定め方に違和感がある。既存のガス会社が委託会社と新規参入者との委託契約に、不当な影響を及ぼさないようにするためだと思うが、当事者ではない契約の内容について口を出すということ自体イレギュラーであり、積極的にこのことを求めなさいという表現はやや問題があると思う。
  • 表現の問題、もしくは技術的な規定の問題はあると思うが、全体的な趣旨としては、事務局の考えと私の考えは大きく違わない。
(事務局)
  • 保安レベルについて、委託を認めることによって保安レベルが下がる、あるいは、自由化によって保安レベルが下がることはあってはならないことと考えている。仮に小売事業者が消費機器調査等の委託をしたからといって、その責任が薄れたり軽減されたりすることはなく、小売事業者にはしっかりと責任を負っていただく必要がある。
  • 関連会社等の定義についてであるが、今回の提案は、資本が入っていなかったり、出向者がいなかったとしても、従来から取引関係がある場合には、相当密接な関係を有している可能性が高いため、資本関係がない会社、出向者がいない会社を含め、この規律の対象にすることを提案している。競争メカニズムが十分に働いているかどうかを確認しながら、この規律を解除していくべきとの指摘については、その通りだと考える。
  • 同等の料金を求めないことを問題となる行為とするのか、高い値段とすることを求めることを問題となる行為とするのかとの指摘については、様々な考え方があるが、委託料金を原因として新規参入を阻害すべきではないと考えており、現在、既存ガス会社あるいはその関連会社等が圧倒的に保安のノウハウを有していることを考え、「同等料金を求めないことが問題となる行為となる」との提案をしている。
(委員)
  • 今回の措置については、新規の事業者を参入し易くするために設定されているという意味では、基本的には事務局案の内容で良いのではないか。一方、保安責任は最終的には小売事業者が持つとされているが、最終的な責任とは何なのか。
  • 業務について全て委託しているが、何かあったときには責任だけは持つという事業者もいると思うが、その最終的な責任とはお金のことだけなのか。ガス市場に新規参入する事業者においては、当面は自分では保安業務が出来ないから委託を行うとしても、最終的には自分達で保安業務を担うつもりで参入いただかないと、消費者としては心配である。
  • 問題となる行為の定義について、委託先として想定されている関連会社は、ほとんどが既存のガス会社と関連がある事業者だと思うが、LP事業者も、保安の部分に参入できると思う。そうすると、値段の部分で競争が起きる可能性もある。同等の値段ではなく、それより下の部分での競争もあり得るため、「同じ値段でなければならない」と記載する必要があるのか。
  • 以前、ガス安全小委員会でも問題になったが、新規の内管工事費用が、妥当な値段で行われるのか疑問である。LPでも問題になったが、都市ガスにおいても自由化後、既存事業者が独占して内管工事を行うことになると、その値段が妥当なのかをどこがチェックするのか。内管工事の価格の妥当性をどこが見るのかについて回答いただきたい。
  • パブコメについて、今後、経過措置料金規制を課す事業者、課さない事業者が決まり、その後パブコメを行い、最終的に決まることになると思うが、パブコメ実施後、経過措置料金規制を課されるのは誰かを決めるのはどの場なのか教えていただきたい。
(オブザーバー)
  • 消費機器の調査について、全国のLPガス事業者はこの分野に新規参入したいと思っている。
  • 各地のLPガス事業者は、都市ガス事業者と既に取引関係がある事業者が多数ある。関連会社の定義で、少しでも取引があったら、関連会社等に入ってしまうということだと、自由な営業活動ができなくなる。価格については、当然、競争していくものであり、自由な設定については当然ではないかと思っている。
  • 消費者が心配している保安については、LPガス業界は60年にわたって努力をしており、近年では、都市ガスと同等以上の安全性は確保できると自信を持っている。
(委員)
