経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電気料金審査専門委員会(第21回)-議事要旨

日時:平成25年3月6日(水曜日)10時~12時30分
場所:経済産業省本館17階 第1~第3共用会議室

出席者

安念委員長、秋池委員、梶川委員、辰巳委員、永田委員、八田委員、松村委員、南委員、山内委員

オブザーバー
全国消費者団体連絡会 河野事務局長
日本商工会議所 青山産業政策第二課長
北九州市消費者団体連絡会議 陶山氏
全大阪消費者団体連絡会 飯田事務局長
消費者庁 長谷川消費生活情報課長
説明者
関西電力株式会社 岩根副社長
九州電力株式会社 坂口常務

主な意見

人件費

  • 査定方針等における人件費の補正については、電力会社の自主性に委ねるという趣旨なのか。また、査定方針としてとりまとめられた後、電力会社の賃金体系に実際に影響を与えるのか。
    → 査定方針は賃金政策を決めるものではなく、人件費として料金の原価算入を認めるものである。また、実際に支給される給与の水準は、労使間交渉により決定されるものであり、実際にどのような賃金体系にするかは電力会社の判断に委ねる。(安念委員長)
    → 従業員1人当たりの年間給与水準は、一般的な企業の平均値として賃金構造基本統計調査における従業員1,000人以上企業の常用労働者の正社員平均594万円と、ガス、水道、鉄道の公益3業種の平均賃金に電力会社の勤続年数や学歴などを補正し、これらを単純平均したうえで、地域間の賃金水準を考慮するという考えである。(資源エネルギー庁)

燃料費

  • 燃料費のトップランナーやシェールガスについては、一義的な数字が出てこない。費目によって一義的に数字が出てくるものもあれば、文章として定性的にしか記載できないものもある。
  • 燃料費のトップランナーについて、記述を変えて欲しいとは思わないが、申請事業者のものは除いた方が良いのではないか。自分以外の人の中で一番良いものとするのが良いのではないか。これを一般的なルールとして決めるのは難しいかもしれないが、配慮は必要かもしれない。今回のルールを、今後、一般的に適用する場合には、考えなければならない問題がある。今回は問題が生じ得なかったが、トップランナーを基準とするため、あんまり頑張って安く契約するな、というささやきが出たときに全体に悪影響がある。
    → トップランナーの考え方はもともとインセンティブをつけるためにやっているので、インセンティブを削ぐようなことをしないのは当然。燃料は大過渡期にあり、東京電力の審査時には、シェールの問題を認識していなかった。今はこの考え方でいくという、暫定的な見解であり、長期的なルールとしたわけではないと認識している。(安念委員長)
  • 過去、値上げをすれば、消費者は電気の使用を減らすことが考えられることから、電力消費量は減り、燃料費が安くなるのではないかと聞いたところ、設備等の関係上、少々の節電では料金には影響を与えない、という話を聞いて理解はしたが、何らかの記述をして欲しい。
    → 「費用の配賦・レートメーク」の項目の中にて、一定の仮定をおいて試算した結果、むしろ値上げとなることを示唆している。(資源エネルギー庁)

スマートメーターの償却性

  • スマートメーターについては、全体のライフサイクルコストを含めて査定した、ということがわかる形の参考資料をつけて欲しい。本文の記述については、特段変える必要はない。
  • スマートメーターが原価算定期間を超えてペイすることに関し、減価償却すべき費用にしてはどうかという議論があったが、「今後の対応が望まれる事項」に入れてもいいのではないか。
  • メーターは取替法の対象であるという電気事業会計規則があるため、この場で踏み込めるのか疑問がある。
  • 電気事業会計規則にメーターは取替資産である、とされているが、将来の希望を述べることは可能ではないか。実際に償却資産として扱うかについては、議論が必要である。
  • 会計的な話と査定の話について議論する必要があると思う。現行の電力の会計規則と、査定上の原価参入の考えについて、整理を進めるべきと記載頂けるとありがたい。
  • 会計規則と査定は、連動しておらず、わかりづらいことは事実ではあるが、必ずしも会計規則に一致させる必要はないと思う。委員会としてリファーすることには躊躇を覚える。
  • 会計規則と査定を一致させるという趣旨ではなく、それぞれの意味を整理出来れば、考え方がまとまるのではないかと思った。
  • 会計規則と一致させる必要はないが、料金算定規則も古くなっており、検討することは必要。
  • 会計の話を料金の話に持ち込むのは勘弁して欲しい。今は料金原価の話をしている。料金算定規則がだいぶ古く、実態にあわないのであれば、見直しの例示としてスマートメーターの例を挙げる、ということで良いのではないか。古くなった料金算定規則は順次見直していくべきである、ということで良いと思う。
  • 会計は過去の事象を処理するもの、料金は将来の事象を見込むものであり、考え方が異なる。一方、個々の原価の概念の多くは、会計上の概念が使われているという関係にある。
  • 社会的には会計原則を参考にしてもよい。制度を見つつ説明できるようにすることが大事。システム改革のレギュレーションも関わってくるが、新しい事象に対応するような料金算定規則を作ればいい。
  • どのような文言で方針案に入れるかどうかは、後ほど山内委員・梶川委員とも相談したい。

