経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会(第12回)‐議事要旨

日時:平成27年5月28日(木曜日)13時00分~15時00分
場所:経済産業省本館17階第1~2共用会議室

出席者

橘川分科会長、大井委員、尾崎委員(蟹沢代理)、柏木委員、河本委員、木村委員、家守委員、豊田委員(森田代理)、縄田委員、西村委員、日高委員、平川委員、増田委員(葉梨代理)、柳井委員、山冨委員、吉井委員(松本代理)、北嶋オブザーバー(内藤代理)、中垣オブザーバー、永塚オブザーバー(林代理)、廣江オブザーバー

事務局
住田 資源・燃料部長、濱野 資源・燃料部政策課長、南 石油・天然ガス課長、竹谷 石油精製備蓄課長、山本 石油流通課長、覺道 石炭課長、萩原鉱物資源課長、高倉 政策課企画官、浦田 政策課企画官、岡本 燃料政策企画室長、田久保 石油流通課企画官

議事概要

事務局から資料2「運輸部門における燃料多様化」、資料3-1「石油・天然ガス政策の取組」、資料3-2「石炭・鉱物資源政策の取組」を説明後、委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 運輸部門での天然ガス利用について、天然ガスは地政学リスクが低いため、燃料多様化において重要。長距離輸送が可能な大型天然ガストラックの登場により都市間輸送も可能となり、貨物輸送全体への貢献が期待される。また、運輸部門で利用されてきたCNGの他に、輸送・利用のための国内インフラや出荷国におけるLNG基地の整備が進んできていることから、LNGの利用にも期待。CNG・LNGスタンドの整備により、CNG・LNGトラックが広く普及することが考えられる。
  • バイオ燃料の生産プロセスについて、バイオ燃料中心だと経済ベースにのらないため、付加価値の高い衣料品や医薬品などを併産し、最終的に残ったもので燃料化するバイオリファイナリ等のプロセスを開発していくことが極めて重要。
  • 褐炭水素について、褐炭の値段が明確になっていない状況で、上流確保を官民一体化して取り組むことが、水素社会をいち早く実現するために重要。
  • 運輸部門の燃料多様化は、石油サプライチェーンを脆弱化させ、地方部を中心にSS過疎地域を拡大することになる。結果として、灯油を含めた石油の緊急時供給力の弱体化をもたらし、かえってエネルギーセキュリティを脅かす。加えて、他の燃料の供給インフラの新たな整備は大きな国民負担であり、燃料に応じた車を持つことも消費者負担になる。エネルギー間の公平な競争の観点から、将来の自動車用燃料の選択については最終的には消費者に委ねられることが基本。無駄な重複投資を避けるためにも、エネルギー需給構造、燃料の供給確保、地球温暖化対策など総合的に検討し、判断されることになる。
  • バイオ燃料について、欧米における持続可能性をめぐる状況の変化や、ブラジルに依存せざるをえない我が国の調達構造等を踏まえ、将来のバイオ燃料目標を次世代バイオの技術開発も含め極めて慎重に議論することが必要。
  • 昨年7月の石油・天然ガス小委員会の中間報告以降の進捗として、資源確保の成果や石油精製・元売各社が指定公共機関に指定されたことを高く評価。引き続き石油業界としては、石油のノーブルユース、製油所の稼働信頼性向上に向けた技術開発に取り組むとともに、製油所・油層所の耐震強化や製品備蓄体制の強化、系列BCPの不断の見直し、備蓄法に基づく「災害時石油供給連携計画」の発動に係る訓練など、製油所の競争力強化と災害対応力の強化に全力で取り組む。
  • SS過疎問題について、自治体向けの説明会が開催されているが、各自治体における感度がまだまだ低い。その原因は、地域の中で残ったSS事業者が自己犠牲を払い災害時や冬場の灯油等を配達し、供給が保たれてしまっているためである。現在の体制では限界があるため、SS過疎地対策協議会を通じて国として積極的な支援策を講じてほしい。
  • ガソリン購入数量が、最多の山口と最少の大阪では約6倍の差になるなど、地域間格差が広がっている。これは、地方の人々に税負担が偏っているということ。地方創生という観点からもSSネットワークを維持するために、今以上の支援をお願いしたい。
  • SS事業者の経営力強化について、半分以上は赤字経営の状況。SSネットワークに稼ぐ力を与えるため、各地の成功事例を踏まえ、役立つ方策を検討する枠組みをエネ庁のもとで立ち上げてほしい。
  • 運輸部門の燃料多様化については、CO2排出削減の効果も期待できるところ。中環審における温室効果ガスの削減目標の約束草案の審議では、目標積み上げの基礎として運輸部門の数値も示されているため、関連させて検討すべき。
  • バイオ燃料にはバイオエタノールだけでなくバイオディーゼルもあるので、全体を示した導入意義なのか分かりやすく示していただきたい。バイオエタノールについてはアルコールと水との親和性が問題だが、ETBE方式をどのように評価しているのか。
  • 高度化法の告示で示された新たな判断基準は、2017年までの目標として、精製能力の削減・事業提携の案が示されている。今後、設備の変更等によりバイオエタノールの製造に影響が出ないか業界ヒアリングをしていただき、目標ありきの形とならないよう注意していただきたい。