  • 保安は非常に重要であり、本来、自由化の対象範囲に入れるのは危険だと思うが、そのような制度設計になるということになると、料金規制などは排除して、最低限の規制を既存ガス事業者に残しておき、そこに競争原理を入れるほうが、本来の筋なのではないか。あくまでも保安のスペックを上げることが条件であり、しっかりとした制度のもとで認可することはもちろんだが、既存のガス事業者に細かい規制を入れることは、ユーザーにとっても得策にはならないのではないか。
(委員)
  • 今回の詳細制度設計は、小売全面自由化を現実に具体化するための呼び水になると評価している。
  • 新規参入者もいずれは委託によらず、消費機器調査等の業務を自ら手がける気概で参入していただきたい。最終消費者はそこを一番見ているのではないか。また、単に都市ガスを大規模に小売販売することで満足することなく、利用者にコージェネレーションシステムなどの高度な天然ガス利用を誘導することを心がけていただくべきだと思っている。
  • 問題となる行為を明示するということについては重要ではあるが、望ましい行為として事業者を縛ることには慎重であっていただきたい。委託される関連会社等の既存事業者、あるいは新規参入者の経営戦略というものは、本来大いに尊重されるべきものであり、そこの創意工夫を引き出す設計をお願いしたい。
(委員)
  • 新規参入者の関連会社等への委託について、密度によらず同じ価格で受託すべしという注釈があるが、一定時間の処理件数が少ない場合と多い場合とでは、開栓などの個々の作業量は変わらなくても、体制構築のための固定費には相当の差が生じる。出資比率が2割程度の関連会社などで突然、単価が下がるようなケースがあれば、それはやはり行き過ぎではないか。実際の作業単価と、注釈にあるシステム費のような体制構築のための固定費とは扱いが異なるため、実態にあった制度設計にしてほしい。
  • 営業妨害について、消費機器の点検時、元のガス会社の宣伝をしてはならないという点はその通りだが、宣伝してはならない対象はガスの料金プランに限定すべき。例えば、老朽化した機器について消費者が相談したにもかかわらず営業妨害を理由として拒むといった対応では消費者は納得しない。押売りは論外だが、消費者が訊ねたい時に適切な選択肢を示す程度の事は行うべきである。
  • 保安の最終責任は新規参入者であるが、この点については今回記載がない。保安の丸投げという姿勢は最も問題である。保安を委託した場合でも、当該新規参入者が保安に関するトレーニングを行っているかどうか、国がチェックするような仕組みも必要ではないか。
  • 資料4p16の5つめの黒丸に「小売全面自由化後の適切なタイミングで改めて検証すること」とあるが、具体的な時期はいつか。自由化後は競争が加速するのか、妨害や価格つり上げなどが生じるのか分からない。この心配は、価格レコードが無いことが理由であるので、レコードがある程度整った時点で速やかに検証すべきである。
(委員)
  • 委託先で競争が起きることが大事だとすると、LPガス会社の国家資格と都市ガス会社の資格との壁をなくす必要がある。
  • 委託会社間での競争が起きてくると、他社にとられたところの受託を敢えて行うというケースもあると思うので、値段を安く請け負うこともあり得る。この点については、「同等」というのが「同じ値段でなければならない」という意味ではないことを確認した方がいい。
  • 新規参入者の方に対してお願いしたい。今日の委託の話は、自分たちが楽な形で新規参入したいとも読めるわけであるが、ガス自由化後、料金が安くてエネルギー多消費となるのではなく、個々の消費者にとって、エネルギーを効率的に使い、トータルとして節電にもなり、節ガスにもなり、しかも料金はメリットになるような提案をきちんと行う会社が生き残ってくるとなると、勝負どころは顧客との接点になる。そうすると、自分たちがどのようにして顧客接点を確保していくかが一番の勝負どころであって、この制度に甘んじるのではなく、そのような形の競争にしていただきたい。
