経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会(第15回)‐議事要旨

日時:平成27年8月4日(火曜日)9時00分~11時00分
場所:経済産業省本館地下2階講堂

出席者

出席委員
中上委員長、市川委員、川瀬委員、佐藤委員、大聖委員、高村委員、田辺委員、豊田委員、飛原委員、松村委員、宮島委員、山川委員
オブザーバー
エネット、住宅生産団体連合会、省エネルギーセンター、石油連盟、セメント協会、電気事業連合会、電子情報技術産業協会、日本化学工業協会、日本ガス協会、日本自動車工業会、日本製紙連合会、日本鉄鋼連盟、日本電機工業会、日本百貨店協会、日本フランチャイズチェーン協会、不動産協会、国土交通省住宅局住宅生産課、環境省地球環境局地球温暖化対策課
事務局
日下部資源エネルギー庁長官、吉野資源エネルギー政策統括調整官、藤木省エネルギー・新エネルギー部長、吉川省エネルギー・新エネルギー部政策課長、辻本省エネルギー対策課長、吉川省エネルギー対策業務室長、戸邉新産業・社会システム推進室長、服部産業技術環境局環境経済室長

議題

  1. 省エネルギー小委員会 取りまとめ(案)について
  2. 今後の対応について

議事概要

議題について事務局より説明の後、委員及びオブザーバーによる自由討論。主な意見は以下のとおり。

1. 省エネルギー小委員会 取りまとめ(案)について

  • 「10%程度の省エネポテンシャルをもつ中小企業」とあるが、中小企業全体での省エネポテンシャルの根拠を示すべき。
  • トップランナー制度対象品目の拡充について記載があるが、国際展開を考慮するならば、トップランナー基準の検討時に海外の最先端機器も参考にして検討すべきではないか。同じ省エネ性能と言っても、日本と海外では前提条件が異なる場合もある。
  • 生活環境等が異なると家電製品に求める機能も異なってくるため、機器の国際展開を考える際はそういった違いを考慮する必要がある。
  • 2020年までに新築公共建築物でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実現するためには、何か具体的な動きを示す記載を入れるべきではないか。
  • 日本の省エネ技術は世界トップレベルだと言われるが、分野によって異なる。具体的にどの分野がトップレベルで、他がそうではないか、データに基づいて把握することが重要。
  • 省エネ法に係る国と権限移譲は、[1]地方自治体間でのイコールフィッティングへの影響、[2]全体最適への影響、[3]二重行政による事業者への負荷等、の3つの観点から産業界の省エネ行動を阻害すると懸念しており、慎重な対応をとるべき。
  • 今後必要な措置として交通流対策を記載していただき、感謝している。実現のため、記載されている対策に予算をつけていただき、確実な実施をお願いしたい。
  • 長期エネルギー需給見通しに示された、35%原単位改善の「野心さ」を国民全体できちんと理解する必要がある。過去20年では10%も改善していない。
  • 産業部門の省エネ推進のためには、補助金だけではすぐに消費されて多くの企業に行きわたらないため、税制優遇を行うことで多くの企業に対して設備投資の推進を行うことができるのではないか。
  • ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やZEBに限らないが、健康面への貢献などのコベネフィットをもっと国民に理解できるようにプレゼンしていくべき。
  • IT活用のエネルギーマネジメントについて、個別では費用対効果が悪くても、DR(ディマンドリスポンス)と自動化、省エネ診断など、単体ではなく一体感をもって取り組むことで、費用対効果が改善するのではないか。
  • 廃熱利用は産業部門だけでなく民生部門でも重要であり、清掃工場や下水処理場などを活用した地産地消の廃熱利用を優遇する制度や、公有地利用等の調整役である地方自治体の取組を評価する制度を設けてはどうか。
  • 電力小売り事業者による省エネの促進は重要な指摘。「定額使い放題」といった料金メニューをつくれば、国民の省エネ意識が低下するだろう。食の安全と同様に「安かろう悪かろう」の「悪かろう」の部分を判断できる情報提供や、電源も含めた省エネ取組の規制が必要。