経営効率化

  • 経営効率化において、第三者の目を入れるという点について、ポイントは3つある
    (1) 電気事業者の説明責任をどう果たすか
    (2) 経営効率化計画を行政及び関係者がどう評価するか
    (3) その結果として、経営効率化のインセンティブをどう与えるか
    (1) については、過去の東電の経営財務調査委員会や有識者会議でも指摘があり、
    原価と実績の比較をするなど、きちんと定量的もしくは需要家に分かりやすい説明をしていくことが求められる。
    (2) 、(3)については、原価算定期間内及び、事後の評価の問題がある。年
    の後半部分に評価の目を入れる必要があるのかという論点がある。事後評価については、事業者の努力によってコスト削減につながった場合は内部留保し、それ以外は需要家に還元する等考え方はあると思うが、効率化インセンティブを与える仕組みを作ることが大事だと思う。コストがかかる部分をどのように吸収していくのか、実務的に検討を詰めていかないと、運用が上手くいかないリスクがあるので、こういった点も含め検討頂きたい。
    → 本格的に検討する必要がある。(安念委員長)
  • バックエンド費用については、料金制度が現状についていっていないのではないか。

その他

  • 査定方針案の審議の経緯について、消費者団体からオブザーバーとして、全ての委員会に参加した事実を追記頂きたい。
    また、審議の過程で電力会社には、多くの情報を提供していただいた。今  後も値上げの状況だけでなく、経営努力等についても、消費者にアクセスしやすく、分かりやすい形で情報提供いただきたい。消費者も電気を使う以上、無関心でいてはいけないと自覚した。
    → オブザーバー参加した事実については、追記しておきたい。情報提供についても、電力会社にお願いしたい。(安念委員長)
  • 公聴会にも委員が複数名参加したことも審議の経緯に追記いただきたい。九州では委員のコメントに会場から拍手が起こった。参加者が共感したという現れであり、意義のある機能した公聴会だった。また、この委員会で対応出来ること、出来ないことはあるが、九州の公聴会では核燃料サイクルについての意見が消費者から多く出た点について、委員会に今後対応が望まれる事項として記載願いたい。
  • この委員会で議論していないことについて、この委員会で方向性を示すことは無理だと思う。公聴会で意見があったという事実と、検討して欲しいという要望であれば何らかの記載は出来るのではないか。
    → 事実を書くことは十分可能であり、対応については相談したい。(安念委員長)
  • コスト問題として非常に大きな議論になっていると思うので、是非検討願いたい。

