経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会(第17回)‐議事要旨

日時:平成28年5月17日(火曜日)15時00分~17時30分
場所:経済産業省別館3階312共用会議室

出席者

橘川分科会長、尾崎委員(幡場代理)、柏木委員、梶田委員、河本委員、北嶋委員(内藤代理)、北村委員、木村委員、黒木委員、豊田委員、永塚委員(林代理)、西田委員(加藤代理)、日高委員(村地代理)、平川委員、廣江委員、増田委員、宮島委員、柳井委員、山冨委員、和田委員

事務局
藤井資源・燃料部長、風木資源・燃料部政策課長、森田燃料政策企画室長、定光石油・天然ガス課長、岩永石油精製備蓄課長、佐合石油流通課長、田久保石油流通課企画官、萩原鉱物資源課長

議事概要

事務局から資料2「今後の本邦における石油・天然ガス開発の方向性について」を説明後、委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 探鉱活動を適確に整理頂き感謝。しかし、海域における民間の探鉱開発活動が低調な理由の本質は、海域の高い投資コストに見合う開発ポテンシャルが見いだせていないことにある。したがって、鉱業権の取扱いを変更したところで直ちに民間のプレーヤーの新陳代謝が促される、というものではない。まずは、「我が国は資源に乏しい」という一般認識を覆すことが重要。そのため、資源号のデータ活用やその探査・探鉱データを用いた国による特定区域の設定の先行事例の創出が期待される。
  • 民間からの特定区域制度への提案が少ない原因は、国の公募手続きルールが不明確な点にある。民間から提案する際に提出した探査データや提案した企業の取扱い、評価基準等のルールの明確化がなされていない点が問題の本質。手続きのルールを明確化し、「特定区域制度に提案したところで他者を利するだけになるのではないか」という懸念を払拭することが重要。
  • 未着手鉱区の処分の厳格化は、プレーヤーの新陳代謝を促す上で一定の意義はあるが、これまでの歴史や個々の鉱区の事情・背景を含めた処理が必要。一律厳格に処理を進めることには慎重に対応いただきたい。
  • 未処分出願に関しては、旧法下で行われていたように、後願者が試掘権の設定を急ぎたい場合に当該鉱区に関する先願未処分案件を加速して処理する運用を特定区域設定に際しても適用することや、新規鉱業権者の資格を確認出来た段階で、国は他者の鉱業権の情報を開示する等により、参入障壁は相当程度緩和するのではないか。
  • 未着業鉱区については漁業権や農地農振法などとの調整による着手延期の問題など、プレーヤーの要因ではなく外部要因があることに留意。特に水溶性ガス田の探鉱・開発においては地盤沈下の防止等の規制があるため、面的に開発を進める必要があり、パイプライン整備も含めた長期計画で開発を行っている。現在は未着業であっても将来的に必ず開発予定である鉱区は確保しておくことが必要という特性がある。これは昭和30年代から継続している。こうした事情を勘案の上、事業着手に関する審査について一律厳格化には慎重に対応いただきたい。
  • 資源号について、平成30年度までの6万2千平方kmの深海域を探査し、浅海域調査には向かないという特性を勘案し、そもそもの資源号の要否含め、次期計画を策定すべき。ちきゅう号と同じ管理・運用をすることについては、基礎物理探査全体論の中で議論すべき課題。人材育成の場でもある。
  • 水溶性天然ガスに係る特定区域制度と温泉法とのイコールフッティングも考慮すべき。
  • その他、改正に伴い過重となっている事務処理負担の軽減も検討いただきたい。
  • 今後の検討に関しては、物理探査技術や国内地質、探鉱の専門家等を入れた専門部会を設置して検討してほしい。
  • 国内資源開発は現場技術力の蓄積、人材育成に繋がる。「資金力・技術力のある外資を含めた民間投資の呼び込み」とあるが、外資参入が日本人の技術力、人材育成に繋がるかについては慎重に検討いただきたい。
  • 探鉱・開発について自主開発比率40%という目標を掲げているが、昨今の産油・産ガス国の資源ナショナリズム台頭により、海外操業の困難性は増している。現在は国内産原油・ガスの国内消費に占める割合は0.3%、2.2%に留まっていて、かつ減少傾向である。しかし、近年、資源号によって取れた膨大な新探鉱データによれば、我が国周辺海域にも開発ポテンシャルが見いだされているところ。それを踏まえれば、今こそ国内石油・天然ガスの探鉱・開発促進に注力していくため、国内の資源開発ポテンシャルを確認していくことは、資源の安定供給や安全保障の観点でも大きな意味を持つ。
  • ただし、低油価環境で収益性確保が厳しい状況が長期化し、民間開発企業の財務体質は低下。国内周辺の探鉱コストは高く収益性を保つのは困難。国の予算に限りが有ることは理解するが、支援制度の効果的活用、基礎試錐を頻繁に行うことを含む積極的かつ柔軟な対応が必要。
  • 民間とも十分協議しながら改正鉱業法レビュー、海洋基本計画、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画の改定作業が進むことを期待。
  • 鉱業法の関連について、未処分鉱業出願や未着手鉱区は大きな機会損失として問題であり、開発主体の新陳代謝を図るべきと言うのは仰るとおり。刺激を与える、新技術を入れるという観点からは、外資系企業が参入しやすい条件をつくることが重要。他方、安全保障への懸念には対処が必要。世界を見ていると国内企業だけに頼ろうとしているとなかなか上手くいっていないのが実態。特に技術力の観点から外資系企業をエンカレッジできる仕組みを考えて頂きたい。
  • メタンハイドレードの開発については、国産資源開発という意味のみならず、どちらかといえば国内と言うよりも海外の方が注目度が高い気がする。平成30年代後半の商業化を目指すとあるが、着実に進めて頂きたい。同時に積極的に海外にアピールしていくことも重要。産ガス国に対して準備をしていただくことと、それ自身が次なる石油ガスの価格高騰への牽制効果になる。過去40~50年くらいみると石油価格高騰と低落が2回ずつあった。次に高騰があればメタハイの時代がくるということで、高騰を抑えていく意味でも、メタハイを着実に進めるとともに海外へアピールしていくことも重要。
  • 2011年の鉱業法の改正には委員として関わった。当時の大きな流れの中で今回の措置の読み方を確認した方がいい。事務局からの説明振りは改正したが成果が上がっていないというように聞こえたがそうではない。昭和25年制定以来の大改正であり、国内資源が無防備の中で手を打ったのが鉱業法の改正だった。改正したからこそ論点が整理され、整理されたことによりこのたび問題点が見いだされた、ということではないか。

