経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会(第13回)‐議事要旨

日時:平成27年6月18日(木曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省本館17階国際会議室

出席者

橘川分科会長、大井委員(広田代理)、尾崎委員(冨田代理)、柏木委員、河野委員、河本委員、家守委員、豊田委員、縄田委員、日高委員、平川委員、増田委員、宮島委員、柳井委員(髙岡代理)、山冨委員、吉井委員、北嶋オブザーバー、北村オブザーバー(塚本代理)、永塚オブザーバー(林代理)、廣江オブザーバー(向山代理)

事務局
住田 資源・燃料部長、濱野 資源・燃料部政策課長、南 石油・天然ガス課長、竹谷 石油精製備蓄課長、山本 石油流通課長、覺道 石炭課長、萩原鉱物資源課長、高倉 政策課企画官、浦田 政策課企画官、岡本 燃料政策企画室長、田久保 石油流通課企画官

議事概要

事務局から資料2「中間報告書の概要案」、資料3「エネルギーセキュリティの評価指標」、参考資料「石油・天然ガスのセキュリティインデックス」を説明後、委員からの主な意見は以下のとおり。

  • セキュリティインデックスについて、高いほど悪いことを示す指標となっているので、リスクインデックスの方が分かりやすいネーミングではないか。
  • 概要案の石油・天然ガスの上流開発等については、昨年7月の石油・天然ガス小委員会での中間報告書の内容が概ね反映されている。資源・燃料分科会の中間報告書作成にあたり、小委員会の中間報告書で取り上げられた項目を遺漏無くカバーし、適切な肉付けをお願いしたい。
  • 昨年の下半期からの環境変化として、原油価格の予期せぬ下落があり、多くの上流企業の経営を圧迫している。中長期的には、石油・天然ガスについては需給環境が引き続き引き締まる可能性が高いと考えられているが、地政学的リスクが不安定な状況である。長期的視点でのエネルギー供給の安定確保のため、上流開発への適切な政策的支援は益々必要。上流企業の支援の確実な維持・拡大をお願いしたい。
  • 最近の状況も踏まえ全体的にバランスよくまとまっている。セキュリティインデックスもわかりやすい。海外へも普及させ、日本独特のものでないようにしていただきたい。
  • 概要案については、中・長期的な価格動向について触れていただきたい。直近の価格下落や中東情勢の不安定のみの記述にとどまると問題点が見えず混乱する。エネルギーミックスでの2030年に125、6ドルという想定を繰り返しておくべき。
  • G7でガスセキュリティに関する議論が出てきた結果として、欧州市場とアジア市場が融通し合うような関係になり、アジアのガス市場に関する課題が欧州や世界の課題になっていくことが考えられる。仕向地条項やアジアガスハブの形成、原油価格連動の天然ガス価格決定方式等の議論について、欧州の問題にもなってきているというつながりを書くべき。
  • 部門別のセキュリティインデックスについて、運輸部門の燃料多様化の記述のみだと、石油市場がますます縮小するというメッセージに見える。一次エネルギー供給においては石油が最も大きなシェアを占めており、その重要性について記載いただきたい。また、総合エネルギー企業化をしっかり応援していく旨、とりわけアジア進出は簡単ではないので政府が支援していく旨を記載いただきたい。
  • 国内の石炭火力の増加について、エネルギーミックスとの関係や、効率の悪い小規模石炭火力の増加という問題が新聞等で取り上げられる中で、当分科会としても、例えば省エネ法による低効率の発電設備に対する規制の検討等について言及すべき。また、高効率利用・低炭素技術の記述のみであると、特に諸外国から見たときに、日本はそれらを言い訳に石炭火力を増やしていくのかと批判的に見られる。石炭を今後も一定程度利用していくのであれば、CCU技術についてより具体的に人工光合成や水素利用まで記載いただき、いずれはゼロカーボン技術やカーボン吸収技術に日本がしっかり取り組んでいくことを、当分科会でも記載すべき。
