経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会(第20回)‐議事要旨

日時:平成28年11月25日(金曜日)10時00分~12時00分
場所:経済産業省別館3階312共用会議室

出席者

出席委員
中上委員長、天野委員、市川委員、川瀬委員、佐藤委員、高村委員、田辺委員、飛原委員、松村委員、宮島委員、山川委員
オブザーバー
国土交通省総合政策局物流政策課、アスクル、佐川急便、ヤマト運輸、エネット、住宅生産団体連合会、省エネルギーセンター、石油連盟、セメント協会、電気事業連合会、日本エネルギー経済研究所、日本化学工業協会、日本ガス協会、日本自動車工業会、日本製紙連合会、日本鉄鋼連盟、日本電機工業会、日本百貨店協会、環境省地球環境局地球温暖化対策課、国土交通省総合政策局地球環境政策室、国土交通省住宅局住宅生産課建築環境企画室
事務局
藤木省エネルギー・新エネルギー部長、吉田省エネルギー課長、吉川省エネルギー対策業務室長、三牧省エネルギー課長補佐、福永政策課長補佐、片山新エネルギーシステム課長補佐、服部産業技術環境局環境経済室長

議題

  1. 複数事業者の連携に関する論点整理
  2. 省エネ法における荷主に係る措置について
    事業者等プレゼンテーション
    • 宅配の再配達削減に向けた検討について(国土交通省)
    • 小口輸送効率化の取組について(アスクル株式会社)
    • 小口輸送の効率化=SAGAWA スマート納品R(佐川急便株式会社)
    • 小口輸送の効率化に向けて(ヤマト運輸株式会社)
  3. 省エネルギー小委員会 中間取りまとめ骨子(案)

議事概要

議題について事務局又は各社から説明の後、委員及びオブザーバーによる自由討論。主な意見は以下のとおり。

議題1.複数事業者の連携に関する論点整理

  • 資料中の「増エネ」「省エネ」という言葉の定義を明確としたい。エネルギー使用量の概念か、原単位改善を意味するのか。一般的に、省エネ法は原単位による評価であり、原単位からすれば、A社は原単位が改善しており「省エネ」。B社にとっても、上工程と下工程それぞれの原単位を区分して考えると、上工程はA社の生産も請け負ったため設備の負荷率が上昇しており、B社上工程にとってもメリット。このように、A社、B社両者にとってメリットが出るケースであるため、連携省エネは進めて良いのではないか。
  • また、現行法84条の2に共同省エネが位置づけられている。現行、どれほど申請があるのか。また今回の連携省エネは共同省エネに追加する形で条文を修正するのか。
  • 資料の例が本当に適切な例かは疑問。係数の観点では、新たに後押しすべき事例であるとクリアに判る例ではないと思う。上工程を工夫した結果、下工程で大幅な省エネが可能となる場合でも、上工程、下工程単体で考えればそれぞれ係数が上昇していながら、全体では省エネになるケースも多々ある。
  • 連携省エネは是非進めるべき施策であるが、(例1)(例2)ともに、判りやすい例にした方が良い。
  • 連携省エネは方向性としては異存ないが、法律改正で措置するとすれば、まとめる会社がまとめられる行為にどれほど責任を持つかを明確にすべき。定期報告だけ責任を持つ、は不十分。
  • 鉄鋼産業としても、いずれも具体的な例があり問題は無い。ただ、右側の例で言えば、F社が何故増エネになっているのか。会社全体の省エネにF社がどのように貢献しているのか、という確認は必要ではないか。
  • グループの単位をどのように捉えるかも重要。素材メーカーでは、上工程と下工程を一体的に考え、全体としての省エネを志向している。これをサプライチェーンや日本全体に拡大させれば、素材メーカーは軽量部品の開発のため増エネとなる一方、部品の軽量化の恩恵を受けて輸送は最適化され、製造+輸送のサプライチェーン全体では省エネの最適解、という可能性はあり得る。省エネ法で措置する内容かは別だが、全体最適を図るという視点を持っていただければ。
  • 「省エネ」「増エネ」という言葉はエネルギー量に関して。他方、省エネ法はご指摘の通り原単位評価であるため、結果として原単位が改善したかが問われる。その際、原単位の計算方法を工夫する必要がある。連携を加味せず計算すれば、B社の方は原単位が悪くなる場合もあるため、どのように評価するか、という問題がある。
  • 平成20年改正で措置された法第84条の2は「配慮規定」であるため、効力として限界があると認識。平成20年法改正からの6年の実績は、3事業者、22件。
  • まとめる人の責任については、本施策が法律上の措置を必要とするかどうかも含め今後検討するが、いずれにせよきちんと担保する必要がある。
  • サプライチェーン全体の省エネについてご指摘があったが、連携をどこまで認めるかという論点がある。引き続き実態把握に努め、実態を踏まえて連携をどこまで認めるかを考えていく。
  • 資料は事例を単純化しており、様々な解釈があり得る。
  • 事務局においては、引き続き事例を深掘りし、良い事例があれば是非紹介いただきつつ、中間取りまとめをお願いしたい。