資料3「LNG市場戦略」を事務局から説明後、委員からの主な意見は以下の通り。

  • LNGのアジアプレミアムは油価下落で下がってはいるが、アジアプレミアムが生じた原因は、アジアに健全なLNG市場が存在していなかったからである。健全な市場とは、透明性、流動性のある市場。今はLNG市場を創設するには2つの点から考えてもっともよい機会。1つ目は、今後しばらくの間はLNG需給の緩和が続き、買手市場となっていくと予想されているため。もう一点は、ヨーロッパが調達多角化を目指している点。彼らもアジアのLNG市場からの調達に関心がある。G7EMMでLNG市場創設の合意が明確になっている今、これをチャンスとして、官民協力して進めていただきたい。
  • 市場の透明性、流動性高める鍵は、仕向地条項の撤廃。欧州では競争法への整合性を欠いているという視点から、政府も関与してLNG調達契約から仕向地条項を撤廃していった経緯がある。日本も欧州と意見交換をしていったり、韓国、中国、インドとも政府間で意見・情報交換を深め、統一のポジションつくっていっていただきたい。
  • 今回のG7EMMでLNG市場形成に合意得られたことは非常に見事。
  • 仕向地条項だけではなく、LNG価格決定からオイルリンクを外すチャンスでもある。これらが上手くいけば、一層ガスシフトを進める力になる。
  • 一方、オープンなトレーディング用のLNG基地やパイプラインをどうするかは課題。電力、瓦斯会社が持っている既存基地もあるが、あまり空きはない。オープンなトレーディング用のLNG基地、パイプラインを誰がどのように担保していくか。そのアクションプランが重要。
  • 天然ガスシフトは国土強靱化、地方創生にも寄与する。市場創設にあわせ、コジェネ推進や輸送用のLNG需要拡大等のガス需要創設に向けた施策展開期待。
  • LNG基地やパイプラインの拡充、整備は安定供給の確保を大前提に、官からの支援を是非お願いしたい。
  • 今回のG7EMMでLNG市場の点について出したのは、ヨーロッパの流れ変わってきている中で、大変時期を捉えており良かったと考える。しかしやるからにはどれだけ本気か、確認したい。
  • 1つ目は、エネルギーミックスとの整合性。今のミックスでは日本のガス需要は2030年度に向けて大きくシュリンクしていく姿となっている。国内の市場がシュリンクしていく中で、日本を世界のLNG市場のハブにしていけるのか。要するには、次回のミックスでエネ庁は大きくガスシフトを描けるのか、という点。
  • もう一つは新潟との調整。新潟の枯渇ガス田利用は市場創設の際のインフラ整備に利用できる。新潟は原発政策もあり、ミックス全体を踏まえた調整が必要。新潟との調整が始まらなければ、このプロジェクトは本気とは思えない。

