経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会(第18回)‐議事要旨

日時:平成28年8月9日(火曜日)9時59分~12時03分
場所:経済産業省別館3階312各省庁共用会議室

出席者

出席委員
中上委員長、市川委員、川瀬委員、木場委員、佐藤委員、大聖委員、高村委員、豊田委員、飛原委員、松下委員、宮島委員、山川委員
オブザーバー
エネット、住宅生産団体連合会、省エネルギーセンター、石油連盟、セメント協会、電気事業連合会、電子情報技術産業協会、日本化学工業協会、日本ガス協会、日本自動車工業会、日本製紙連合会、日本鉄鋼連盟、日本電機工業会、日本百貨店協会、日本フランチャイズチェーン協会、不動産協会、国土交通省総合政策局地球環境政策室、環境省地球環境局地球温暖化対策課
事務局
藤木省エネルギー・新エネルギー部長、吉川省エネルギー・新エネルギー部政策課長、吉田省エネルギー課長、吉川省エネルギー対策業務室長、三牧省エネルギー課長補佐、服部産業技術環境局環境経済室長

議題

  1. 省エネ政策の現状と課題
  2. 省エネルギー技術戦略2016

議事概要

議題について事務局より説明の後、委員及びオブザーバーによる自由討論。主な意見は以下のとおり。

議題1.省エネ政策の現状と課題

1.現状認識について/2.原単位の改善について

  • 原単位改善に向けた施策を種々検討いただいているが、実際に原単位改善を行うのは現場のエネルギー担当者等。エネルギー管理講習を受ける機会の無い人にとっては、最新の情報を得られる機会が無い。新たな制度の整備や補助金の設計をしていただくのは良いことであるが、実際の企業の担当者が働きやすいような、そういう新たな制度や補助金を活用できるような体制も検討いただきたい。
  • 省エネに取り組むことで経済の好循環を生むというのは楽観的。経済の拡大が順調に進まない社会において、どのように省エネ取組を推進していくのかについて、具体的な施策を説明いただきたい。
  • 指標として原単位も重要であるが、日本全体のエネルギー使用量の削減に結び付けるためには、エネルギー消費量の多いクラスを重点化して、Aクラスの更なる省エネ努力を促すとともに、Bクラスの是正強化も必要。また、コンビニも24時間営業であり、エネルギー浪費の象徴ではないか。売上高によるベンチマークにも違和感がある。配送に係るエネルギーも含めてベンチマークを考える必要があるのではないか。
  • 原単位が改善していないことの原因究明が必要ではないか。経済成長していないが故なのか、あるいは技術がないのか、設備投資にお金がかかるのか、その点を解明すべきなのではないか。また、Sクラス事業者については、多すぎるから悪いというよりは、さらに事業者を駆り立てるべくSSクラスを作るといった工夫が必要ではないか。さらに、産業トップランナー制度の拡大については、サービス分野は様々な業態があるため容易ではないのだろうが、補正係数を作り地方と都市部の違いを是正するといった工夫をしてはどうか。
  • 原単位改善率に着目した支援の必要性を再認識したところ。省エネ法に基づく合理化計画の作成、公表・命令、罰則がゼロというのは素晴らしいことなのか。事業者の省エネ深堀りが可能なのか、それとも経産省の事業者評価が適切に行われていないのか。
  • 原単位を見て省エネを強化する方向性は同意。今同じく指摘があったが、省エネ法に基づく罰則に至るまでをルール化すべきではないか。最初から高いレベルの省エネを行っている企業は毎年1%の省エネは難しい一方、少しずつ小出しに省エネを行っている企業は順守できてしまう。業界でベンチマークが設定されていれば勘案可能であるが、ベンチマークが設定されていない企業はこの判断をどうするのか。
  • 原単位改善に向けた取り組みとして、ベンチマーク制度や事業者クラス分け制度を実施すると同時に、うまくいかない場合の要因分析は同時に行われる予定か。
  • 鉄鋼は、すでに世界トップレベルの省エネ効率で生産活動を進めている。そういった中で毎年1%原単位改善というのはかなりの努力が必要。日本全体の経済活動が下がっているので本来は原単位は悪化する方向だが、原単位が停滞しているということは、悪化させない方向で努力しているということ。もう少し頑張っていただきたいという表現にしていただければ幸い。Bクラスの通知文書は良い意味でプレッシャーになっている。
  • 設備のエネルギー効率を上げるのみならず、生産性を上げることで省エネは達成できる。生産性を上げながら省エネを進めていくことによって、全体としてエネルギー原単位を下げていくことが必要。また、クラス分け評価制度で業務部門にSクラス事業者が多い理由としては、震災後の節電による省エネ影響のほか、1,500kl以上、すなわち3万m2程度の大規模建物については省エネが進んでいるということかもしれない。特に、2000m2以上の建物に建築物省エネ法の基準適合化義務が課せられる一方で、SABC評価の運用では3万m2以上を補足するというアンバランスについては、省エネの徹底の観点から検討すべきではないか。