議題2.省エネ法における荷主に係る措置について

  • 事業者が輸送の効率化に向けた様々な工夫を効果的に行っていることが判った。
  • ECの実態把握は急務であり、実態を把握した後に早急に対策を立てる必要。
  • アスクル社がエコプラットフォーム実現に向けた可視化の取組を行っており、大変良い取組。輸送段階の二酸化炭素排出量をフードマイレージのように公表し、事業者・消費者に啓発することも一案。消費者が商品選択に際しても省エネを意識できるようにし、環境への取組を事業者が競うような環境を整備すると良いのではないか。
  • 時間指定は、無料であれば時間を指定するものの、有料であれば時間を指定せず、結局再配達になる場合があるのではないか。また、再配達があるからと不在に無頓着な人もいるようだ。再配達削減のためには、消費者側の意識や行動を変える対策も重要であり、例えば荷物を一度で受け取った場合にはポイントが付与される等のインセンティブは対策の一つだと考える。
  • 他方、細かく時間指定できるようになり再配達が削減されたとしても、それに対応するために事業者側の負担が増大することや、同じ地域をトラックが何度も行き来することにつながることも懸念される。
  • それ故今後、共同配送の取組が進むこと、コンビニや駅の宅配ボックス等での受け取りが進むことが重要ではないか。その際、例えば宅配ボックスを設置する場合、宅配ボックスの設置事業者のみならず、共同で複数会社が広く当該宅配ボックスを使用できるようにすることが必要。
  • 今回のヒアリングの結果、荷主規制の見直しが必要と認識。荷主の定義を変更する必要があるのではないか。
  • 同時に、宅配を使用する消費者に輸送においてコストがかかることの周知が必要。事業者の役割も大きいが、受け取る側の役割を消費者が学ぶことも重要。
  • 国交省が再配達削減に向けた対応策を取りまとめたことは評価すべき。食品を発注する際には、冷凍・冷蔵コストなど更なるコストがかかっており、その再配達を削減することも重要。対応策の具体化に期待したい。
  • 宅配の効率化には様々な側面がある。行政内でも、国交省・エネ庁・環境省・消費者庁との連携を強める必要がある。
  • 再配達となるケースには、家事等でたまたまタイミングが悪く受け取れなかったことも多い。書かれているドライバーの連絡先に数分後にかけ直しても、ドライバーは運転中であるため、運転手とは別の電話窓口が紹介されていればと思う。
  • 消費者への意識付けは重要だが、簡単には変わらないため、誘導措置が必要。誰にどのようにポイントを付すのか等、小さなメリットを付与するだけでも、最後の後押しになるのではないか。
  • オフィスに宅配ボックスを設置することは、単身の従業員にとっては良い。今の段階でそれが社員のメリットになるという意識は経営者にはあまりないが、調査を進めてとても効果が高いという結果がでれば、事例として経営者に社員の福利厚生としての宅配ボックス設置を勧められるかもしれない。
  • 配達時間の指定は事業者にとって経済学的にマイナスのインセンティブとなり得るため、何らかのプラスのインセンティブとなるようにして欲しい。事業者は大変な努力をしているが、時間指定は受け取り側の予測がつきやすくなるため、引き続き進めていただきたい。
  • 消費者からは配送時間延長の要望が出ている。短期的には、夜間の配送は渋滞も無く、再配達も減る、等のメリットがあるかもしれないが、ライフスタイルが深夜化することの影響など、長期的にも省エネになるか検討が必要。
  • 配達時間をメールで知らせてくれる事業者がいるが非常に便利。EC事業者に対して、データ共有に関する何らかの義務等を課す必要があるのではないか。
