経済産業省
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総合資源エネルギー調査会 電気料金審査専門委員会 廃炉に係る会計制度検証ワーキンググループ(第1回)‐議事要旨

日時:平成25年6月25日(火曜日)17時~18時30分
場所:経済産業省本館17階 国際会議室

出席者

委員
山内座長、大日方委員、辰巳委員、永田委員、松村委員
説明者
中部電力株式会社 仲神グループ長、鈴木グループ長
経済産業省
後藤大臣官房審議官(エネルギー・環境担当)、糟谷電力・ガス事業部長、佐藤電力・ガス事業部政策課長、村瀬資源エネルギー庁付、片岡電力市場整備課長、畠山原子力政策課長、久米政策課企画調整官

主な意見

電気料金との関係

  • 料金制度との関係が簡単に紹介されているが、この点をはっきりさせなければ会計の議論は難しいのではないか。減価償却が認められるためには料金で認められることがないと極めて難しいのではないか。料金の議論が本質的であり、本格的な議論が不可避。
  • 現行の料金制度下では、廃炉を決めてしまうとそのあと料金には入れられない。しかし、廃炉にしないで将来も使うといえば減価償却費も料金原価に入れられるし、レートベースにも入れられるという構造になっている。動かすことが合理的でないと思われるもの、例えば老朽化した炉でも、あくまで動かすと強弁し続けると料金に乗り、廃炉にするというと料金に乗せられなくなるので、廃炉と決断することがしにくくなるという歪んだインセンティブを取り除かなくてはいけない。解体引当金については、動かさないと積み立てられないことから、無理にでも動かそうとするもっとまずいインセンティブを与えかねない。もちろん安全審査を通ることが大前提にはなるが、そういう妙なインセンティブがある制度を放置しておくのは色んな意味で良くないので、これは抜本的に変えざるを得ない。
  • 廃炉が確実に行われると安心して見ていられるからこそ発電が行えるのであって、発電が終わった後は全く別の世界に移行するというよりも、発電と廃炉を一体の事業と見るべき。そうすればフォワードルッキングという発想からも外れることはなく、そのような形で整理することは可能だと思う。
  • 昨年の東電の料金審査において、福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉について、安定化維持費用は料金に入れて、事業者自ら特損として処理したものは料金に入れずに、ある意味自主カット的な取り扱いだった。その際、廃炉の作業も電力会社の活動の一環として事業目的に適うものとして、電力の安定供給に資することと整理した。廃炉をした設備も含めて、特損処理した分についてどう取り扱うかというのは、料金の手当と密接不可分なので、どういう考え方で整理できるか慎重に議論すべき。
  • 原子力の場合、火力よりも廃止措置の期間が長い。この期間の扱いについては、これまで考えてこられなかった。稼働が停止すれば収益獲得能力がないと考えることが一般論としては自然であるが、廃止措置の期間も電気事業を継続するための期間と考えた場合、これも含めて事業の一環と捉えることができるのかできないのか、それが受け入れられることなのかどうかというのは、慎重に議論しなければいけない。原子力の特殊性についてどこまでコンセンサスを得られるのかというのが重要なポイント。

資産除去債務会計基準と原子力発電施設解体引当金制度の関係

  • 解体引当金制度は、本来の資産除去債務の考え方との関係では、資産除去債務に関する会計基準の適用指針の第8号の規定により、特別の法令等により除去に関わる費用を適切に費用計上する方法が定められている場合に該当するものとして、独自に現行の生産高比例法が採用されたもの。しかし、規制が変わった状況の中で適切なものに見直すというのは一つの考え方としてあり得る。
  • 本来資産除去債務は、投資に対してどれだけキャッシュアウトがあるのかという観点から固定資産に計上し、固定資産の残存耐用年数に合わせて償却していくのが基本的な考え方であるが、原子力発電所については、資産除去債務会計基準の導入に先立って解体引当金制度を手当してきたという経緯がある。
  • 現行の生産高比例法による引当方式は、制度設計当時は合理的な制度であったと思うが、様々な規制の変更を踏まえ、改めて資産除去債務の正しい考え方について事実関係を整理し、どのような取り扱いがより実態を表すのか検討するべき。その上で、必要があれば、電気事業会計規則で手当てすることも考えてはどうか。
  • 会計の考え方を整理するには、的確かつ正確に事実を把握する必要がある。米英等の海外における廃炉費用の扱いについても参考として確認しておく必要がある。

見直しのタイミングと理由

  • 発電終了後、廃炉のための設備が必要で、場合によっては追加で設備を取得する必要がある、という点は理解した。むしろ運転終了してすぐに減価償却が止まったということが不自然に思える。解体引当金についても同じ印象を受けた。制度設計当時は、事故が起こることは想定されずに、きちんと稼働していくことが前提とされており、それが正しいと考えられていたと思うが、なぜこのタイミングで検討するのか、なぜこのような制度になっているのか確認したい。状況が変われば柔軟に対応する必要性は理解しているが、仮に追加的な料金負担が生じるのであれば、いくらかわからないにせよ、しっかりと説明する必要がある。

    → 解体引当金制度については、制度を作った当時は、発電しているときに収益が発生し、それに費用も対応させることが適切という考え方であった。今般、バックフィットの導入などの規制環境の変化等を踏まえたときに、もう一度検証しなければならないのではないかと考えている。減価償却の方は、中部電力の説明があったが、日本において商業炉の廃炉の例が少ないということもあり、一定の幅のある対応を考え得たのかもしれないが、突っ込んだ検討がこれまでなされてこなかった。なお、減価償却費は今も料金原価に含まれているため、廃炉が決定されたとしても、追加的に料金が上がるということになるわけではない(事務局)。

その他

  • 浜岡原子力発電所の廃止措置については、中部電力自らが行っているのか、あるいは専門事業者等に委託しているのか。電力会社の損益の中でやっているのであれば効率化が図られていると思うが、委託で行われる場合には、建設のときと同様に効率化を図る工夫を考える必要があるのではないか。

    → 発電所の建設はプラントメーカーに発注して作ってもらうが、運転以降は中部電力が主体となって行っている。長年運転している間に、関連会社と一緒に定期検査中の機器の取り替えや保守に習熟してきており、廃炉の大概の部分は同じような作業であることから、系列会社と一緒に自ら行うことが可能。ただし、使用済燃料の搬出など重量物を扱う機器を使用する作業等については、専門の会社に委託することがある。

以上

関連リンク

お問合せ先

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 政策課

 
 
最終更新日:2013年6月28日
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