  • 2014年に施行されたインドネシア新鉱業法について、実際にインドネシアからの鉱石輸出が止まったのか。また、日本にどの程度の影響があったのか。インドネシアには製錬設備がないので、輸出が止まったとしたら鉱石をどうしているのか。フィリピンが同様の措置を取る場合、影響が他の鉱種にも広がる可能性もある。
  • セキュリティインデックスについて、国内の需要側の代替性も考慮すべき。例えば、発電において、欧州では石炭価格の下落を受け、石炭を増やして天然ガスを減らすという動きがある。発電の場合は様々な燃料からの転換が可能だが、燃料を多様化しても需要側が様々な燃料に対応していなければセキュリティ向上につながらないのではないか。
  • 運輸部門の燃料多様化により、石油需要の減少が見込まれる。ガソリン車にはガソリン税、ディーゼル車には軽油引取税が課税され、年間6兆円もの税金が課されている。一方で普及台数は少ないが、水素自動車やCNG自動車等については課税されていない。燃料の多様化を進めるのであれば、公平性の観点から、燃料課税の見直しを考えていただきたい。
  • SS過疎地問題があるが、SSが経営を継続するためには一定程度の需要を確保することが重要。国や地方公共団体の燃料調達、いわゆる官公需について、地場の中小企業への受注機会の拡大を政策的に進めていただきたい。随意契約や分割発注などを進め、かつ政府にもフォローしていただきたい。また、このことについて報告書に追記いただきたい。
  • 一次エネルギー供給におけるLPガスの位置づけについて、長期エネルギー需給見通し小委での2030年見通し案で3%程度と明記。本概要案でも各項目でLPガスについて記述されており、さらなる位置づけの向上のために努力していく。
  • LPガス調達先の多角化について、米国からの調達比率は2013年度に10%であるのに対し2014年度は18%と、大変な伸びを示しており、業界としても、今後も米国からの輸入比率が増えると考える。また民間備蓄提言の検討材料になるのではないか。セキュリティインデックスにおいても、石油・天然ガスで試算されているが、LPガスで試算した場合にはリスク減少が顕著になるのではないか。
  • 運輸部門における燃料利用多様化について、欧州や韓国、また日本でもLPガスと軽油のデュアルフューエル車の開発が進んでいる。実用化されれば、燃料の多様化や緊急時の活用に大きく寄与すると考えられる。CNG・LNG車と合わせ環境整備をお願いしたい。
  • 災害時に備えたエネルギー供給体制について、LPガス輸入基地における移動式電源車・受電設備の整備について支援いただいた。業界としては、毎年接続訓練を実施しており、電源が途絶した場合でも輸入基地からLPガスの出荷がスムーズに行われるように準備しており、この旨を記載いただきたい。また、LPガスの冷凍タンクの改修について、耐震制度を含めた評価の実施を行っているところ。改修の際のコストの問題や、民間備蓄義務との調整等、基地の運営に支障が無いよう行政間での調整をお願いしたい。
  • 運輸部門での燃料利用多様化はセキュリティ高める効果があると考えられる。概要案では、大型CNG、LNGトラックの環境整備やLPガス自動車の導入を推進といった政策的支援の方向性が具体的に示されている。供給インフラ整備を支援する場合、政策によりガソリン需要は低下し、石油サプライチェーンの脆弱化につながると考えられる。また、石油緊急時供給力の低下や、関連産業の雇用減少にもつながるのではないか。石油サプライチェーン維持、緊急時供給力強化に向けては、すでに多くの支援をいただいている。燃料利用多様化の支援の際、財政の支出はどうあるべきか、総合的な検討をすべき。
  • 製油所の稼働信頼性向上について、安全・安定操業は働き手にとって安心して働ける環境をつくることになり、しっかり対策を進めていただきたい。根本的対策という文言はイメージつかみにくいので、何らかの評価指標を用いるイメージがあるのか伺いたい。
  • 本年4月には国際資源開発帝石がアブダビ権益の確保に成功。本権益はホルムズ海峡を通らないで輸出ができ、エネルギーセキュリティの視点から重要な意味を持つ。本件は同社の企業努力はもちろんのこと、長年にわたる政府の資源外交の成果でもあり、引き続き支援をお願いしたい。
