経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会(第17回)‐議事要旨

日時:平成28年6月21日(火曜日)15時00分~16時58分
場所:経済産業省別館3階312各省庁共用会議室

出席者

出席委員
中上委員長、市川委員、川瀬委員、木場委員、佐藤委員、大聖委員、高村委員、豊田委員、飛原委員、宮島委員、山川委員
オブザーバー
エネット、住宅生産団体連合会、省エネルギーセンター、石油連盟、セメント協会、電気事業連合会、電子情報技術産業協会、東京都環境局、日本化学工業協会、日本ガス協会、日本自動車工業会、日本製紙連合会、日本鉄鋼連盟、日本電機工業会、日本百貨店協会、日本フランチャイズチェーン協会、不動産協会、国土交通省総合政策局地球環境政策室、環境省地球環境局地球温暖化対策課
事務局
藤木省エネルギー・新エネルギー部長、吉川省エネルギー・新エネルギー部政策課長、吉田省エネルギー課長、吉川省エネルギー対策業務室長、三牧省エネルギー課長補佐、服部産業技術環境局環境経済室長

議題

  1. 省エネルギー小委員会とりまとめへの対応状況
  2. エネルギー革新戦略を踏まえた新たな省エネ政策の方向性

議事概要

議題について事務局より説明の後、委員及びオブザーバーによる自由討論。主な意見は以下のとおり。

議題1. 省エネルギー小委員会とりまとめへの対応状況

  • 家庭部門においては、省エネによる恩恵を実感するのは困難。スマートメーターやHEMSの導入を支援することで、どこの部屋でどの機器がどれくらい電力を消費したのかという情報をわかりやすく提供できるようにすれば、一般家庭でも的確な省エネが実行できると思う。しかし、既存の住宅では設置の面倒や費用もかかるので困難であるとも考えられる。次回にでも実態を御説明いただきたい。
  • 事業者クラス分け評価制度について、一般的に省エネの余地が大きいとされている業務部門において、制度の初期段階からSクラスが多いという事実を、優秀と受け止めて良いのか、それとも評価制度の見直し等を行っていく予定なのか、ご教示いただきたい。
  • 住環境計画研究所の調査によると、エネルギー使用状況の他世帯との比較や、省エネアドバイスを掲載したエネルギーレポートを各家庭に配布することで、一定の省エネ効果が出たとのこと。コスト故に住宅の省エネ化や機器の買い換えが容易には進まない中、情報提供の方法次第では、今持っている機器でどう省エネするかといった取組が促進されるのではないか。
  • 事業者クラス分け評価制度の結果について、Sクラスは62.6%とのことで、省エネ取組はもう十分だとお墨付きを与えてしまっている割合が非常に高い。地球温暖化対策計画で策定した目標値を達成すべく、本制度をより拡充していくべき。また東京都では、大規模事業所における総量削減義務と排出量取引制度の対象事業所1,300のデータを活用して10の区分(事務所、情報通信、商業等)を設け、区分別CO2排出原単位(kgCO2/m2)を情報提供している。さらに地球温暖化対策報告書制度においても、35,000もの中小規模事業所からCO2排出状況のデータを提出いただいており、これを活用して30の区分を設け、平均的な区分別CO2排出原単位を算出・情報提供しており、事業者からも高く評価されている。業務部門のベンチマーク制度(以下「BM」)についても、こちらに掲げられているそれぞれの区分において、BMの設定をしていただきたい。
  • 百貨店協会としても、BM策定に向けた意見交換を行っているが、複数ある営業時間をどう扱うのか、また百貨店の店舗で実際に売り場として使われている面積を使用すべきなのか、売り場以外で使っている面積も考慮すべきなのかといった面積の定義等の課題がある。
  • 昨年とりまとめられたロードマップにおいて、これまでZEBという非常に高い目標しか存在していなかったところ、Nearly ZEBやZEB Readyなど、ZEBという名称を使用しつつも少しハードルが低いZEBの考え方が定義されたことで、取組を進めやすくなったとの声を聞いている。アンケートを通じて毎年データを取得し、どういった取組が行われているのか、そういった取組の数はどれくらいなのかを公表していくべき。また、IoTによりヘビーな制御・監視が行われた場合、それが原因で大きくエネルギーを消費する可能性もあるため、そういったデータを取ることもルール付けすべき。
  • BMについては、とにかく出来るところからという観点で、例えばエネルギー消費量の多い空調や照明に限って導入することや、平米当たりのエネルギー使用量を一つの指標にしてはどうか。
  • 現行省エネ法第86条において、「一般消費者に対するエネルギーの供給の事業を行う者」との定義がなされており、この『一般』というのは不特定多数という意味合いを表すことが多い。従って、この省エネ法を素直に読むと旧一般電気事業者という意味合いに捉えられるかもしれないが、電事法が改正された今、一般電気事業者という概念が無くなっている。当該努力義務は旧一般電気事業者だけでなく新電力事業者にも課されるのか。またそれ次第では法改正を行うのか、あるいは解釈論で対応されるのか、現在の検討状況をご教示願いたい。
  • 新電力の事業者として、需要家側への情報提供を行うことで、需要家にはエネルギーを効率的に使っていただきつつ、供給側も需要家の動きに基づいて効率的に電気を供給していき、最終的には社会コストの最小化に貢献できるよう努めていきたい。