委員、オブザーバー、事務局からのコメント

  • 今後の料金査定に指針を与える意味のある審査だった。制度の使いづらい点は検討していくべき。
  • 電力会社が真摯に資料を提出いただいた姿勢について、感銘を受けた。公聴会での消費者への真摯な対応についても、今後の情報開示につながっていくのではないか。
  • 本来料金審査とは直接関係ないのかもしれないが、関西電力のオール電化割引について、将来廃止し、現在の既契約については10%の割引を続ける、ということだが、割引率の妥当性について十分に説明がなされていない。
    仮に変更命令をやろうと思えば出来たが、既契約者や計画中の物件は、当該割引率を前提としており、混乱を避ける観点から、しばらく割引を継続することは、この委員会として致し方ないと判断した。
    結局、割引部分については、オール電化未加入者へしわ寄せされ、結果的に高い料金を支払うことにつながると思われる。
    そのようなことを認識して頂ければ、厳しい査定を受けたということは言えないのではないか。
  • スマートメーターについて、東京電力は一般競争入札はもとより、仕様についても広く意見を求めて、国際標準規格に基づいて作るとしている。関西電力、九州電力も将来のコスト削減を目指すのであれば、同様に出来ないわけがなく、出来ないのであれば、調達分野全般に関する両電力会社の信憑性が疑われる。そのような疑念を招かないためにも、スマートメーター、IPPの入札について、試金石になると思うので、可能な限り透明、公正にお願いする。
  • 原価に入れなければ、顧問料をいくら払ってもいいという発想にならず、査定額を受け、直ちに削減出来ることについては、直ちに対応頂きたい。削減額が小さかったとしても、実施して姿勢を示して頂きたい。安定供給のためとして、委員会の指摘も踏まえて説明すれば、役員や顧問にも納得いただけるのではないか。
  • 関西電力が、関係会社の兼務役員分の報酬について、消費者庁への回答についても「日当程度」としていることは非常に残念で悔やまれる。個人情報だということも理解するが、透明性に関することだということを是非とも認識頂きたい。
  • 電中研の賃金水準について、十分な説明がなかったことも非常に残念である。電力会社より平均賃金が高いことに納得できないのではなく、他の同様の研究機関の賃金水準と同じという程度の説明しかなく、説明が要求していた水準に達していない。今回は準備が出来ていなかったから説明できなかったということで自分を納得させた。今後、厳しく査定をしたとしても、査定方針を変更した恣意的なやり方とは思わないで頂きたい。
  • 今回の査定方針は、今後の申請事業者についても当てはまる。特に従業員1人当たりの年間給与水準については、将来、ガスや鉄道等が料金改定する時の参考になるし、その水準の基本を賃金構造基本統計調査の1,000人以上企業としたことは良かった。また、公益企業は特殊であり、ガス、水道、鉄道との比較において年齢、勤続年数、学歴で補正することは必要であるし、単純平均の算定で正解である。ことの性格上、電気は鉄道よりガス・水道に近い。
  • 総括原価を緩めるとしたらレベニュー・キャップ制を採用すべき。全体の収入と支出が見合っているのであれば、料金設定は電力会社に任せてしまっても良いのではないか。
  • 委員会の範疇ではなく、個人の感想として、原発の再稼動が認められない場合は、国がある程度、保障すべきだと思う。将来の料金を決める上で重要なことであるため、国に考えていただき、電気料金ではなく、ほかの税で賄っていただきたいと思う。
  • 原発の再稼動、燃料、安全基準など変数が多い中、まず、制度が安定することが大事であり、その上で料金問題があるのではないか。今回、人件費を担当し、補正方法について悩んだが、賃金は年功的に後年になって多く支払われる体系であるなか、若年層はまだその価値が低く、企業に労力を貸し付けていると言える。このため、将来、その返済がないと不合理だと思うので、補正することに一理ある。料金問題と事業者の財務状況に関連があることは否定できないので、本来切り離すべきであるが、財務を安定させるためにも、制度についても議論できたらと思う。
  • 電力会社は公の目に色々な情報をさらし、査定額を減らされたと思うかもしれませんが、社会の目を感じることができて良かったと思って頂きたい。
  • 燃料について、委員会ではコストの話ばかりだったが、長期的な視点で見ると、資源は有限であることを念頭において、持続可能なエネルギーをどのように獲得していくのか、ということを考えていく必要があるのではないか。
  • 経営効率化について第3者の目を取り入れるだけでなく、長期的な経営方針についても第3者の目を入れて欲しい。
  • 競争条件の企業と比べて、総括原価方式である電力会社が合理的な経済行動をとっているのか、ユーザーに納得頂けるような説明が出来るのかという点が重要である。
  • 料金原価は将来予測であり、経営努力をどう見込むかが悩ましいところである。電力会社の具体的な経営努力を一層説明いただけることを期待したい。また、料金については、バックグラウンドとなる経済、制度と関係する話であり、連携していくことが重要である。
  • 多くの関係各位の努力のもとに委員会が出来たことに感謝したい。新しい内容が多く、不透明な領域も多かったため、難しい審査であった。依然として不透明な領域も多いため、しばらくの間はこれで行くという一つの方針が出来たと思うが、状況が変われば、今後見直すこともあるかもしれない。
  • 電力会社が収益性の低い事業について、やめられない一方で、経費削減のためになぜリストラをしないのかと問われるなど、改めて世間からは理解されず、一般企業と単純に比較できない事業だと感じた。電力会社の見えない努力についても、国民の側も理解を深めないといけない部分はあると思う。電力会社は経営合理化に取り組んでいるという姿勢を見せ続けていくことが大事。
  • 今回この委員会を通じ、消費者に多くの情報が提供されたと認識している。公共料金の値上げにあたり、国策を民営会社が担わなくてはいけない難しさと矛盾を感じた。色々な立場から議論に参加することが大事。
  • 米国では30分停電しても良いから料金メニューで優遇する等、日本では考えられない制度があったかもしれない。今後エネルギー問題等、議論されていくと思うが、多重に広範に消費者の参画をしていく必要があると思うので、検討頂きたいと思う。様々なリスクについて、議論していくことが大事だと思う。
  • 公共料金決定の場に消費者が参加できたことに感謝したい。電力会社はコスト改善、経営効率化について取り組まざるを得ない環境だと思うので、日常的にわかりやすいような形で情報を提供お願いしたい。万が一、最値上げをする時にも、日常的な情報提供があれば、そのアップデートだけで十分になる。
  • 原発問題や総括原価方式等、この委員会とは別の場で話さなくてはならないことについて、関係者は問題意識を持って、対応願いたい。
  • 消費者・国民の皆様にとり、透明性の高い形での審議に感謝したい。今回、東京電力の時には無かった論点についても、詳細に議論いただいた。査定方針案をもとにチェックポイントと協議したい。
  • 10回の委員会だけでなく、様々な場で本件について御検討頂いているかと思う。大臣に査定方針案をお渡しした後、消費者庁との協議、大臣の認可となる。引き続き、本件について熱心に審議をお願いしたい。委員の皆様、オブザーバーの皆様、関電・九電の皆様、資料の提出等の対応に感謝したい。
  • 根本的な問題は原発が止まっている点である。今の電力会社の立場からすると理解できないまま、原発が止められている。この苦境は大変なことであり、この点については電力会社に同情する。今すぐにでも原発を再稼働することは完全に適法であり、国が止めていることこそ違法であるというのが私の考えである。理解できないまま、原発を止めている結果、値上げ申請が出てきて審査せざるを得なくなっているという点を指摘したい。