3.エネルギー管理の単位について

  • 個々の事業者単位ではなく、事業者を超えた取組が必要。ある会社が省エネをしたくても、別会社や国民のニーズ等が阻害要因となって省エネができないという事象もある。お互いの忖度が省エネと外れる形で進んでいる可能性もあるため、その観点から掘り起こしをすることが重要。ニュースにもなったが、飲料メーカーが共同輸送をして輸送の効率化をしているケースもある。行政としてもそういった取組を促進していくことで、次の段階の省エネに進めるのではないか。
  • 事業所から事業者へ、そしてサプライチェーン単位の省エネが進むということは大変良い取組。4番目の実例の先に、中小企業を念頭に置いた組合や地域レベルでの共同省エネが工夫できるのではないか。組織や地域単位となれば、ESCOビジネスも入っていきやすくなるのではないか。
  • 省エネの好循環を実現するためには、例えば未利用熱利用についても同一敷地や隣接工場に限定せず、複数施設や中小企業工業団地などの一区画で評価するなど、面的な広がりを持たせ協力する体制を整えることが大切。その評価に地方自治体からの一定の助成も加われば、地方創成と省エネ投資双方に寄与するのではないか。
  • 消費者の立場から申し上げれば、エネルギー管理の単位の拡大に加え、過剰サービスの抑制が大きな課題と考えている。過剰生産、在庫の抑制はまだしも、過剰サービスの抑制は大変難しい課題であるが、そこを乗り越え、消費者の人たちに省エネの大切さを植えつけることが重要。自己本位であまり社会的視点を意識しない消費者の要求に、事業者が応え続けてしまっている状況を、省エネという大きな課題認識から考え直していく時期に来ているのではないか。
  • 熱を捨てているという情報、施設利用に余裕があるという情報、あるいはサプライチェーン単位として省エネ出来る可能性があるという情報を発信するということを評価するプラットフォームの仕組みが重要。情報を集めること、プラットフォームに掲示することにインセンティブを与えて情報を集めれば、ITを使ってアイデアを出す主体が生まれるかもしれない。
  • コンビニエンスストアについては、低炭素社会実行計画でも報告している通り、物流におけるエネルギー使用量を捕捉している。共同配送等により店舗あたりのエネルギー効率は上がって来ている。
  • 東京都には温暖化対策報告制度があり、年間30kl以上エネルギーを消費する中小規模事業所を、束ねて3,000kl以上になる事業者は報告対象としている。また、そうして集めた情報を元にして、30業種を対象に単位面積あたりのCO2排出量ベンチマークを設定しており、自らの立ち位置の認識やエネルギー消費効率向上のインセンティブにもなっている。いずれにせよ、データの裏づけを持った制度にしていくべきであり、このデータを収集すべく、国とも協力して進めていきたい。

