経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電気料金審査専門委員会(第6回)-議事要旨

日時:平成24年6月20日(水曜日)14時30分~17時10分
場所:経済産業省本館17階 第1~3共用会議室

出席者

安念委員長、秋池委員、永田委員、八田委員、松村委員、山内委員

オブザーバー
東京消費者団体センタ-矢野事務局長、
全国消費者団体連絡会阿南事務局長、
消費者庁長谷川消費生活情報課長
説明者
消費者委員会 細川委員、小田審議官
東京電力高津常務

主な意見

消費者委員会としての現時点の考え方について

  • 人件費について、料金に算入するのは法定厚生費に限るべきとあるが、法定外厚生費を料金に入れられない場合、福利厚生費を工面できるのか。
    → 健康保険なども法定外厚生費に含まれるので、料金原価に全く入れられないというのはなかなか厳しい。(東京電力)
  • 支払うべきではないということではなく、料金原価に入れずに、利益から捻出すべきということ。
    → 厳しいご意見だが、法定外厚生費も原価に入れるようお願いしたい。(東京電力)
  • 不稼働中の柏崎刈羽原子力発電所の減価償却費を入れると、代わりに発電している費用と二重計上になるのではないかという点について、不稼働中の減価償却費を原価から除くことになるとどういうことになるのか。
    → 減価償却費はいずれにせよ費用として計上されるため持ち出しとなる。(東京電力)
  • 現在の企業会計では資産価値の大きさは、収益力を反映しており、減価償却費を立てることとレートベースに算入することはパラレルだが、それぞれの原価算入割合を分けるというのはどういう考え方か。
    → 消費者委員会の委員から出た意見なので、企業会計まで立ち入って考えているわけではない。電気事業者は建設中資産のレートベースを2分の1原価に入れているため、稼働していない資産は2分の1にするということが言えるのではないかということ。柏崎刈羽に係るレートベースを全て除くのではなく、24年度は稼働しないのであれば、3年間で平均して、2分の1でもよいのではないかというもの。(消費者委員会)
  • 企業会計と料金原価上の扱いは必ず一対一対応でないといけないというわけではないが、不稼働期間中は、レートベースに算入すべきでないという意見について、例えば、火力発電所を7~9月の3ヶ月間動かし、それ以外の9ヶ月間を動かさない場合も、4分の1しか原価に入れるべきではないという考え方なのか。「購入価格水準や燃料の負担増を全額値上に賦課することの再検討が必要」という意見については、将来課題としてはありうるが、現状のルールでは対応は困難であり、燃料費圧縮の努力をすべきという御意見ということでよいか。
    → レートベースの算入の割合について、詳細に委員会で議論があるわけではないが、柏崎刈羽は24年度の稼働はゼロなので、常時動いている時とは分けて考えるのではないかという問題意識である。また、燃料費については、燃料調達について厳しくチェックしてほしいというものという理解。(消費者委員会)
  • 資産として利益を生まないものは、減損対象である。つまり減価償却が立たないという場合は、資産価値が無いという判断になる。
  • 山内委員の認識で結構である。福島第一原発1~4号機については、今後再稼働が見込まれないため、資産として利益を生む見込みが無く、特損で減損したと考えるが、一般に、減損するかどうかは、電気事業資産全体の状況を踏まえ判断すべきことも考えられる。
    → 会計上の議論というよりも、消費者の納得の問題と思う。消費者委員会は、専門的な立場が半分、素人の立場が半分である。東電には、十分わかりやすい説明に努めて欲しい。(消費者委員会)