  • 高度化法の新たな判断基準の運用状況について、スピード感も重要だが、雇用問題が発生してきた場合は時間が掛かることも考えられる。十分な情報共有をしていただきたい。
  • 石油精製業の事業再編による強靭化については、コンビナート強靭化につながる石油化学産業も含めた一体的な取組になるよう強く期待。化学課とも連携をお願いしたい。
  • ビッグデータ活用による設備汚染対策はよい取組。安定操業につながるよう期待。
  • 貨物輸送における多様化の方向性にCNG、LNG、GTLがあるが、欧州勢中心にPM問題等の環境問題やトラック輸送燃料の多様化の中で、LPG自動車についても、その普及が進んでいる。また、日本でも昨年、トラック燃料としてディーゼルにLPガスを混ぜて使用するデュアルフューエルの実用化に向けた取組が行われている。経済性、環境性、災害時対応等にも有用なLPガス自動車についても、多様化の方向性の中に追記していただきたい。
  • LPG自動車の活用について、オートガス自動車については年々減っているが、世界をみると、特に欧州では代替エネルギーとして位置づけられ、普及が進んでいる。環境問題が厳しくなっている中、LPG自動車が現実的な対応策として選ばれているためである。日本と欧州でこうした差がある理由としては、日本はLPG自動車への改造コストが欧州と比較すると高いことが挙げられる。こうした問題点の対応として、大量生産によるコストの削減など業界としての改造コスト低減に向けた取組や自動車への取り付けが容易なドーナツ型容器の導入に向けた規制緩和などが必要。国としても後押ししていただきたい。
  • 石炭については豪州に生産地が集中している。一見安定しているように見えるが、生産が集中した場合に港湾設備等の輸出インフラが耐えられるのか疑問。特に港湾部分については整備に時間がかかるため、懸念すべき点である。
  • 鉱物資源の安定供給について、中国のレアアース輸出規制はWTO協定違反であるとなったが、資源保有国の輸出規制については、WTOの国際ルール策定に日本として積極的に取り組むべき。
  • 天然ガスは、エネルギー基本計画において今後役割拡大していく重要なエネルギー源とされ、有効利用促進と環境対応の観点からLNGトラック、LNG燃料船等の普及・促進には燃料電池自動車の普及と相当程度の社会的意義がある。
  • 石油・天然ガスを取り巻く国際環境は、世界的な需給のダブつきから原油価格は急落したが、中長期的には引き締まると考えられ、地政学リスクは依然として不安定であり、石油・天然ガスは引き続き主要な役割を担い続けると考えられる。昨年7月の石油・天然ガス小委員会の中間報告の方向性を踏襲した政策がとられることが引き続き重要。国産資源の安定性・重要性を再確認した上で、海洋資源の開発について、海洋基本計画に基づく探査技術開発等の積極的実施を高く評価。海洋エネルギー・鉱物資源開発計画が着実に実行されるようにお願いしたい。また、産油国との密接な関係構築に寄与できるとされるEOR等の技術開発については、国内の油田・ガス田における技術涵養が関与できる。国内でのシェール開発、枯渇ガス田の活用による天然ガスの地下貯蔵など含め、陸上での探鉱・開発・生産活動等は、非常に重要な役割を担っている。
  • 水溶性天然ガスの一層の活用に向け、環境影響に配慮した、天然ガス増産に資する新たな技術開発への支援をお願いしたい。また、新たな開発に向けた地元自治体との調整の円滑化のために協力をお願いしたい。
  • 金属価格が低迷傾向を示しており、新たな鉱山開発の投資が起こらない。一方で、大手メジャーは非中核事業部門を分社化し、鉄鉱石・石炭など中核事業については強固にしている。足下では、中国は銅鉱山の権益を密かに買いに出ている動きがある。金属需要の今後の見通しは、中国の経済成長(7%前後という予測)や、先進国における高機能な電化製品の普及や自動車のIoT化等により、銅等の重要な素材について需要は堅調に推移する見通しであり、鉱山開発が遅れ、原料不足が起こることが高い確度で予測される。この時期に、我が国として海外鉱山開発に真剣に取組むことが必要。資源外交強化はもとより、減耗控除等の鉱業税制の恒久化、その他支援策を講ずるようお願いしたい。
  • 海洋の鉱物資源について、将来性のある銅・金を始めとする有価物を含む資源であるが、不純物も多く含むため、処理や環境対策が非常に重要である。現在の法律では鉱業権者が環境汚染も含めて責任を負う体系になっているが、状況によっては民間の手に負えない。開発に当たっての国の関与が重要であり、法整備も含め長期的な視点に立った計画的な対策を講ずるようお願いしたい。
  • 高効率石炭火力発電の技術開発について、技術開発のロードマップ策定は早期に策定していただきたい。またCO2排出削減の具体策として、森林に眠る不要木材を石炭火力に利用すべき。CO2ニュートラルであり、技術開発により発電効率を上げた場合と同じ効果が期待できる。
  • 2国間のCO2クレジットについて、CO2排出削減の一手段として日本が運用できるように国際的な合意形成を図っていくことが必要。途上国の高効率化には極めて明確な効果が期待できる。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 政策課

 
最終更新日:2015年6月9日
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