  • 「災害時に備えたエネルギー需給体制の確保」の項目に、天然ガスについて記載いただきたい。昨年7月以降の新たな動きとして、国内供給の途絶があった場合、LNGローリーで輸送し現地で気化してガス供給を再開する取組を検討している。LNGの気化器の広域融通については昨年11月に運用を開始した。こうした状況変化について記載いただきたい。
  • 運輸部門の燃料利用多様化は唐突感があるので、背景を丁寧に説明すべき。
  • 政策が打ち出した通りに市場が動くわけでは必ずしもない。長期エネルギー需給見通し案では、一次エネルギー供給において石油は30%となっているが、使い勝手のよさから結果としてよく使われるという結論になってきている。エネルギーミックスの議論において、化石燃料全体の議論は弱かったと思うが、その役割の重要性をどのように考えるか。
  • 昨年12月の資源・燃料分科会では、LPガス価格について、卸売価格が下がっているのに対し小売価格が下がっていないことが話題となったが、販売指針改訂後、どうなったのか結果を共有いただきたい。また、電力・ガスシステム改革により需要家の選択の自由が広がる中、LPガスを70戸以上に供給する場合にはガス事業法の規制が残る。民間備蓄の低減に向けた検討状況や、小売価格との関係で、LPガス市場に残っている規制をどうするかの議論はどこでするのか。LPガスの審議会における今後の方向性について伺いたい。また今後都市ガス事業が自由化される中で、行政体制としてはガスを一体的にみる体制が必要ではないか。
  • 石炭について、アメリカ政府が先進国の石炭技術について禁止的措置を講じようとしていることが一番のリスクなのではないか。日本やドイツで石炭火力をやるからこそ高効率技術が育つと考えられ、その世界的意義を積極的に打ち出すべき。日本はどれかではなく、CCS、CCT、CCUの全部に取り組むと打ち出すべきではないか。小規模火力は熱効率が悪いので、11万kWの環境アセスメントは厳しい方針で臨むべき。
  • 鉱物について、権益獲得の機会は広がっているものの、日本企業の資金的体力が無いことが問題。JOGMECや、金属と石油・石炭が一体となってリバレッジが効く仕組みを持つ民間企業は、鉱物資源の権益獲得に尽力していただきたい。
  • LPガス業界としては、価格が高止まりしているのではないかというご指摘を踏まえ、LPガス販売指針について、本年3月に改正したところ。指針作成にあたっては、経済産業省、公正取引委員会、消費者庁、弁護士からのアドバイスを受けたが、引き続きご指導いただきたい。改訂指針については全国の事業者に配布するとともに、各都道府県で講習会を開催している。また、一般消費者に対してもHPや消費者団体等を通じたPR活動を予定している。これまでLPガス価格は不透明と言われてきたが、積極的な説明を行っていきたい。
  •  全国で344箇所あるLPガス中核充填所を中心とした、災害時石油ガス供給連携計画に基づく防災訓練、情報伝達訓練を実施している。その中で管理システムの互換性を図ることが課題となっており、国からの支援もお願いしたい。また、地方自治体との災害協定の締結については、自治体側から連携を求める声が上がるようになってきた。本年3月には全国の自治体との締結率は、70%(1275件)を超えた。災害時の供給体制については、中核充填所を中心とした地域毎に進めていきたい。そのためにも災害対応型バルクシステムおよびLPガス自動車の導入支援をお願いしたい。
  • ガス事業法改正案の成立に伴い制度設計の検討が行われると思うが、LPガス業界も参加させていただきたい。
  • セキュリティインデックスについて、指標はパッと見たときの分かりやすさが大事。「セキュリティインデックス」という名前で呼ぶのであれば、グラフの上下を入れ替え、説明の仕方を「リスクが上昇」ではなく「セキュリティが下降」とすればよいのではないか。
  • 運輸部門はリスク水準が高めである。石油サプライチェーン等の課題はありながらも、燃料の多様化を進めることは、国民の選択肢を増やすという意味でも全体の方向性ではないか。石油サプライチェーンについては、単一化することで守るのではなく、他の方策を検討して守ることを考えるべきではないか。