  • アメリカで行われた調査によると、通常の店舗型小売よりもEC事業者の方が35%省エネとのこと。個人が車を運転して店舗まで取りに行かないので、効率化することで省エネになるという示唆だが、日本型の検討も進めるべきではないか。アメリカと日本の状況は異なるので、米国とは逆に省エネにはならないだろうが、運転手の人件費の最適化、オフィス受取による公共交通機関経由での輸送等が考えられる。
  • 多くの事業者がITを活用した取組を行っていることが判ったが、スマート化だけで省エネを進展させることは難しいのではないか。一般消費者は省エネより利便性を考えるため、IT化による事業の効率化にも難しいところはある。
  • ドイツで2030年にエンジン車の販売が禁止される。業界の自主的な取組も必要だが、一部輸送事業者に規制を課すことも一案ではないか。自家用車の場合には消費者に規制を課すことは不適当であるため、メーカーへの間接規制が必要であるが、トラックの場合は、輸送事業者の方が製造メーカーよりも力関係が強い。そのため、例えば省エネ法上の輸送事業者が非エンジン車を使う割合の目標設定をするような規制体系も有効。
  • 荷主の原単位はトンキロで計算しているが、トンキロは本当に原単位として正しい評価か検討が必要ではないか。積載率の向上を反映させるため、別の指標を検討すべき等、各社は原単位の在り方をどのように考えているか。
  • 再配達の議論を多くいただいた。現在のトンキロ法によるエネルギー使用量の算定では、再配達の回数、小口輸送数、箱の大きさなどが加味されていないため、これらの取組が評価される仕組みにしていただければ。トンキロ法では、物流センターを作り消費者との距離を短くすることが大きく評価される。
  • 原単位の分母については、年間の配送個数など。集荷し、営業所を経由して配達し、場合によっては再配達、という実際の配送回数も加味される指標であればと考えている。
  • 当社ではユニットカーゴ輸送を行っており、配送時の容積率向上に向けた取組が重要。また、輸送作業時に如何に工程や待ち時間を減らすかも重要と考えている。
  • 消費者の意識に対するアプローチが重要という指摘もあった。消費者の再配達に対する意識の現場感覚はどれほどか。
  • 今年8月に開始した1時間単位で受取時間を指定できるサービスは、350円の有料サービス(ただし3,000円以上の購入で無料)であるが、購入物をきちんと受け取りたい消費者のニーズと合致し、利用者が多く評判も良い。利用者に急な予定変更が生じた場合でも受取可能時間を変更できない現行のシステムに対し、利用者の受取可能時間に変更が生じた場合にはアプリ経由で再登録できるようにしたところ、受取可能時間を変更した人の再配達はゼロとなった。
  • 消費者の意識に起因する問題もあるが、利便性の向上という観点から、事業者側ができることも多々ある。もっとも、効率性との両立は引き続き検討する必要。
  • 商品を扱う荷主と輸送事業者の意識に差はあるのか。
  • 国交省からのプレゼンにあったが、どのようにコミュニケーションを取るかは課題。
  • ラストワンマイルを配送する当社、荷主、お届け先の連携は進める必要があり、現在も例えば、システムを連携させて案内通知メール等の取組を行っているところ。
  • 昨年国交省が行った検討会後は意識が変わってきているように思うが、現実にはなかなか難しい。荷物の受取は生活のメインではない。
  • 荷物の属性が昨今変化しており、昔は贈答品など受取人と差出人が別人だったが、EC事業では同一であり、その差異は意識の中にはあるのではないか。
  • 他方、EC事業に伴う荷物は全てデジタル管理されており、IT化に適したメリットもあるため、IT技術も活用して輸送効率化に努めていく。
  • 輸送効率の効率化や再配達削減に向けて、具体的な議論をいただいた。また、荷主の定義や原単位の在り方についても議論いただいた。
  • 御議論を踏まえ、省エネ法や省エネ関連の施策がどのように活かせるか、事務局として引き続き検討していく。

