経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 鉱業小委員会(第3回)‐議事要旨

日時:平成26年7月2日(水曜日)10時00分~12時05分
場所:中央合同庁舎4号館共用108会議室

出席者

山冨委員長、赤井委員、植嶋委員、岡部委員、河野委員、北川委員、土屋委員、堤委員、東嶋委員、西村委員、小野塚様(秋元オブザーバー代理)、大野オブザーバー、家守オブザーバー、榮オブザーバー、林様(竹部オブザーバー代理)、中垣オブザーバー、宮川オブザーバー

事務局
濱野資源・燃料部政策課長、覺道石炭課長、萩原鉱物資源課長

議事概要

1. 今後の石炭政策のあり方について(骨子案)

事務局から資料2-1に基づき説明。委員及びオブザーバーからの主な意見は以下のとおり。

  • 資源国にとって、長期間、石炭を採掘したいと考えることは当然であり、これに対する支援、特にJOGMECによる上流の支援策の拡充をお願いしたい。尼等の資源ナショナリズムも無理も無いが、低品位炭や水素など未利用分野の日本の技術でapplyしていき、相手国の付加価値を高めてあげるなど、win-winの関係を構築することが有効な対応策である。
  • オバマアクションプランについては、これまでも対応をしていただいているが、引き続き、日本のスタンスを明確にし、石炭の高効率化やバイオなどの活用を通じて最終的にはCCSに結びつけるといったステップを踏んだものにすべき。オバマアクションプランが実行されると、非OECD諸国では低効率な石炭火力発電設備を容易に導入するおそれがあり、その結果、環境NGOによる反化石燃料の動きを誘発することを懸念する。また、石炭に頼らざるを得ない国との対話を広げ、これを世界に広げていくべき。
  • 低炭素化の推進に向けて、2020年以降の世界レベルでの地球温暖化対策の方針が来年にも決まる見込みであるため、日本の技術開発に関するロードマップの定量的な見通しをもって、世界へ発信する時期が近づいている。本小委員会の報告書でも、こうした流れを踏まえて作成することが必要。
  • 当面の石炭利用技術の柱としては、高効率化技術になるが、これらの新技術をしっかりと開発し、国内で導入していくことが重要。しかし、導入初期ではコスト上昇要因となるため、そのコスト上昇分に対して、政策的な支援を行うことで、新技術の導入がスムーズになるのではないか。
  • 木質バイオマスの使用は、石炭火力の低炭素化を促進させるのみにとどまらず、森林の光合成効果の向上も期待でき、二重の効果を持つという点で有効である。現在、少しでも多くの木質バイオマスを混焼できるよう民間でFS調査などを実施しているが、いかに組織的かつ継続的に不用木質バイオマスを供給できるかがポイントとなる。また、地球温暖化防止に資するCCSについて、技術開発の取組みを加速化させる必要がある。結局、LNG火力よりCO2排出量が多いということを踏まえれば、最終的には石炭火力発電所にもCCSを導入せざるを得ないと考えている。水素原料としての褐炭の利用については、骨子案にも記載のあるとおり、市場側の整備が必要である。
  • 技術はいかに革新的であっても時間経過と共に価値が低価してしまうので、常に技術開発を進めて行くことが重要であり、人材育成も含め、国際連携の枠組みの中で技術開発を続けていくことが必要。骨子案では、日本はすでに高い技術を持っており、今後、普及していくことに重点が置かれているように見受けられる。今後も、さらなる技術開発、人材育成を進めることの重要性を記載して欲しい。
  • 参考資料1は、骨子案の内容を裏付ける資料として参考になる。前回の要望に対応した参考資料の提出に感謝。
  • 骨子案で水素社会に向けた対応や、バイオマスの取組について言及されており評価する。この点は、改訂版の再興戦略でも特記されているので、取組を進めてもらいたい。すでに意見のあったとおり、木質バイオマスの混焼は森林育成にもつながり、CO2吸収効果もある。FITの適用が進めば、さらに普及が進むと思う。木質バイオマスの供給面の課題については各省が連携して対応すべき。
  • 石炭の価格について、現在、一般炭の価格は原油やLNGの1/4程度であり、2000年代前半からの価格高騰を踏まえても、なお、石炭は引き続き安価と評価できる。この事実について明記いただきたい。
  • 米国のエネルギー事情として、米国はシェールガスに転換していると承知している。そのため、米国の石炭火力を最新の設備に置き換えた場合のCO2削減量を記載しても現実的な想定事例ではない。記載するのであれば「石炭火力発電所の多い米国、中国、インドで仮に導入した場合」などと仮定の話であることを明確にすべき。
  • CO2の化学製品等への「利用」はCO2の大気中への放出の抑制にはならない。また、2. (2) (4)の記載内容は、海外について記載しているのか、国内の動向を記載しているのか明確にすべき。また、「水素社会の到来」は、しばしば盛り上がる話題ではあるが、今回の盛り上がりが、どの程度のものかを見極める必要がある。この段階では、あまり強調しない方がいいのではないか。
  • CO2分離・回収コストについて、1トンあたり1万円という数字は事実であるが、削減コストだけ考えれば、太陽光の数分の一程度であり、CCSだけがコスト高と見えることは避けるべき。
  • これまでにも低品位炭利用に関する技術開発は山元発電利用が中心に行われ、新たな技術により安定調達性が増してきた。他方シーズありきで開発が行われ、コスト目標設定も甘く、実用化が進まなかった。NEDOとしては、今後の開発はユーザーにも参加していただきながら進めていきたい。
  • FS調査を通じて、石炭火力のインフラ輸出を進めてきたが、新しい技術の場合、相手国で実証機を示すことで受注、普及にとっては重要。従来のFS調査のみならず、相手国での実証事業に対する政府の支援をお願いしたい。
  • 参考資料で、CO2排出量について各国を比較がなされているが、この資料では経済合理性の観点が抜けている。なぜ、インド、中国の排出量が高い数値にとどまっているかを考えるべき。新興国は電気量の絶対量が足りないため、新設発電所の設置が優先され、CO2削減という発想がない。この場合、その国の産業競争力を高めようとする経済合理性が優先される。技術があっても、アメリカのように強制力をもって規制をするなど、経済合理性を覆す仕組みがない限りは、現状、CO2排出量の削減が進むとは考えられない。
  • 石炭の安定供給に向けた対応について、輸送インフラに限定して記載されているが、途上国側のニーズは資源にいつまでも依存できない中、資源開発を契機として、産業育成、人材育成を行っていきたいということであり、ここでの記載は、輸送インフラに限定する必要はないのではないか。

