経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会(第7回)・石油・天然ガス小委員会(第6回)合同会合‐議事要旨

日時:平成26年6月23日(月曜日)16時00分~18時00分
場所:経済産業省本館地下2階 講堂

出席者

橘川分科会長、青竹委員、尾崎委員(冨田代理)、柏木委員、河野委員、河本委員、木村(康)委員、小林委員(岩井代理)、豊田委員、縄田委員、平井委員、平川委員、宮川委員、宮島委員、柳井委員、山内委員、山﨑委員、山冨委員、吉井委員、石垣委員、小嶌委員、松方委員、北嶋オブザーバー(内藤代理)、木村(滋)オブザーバー、松井 石油連盟専務理事

事務局
住田 資源・燃料部長、濱野 資源・燃料部政策課長、南 石油・天然ガス課長、竹谷 石油精製備蓄課長、山本 石油流通課長、高倉 政策課企画官、岡本 燃料政策企画室長、濱田 石油流通課企画官

議事概要

石油・LPガスの緊急時供給体制に係る課題への対応について

事務局から資料2-1を、松井石油連盟専務理事から資料2-2を説明後、委員、オブザーバーからの主な意見は以下のとおり。

  • 石油備蓄について、国際的な視点を是非強調していただきたい。日本の備蓄制度に関する知見をアジアで共有し、石油元売各社によるアジアへの事業展開と緊急時の貢献をうまく結びつけ、アジアワイドのサプライチェーンを強化していくことが重要。その際、日本が過去に外資からノウハウを得たのと同様、備蓄に関する制度について日本がアジア各国の政府に伝えていくべきではないか。
  • 緊急時におけるソフト対策について、例えば、緊急時に規制緩和すべき内容を各省庁間で予め調整し決めておくことが重要ではないか。いざというときに機能させるためにも、定期的な訓練も行うべき。
  • 危機時における石油需給管理について、自家発電機や燃料備蓄の推進に加え、石油サプライチェーンを維持するためには、平時から一定の需要を確保することも重要。
  • 燃料の多様化について、リスク分散の観点から一次エネルギー源の多様化、分散化は重要であるものの、運輸部門については、自動車用燃料の需要が減少する中で、石油サプライチェーンの脆弱さを促してしまう懸念もある。まずは石油産業の経営基盤強化を図っていくことが重要。また、燃料の多様化は、消費者に選択されるべきものであり、政策によって競争環境を歪めることがないよう、慎重な検討をお願いしたい。
  • 石油産業再編について、エネルギー供給構造高度化法の告示や産業競争力強化法により、国が強制的に進めるとの報道があった。石油の安定供給確保を図るべく、業界として、石油の高度利用、海外事業展開、総合エネルギー産業化等に向けた取組を進めているところであり、事業再編はそのうちの一つの取組。石油精製設備の高度化に関する取組は、各社の自主的な判断で行うべきものであり、高度化法の告示改定は、その取組を後押しする環境整備として認識している。
  • コンビナート総点検の結果について、首都直下地震や南海トラフ地震による液状化の影響は大きいものの、財政上の問題から護岸整備が進んでいないのも事実。民間保有の護岸も多くある中で、エリア全体の液状化対策として支援策を検討すべき。また、資料2-1の43頁に記載された支援制度は有用であり、継続の要望がある。
  • エネファームは、必ずしも安価ではない上に、お湯が一杯になってしまうと発電できない課題がある。また、停電時に稼働できないといった課題もあり、例えば、バックアップバッテリーと組み合わせたシステムを構築することが必要ではないか。
  • 緊急時のプッシュ型支援体制について、東日本大震災の経験を踏まえ、生協ではBCPの中に被災地へのプッシュ型支援を位置付けており、日頃から水、食料等のリストを作成し、被災地に連絡が付かないような場合にはプッシュ型支援を行うことにしている。燃料についても、緊急事態にはプッシュ型支援が可能となるようにすべき。生協では、支援物資の集積配送拠点に灯油を配送する災害協定を結んでいるが、民での対応には限界がある。国としても都道府県等との連携する等により進めていただきたい。
  • 運輸部門の燃料多様化について、天然ガス自動車は、東日本大震災のときにも活躍し、国土強靭化アクションプランにおいても、その普及が位置付けられている。全国43,000台のうちほとんどがトラックであり、スタンドは300ヶ所、来年には大型トラックも市場導入される見込みであり、是非、天然ガス自動車も位置付けていただきたい。
  • (縄田委員のコメントに対して)エネファームについて、国の支援も活用しながら、コスト低減に向けて取り組んでいるところ。発電効率のよいSOFCタイプや停電時も運転可能な機種も出てきている。