事業報酬率

  • 事業報酬とは事業者に褒美を与えるものではなく、一定の支払いをしないとその企業は成り立たないため、過大な報酬は出さず、かつ、投資家へのリターンは保障するための、投資家に対する報酬といえる。
  • 事業報酬率は何度説明を聞いてもわからない。東電の自己資本報酬率を6.32%と高く設定しているが、これだけ株主に配当するという趣旨か。銀行からの借入れの利息も払うとすると、事故を起こした東電の株主や銀行の責任は果たせるのか。
    → 総合特別事業計画で、配当は10年間無配とすることで株主の責任を問うとしている。また、支援機構法上、利益が出た場合は特別負担金として、損害賠償に充当するために最大限の納付を行うこととしており、主務大臣がどれだけ払うか決めるため、東電に利益の処分権限はない。純利益の半分を特別負担金、半分を内部留保と考えている。銀行の責任としては、東電に対し、1兆円の真水の融資への資金提供をしてもらうこととしている。(東京電力)
    → 事業報酬率は、電気事業一般としての資金調達に必要なコストとして、債権者や投資家が資金を提供してくれるに足る水準を定めているもの。その事業報酬のうち、いくらを配当、利払いに回すかは定めがなく、事業報酬以上に資金調達コストがかかれば持ち出し、それ以下なら内部留保が可能となる。(資源エネルギー庁)
  • 事業報酬率の根拠となる公社債利回りの実績や全産業の自己資本利益率、10電力会社の平均有利子負債利子率は、東電の判断とは関係なく客観的に出てくる数字であり、この制度の中で、裁量の余地があり議論できるのはβ値だけ。β値については、ある企業について、投資に対するリスクが高いときには、リターンも高く、リスクが小さいときには、高いリターン保障する必要がないという考え方で、リスクが小さくなるほどβ値も小さくなる。仮にこれから資金調達するとしたら、これくらいリターンを得られないと調達できないということを抽象的に判断するものさしとしてβ値が用いられている。
  • 東京電力の自己資本比率が前回よりも高くなったという点については、投資家の目線で、また原発事故が起こるかもしれないというリスクを反映して、高くなっているものであり、客観的なもの。
  • 今のルールでは、β値以外は変えられないということだが、銀行の責任や株主の責任はどうやって取ることが出来るのか。
  • 経営責任の議論は、事故発生後に破綻処理するという話の中で機構法を立法し、そのスキームの中で運営するということが閣議決定されて国会で承認された。その法の中で我々は議論している。もしまた、経営責任をどうするかという話をするのであれば、新たに立法をしなければならないため、この委員会で議論するのは難しい。
  • 事業報酬率を料金原価に入れるかどうかは、財務基盤と機構法の2点からの議論がある。東電が直近で3.5%の自己資本比率であり、1兆円の融資が入ってやっと10%程度になるという非常に脆弱な基盤であるため、安定的な財務基盤の確保のため、資本注入と一定の利益が必要だが、具体的にどこまでの水準の利益が妥当かというところは論点。また、機構法の枠組みについて、当面は実際は配当しないが、どうして原価に報酬が含まれているのか、という点については、機構が賠償を肩代わりしている状況を如何に早く脱却して、東電自ら資金調達できるようにするかという観点から、ある程度事業報酬として認めなければならない。国民感情として認められないというのは別の議論であるが、機構法の中で議論するとそうなる。
  • β値について、震災の特殊要因を除いた直近の数字を用いるという意味では、2012年の1月1日から12年の3月31日までをとればよいと思う。また、政府が資本注入するときの議論は、支援機構が出来るときに言うべき話である。法律をもう一度改正するということはありえるが、そのときに議論すべきこと。また、この委員会で決めているルールはほかの電気事業者が認可申請をした際にも当てはまることについて認識すべき。
  • 八田委員の言うとおり、他の電気事業者にも適用されるルールについてやっている。我々は現行のルールに従って原価に入れるか入れないという議論をやっている。β値については、東電は震災後のリスクを踏まえて高くなっているというが、その企業特有の事情で高くなっていても反映しない。一般の電気事業者としてどうか、という値を適用すべき。β値が上がったときには、足下の期間で取り、下がったときには高かった頃も含めて長期間で取るといった恣意的な対応は許されるべきではない。少なくとも5~10年を取るべきであり、そうすれば当然震災もその中に入る。平成20年改定は届け出のため、チェックしていないものの、過去の実績を踏まえてβ値0.7にするという理屈はわかるが、0.9を正当化する理屈はない。
  • 特定の事業者だけでなく、電力全体でβ値を取るのは当然。震災直後は異常値として期間から外して過去3年間とするのがよいと思うが、震災が起きたことはある程度加味してもよい。
  • 個別の事業者だけで見るべきではないという点について同意。ただし、β値は市場リスクを踏まえ、リスクプレミアムを付けることにより、ある種のインセンティブになるようにしてもよいかと思う。また、期間について、β値はリスクに対応するものなので、時点によって変わる。金融のリスクはその場その場で変わるため、あまり長い期間を取るのは適切でない。事業報酬を削るよりは、総括原価の営業費を削るべき。資本費については、企業が成り立つ上で必要なので、慎重に見ないといけない。
  • 震災によって、今まで安心な投資先だった電気事業者が、そうでもないということを示すことになったが、それに応じて直近のβ値が大きくなるのは仕方ない。β値が多少オーバーに反応している面もあると思うので、震災を無視せずにある程度の長さの期間を取れればよいと思う。
  • 経営責任について機構法を作る際に決まっていたと言われても、その時に発言する機会もなかった。
    → リーガリスティックにいうと、東電は最初に会社更生法を適用すべきであると個人的には思っていた。しかし、会社更生法には、損害賠償への対応や、担保付きの社債の処理について裁判所の事務処理が追いつかないという問題があり、今よりもっとひどいことになっていたのではないかとも思う。現行の制度は制度として受け入れるしかない。(安念委員長)