議題2. エネルギー革新戦略を踏まえた新たな省エネ政策の方向性

  • 運輸部門について、省エネ法に基づく燃費基準に対して、国の定める方法と異なる方法で測定された燃費が表示されていたという問題が最近報道されている。消費者が適正な製品を選択できるよう、表示された法定燃費と実際の燃費との乖離を見直し、燃費不正に対するリアルワールドでの対策の検討を求めたい。
  • 単に自分あるいは世の中のための節電という認識を超えて、実際に環境問題上の国際締結があることや、エネルギーミックス実現のためにも省エネは必要なのだということを、もう一段高いレベルで国民が意識するような仕掛けが必要。以前小委で、環境省からもう一段上の作戦があると聞いていたが、この夏に向けて新たな動きは特段感じられない。再配達の削減についても、運輸業者だけの問題ではなく、それをオーダーする側の意識の変革が重要。
  • IoTやデジタル化などのITの先進的利用は重要だが、意識すべき最終ゴールはそれらを用いた自動最適化である。ディマンドレスポンスあるいはスマートメーター等のIT機器を導入しビジュアル化すれば良いという話しではなく、コストミニマイゼーションも含めた最適状況を自動的に作るところまで話しを進めていくことが重要。ただし、自動最適化を行う際にはBEMS、HEMSの導入といったコストが発生するので、補助金の活用や、手続きの簡素化などマイナス面を補う取組が必要。また、省エネ行動の普及に向けて、人間の行動をどう整理し直すかという行動科学的な発想の導入も必要。例えば家庭の省エネにおいては、隣家との比較だけでなく、いわばベストプラクティスの共有を行う際に、行動科学的な視点から消費者の省エネ行動の意識改革を考えていくと、もう一段新しい発想が出てくるのではないか。また、損害保険の活用、すなわちZEB・ZEHの導入を行った際は、特会等にて補助することで損害保険料も下げ、ZEB・ZEHの価値を上げていくといった発想もある。さらに、サプライチェーンや荷主、インターネット販売事業者をどう捉えていくかも重要。勢力が増していく業界にも関わらず、省エネ法の規制対象になっていないため、見直しを通じて対象を広げて行く必要がある。なお、原単位改善に着目していくとのことだが、原単位が改善したとしても、競争力が増してしまうがためにエネルギー消費量が増えてしまうかもしれない。産業を超えて、全体のパフォーマンスを見るくらいの発想で、国際競争力が強化されるような原単位の改善は、例えエネルギー消費量が増えても歓迎するといったスタンスの転換を行い、成長を促しながら省エネもしていくという発想に、もう一回光をあてる必要がある。
  • サードパーティについて、機器の販売事業者や、配達・設置事業者も大きな役割を果たすと予想される。機器の販売事業者に関しては、統一省エネラベルなどを使用して、買い換えの際に省エネ性能を提示することは従来から行われてきたが、店員から直接的に働きかけるということも一定の効果をあげると予想される。また、配達・設置事業者に関しては、エネルギー消費者と直に接点を持てる立場にあるため、直接的に省エネのアドバイスを行う、あるいは消費者に代わって機器の省エネ設定をその場で行うなど、積極的に関わっていくことで省エネになる可能性がある。消費者の生活の実態を把握した上で、それに合った現実的かつ効果のあるサードパーティの活用を求める。
  • 資料2のP4とP5の為替レートを確認したい。また、業務部門の取り組みが他部門に比べて弱いような印象を受ける。もう少し対策項目などを増やす必要があるのではないか。例えば業務部門でもリノベーションを前面に出すなど。ZEHビルダー制度を業務部門にも応用することを考えても良い。
  • 国民運動の一工夫が感じられない。また再配達の抑制は賛成。例えば必ず時間指定をするようにする、不在時は宅配ボックスに預けて良いか質問の欄に書けるようにするなど、細かい工夫によって何度も往復するというのは避けられるのではないか。