  • ガス会社の方だが、電力自由化の議論のときと今を比べると、ガス自由化と電力自由化の一番決定的な違いは、電力会社の場合には、他のエリアに他電力が入ってくるとの話がもう少しあったが、ガスの場合はそのような話は全く聞こえてこない。競争が起きてくれば必要の制度が多いが、本当に競争が起きるのかどうかが心配である。
  • これまで小口の自由化の話をしてきたが、競争が進みそうなのは二重導管の規制が緩んだ大口である。大口は競争が進んだものの、小口はあまり進まないということが起きると、非常に問題だと思う。ライフバルが大阪に行くとか、エネドゥが東京にやってくるという話が何故出てこないのかということである。本質的な問題は制度設計以前の問題で、自由化にあたって、企業としてどのような方法で、どのような競争戦略を本格的に展開していくのかを真面目に考えなければならないところに来ている。
(委員)
  • 一般ガス導管事業者の仕事と、小売事業者の仕事を両方、委託を受けた者が需要場所に行くことについて、新たにこのような作業を受託したい人が、導管事業者の仕事も、小売事業者の仕事もきちんと引き受けられるような制度環境を整えていただきたい。
  • 今回の消費機器調査等に関する業務について、新規参入者にとって代替的な委託先が他にもあるという競争環境にあるのであれば、同等の料金を求めることは、厳しい規制になってしまうのではないか。来年4月の全面自由化の当初において競争活性化を目指す中、現状、既存ガス会社に圧倒的なノウハウがあることがポイントであり、いずれ代替的な取引先、競争環境が整備されれば、このようなことは必要なくなるはずである。
  • 関連会社の定義で、資本関係がない等、全く独立した委託先の場合に、その事業者が本来決めるべき手数料を、既存ガス会社と同様の価格とすることを強制することはできないと思う。
  • 求めないと問題となる行為について、ガス事業法違反になり得るとの建付けになっているが、既存ガス会社と、関連会社、委託先のガスショップとの交渉で納得できればいいが、それでも応じられない場合に、無理に不利な契約条件を押し付けると、独占禁止法上の優越的地位の濫用にも当たり得るため、ガス事業法違反になるからと押しつけられて、その結果、独禁法違反になってしまうということは、是非とも避けていただきたい。
  • 新規参入者から委託を受けて開栓などの業務を行うときに、既存ガス会社のガス料金の方が安いと言って、切り替えることは良くないが、機器販売、調理器具、ガス漏れ警報器等の販売は、別に新規参入者が供給するガス供給契約と競争関係がないため、新規参入者に対する取引妨害にはあたらないのではないか。
(委員)
  • 需要密度に関して確認させていただきたい。ここで書いていることは、例えば、同じ地域で東京ガスが97人のお客さんを持っていて、東京電力が3人のお客さんを持っていたとして、3人では需要密度はとても低いため、97人の東京ガスに比べて高い価格とすることはダメだと言っているのであって、全く違う地域で、こちらには1000人住んでいて、こちらは10人しか住んでいないためコストが若干高くなるが、東京ガスにも東京電力にも同じように、10人の地域の場合に高い価格を要求することはいけないと言っているのではないと理解している。新規参入者のシェアは最初はとても低いはずで、その低いシェアに対応して高い料金を要求されることになると、事実上、参入障壁になるため、事務局案に書かれていることは、このままの方向性で維持していただきたい。また、事務局案が言っていることは、今のようなことだと思っているが、そのことを明確にしていただきたい。
  • 委託を受けた会社が営業してはいけないということは、もちろん、ガス事業法の範囲内だけだと思う。金網ストーブが付いているところに、「これは危ないから、買い替えたが方が良い」などと営業することは違反となるはずはないが、そのような誤認があるのであれば、この場で明確にしておくのは意味があることだと思う。
  • 競争マインドについて、私は前から繰り返しているが、ガスの競争市場は競争基盤が電気に比べて、はるかに脆弱だという側面もある。強力なコンペティターはいるが数が限られるということである。電気に比べれば、はるかに強力なコンペティターが少なく、導管がつながってないため、他地域から入ってくるのがとても難しい。
