経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会 火力発電に係る判断基準ワーキンググループ(第4回)-議事要旨

日時:平成28年2月9日(火曜日)15時30分~16時56分
場所:経済産業省本館17階第1~3共用会議室

出席者

委員
大山座長、金子委員、黒木委員、崎田委員、長野委員
オブザーバー
省エネルギーセンター、電気事業連合会、日本化学工業協会、日本製紙連合会、日本鉄鋼連盟、日本電機工業会、丸紅株式会社
事務局
藤木省新部長、吉川省新部政策課長、辻本省エネ課長、安永電力基盤整備課長、江澤電力需給・流通政策室長、覚道石炭課長、三牧省エネ課長補佐、北島省エネ課長補佐、

議題

  1. 火力発電の高効率化に向けた発電効率の基準等について

議事概要

議題について事務局より説明の後、委員及びオブザーバーによる自由討論。主な意見は以下のとおり。

  • ベンチマーク指標は2030年の目標とのことだが、達成に向けた途中の経過についてはどのように指導を行っていくのか。
    【回答】途中経過については、毎年の定期報告により事業者の状況を把握しつつ、2030年度までの中間段階においても、2030年度までの達成に向けた蓋然性について評価し、追加措置や制度見直しの必要性について検討していく。(事務局)
  • 世界的に効率の悪い小型石炭火力発電所は抑制の傾向にある中、10万kWの発電所を認めるには、相応の説明をすべきではないか。
    【回答】小規模の発電設備であっても大規模設備と同じ発電効率を求め、バイオマス混焼等によってその基準を達成しているものに限って設置を認めていく。バイオマス利用の点からも、バイオマスを専焼するよりも、石炭火力に混焼する方が効率がよいので、こうしたものであれば認めて差しつかえのないものと考えている。(事務局)・バイオマス混焼に用いられるパーム椰子殻(PKS)の輸入量が急速に増加しており、今後の大幅な価格高騰と開発制限の懸念があるため、3E+Sのうち、経済性とエネルギーセキュリティの点から好ましくないのではないか。FITによる支援についても疑念がある。問題が顕在化する前に適切な措置をお願いしたい。
    【回答】輸入バイオマスについて、海外の石炭、LNGを使用するよりもエネルギー源の多様化につながり、セキュリティの面でも意義があると考えている。安定供給については定期報告によってしっかりと把握し、輸入バイオについて、過剰な促進が起きないよう、適正に対応していきたい。(事務局)
  • 新設基準の見直しについて、小容量のLNG火力は負荷追従性が高く、再エネ導入による変動への対応、分散型電源としてのスマートグリッドへの対応の点から評価ができ、また、需要量が低下した場合、大規模を低負荷で稼働するよりも、小型を定格で運転した方が省エネになる場合もある。ガス導管による供給が可能であるため、需要地に近接した場所に建てることで送電ロスの軽減も可能であり、ミックスの実現にあたり、こういった点を考慮に入れ、小規模LNG火力の設置余地を残してもらいたい。
  • ベース電力である石炭火力は定格出力の評価でいいと思うが、LNG火力は負荷追従性が高く、運用時の負荷率は30~60%程度であり、需要量によっては大規模コンバインドサイクル1台で発電するよりも、10万kW級2台、5万kW級4台のほうが省エネになる場合もあるため、小型のLNG火力発電やガスエンジンの新設基準についてはご配慮いただきたい。
    【回答】小型LNG火力に関するご指摘は、合理性のあるものと理解。今後適切に検討してまいりたい。(事務局)
  • 新電力は小売全面自由化にあたりメディア等でも取り上げられているが、いまだシェアは3%程度であり、適切な競争環境で事業を行っていくためご支援をいただきたい。
  • 全ての規模で一律の新設基準は厳しいが、一定の努力をしたものに関してはご配慮いただける点は感謝している。日本のメーカーの技術力は高く、10万kW級の石炭火力でも効率41%まで達成可能。残りの1%は技術的には埋められないが、コジェネ、バイオマス混焼などで対応し、CO2排出係数ではUSCを上回る設備を導入していきたい。
  • PKSについては、石炭火力への混焼ではなく、ほぼバイオマス専焼の循環流動床ボイラーで用いられている。小規模石炭火力で使用するPCボイラーに用いるバイオマスは、木材ペレットが主流であり、植林をしてそれを加工するサプライチェーンが確立した複数の地域から調達している。現在は、国内で安定的に木質ペレットを適切なコストで購入できる環境が整っていないが、今後は国内で調達環境整うことを期待したい。
  • バイオマス混焼に対するFITに関して、他の電源に関しても補助金が出るものもあり、再生可能エネルギーに対する支援であり、それをもらって努力していくことを認めていただきたい。バイオマス混焼は、ミックス内のバイオマス発電量の実現にも資する。
  • バイオマス混焼の3E+Sについて、経済性については、電力システム改革のなかで適正な競争を行うことで高い経済性を実現していくものであり、エネルギーセキュリティの点でも、中東依存ではなく、輸入先地域が多岐にわたるバイオマスは評価されるべき。
  • 共同取組について、新電力では発電所ごとにSPCとして会社を分けている場合が多く、単体ではベンチマークの達成が難しい。子会社同士で共同取組を行うことも可能か。
    【回答】詳細な類型は現時点では指定しないが、グループ会社であるか否かに関わらず、事業者ごとに役割分担と実施責任を明確にしてもらえれば共同取組として認められると考えている。(事務局)