  • LPガスは、将来の需要増が見込まれており、150万トンの国家備蓄体制は必要。他方、これまで議論してきた民間備蓄の低減策については、調達先の多角化に繋がるだけでなく、事業者がタンクの空きスペースを有効活用することもできる。需要期前の安価なLPガスをランニング在庫として積み上げることで、冬季の価格高騰抑制にも資するのではないかと考える。
  • プッシュ型支援体制について、受け渡しや精算方法など事前に検討しなければならないことは多く、事前に体制を整えておくことが重要。自治体担当者は、石油製品に関する十分な知識がない場合もあるため、教育・周知も必要。プッシュ型支援を可能にするための油種構成についても検討いただきたい。
  • 石油備蓄について、国家備蓄に加え、産油国の共同備蓄や民間備蓄など、多様化を進めていくことは極めて重要。積極的に進めるべき。
  • アジアワイドでのエネルギーセキュリティについて、一国で対応できるものではないため、アジアワイドでの共同備蓄や、国際連携線を引くといったことを検討すべき。また、多国間の調整には時間を要する可能性もあることから、例えば、韓国と二国間で共同備蓄のルール作りを進めていくことも有効ではないか。
  • 東日本大震災のときに、福島県に燃料を運ぶ際にローリーの運転手の確保が困難であった。また、企業によっては、就業規則により、震度6以上の場合には会社に出社できないことになっており、燃料があっても供給できないことがあった。そうした際に最後は末端供給のところが力を発揮した。そうした点も認識し、必要な検討、支援をお願いしたい。
  • 昨今の中東情勢を見ていると、石油の途絶危機は仮想とはいえない重要なテーマ。中東に依存している現状はやむを得ないものの、備蓄を日本だけが頑張っても意味がなく、アジアワイドで進める必要がある。中国も日本の国家備蓄、民間備蓄に関心があるのではないか。
  • 石油備蓄の放出をアナウンスしただけでもかなりの混乱が生じるとの意見もあることから、何らかの形で放出条件を引下げ、国家備蓄や産油国共同備蓄の放出経験を積める機会を作っていくことも重要ではないか。また、調達国を分散して資源を調達することも重要であり、JOGMECによる探鉱・開発支援を進めるべき。
  • 東日本大震災のときには、阪神淡路大震災の反省点を改善できた部分と改善できていない部分があった。様々な課題に一つ一つ丁寧に対応していくことが重要。例えば、燃料供給の優先順位が決めることは、それぞれ主張があって大変だと思うが早期に進めていただきたい。
  • 自治体とうまく連携し、情報を発信したとしても、個々のSSが理解し迅速に行動することは容易で容易ではなく、日々の訓練が重要。順調に進む訓練は実際には意味がなく、イレギュラーなことが起きたときに、対応できる体制作りを進めていただきたい。
  • プッシュ型支援について、被害の大きい地域では、どうしても発信力が弱く、なかなか動けないのが実態であり、簡単な仕組みで、プッシュ型支援を可能とする仕組みが重要。その際、無駄がないように関係者が連携した形で取り組むべき。
  • 資料2-1の10頁にもあるが、一次エネルギーに占める石油の割合は、日本が47%と最も高い。震災前であってもトップクラスとなっている。これは、日本では特に石油が大事であることの現れであり、注目すべきポイント。
  • 資料2-1の12頁にある特定地域の依存度について、韓国は日本と似たような環境にあるものの、日本よりも備蓄量も多く、地域性も広い。この違いはどこからくるものなのか。一つのベンチマークとして見ると面白い。
  • LPガスの備蓄について、産油国共同備蓄があるのであれば、例えば、カタールやサウジアラビア等の産LPガス国共同備蓄という発想があってもよいのではないか。LPガスの価格や変動幅を平準化することにも繋がるのではないか。
  • 石油備蓄の放出の際の広報の在り方について、備蓄放出をアナウンスしないことは実際に可能なのか。返って混乱を招く懸念もある。また、LPガスの国家備蓄を放出した際に、混乱が生じたことはないと聞いており、もう少し検討が必要かもしれない。
  • 石油備蓄の放出について、東日本大震災のときには、3月15日に民間備蓄3日分の引下げに係るアナウンスを行い、同21日に民間備蓄義務を解除したが、解除のときには混乱が生じなかった。消費者を混乱させないためにも、少しずつ備蓄を放出するのではなく、一気に備蓄義務を解放することも必要ではないか。
  • 仮に国家石油備蓄の製品備蓄4日分を放出する場合には、製品備蓄を放出することだけを情報発信すれば十分であり、あえて4日分と説明する必要はないのではないか。
  • 資料2-1の30頁にも記載があるが、エコフィールは、緊急時に電気が止まっても3日間は稼働することが可能。発電だけでも利用が可能であり、分散・自立型エネルギー源として有効。