  • 発電機を1機立てて参入するという市場規模とLNG基地を1基建てて参入するという市場規模は、獲得しなければならないマーケット、大きさが全く違う。関西電力が東京で発電機を建てて参入することはリーズナブルだとしても、大阪ガスが東京でLNG基地を建てて入ってくることはリーズナブルではない。大阪ガスが入ってくるとしても、東京電力と組んで入ってくる等といった限定的な形しかできないということを認識した上で、競争マインドという話も重要かもしれないが、脆弱な市場なのだから、なおさら、競争基盤をきちんと整備し、競争を促すような制度設計をしなければならないということでずっと議論してきたと思っている。最後の段階で、このような発言が出てくるということは、この共通認識が薄かったのではないかと若干、懸念しており、次に引き継ぐ委員会では、この点は最初にもう一度確認していただきたいと思う。
(委員)
  • 言っていることはそれほど違わないと思う。だからこそ、企業はきちんと考えてほしいと言いたい。なかなか厳しい制約条件があるからこそ、そこで敢えて、競争するという姿勢をきちんと見せなければ、また色々なことが起きるということである。
(委員)
  • 需要密度という言葉しか書かれておらず、心配していたが、委員の解釈の通りであれば、事務局の提案に賛成である。
(委員)
  • この委員会の最初のうちと今年に入ってからとでは随分方向性が変わってきたように思っている。現状を把握すると、例えばBtoBでガスが電力に入っている割合は、大口を入れても数パーセントだと思う。電力がガスに入っている割合は17~18%という現状があって、もちろん理想は競争原理を入れてなるべく活性化していくことである。ただ、この保安等をきちんとすることは最低条件と思っているが、現状を踏まえたうえで、これから省令やガイドラインを作っていくというときに、既存のLPも都市ガスも膨大な数の事業者がおり、大きな規模から小さな規模まである。色々な業界での非対称な規制があまりに強烈になりすぎると、日本の活性化、地域活性化にもならない可能性が出てくるため、ガイドラインや省令を作るときには十分にその辺りを考えたうえで、最適なところで、地域の活性化や強靭化の観点も踏まえたうえで、作っていただきたい。
(オブザーバー)
  • 今日が一つの区切りの小委員会なので、ここ数回の小委員会も振り返りながら、都市ガス業界として考えている意見を、若干申し上げさせていただきたいと思う。
  • まず、これまで多々議論を重ねてきたガスシステム改革は、成熟した既存のネットワークを前提として競争促進を図る電力システム改革とは異なり、「競争の促進」、「天然ガスの普及拡大」、「保安の確保」という3つの目的を同時に達成していく、大変難易度の高い改革であると、私どもは考えている。これまで真摯に検討いただいた委員の皆様、また、事務局の皆様に、改めて深く御礼を申し上げたいと思っている。
  • 他方、ここ数回の審議会の論点については、「パンケーキ料金の解消」、「二重導管規制の緩和」、「LNG基地利用」、本日の「消費機器保安業務の委託制度」について、やや競争促進に傾斜した議論がなされているのではないかと、私どもは考えている。その結果、先行する電力システム改革よりも、厳しい参入促進策が求められる内容が方向付けられ、これまで、自らインフラを整備し、天然ガスの利用拡大の一翼を担ってきた中堅や中小都市ガス事業者の経営に、急激かつ大きなインパクトを与えかねない制度改革の部分があるのではないかと懸念している。
  • 以下、いくつか申し上げたいと思うが、1つは、パンケーキ料金の解消である。パンケーキ料金の解消は、連結されたネットワークのコストをすべて下流の中小ガス事業者が託送料金の形で回収する制度として方向付けがなされたが、この結果、卸元との契約再締結、あるいは、事務負担のほとんどを中小ガス事業者が負うこととなると思う。お客さま件数が少ない事業者では、一件あたりのお客さまの負担が極端に大きくなることなども懸念される。特に複数のルートからガスを買い入れている、あるいは、ガスが流入している場合、下流の中小ガス事業者はすべての上流側の導管コストを含めた託送料金を設定する必要があり、複雑な作業が必要となる。また、将来、需要変動が発生した場合に、託送料金が不安定になることなどの課題が起こりうると考えている。