  • 資源調達について、日本はエネルギーコストが依然として高い。事業者の提携、調達の協力の動きもある中、バーゲニングパワーの強化によって低減に取り組んでいただきたい。
  • 緊急時対応についてはこの半年で大きく進んでおり、緊急時訓練で見つけた課題は広く共有し対策を打つべき。エネルギー業界が緊急時対策を推し進めていることは一般的に知られていない。いざ緊急供給をしたいとき、目先のところで混乱が生じる可能性があるので、対策や取組についてできるだけ広く共有し、いざというときの対処方法や災害時にエネルギー業界が担う役割について分かりやすいマークを作る等、アピールが必要。
  • 「地域の生活・経済の担い手としての事業」の石油販売事業者の項目について、業者の視点での記述が多い。SSは地域におけるハブとしての役割を担えるのでは、という議論もあったことから、住民・地域・社会からの視点も文章に織り込むべきではないか。
  • 原油価格の下落の影響は広範に及んでおり、メジャーを含め世界的に上流への投資が削減されている。安定的な投資がないと将来の供給に不安が生ずると考えられる。日本の上流関係企業の財務体質は強くないので、政府関係機関の役割は益々重要。この状況下、アブダビ陸上権益取得はいい話であり、資源外交やJOGMECによる出資、技術開発・人材育成等が非常に大きく寄与したと考えられる。
  • 石炭について、製錬業について非鉄・製鉄で資源エネルギー庁と製造局で所管が分かれており、鉄鋼原料に関しての意識が希薄になりがちであるため、原料炭に触れられているのはよい。鉄鋼業も非鉄製錬業と同様に、上流への投資が利益確保のために重要であり支援が必要。資産買収出資の研究が分科会であったので、検討をお願いしたい。
  • レアアースについて、WTOで日本が勝訴したが、反射的に価格が落ちている。豪州・マレーシアといった、中国以外の限られた供給ソースを活かしていくためには需要業界の協力が欠かせず、政府として働きかけを続けていくことが必要。
  • 低品位炭の利用拡大の技術開発について、水分を多く含む若い石炭である褐炭からの水素製造は今後重要になる。1次エネルギーの燃焼に視点が置かれているように見えるが、日本は輸入国であるため、2次エネルギーをどう上手く使うかという観点を重視する必要がある。褐炭水素や原料炭の水素還元製鉄等、石炭からの水素製造についても低品位炭の技術開発で読めるように追記いただきたい。
  • 資源メジャーに比べて非鉄の製錬会社・鉱山会社は20%の資産規模であるが、非鉄金属だけ比べるとそれほど差は無い。JOGMEC等の支援も充実してきており金銭面の心配は無い。大きな問題は、資源メジャーが権益の売り出しを増やしてきているが、支払コストが高い、あるいは非常に難しい探鉱をやらないと鉱山の寿命がない等、難しい案件が多いことである。このような案件を何が何でも手に入れたいわけではない。政府としても、海外投資損失金や減耗控除を恒久化にし、安心して取り組める体制を築いていただきたい。
  • 非鉄業界の人材問題について、海外鉱山の操業を担う人材が不足しており、2つ、3つを同時に開発移行することは難しい。海外の鉱山を自分たちで運営できるような人材育成を考えるべき。
  • 石炭火力へのバイオマス混焼の取組について、加えてそのためのバイオマス資源調達の環境整備への取組も重要。
  • 低炭素技術の海外展開について、高効率石炭火力に限られた記述になっている。石炭をガス化し水素製造する技術、CO2分離する技術等に言及し、CO2フリーの石炭利用を将来的に進めていくことにも触れ、日本の技術がグローバルに貢献することを強調すべき。

以上

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お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 政策課

 
最終更新日:2015年6月24日
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