2.今後の鉱物資源政策のあり方について(骨子案)

事務局から資料3-1に基づき説明。委員及びオブザーバーからの主な意見は以下のとおり。

  • 鉱山開発プロジェクトを手がけてから開発に至るまでのリードタイムを考えると、これまで以上に長期スパンで考えていかなくてはならない。鉱山開発に係る支援制度は充実してきているが、人材が不足。国内鉱山がほとんどない中で自前の人材確保が困難な状況。政府においても人材育成面の取組について検討いただきたい。併せて、鉱山開発支援制度の一つである減耗控除等税制の恒久化についても検討いただきたい。
  • 非鉄製錬事業について、中国が世界で存在感を増している。電力価格上昇への対応等、事業環境が厳しい状況の中、金属原料のサプライチェーンが途切れることがないよう措置を講じていただきたい。
  • 資源ナショナリズムについて、明らかな国際ルール違反と見られる資源国の制度に対して、他国へも影響を与えかねないので、日本が許容していると見られることがないよう、国際ルールに沿った適切な対応を早急にお願いしたい。
  • 骨子案にあるように鉱種毎の各論が重要。今後の対応について人材育成の問題を含め具体的な対応が検討されることを期待。
  • 鉱山開発へのリスクマネー供給等の支援制度については、ツールの使いやすさについても検討いただきたい。備蓄についても使いやすさが重要。
  • レアメタル特有の課題の整理について、レアメタルを利用する側から見た場合、省資源や代替するための努力を講じていることも事実としてあるので、取りまとめの際の表現ぶりについて検討いただきたい。
  • 今後取りまとめる内容は、国内向けのメッセージであることはもちろん、資源国等に対するメッセージにもなり得る。国内外へのメッセージになり得るという取りまとめの位置付けを踏まえて、盛り込むべき内容について慎重に検討を行う必要がある。
  • 相手国との関係醸成は大事だが、政治紛争に巻き込まれるというリスクもあるので、そうした場合のリスクヘッジ、相手国との調整をどうするのかについても考える必要があるのではないか。
  • 今般の取りまとめの位置づけが鉱物資源全般の取りまとめということであれば、海洋鉱物資源開発への取組について触れる必要があるのではないか。
  • 供給への安全保障はもちろんあるが、成長戦略として、グローバルマーケットの中で、例えば、海外の鉱山で建設機械メーカーやタイヤメーカーが不可欠になっているように、日本の産業の力をつぎ込めないかという視点も必要ではないか。R&Dの技術戦略をとりまとめの中に位置付ける必要があるのではないか。鉱山開発の生産性向上のため日本の産業力を活用できるのではないか。
  • 鉱種毎の政策取組は非常に重要であり、これが日本の強みになると考える。
  • 資源メジャーといわれる企業は、将来を見据えリン・カリといった肥料原料の開発を進めようとしている中、日本としても肥料原料の確保が重要な課題になるのではないか。関係省庁が連携する形で、政府からの支援も検討いただきたい。
  • 大学側の立場で言うと、資源ナショナリズムに対応するためには、資源分野と経済分野など、文系、理系どちらにも対応できる人材が必要と考えられる。大学でも取組を実施しているが、何十年も続く課題である。また、資源分野の人材確保について、例えば地球化学分野と材料化学分野とがつながりをもって研究できる内容が必要ではないか。
  • 不純物に関する技術開発など、今後進めていくべき内容を選別して、産学官が一体となって国主導で進めていくべき。
  • 資源国に製錬所を作って欲しいと言われても、現在のTC/RCのレベルではペイしない。鉱山の権益を持っても何年かたてば権益を資源国に渡さないとダメということになると、win-winの関係はなかなか難しい。
  • 産学官研究について、現在の非鉄製錬の手法は、歴史が長く、現在の技術は冶金学や熱力学上これしかないという手法と考えられており、その考え方がすり込まれ過ぎているかもしれない。電力価格を下げてと言うだけでなく、技術的なブレークスルーを求めていくことも考えなくてはならないのかもしれない。鉱山開発技術についても同様に、果敢に挑戦していかなくてはならない。
  • 骨子中にあるリスクマネジメントにおけるベストプラクティスについて、鉱山地域コミュニティのベストプラクティスという言い方もあるので追加してみてはどうか。
  • 日本が現に国際競争力を有する素材プロセス技術、環境技術をとりまとめに当たっては盛り込むべき。
  • 資源ナショナリズムへの対応として、投資協定の枠組みによる紛争解決もあるので、その方策も考えてみてはどうか。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 資源・燃料部 鉱物資源課

 
最終更新日:2014年7月31日
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