公租公課

  • 無配にもかかわらず法人税を払うことについては、レートベースと減価償却費の関係に近く、一体であるべき。配当を行うことによって資金調達ができるのであり、配当のための法人税を営業費に入れることは一貫していると思う。
  • 法人税の論点は資本コストの論点と全く同じ。一般的に事業を行う場合、当然配当を払うことになるが、配当をする場合、法人税も当然払うことになる。そのためには資金調達をしなければいけないということだと思う。ルールに従えば原価に入れざるを得ない。
  • 金融機関の責任を求めるために、値上げと事業の安定化という条件が付いているというが、その値上げ幅は10.28%を前提としているのか。また、固定資産税を計上しているが、福島第一発電所1から4号機についても対象となっているのか。
    → 総合特別事業計画では、料金の認可と資本注入は一体的な対応となっている。値上げ幅が10.28かどうかまでは具体的には議論されているわけではなく、あくまで料金改定が行われることと、1兆円の資本注入により財務基盤の安定化が行われることになる。また、福島第一1から4号機については、会計上は減損済だが、固定資産税は資産が除却されない限り課税される。税務当局とも相談し、24年度については取得価額の5%まで評価減を反映し、25年度以降は廃止届け出を踏まえ除却の扱いとし、原価に含めていない。(東京電力)
    → 料金改定の数字は、査定を踏まえて変わるものであるため、必ずしも10.28%になるわけではないことが総合特別事業計画に明記されている。(資源エネルギー庁)
  • 電源開発促進税は、主に原発の立地交付金に使われるものだと思うが、再生可能エネルギーの開発にも使われるのか。
    → 法律で使途が決められている。地元への交付金が主だが、再生可能エネルギー開発にも支出される。(資源エネルギー庁)

レートメーク

  • 選択約款について、収支がそれぞれどのようになっているのか。ある約款が赤字になっても他へ費用を回せないという規定があったと思うが、如何か。
  • 今回の値上げに伴って、値上げの負担を軽減できるようなメニューを用意していると思うが、その軽減分は、誰がどのように負担するのか。吸収できるならその分値下げしてほしい。
    → 選択約款メニューを使っていただく方に対して、全体の中で使い方に応じて費用の配分を行っている。(東京電力)
  • メニューを使用してもらうことによって、全体の効率性を上げて、選択した需要家へ還元するということだと思う。問題は、東電の資料では、メニューの内容がわからず、説得力がない。選択約款のメニューについて、それぞれの理念を付けた上で一覧表を出して欲しい。
  • 規制部門と自由化部門の利益率の話について、それに応じた適切な利益についてはどこをみればわかるのか。
    → 販売電力量では、規制部門と自由化部門で6対4になっているが、利益率については、料金を作るときには収支が一致するため予想できない。第二回の委員会でも示されたが、過去10年みると、電力全体で規制部門:自由化部門が7:3,東電だけで見ると9:1になったように、利益は結果として出てくるもの。ただし、料金改定で料金をもう一回作り直せば、費用の割り振りがリセットされることになる。(資源エネルギー庁)
  • 規制部門の利益率が過去に9割だった場合に、なぜ利益を戻さないのか。消費者は払いすぎていたのではないか。
    → 料金は将来を見込んだ費用で作る制度となっているため、過去の実績に応じて需要家にお金を戻すという制度になっていない。また、従来は自由化部門が赤字のときだけ収支を公開していたが、毎年公開することになったので、利益率が異なる場合には料金洗い替えの圧力が事業者に対してかかることになる。また、最終的には電気事業法第23条により認可申請命令が発動できるが、もう少し手前に何かできないかとの指摘を消費者委員会から受けており、検討したい。(資源エネルギー庁)
  • 逆に赤字になった場合でも需要家に事後的に赤字分を請求することもない。

以上

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最終更新日:2012年6月22日
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