  • 今まで単体で行っていた省エネ取組から、IoTなど新しい技術に基づいて消費者と事業者、複数の事業者がつながりながら、スマートコミュニティなどの新たな技術に基づいた新しいエネルギー消費構造の形成、改革が重要。また、先進的な省エネ取組を行っている各業界の「トップランナー」的な事業者の取組を参考にしながら、良い意味でのトップランナー的な形で競争をし、支援をし、新しい世界をつないでいくことが重要。これが日本の競争力にもつながっていく。
  • 日本は経済発展とエネルギー消費量がデカップリングしていく社会を目指すべきであり、またこの省エネ努力を産業化していくべき。
  • 熱中症防止のためにエアコンが推奨されるように、我慢の省エネでは健康性・生産性の低下を招く。住宅の室温に関しては、断熱・遮熱性能を向上させることで、対応が可能。
  • 建築・住宅において、採光、自然換気などの自然エネルギーを取り入れる工夫をパッシブと呼んでいるが、今後は外からエネルギーをいただくということで、「ハーベスト」という概念をつくっていくべき。
  • 住宅・建築物の省エネ基準適合義務化とラベル化については、計画時・運用時のラベルが必要。例えば、J-REITの有価証券報告書にリスク情報としてエネルギーをきちんと入れないと、不動産価値の中に省エネルギーは入っていない。
  • ZEB・ZEHについては、ロードマップ委員会で定義を明確化しているが、こうした設計のガイドラインを示すことで、値段が下がってくる。また、そのガイドラインを翻訳し、海外に発信して社会が誇れる住宅や建築物にすることが重要。
  • 技術開発については、これまでの技術の延長ではなく、突然変異のように起こる技術開発をどうやって拾っていくかを考えることも必要。
  • DRは省エネにならないという話があったが、太陽電池や蓄電池で自家消費のエネルギーをうまくやっていけば系統負荷が低減する。ネガティブ側のものを省エネやエネマネとして評価すべき。
  • ICTを活用した省エネでは、スマートメーターの利用が一番簡単であり、データフォーマットの統一化を行うべき。
  • 空き家が増える中で、どのように断熱を進めていくか。また公共建築が縮減していく時に、省エネ化すれば縮減を認めるなど、縮減時代に省エネをいかに進めるかという視点が今後重要。
  • 全国一律もいいが、東京などの魅力ある都市は、先行して都市のグリーン化や面的利用の促進を図るべき。
  • 分散型エネルギーに関して、長期エネルギー需給見通しでも従来の4~5倍の事業スケールで位置づけられており、これを有効に発電、利用していくため、面的な配慮がますます重要になる。
  • 自動車の持つ情報の活用など、情報通信の発展はますます進むが、その際、我々消費者自身がそういった情報を使いこなす能力も同時に身に着けていかいと、ICTだけが先走りしてうまく効果が発揮しない。
  • エコドライブを実践すると、燃費改善よりも、事故が減るという効果の方が大きい。こういった相乗効果をうまく活用していくべき
  • 自動車に限らず、省エネ機器全体として、表示されている燃費・省エネ性能と、実際の燃費・省エネ性能に違いがあるので、情報提供を適切に行うなど、消費者にきちんと示していくべき。
  • 日本が有する世界をリードする省エネ技術を、新興国に提供することで、国際貢献を果たすとともに、それにより日本製品の普及を図ることが重要。
  • あらゆる分野に共通の課題だが、政策立案、技術開発に係る人材育成が非常に重要。産官学の連携をとって、取り組むべき。
  • 家庭や住宅部門に関しては、日本や海外に調査研究事例があるため、そういったものを共有しながら議論ができたら良かった。
  • 消費者と省エネを普及する側には、意識や知識に乖離があると常に感じている。情報提供や広報は、何をどのように、誰に伝えるかといった中身によって効果が大きく変わってくるため、先例にとらわれず、より効果的な方法をもっと検討してほしい。
  • 家庭部門では、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)やDRの普及などが新しく出てくるが、消費者に受け入れられる仕組みやサービスを、消費者目線で検討を進めて、「取りまとめ(案)」で掲げた措置の実効性が上がることを期待。
  • 省エネの意識は浸透しているが、分かってはいるけどやっていない人への働きかけが難しい。世帯数の増加など、意識せず構造的にエネルギー消費が増えている状況への対処を考える上では、組織が横断的に状況を見て進めるとともに、1個1個の竹槍部隊の総力戦ではなく、まさに組織戦をする必要がある。自治体がリードするほか、良い先行事例を共有して、真似ていくことも必要。