4.サードパーティの活用について

  • (1)家庭の場合は省エネ法86条に書かれているようなサードパーティが多数あるため、それをどのように活用していくのかを検討していただくとともに、努力目標として記載するだけでなく、具体的な指針が必要ではないか。(2)省エネ法86条を掘り下げる際に、機器の買い替えの視点も重要。トップランナー基準やラベリング制度など、機器自体の効率向上や購入時に省エネ機器の選択を促す表示制度等の施策は措置されているが、買い換えを行うことや買い換えを促すことが難しい。家電エコポイントなど初期投資を抑える補助策や、買い換えした場合のメリットの周知が重要。(3)検針票には省エネを考える上で貴重な情報が掲載されているが、消費者は金額欄以外見ていない人が多いのが実情。エネルギーの小売事業者の省エネガイドラインを策定する際には、消費者の視点をしっかりと盛り込み、細部まで検討していただければと思う。
  • サードパーティの活用は重要。その上で将来的に気になることを2点。(1)補助金を付与した場合の実際の効果をきちんと補足すべき。アドバイスをしただけで補助金を取るような事業者が出てこないようにする必要がある。(2)中小企業向けの省エネ相談窓口を作ることは良いことだが、省エネに関心がない中小企業にも活用いただけるようなワンストップ窓口の開設や情報提供の在り方を考えることが重要。
  • ロングテールな部分でサードパーティを活用すると有効。ZEHビルダーには2700事業者が登録しており、無料に近い施策で非常に上手くいっている政策であるため、是非この勢いを止めないで欲しい。エネマネ事業者については、色々な知恵を集めることが重要であり、例えば東京都では、建物の中にサーバーを持っている事業者が、クラウドサーバーを活用した場合には補助金を出すような政策が行われており、そういった共同の取組も必要。さらに、住宅・建築物におけるラベル表示は、既存ビルでは進んでいないため、例えば庁舎が省エネ適合マークを率先して取得する等が必要ではないか。加えて、エネルギー小売事業者について、多く売った方が儲かる事業者と省エネを推進したい国は相反する。例えば英国、米国ではエネルギー供給事業者に省エネ義務を課している.前提条件を置かず、まずは最新情報を収集して、対策が薄い箇所において、どう省エネ取組を進めていくかが論点。
  • スマートメーターと連携して、電気使用量が一定以上になると、消費者にアラートするような仕組みはどうか。また、来年からは電気だけでなくガスも自由化するため、給湯はガス、冷蔵庫は電力など、エネルギーのベストミックスを小売事業者が提案するように誘導すべき。また、ネガワット取引は成長しながら省エネに寄与する取組であると聞いているので、次回委員会にて紹介いただければ。
  • 省エネのさらなる推進と省エネビジネスの活性化の観点から、サードパーティの活用は重要。工夫が必要なのは小売事業者の関与であり、欧州では、自由化環境下の中で、小売事業者に対して義務を課しているが、あいまいな形でビジネスに反することを行わせるのではなく、ガイドラインを定めるとともに、コスト負担に規制を導入し、その上、消費者が何らかの対応をする時にはインセンティブも用意されている。欧州の事例における、プラス面、マイナス面を把握した上で、制度設計を検討いただきたい。
  • エネルギー小売事業者の見える化を都では推進しており、例えば電源構成などを消費者が比較できるような仕組みを検討している。また、都では家庭向けに省エネ・節電のアドバイザー制度を実施しているが、リーフレット配布が約1万件に対して、実際にアドバイスできた件数は百数十件程度。各家庭の省エネに対する認識が高まってくると、こういった取組も進めやすくなる。
  • サードパーティの活用は非常に良い制度だが、そういった方々が果たして省エネの知識を持っているのかは疑問。省エネ法上ではエネルギー管理者等がエネルギーの管理を行うこととなっており、こういった管理者をもっと活用すべきなのでは。
  • 情報提供の在り方について、低圧のお客様に対しては、30分ごとのリアルタイムのデータを情報提供し、高圧のお客様に対しては、複数施設の比較を行い、無駄な使い方をしていないかを示唆、使いすぎの時は警報を出すといったサービスを無償で提供している。またエネマネについては、電力会社からのAルート、スマメからのBルート、第3者経由のCルートなど、様々な形態のスマートメーターからの情報の取得方法が存在し、これらを活用した省エネサービスの普及が期待される。スマートメーターが今後どんどん増えていくということも考慮した政策の在り方、補助金の在り方について検討いただきたい。

議題2.省エネルギー技術戦略2016

  • 本年4月の産業構造審議会において、バーチャルデータのプラットフォームはすでにアメリカに軍配が上がっており、リアルデータが日本の生きる道であるとの内容が紹介された。例えばコンビニで我々が物を買った場合の経営管理はリアルタイムだが、エネルギーデータはリアルな加速度データにはなっていない。新産業構造ビジョンに書かれていることも実現されると良いのではないか。
  • 技術開発の中で重要なのは、技術の開発のみならず、いかに技術を実用化し、それらを普及させるかということ。価格が高いものをどのように普及させるか、初期投資をどのように抑えるかという施策を検討いただきたい。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー課

最終更新日:2016年9月20日
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