  • 生産性の向上と省エネを一体して進めていくという考え方をもっと強調すべき。省エネ法の判断基準を見てみると、今のところユーティリティ中心の省エネ対策となっており、生産性の観点からの省エネはあまり見受けられない。足下の判断基準を見直していく過程で、近いうちIoTにも結びつけていくといったような、現実的な対策が必要。また、新しい技術・システムの中で省エネをすすめられる人材の育成も重要。
  • 事業者クラス分け評価制度については、今のSクラス事業者をAクラスにすべき。また、産業部門の結果が悪い理由として、生産量の減少や、製品構成の変化等があげられる。結局のところ、運用方法、すなわち生産計画をどうするかという点に帰着するため、IoTの活用による原単位の改善事例等をより広めていくべき。さらに、ある工場での成功事例がそのまま他の工場でもすぐに適用できるわけではないため、高効率な設備の導入を支援するのと同時並行的に、それを実現させられる人材の育成を行っていただきたい。
  • 固定的なエネルギー消費を抱える工場では、稼働率が落ちるとエネルギー原単位が悪化する。従って、製造業にとっての原単位改善の最大のポイントは、生産量が増えて稼働率が向上すること、つまり経済が活性化してGDPが1.7%伸びてくれること。これが達成されると、自動的に原単位の改善は進んでいく。経済が伸びると当然設備の更新を行うというインセンティブも高まり、生産性を改善するための投資意欲が出てきてエネルギー効率もあがるという好循環になる。是非とも経済成長そのものを実現していただきたい。その中で、全員が楽しんで省エネできるようなサイクルが生まれてくるというのがもっとも望ましい姿。
  • 機器のトップランナー制度による省エネは限界に近づいており、省エネ余地という意味では、建築物や住宅の省エネ性能の向上があげられる。今後何年かかけて義務化を進めていくとのことなので、これを着実に進めることが一番省エネに効くと考える。
  • 家庭の省エネが進まないということだが、例えば自治体主導プロジェクトとして、まずは地方自治体が所有する自治会館等の公共物件の省エネ化を行い、さらに地域開発を核として住民を啓発していくべき。特に住宅や業務用施設が密集する三大都市圏の市区町村に対しては、一行政地区、一スマートエネルギー地域といった指定を行い、重点的に実践してはどうか。
  • 中小企業には省エネノウハウがないとの記載があるが、実際省エネの機器を所有していても、機能を理解していないがために省エネの設定がされていない、あるいは保守管理について十分に成されていないがために、機器のエネルギーロスが増大しているケースもある。こうした状況に対応するため、東京都でも省エネ診断や研修会を行っているが、手間がかかることが問題であり、かつ数が稼げないため民間のビジネスモデルにはならない。しかし昨今、スマートメーターやIT技術が普及し、ネットを通じて機器の稼働状況や省エネに大きく影響を与えるような温湿度及びCO2濃度の情報等が容易に入手できるようになったため、外部の専門家が現場に行かずして省エネ余地を予測できるようになったといえる。サードパーティの活用ということで、中小規模事業所を効率的にサポートできるような仕掛けを考えていきたい。
  • 例えばネガワット取引を実現するには、ネガワット事業者、一般送配電事業者、広域的運営推進機関など、関係する機関のシステム整備・連携がきちんと成されていなければならない。省エネのビジネスや仕組みを考えていく上で、関係する機関同士のシステムをどう整備していくかも課題の一つ。
  • 需要予測の共有だけでなく、サプライチェーンのグリーン化という方向でも取組を進めていただきたい。サプライチェーンというと、食品等の製品・商品が関わってくるため、ある程度消費者も、サプライチェーンのグリーン化ということについて認識・情報を持ち合わせている必要がある。どういう情報提供の仕方を取ればいいのかというところも含めて、取組を進めていただきたい。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー対策課

最終更新日:2016年7月12日
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