議題3.省エネルギー小委員会 中間取りまとめ骨子(案)

  • ベンチマーク業種の拡大については、大規模の病院やスポーツジムなど、関心が高まる健康・ヘルスケア関連にも広げると良いのではないか。
  • 省エネ住宅については、防災などとセットで販売して普及させると良いのではないか。
  • エネルギー小売事業者については、使用すれば電気代やガス代がかかるため、省エネに取り組めば消費者のメリットに直結する。他方、来年4月のガス小売全面自由化後、エネルギーを多く使用する消費者の料金が相対的に安くなり、あまりエネルギーを使用しない消費者の料金が相対的に高くなることは本末転倒。省エネに反しない料金制度にしてほしい。
  • ZEHは、大手ハウスメーカーだけでなく、中小工務店も盛り上がっている。居住者対象のアンケートでもほぼ100%が快適・満足となっている。住宅のZEH化は住宅のストック対策としても重要であり、そのようなモデルにできると良いのではないか。
  • また、ZEHがBELSマークと連携している点も重要であり、現在発行されている5,000件を超えるBELSマークの多くの部分はZEHに因るもの。日本ではラベルを発行しても、最先端事例は取得するものの一般に普及しないことが多いため、ZEHの動きをラベルの普及にも繋げることが重要。
  • なお、ビルに関するBELSマーク取得は進んでいない。ZEBの普及に向けては、ZEBの資産価値を正しく評価し保証する施策も重要であり、その点で、ZEBについてもサードパーティーの活用余地があるのではないか。
  • 誰に向けた取りまとめか。今日の議論でも消費者の意識について多く触れられているが、取りまとめ(案)には一般向けの語り口が少なく、ニュースになりにくい。
  • 取りまとめに向けては、再配達など一般消費者に近い目線の内容も記載していただければ。
  • 省エネ法が直接アプローチしていない非特定事業者の省エネ取組を推進させることは難しく、工夫が必要。
  • 建築物省エネ法により、2,000m2以上の事業者に対してエネルギー消費性能基準への適合義務等が課されるが、定期報告等が求められる水準は従来同様。定期報告まで重い義務である必要は無いが、2,000m2未満の建築物にも原単位改善を図る等の役割を課した方が良いのではないか。また、小委にてエネマネやサードパーティーによる計測はコストが見合わないという指摘もあったが、建築物にそのような計測機器を設置することを必須とする規制も必要ではないか。
  • ZEHについては、事業者が活性化に向けた取組を行っており、中小工務店も販路を拡大している。補助金の支援も受けながら、ZEHビルダー登録は3,800件まで拡大しているなど市場が拡大しており、市場活性化に向けて、拡充をお願いしたい。
  • また、昨今決定されたZEHマークも活用させていただき、ユーザへのアプローチを官民で進められればと思っている。
  • いただいた御意見を踏まえ、次回に向けてしっかりまとめていきたい。
  • ベンチマーク制度を病院やスポーツジムにも広げるべきとの指摘については、2018年度中に7割に拡大するとの方針に沿って、実態も踏まえ、これらの分野にかかわらず、あらゆる分野で検討していく。エネルギー小売事業者については、現在行っている研究会における取りまとめを踏まえ記述していきたい。ZEH/ZEBについてもいただいた御意見を踏まえ検討していく。
  • 骨子案の対象が誰か、というご指摘もいただいた。消費者にも関心を持っていただけるようまとめていきたい。
  • 事務局においては、意見を集約しつつ、中間取りまとめに向けた仕上げをお願いしたい。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー課

最終更新日:2016年12月20日
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