  • また、未熱調ガスを供給する一部の大手特定ガス導管事業者の託送料金は非常に高く設定されており、これらの導管がパンケーキ解消の対象となると、下流側の中小ガス事業者の託送料金が上昇し、LPGや電気など他燃料との競争力が弱まることを危惧している。そういった声も出ている。これらの事業者の実態を把握いただき、ぜひ、それらを踏まえた事後の検証をお願い申し上げたいと思う。
  • 次に、二重導管規制については、今回の規制改革で、一般ガス導管事業者は届出制から認可制になった。最終保障供給義務を負い、また、一部の事業者は法的分離の対象とされるなど、規制が大幅に強化されたと思っている。一方で、特定ガス導管事業者は、料金は届出制のままであり、最終保障供給義務もなく、法的分離の対象にもならない中で、未熱調ガス導管による供給のための要件は、大幅に緩和された状況になっている。
  • この制度が実施されれば、既存事業者のお客さまが新規参入者に移転することになり、大手事業者はもとより、中小事業者についても、供給区域内に敷設された未熱調の卸用導管による大口のお客さまへの直接供給が可能となるため、非常に大きな打撃を受けることになるのではないかと思っている。
  • 今回の二重導管規制の緩和が、一般ガス導管事業者のパイプライン整備に悪影響を与えていないか、あるいは部分最適になっていないかといった視点で、ぜひ事後検証をしていただきたいと思っている。
  • 消費機器保安業務の委託について、ガス業界では、これまで長きに亘って守り続けてきたお客さま保安を、競争促進の観点により、新規参入者に同じ条件で提供することになれば、新規参入者は実質的に保安体制を持たずに参入が可能となる。
  • ガス安全小委員会では、保安の確保に向けて、小売事業者と導管事業者が「協働」することが合意されたが、本小委員会において、このような委託制度が創設されることにより、新規の小売事業者を含めた「協働」が実現しないのではないかとの危惧を抱いている。
  • 最後に、LNG基地の第三者利用について、ガス小売事業者の競争力の源泉であるLNG基地を「同一条件同一料金」にて第三者に利用させる制度は、電力事業者に対してベース電源に同様の措置を求めることに等しいのではないかと考えており、極めて厳しい措置であると受け止めている。今後の検討においては、LNG基地保有者の投資リスク等を考慮した制度としていただくよう、お願い申し上げたいと思っている。
  • これらの論点は、具体的な運用に関して検討すべき課題が、これから数多く残されており、我々の会員事業者からは、「措置された内容が十分に理解できない」、あるいは、「事業者として責任を持った対応をできるか不安である」といった声が、多く寄せられている。今後、事務局にて、これらの詳細制度が設計されることになるが、既存事業者が新規参入者と切磋琢磨しながらも、しっかりと安定供給と保安を守っていけるよう、特に中小事業者の実態を踏まえた詳細制度の設計と運用をお願い申し上げたいと考えている。また、各地方の経済産業局様と連携を取っていただき、事業者への十分かつ丁寧な説明についても、併せてお願い申し上げたいと思っている。
  • 最後に、我々都市ガス事業者は、来年4月の小売の全面自由化に向けて、積極的に準備を進めてまいるので、今後とも、委員の皆様、事務局の皆様には、引き続き、ご支援、ご指導をお願い申し上げる。
(事務局)
  • 保安についての最終的な責任について、小売事業者の責任は法律上課される全ての責任だと考えている。仮に消費機器調査を委託した場合でも、基本的には何かあれば小売事業者の責任となる。