報告書に盛り込むべきポイント(案)について

事務局から資料3について説明後、委員、オブザーバーからの主な意見は以下のとおり。

  • 石油の位置付けについて、石油化学産業はナフサの供給を受けており、石油精製業の経営基盤の強化がなされることを期待。石油が燃料供給だけでなく、原料供給としても非常に重要であり、報告書にも触れていただきたい。
  • 石油産業の国際競争力強化、海外事業展開、設備最適化等は進めていくべき。安定供給を図るためにも、国際的なイコールフッティングを前提とした規制の合理化等、事業環境の整備、資源外交の推進をお願いいたしたい。
  • 石油精製業と石油化学の連携、事業者の自主性の尊重について、これまでも業種の壁を越えて、コスト削減に取り組んできている。業種の特性を踏まえつつ、事業者の自主性を尊重した事業基盤整備に配慮いただきたい。
  • 地域社会の活性化対策との連携について、特徴ある地域経済発展にも資するような人材確保、自治体の連携等の対策を進めていただきたい。また、保安対策について、企業の努力を後押しする支援策をお願いしたい。
  • 技術開発という視点も報告書に盛り込むべき。石油は、一次エネルギーの47%を占めており重要な位置付けであることには変わりない。魅力ある産業として継続的に発展していくためには、新しい技術開発によって、設備最適化・合理化、海外事業展開、総合エネルギー企業化等を進めていくことが重要であり、この業界で働きたいと思う人材を育成していくことが重要。さらに、例えば、燃料と自動車は切っても切れない関係であるが、環境改善等による相乗効果であるとか、技術面の検討を進めていただきたい。
  • 技術開発、保安対策、人材育成が盛り込まれた点について賛同したい。保安対策については、設備の最適化、製油所・コンビナート内の統合が進められている現段階においては、これまで以上に安定操業に向けた国の支援が必要。
  • 人材育成は、企業、業界による自主努力が中心になるが、設備最適化が進めば新たな分野で働いてもらう必要も生じることに加え、そのための人材育成にも時間を要する。業界ヒアリング等を通じて、認識した上で施策を進めていただきたい。
  • 新たなエネルギー基本計画では、石油・天然ガスの自主開発比率について、具体的な数値目標が記載されていないが、前の基本計画では、2030年の40%以上という目標が掲げられている。海外企業との資源獲得競争にある中で、この数値目標は、メルクマールであり、業界の励みにもなるもの。エネルギーミックス策定の際には是非数値目標を盛り込むとともに、本報告書にも目標値の引上げの必要性を盛り込んでいただきたい。
  • エネルギー毎に分けずに、技術開発は横断的に記載する必要があるのではないか。非在来型を含めたエネルギー源の多様化、産ガス国との関係強化にとっても技術開発は重要。日本のエネルギーセキュリティの観点のみならず、成長戦略としての意味合いも持つというものを検討すべき。
  • アジアの動向に係る認識とそれへの対応について記載すべき。例えば、昨今、中ロのガス交渉がまとまったことや、韓国でのガスハブ構想など、アジアプレミアムが気づけば日本プレミアムになるおそれもある。5年、10年のタームで考えたときに、まずは状況を注視していくのか、パイプラインも選択肢として検討していくのか、何らかの形で報告書に盛り込んでおく必要があるのではないか。
  • ガスシステム改革への適切な対応について記載いただきたい。都市ガス事業には公益特権といわれる様々な優遇措置がある。今後のガスシステム改革においては、公平公正な競争環境が整備され、LPガス事業者が不利にならないような見直しをお願いしたい。
  • LPガスの販売に係る取引の適正化、価格の透明化については、業界の自主的な指針を定めており、その周知を図っていきたい。
  • 行政の立場として、最も重要なことは、コンビナート等の防災と安全管理。後者に関して記載がないのではないか。
  • 消費者視点としては、エネルギーの安定的かつ安価な供給に加えて消費者視点では、安全確保の視点も重要。災害時の情報発信のみならず、平時における情報発信を進めていくことを記載すべきではないか。
  • LPガスの公正透明な市場の形成は重要。2万1000事業者のうち、HPに料金を公開している事業者は数十社くらいではないか。業界の健全な発展につなげていくためにも、報告書に位置付けていただきたい。

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 政策課

 
最終更新日:2014年7月3日
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