  • ピーク時の省エネ制度設計においては、ピーク時の省エネを大きく進めるということではなく、ピーク時の省エネを行う事業者の足を引っ張らない制度設計として、省エネ法が改正されたが、これは省エネとして最も適切な部分に限定していた点でよかった。
  • 小規模石炭火力発電所の規制については、省エネ法の観点から見て望ましくないことを是正するのは重要。しかし、何でも省エネ法でできるわけではなく、仮に小規模石炭火力の問題がアセス逃れなのであれば、環境アセスメント制度など、根本的な原因を考えて対応すべき。
  • 省エネルギーは、エネルギー問題をやるときは必ず駆け込み寺といわれている。適切なところで適切な議論ができるような場を運営していただければと思う。
  • 住建義務化については非常に期待している。省エネ基準に対応した住宅・建築物がきちんと評価されるような仕組みの構築と普及が重要。
  • トップランナー制度は世界的にも有名で、日本が誇るべき制度だが、一方で日本製品のガラパゴス化を招くなど悪い面も指摘されているため、評価基準の世界標準を目指して、日本の優れた技術を推進していってほしい。
  • ZEBの実現については、太陽光発電の設置余地の問題解決が必要だが、太陽光以外の再生可能エネルギーをいかにビルで適用していくかも検討いただきたい。
  • DR自体は必ずしも省エネに直結しておらず、副次的な、電力ピークシフトに伴う省エネが期待される。コジェネや高蓄熱と合わせた総合的なピークシフトの施策も必要ではないか。
  • 資料1について、「産業や中小企業、家庭の収益」と記載があり、違和感がある。家庭における省エネの取組みはまず環境配慮というマインドが重要であり、収益が1番に来るように読めてしまう記載は適さないのではないか。
  • 行政、事業者が知恵を絞り、消費者をしっかり巻き込んでいただきたい。そうすることで、必ずしも省エネに熱心でない消費者・納税者も、どの程度負担するのかということを覚悟できる。
  • 省エネであれば何でも進めるべきという論調ではなく、無理をしてでも進めるべき取組なのか等、各取組について国民的な議論をしながら進めるべき。消費者の側に負担感だけが残るようでは、努力をする気持ちを阻害しかねない。
  • 産業部門について法体系をいかに運用していくかが重要。今までは出して終わりだった省エネ法の定期報告について、きちんと評価してクラス分けを行っていく仕組みは非常に画期的であり、工場の省エネが進むことを期待。
  • 人材育成については、講習を受けられるような体制整備や、定期的に人材を補充し、各工場の独特の省エネ技術を継承するような体制が必要。
  • エネルギー管理やデータ整備などの外注が進むが、それをいかに活用するかを最終的に判断するのは各工場のエネルギー管理の担当者であるので、人材育成の体制をつくっていただきたい。
  • 産業部門の(5)[1]3ポツの中小企業BEMSやESCO(エナジー・サービス・カンパニー)の記載については、(6)の中小企業等への対策に入れた方が適切ではないか。

2. 今後の対応について

  • エネルギー小売事業者に対する措置について記載があるが、システム改革により今後事業者から新たなアイデアが期待出てきているところであり、こういった事業者の自主性を損なうことのないようにご配慮いただきたい。
  • スーパー等、今でも肌寒いほどの冷房がついているが、こういった一般の消費者が利用する施設での省エネ感覚がないと、消費者の省エネ意識も浸透しない。
  • グリーン建物表示制度、個別店舗の省エネ取組の情報開示、街灯の一斉LED化の事例の紹介などにより、国民が省エネに参加しているという意識をもって、強く啓発を促していくべき。
  • 店舗における空調設定については、ユーザー側から「冷房が効きすぎ」という意見を出すのが1番効くのではないか。
  • 省エネ法のエネルギーの概念に、太陽光発電やバイオマス燃料も追加するという考え方が記載されているが、この場合太陽熱の扱いはどう考えているのか?
    • (回答)
      これは単なる例示であり、熱を含む再生可能エネルギー全体を対象に考えている。
  • コジェネや面的利用について意見を反映していただき、感謝している。複数事業者間連携については、産業部門に記載されているが、業務部門についても必要な措置は講じていくべき。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー対策課

 
最終更新日:2015年8月25日
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