  • 新規参入者も自ら保安体制を築くべきであるとの指摘についてはもっともだと思うが、既存のガス事業者の保安の実態を見ると、関係会社等を活用しながらきちんとした保安体制を築いている。そういう意味では、その部分を委託すること自体を禁止すべきとは考えていない。既存ガス事業者が築いてきた保安体制とその理解も含めて制度を作っていくべきと考えている。既存ガス事業者が築いてきた体制自体は、ある意味で地域独占の中で認可料金の中で築かれてきた体制である。今回は、築かれてきた保安体制を、特に自由化当初は新規参入者も活用できるようにすることである。
  • 内管工事費用については、一度預からせていただき、別途回答する。
  • 経過措置の指定自体は、最終的にはパブリックコメントを見ながら国が決めていくことになる。具体的には、電力・ガス取引監視等委員会の意見を聞いて資源エネルギー庁が決めていくことになる。
  • LP事業者の保安への参入意思、あるいは価格競争については歓迎されることであり、価格競争がありうることや事業者によって価格が違うということを今回の措置で否定しているわけではない。
  • 同じ関連会社あるいは同じ事業者が、委託をする人によって価格を分けることは避けるということが今回の趣旨であり、別の事業者が違う価格で同じ保安事業をやるということを否定することではない。
  • 需要密度の話は、例えば、同じ地域に既存事業者が97件、新規参入者が3件の契約を持っているとして、同じ地域であればこの97件と3件の違いをもって価格の差をつけることは問題であるということである。その地域全体の需要密度が違うことによって、例えば、異なる関係会社間で価格が違うことを否定するわけではない。
  • 営業妨害についても、ガス事業の範囲の話であり、別のガス料金プランを提示するということが問題であるということである。例えば、契約の中でガス機器は売らないでくれということであれば別だが、ガス機器について、本件で規制、規律をするということではない。いずれにしても、需要家の利便性を阻害しないような制度設計とする。
  • トレーニングの件は、基本的には新規参入者も含めた保安の研修を準備されていると理解している。自由化によって保安レベルが下がるといったことが間違ってもないような設計を引き続き築いていきたい。
  • 価格を安くすることはありうるのかという質問だが、既存ガス会社よりも安くすること自体は否定をするものではないと考えている。
  • 自由化当初は既存ガス会社あるいは関係会社に圧倒的なノウハウがあるということで、一定のエッセンシャル性があるのではないかと考えている。ワンストップ制を実現するためにも、新規参入者が委託をしやすい環境整備をすることが必要だと判断している。今後プレーヤーが増えてきて十分な競争関係になって、こうした規律が必要ないという状況になれば解除していく。
  • 独禁法との関係は、引き続き整理をしたい。
  • 二重導管規制、あるいはパンケーキ、あるいはLNG基地の第三者利用、消費機器については、議論いただいたラインで制度整備を進めていきたいと思うが、ビジネスの実態を踏まえて詳細な制度は決めていきたい。
  • 加えて、それぞれ検証させていただくという話をしているかと思うが、遅くならないタイミングで、今回の制度がガスの市場にどういう影響を与えているかという点はきちんと検証させていただいて、どこか変えるべきところがあればそこは見直しをしていく。
(委員)
  • 検証のタイミングについてお答えいただきたい。
(事務局)
  • 今時点で、どのタイミングで検証するかを決めているわけではないが、それぞれの判断に遅くならないタイミングできちんと検証をしていきたいと考えている。
(オブザーバー)
  • 消費機器等の調査の講習や資格について、現在日本ガス協会が中心となって、資格制度の詳細検討を進めている。資格講習の内容は基礎知識と実務知識と終了試験を中心に3日間で行うというコースを考えており、LPガス事業者で同類の資格を保有する方については1日に講習を短縮するといった柔軟な対応をしていく。受講の開始時期については、本年の8月から募集を開始し、10月には教育を開始する予定になっている。現在のところ、本年度中に10回開催し、延べ200人から400人の方に受講をしていただく体制検討をしている。
(委員長)