各電力会社からのコメント

  • 皆様には、3ヶ月あまり、さまざまな観点から、御意見・御指導いただき、感謝したい。頂いた意見については今後の経営に反映させたい。襟を正しても相当厳しい方針と認識している。人件費について、東京電力の認可水準を下回る申請をしたが、さらに大幅な査定があり、収支面以外にも、社員のモチベーション、人材の確保に関わる深刻な問題と認識している。燃料価格についても、当然努力はするが、既存の契約の更改であり、他社と比較して当社だけが安価な調達を行うのは難しいものがある。今後の経営についても、大変厳しいものになると自覚しているが、電気料金値上げをお願いせざるを得ない状況になったのは燃料費によるものである。本委員会のテーマではないが、電気料金の安定のために、国には安全の確認された原発の再稼働、将来に亘るぶれないエネルギー政策について、早急に作っていただきたい。LNG調達について、戦略物資であり、1社単独で出来ることは限られているので、国の支援を賜りたい。4月1日からの値上げについて、まだ時間があるので、経済産業省には引き続き、精力的な対応をお願いしたい。今回、頂いた意見については、真摯に受け止め、日常的にわかりやすい情報公開に努めて参りたい。(関西電力)
  • 長期間にわたり、関係者の皆様には御尽力頂き、感謝したい。最大限の効率化を織り込んで申請したところではあるが、審議において、想像を上回る厳しい査定を頂いたと受け止めている。お客様に負担をかけるという重み、事実を真摯に受け止め、徹底した経営効率化や、可能な限りわかりやすい説明に取り組み、情報発信に努めていきたい。今回の値上げを契機に、電力システム改革の中でも、競争に勝ち抜ける経営体質、経営環境の変化にも対応できる企業風土を築いてまいりたい。(九州電力)

以上

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お問合せ先

資源エネルギー庁 電力市場整備課

 
最終更新日:2013年3月14日
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