資料4「石油中下流部門(調達・精製・流通・販売)の政策の方向性について」、資料5「平成28年熊本地震における緊急石油供給について」を事務局から説明後、主な意見は以下の通り。

  • 熊本地震対応について、石油業界としては、4月14日の前震発生後、被災地の状況確認や在庫確保、ローリー配送密度増など燃料の安定供給確保に努めていたところ、16日に本震が発生し、(計画制定後初の)災害時供給連携計画が発動された。被災地では停電等で営業停止したSSもあったが、早期に復旧することができたため、燃料供給に関して大きな問題は生じなかった。
  • 今後も引き続き、更なる燃料供給サプライチェーンの確保に向けて、自立的に進めてまいりたい。
  • LPガスの取引環境整備について、今回まとめていただいた報告書を広く国民へ周知お願いしたい。各家庭のエネルギー料金調査を当協会でも調査を開始したところ。まだ端緒に着いたところだが、ガス料金についての意見は多く出ている印象。
  • 石油等の中には灯油も含まれていると思うが、灯油についても価格や取引の透明化を進めていただきたい。
  • 震災対応について、電源車オペレーションでは石油業界に大変御助力いただき御礼申しあげる。
  • 石油火力の件については、これまでは電力の安定供給責任は一般電気事業者がおっていたが、2016年4月以降は、各エリアの送配電事業者にうつっている。稀頻度リスクに対応するための予備力の確保、そのためのコスト負担等の仕組みについて、電力・ガス事業部の委員会にて検討されていると理解。その中で、石油火力の位置付けについてよく議論いただきたい。
  • 日本の定検補修等が多いとあるが、要因について分析が必要。海外との比較で日本がこれだけ多いのは、例えば保安関係の法律が要因なのか、定検の人員確保が出来ないために複数回に分けて実施しているという問題が要因なのか、または設備の老朽化が海外に比べ進んでいるのが要因なのかなど。なお、定期補修期間の短縮は安全確保を第一に検討して欲しい。
  • 震災等の緊急時における優先給油対象の選定等の議論は現在どうなっているのか。現状は警察、消防車両などに限っているが、報道も一定の公共性のある業務であると考える。
  • 対象の検討とともに、現場実務で優先給油オペレーションが機能するような検討も必要。優先給油対象を国民に広く認知させる、そのための方法検討や、抜本的に方法を転換し、優先給油対象限定の給油所をつくるなど。あくまで例だが。これまでとまったく違った発想も必要ではないか。
  • 石油火力はもう経済合理性では成り立たない世界。石油火力の位置付けを明示していただきたい。
  • 日本LPガス協会として、LPガスWGの報告書について、真摯に対応してまいりたい。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 政策課

 
最終更新日:2016年5月25日
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