  • 最後に私のほうで少し取りまとめをしたい。本日2番目の議題である消費機器等の調査の委託の環境整備については、基本的に本制度を全面的に変えろという意見ではなかったと思っている。委託の競争環境、独占性の問題をよく踏まえたうえで、詳細制度設計をしてほしいという意見であった。
  • それから、おそらく本日が最後の会議になるであろうと思っている。
  • 議論すべき小売全面自由化の主要論点については、おおむね議論を終えたと思っている。それから、本日は導管整備方針をまとめることができた。委員の皆さんにはこれまでの活発なご意見、ご協力に対して感謝を申し上げたい。ただ、個人的な感想を申し上げると、少し積み残した点があるとは思っている。これは時間の問題もあり、また問題の細かさの問題もあり、完全に我々が本小委員会で議論できなかった点もあろうかと思っている。
  • これから事務局においては、詳細な制度設計を進め、政省令等、あるいはガイドライン等の作成を進めることになるが、積み残しや様々なご意見が出たので、その辺を踏まえていただき、現実に即したリアルな制度設計に努めていただきたいと、私からお願いをして最後の挨拶とさせていただきたい。
  • それでは、本日は小委員会の一つの節目ということになるので、最後に事務局よりご挨拶をお願いしたい。
(事務局)
  • 今回が最終回であると決まった訳ではないが、委員長からも話があったように、節目であると認識して一言申し上げたい。
  • 来年4月の小売全面自由化に向けて詰めておくべき主要な課題については、一通り議論し、大きな方向性をまとめていただいた。私も時間の許す限り出席したが、事務局としてはハラハラする場面も無かったとは言えない。ひとえにこの都市ガス分野は、お客さまに近いところで保安という特有の業務を抱えながら事業を行っており、電気と同じだと言われながらも異なる部分が大きい。個人の生活に基づく様々な意見もあり、時には、議論の違いが鮮明になることもあった。しかし、結論としては、やはりこれまで事業を行ってきた事業者へのリスペクトもあり、また、新規参入者および既存事業者への強い期待の表れでもあったと思っている。
  • 他方、自由化という新しい舞台が出て来るため、この場で述べるのが適切か分からないが、消費者にも自由化とはどのようなものであるか知ってほしい。単に不安だけではなく、自分で事業者を選んでいく、それが市場を変えていくという面もある。電力も同じだが、自由化というものは所与ではなく、その後の姿は、消費者の他、需要家、様々な市場への参入者など全員で新しく作り上げていくものだと思う。特に自由化の中で最もチャレンジングな事が求められるのは、われわれ行政だと思われる。自由化といっても小売の自由化であり、導管部門に規制が残るのは勿論、他産業との競合、総合エネルギー企業化、或いは本日の議論にあった導管整備の方法について、国がどのように関与していくのが最良なのか。そして、本日同席している監視等委員会の監視は、どのような役割とすべきか。この点については、電力での経験を少しずつ持ち合わせているものの、新しいチャレンジだと考えており、自由化によって得られる最大の便益をわが国全体が享受できるように、行政として一層の鍛練を重ねていきたい。
  • まだガスへの(新規)参入の動きは少ないという話もあり、電気についても消費者への周知不足といった指摘もあった。都市ガスについても、来年4月に向け、行政としてしっかりと取り組んでいきたい。
  • 最後に、33回に亘り委員長を務めていただいた山内委員長には、心から御礼申し上げる。今般、しっかりと議論いただいたことを、我々行政としては、実態を踏まえた上で実現に向け取り組んでいくということを申し上げて挨拶に代えたい。
(委員長)
  • 本日の議事は以上だが、何か質問・発言等あるか。
  • それでは、以上で第33回ガスシステム改革小委員会を終了する。

<12時30分終了>

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最終更新日:2016年8月9日
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