  • 電力業界の自主的枠組み、高度化法、省エネ法と短期間でしっかりとした対策をまとめた点を評価している。省エネ法の立法趣旨に立脚したものにしていただきたいという観点では手放しに褒められるものではないが、省エネ法の範囲でできるものをうまく盛り込んでくれた。今後適切な運用により、実効性を確保してもらいたい。
  • 共同取組について、良くない共同取組を禁止するだけでなく、良い事例を称揚し、他社にも広げていくような運用をしてもらいたい。
    【回答】共同取組については、事業者の取組を制限しないため、まずは自主性を尊重した運用を行うが、定期報告を見ながら、良い事例、悪い事例を勘案し、必要に応じて指針を示していきたい。(事務局)
  • 輸入バイオについて、定期報告の様式だけで安定性を把握できるのか。定期報告を記入する事業者の負担もあるので、これ以上は難しいかと思うが、どのように安定性を補足し、担保していくのか、考えてもらいたい。
    【回答】バイオマスの安定性については、定期報告により基本的な使用状況を把握しつつ、必要に応じて報告徴収を行い、より詳細な使用状況を確認していきたい。(事務局)
  • 自由化された市場では、それぞれの燃料種で事業を行うことが許されるべき。その点から、ベンチマークB指標は国全体でチェックするために用いるものとしては正しいが、個社に求めることには若干違和感がある。個社に求めるとしても参考努力目標値という程度の位置づけとしてはどうか。
    【回答】エネルギーミックスの実現に関して、省エネ法をどう活用できるかという点で、今回の指標を設定した。運用に関してはいただいたご指摘を踏まえてまいりたい。(事務局)
  • 社会が求めているものはもっとあると思うが、規制の中では最大限盛り込んでいただいたと思う。バイオマスの使用に関して、国産材を優先してほしかったが、原産国報告を入れてもらったのでしっかりと見ていってほしい。
  • 共同取組やバイオマスの混焼に関して、事業者がしっかり実施しているということを社会が納得することが重要。本当は個社情報も公表してほしいが、それができないのであれば、国がフォローした結果をきちんと公表するか、事業者側からの自主的な公表を促すメッセージを発信してもらいたい。
    【回答】発電効率は発電事業者のコスト構造そのものであり、個別企業のエネルギー使用状況は企業の機密情報として位置づけられている。定期報告のデータについては、過去に最高裁でも不開示の判決が出ているため、個社ごとの公表は困難。事業者の自主的な公表については、ぜひやっていただきたい。(事務局)
  • 電力システム改革が進む中で事業環境整備と環境問題の対応の両立は重要であり、省エネ法の見直しの必要性については理解しているが、政府全体として二重三重の規制とならないよう、配慮してもらいたい。
  • 共同取組について、共同火力とIPPが共存している場合が多く、相互に副生ガスの効率利用に努めているため、こういった取組を評価してほしい。
  • 今後の運用について、再エネ導入による火力発電の効率低下など、今後の実態を注視した運用をお願いしたい。
  • ベンチマーク指標について、設備更新を行わなければ達成が難しい事業者もいるが、発電所の設備更新は長い期間を要する。日々のメンテナンスや運用改善の取組も評価していただきたい。
  • 発電効率について定量的な判断基準ができたことは評価している。
  • 事業者によって燃料の比率が違うということ言ってきたが、共同取組を入れていただいたこと点は評価している。
  • バイオマスの発電量は、エネルギーミックス上では2013年の10倍を目指しており、バイオマス発電量を増やす上で、混焼は有効な手段の1つ。
  • 事業者がバイオマス混焼を行う際、「量の確保」「品質安定性」「価格安定性」の3点を勘案して調達を行うが、この3要件を満たすのは木質ペレットしかない。木質ペレットは国際規格があり、流通量が多く、粉砕性、伝熱性の点で石炭火力との相性もよい。
  • 現状は、輸入木質ペレット以外に選択肢がないかもしれないが、将来的には国産の木質ペレットを活用していってもらいたい。
  • 石炭火力はLNG火力と違って燃料費が安いため、効率向上が経済性にすぐにはペイしないので、火力の新陳代謝を促すためにも、事業者がリプレースをできるよう支援策も考えてもらいたい。
  • 小型火力について、自治体のアセス条例がかかるところは自治体とのコミュニケーションあるが、アセス条例がない自治体ではまったく情報が入ってこないという話も聞く。事業を行う際は、事業者の側から周辺の住民や自治体にきちんと情報を提供してほしい。
  • 事務局は今回の議論を踏まえて、取りまとめ(案)への反映について検討いだきたい。なお、今回の取りまとめ(案)については、座長一任とし、パブコメを行う。パブコメの結果と、本日の御指摘の点を踏まえて修正を加える必要があれば、委員各位への書面審議の開催の是非を含め、座長一任としたい。
  • 今回の審議会では、省エネ法の中で可能な規制範囲について、非常に貴重な議論をいただいた。省エネ法が新たなパラダイムに向かう第1歩にしていかなければならない。(事務局)

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー対策課
電話:03-3501-9726
FAX:03-3501-8396

 
 
最終更新日:2016年2月18日
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