経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第1回)‐議事要旨

日時:平成24年2月2日(木曜日)18時30分~20時30分
場所:経済産業省本館17階 第1~第3共用会議室

出席者

電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、安念委員長代理、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員

経済産業省
枝野大臣、高原資源エネルギー庁長官、今井資源エネルギー庁次長、糟谷電力・ガス事業部長、新原省エネルギー・新エネルギー部長、三田電力・ガス事業部政策課長、片岡電力市場整備課長、佐藤電力基盤整備課長、米田ガス市場整備課長、安永電気事業制度企画調整官

主な議題

  1. 電力システム改革タスクフォース「論点整理」の紹介
  2. 総合資源エネルギー調査会第8回基本問題委員会で提起された意見の紹介
  3. 自由討議
  4. 今後の進め方

委員からの主な意見

  • 電力システム改革は重要であるが、難しいテーマ。経済学者の立場として申し上げれば、有名なノーベル経済学者のジョン・ヒックスは、「独占の一番良いところは、平和なところである」と皮肉った。独占が悪いことではないが、独占の裏側にある大事なもの、例えば多様なニーズやイノベーションなどに対応できないということもある。電力システムは社会の根幹であるが、震災を踏まえ、根本から見直す良い時期。
  • 「エネルギーを選択できる権利」に対する消費者のニーズは高い。「通信でうまくいったから(電力も)うまくいくのではないか」といった声もあった。J. F. ケネディ大統領の一般教書の中においても、安全を求める権利、知らされる権利、選ぶ権利、意見を聞いてもらう権利の4つの権利を消費者の権利として宣言した。この4つの権利は今でもなお変わらず、このような視点から電力システムを検討していきたい。
  • 電気に関しては系統運用など、一般的にわかりづらい。テーマによっては電気事業者、新規参入者、ユーザーの場を聞く場を設けていただきたい。
  • 3・11による供給不足は、国民すべての努力と工夫と我慢によって乗り切ったが、一般にエネルギーの価格弾性値は低く、価格で需要を抑制するのは簡単ではない。電力システム改革は、実態を踏まえつつ極短期、通常の短期、2020年をターゲットに注目した中期、長期と時間軸にわけた議論が必要。
  • 電気事業を変えていかなければならない部分を修正しなければならない。他産業で常識的なものが、電気事業で常識的でないものがある。例えば、業務提携、事業統合など。こういったことが検討に上がらなければければいけない。競争環境の評価も行われていない。
  • 需要家側の取組の強化、再生可能エネルギーの有効活用、代替エネルギーとしてガスの活用が進むなかでの中心が電力システム。こうした新しい分散型電力供給システムとの調和や補完関係を築く電力システムが求められる。「節電の先渡し」のような新しい仕組みも検討課題。
  • 海外での電気事業改革の変遷は、(1)電気事業の自由化→(2)再生可能エネルギーの導入拡大→(3)スマートグリッド及びデマンドレスポンスの構築。この変遷の中で、特に安定供給という視点からは、何れの国も試行錯誤している段階。
  • 自由化や発送電分離は、責任体制の分散化ということであり、日本では海外での事例を検証し、官の役割、民の役割を適正化した整合的なシステムを構築することが必要。
  • この委員会での議論の出発地点は、発送電分離や競争強化の議論は手段であって、目的はどのような社会を築きたいのか、どのようなエネルギー市場にしたいのか、どんな電力市場にしたいのか、そのためにはどのような改革するのか、ということが重要。
  • 自由化されたが実質的には競争が起きていないという状況は避けるべき。実質的に選択肢が与えられることが必要。インターネットでおきたことをエネルギー社会で実現させたい。公正な接続環境の下で自由に多様な発想を持った人が、多様な手段で参入することが、成長性と効率性の高い社会である。
  • エネルギーの価格弾性値が低いという先入観を持つべきでない。
  • 系統技術の観点から見ると、電力システムの改革の目的は、(1)今回の大震災のような希頻度のリスク、(2)今後の再生可能エネルギーの拡大、(3)需要家サイドの工夫を織り込みながら、技術的に可能な形で、これまでの信頼度レベルを維持しつつ、これを実現すること。
  • デマンドレスポンスというのは、平常時に節電分を供給力として活用するものであり、震災直後のような非常時に節電分を供給力として期待するのは不確実性が強く危険ではないか。
  • 再生可能エネルギーの普及の拡大に伴い、連系線や送電線を拡張する必要があるが、一般的に、再生可能エネルギー拡大のために敷設した利用率の悪い送電線の費用負担の枠組みをどのように作るかも課題。供給責任の問題も発生するため、最初にこれを議論すべき。
  • 規模の大きな電力会社については、系統の信頼度を解析するにも大変な計算が必要になる。今以上に系統運用の広域化を考えると、運転員の訓練や、システムの移行にも時間とコストが相当かかる。
  • どのようなシステムになっても、研究開発がきちんと行われることが重要。
  • 原子力代替は、分散型とスマート化である。ビルには天然ガスコジェネが入り、熱を有効に使う、蓄熱層うまくいれる、スマート化とはインターネット化であり、2015年までに小売りの全面自由化は避けられないであろう。
  • 上位系に原子力があれば、新しいプレーヤーが入れないが、原子力が増えないということであれば、分散型のプレーヤーを増やすための自由化、託送料の透明化、その次に発送電分離ということになる。
  • 今のシステムは価格が最後のリアルタイムで調整できないので、需給の状況に対応できない。自由化部門のリアルタイム市場は今年の夏の需給調整から始めるべき。
  • 30分同時同量がなければ、たくさんの新規参入が出てくるだろう。また、需要地に近い電源は送電料金を安くすることで、地産地消の電源が増える。発送電分離はドラスティックな最終形だが、その前に、すぐできることから始めるべき。
  • 3・11以降、(1)原発に過度に依存してしまった、(2)集中型電源に依存していた、(3)地域単位で管理していた、(4)需要家の力が節電で発揮された。電力システムがスマートでないのにあれだけ節電できたということは、スマートな仕組みになれば、一層需要抑制できるはず。分散型システムを目指すべき。
  • 規制の根拠が失われ、中立性が求められる中で、規制と非規制を明確に分離する必要があると考える。地域独占をなくし、小売りを自由化する一方、規制分野である送電と系統運用は公平に中立に独立性を確保するということ。小売りについては、家庭のニーズは多様であり、今後の成長分野。
  • 東電は自由化分野で値上げを発表したが、政府は最低限「選べる」環境整備をしなければならない。
  • 卸電力取引所の運営から利害関係者を排除すべき。法改正せずにすぐできるはず。卸電力取引所が十分に機能しなかった要因を事務局よりご提示いただきたい。
  • システム改革は、この委員会で最終形を明確に示すべき。電力会社も呼んで、独占状態をどう考えているのか聞きたい。
  • 結局自由化するしかないと考えている。計画停電は、カネを払っても電気を使えないひどいものだった。更に都心は最も裕福な国民が住むところであっても計画停電の対象にならず、貧乏人にしわ寄せされた。
  • 自由化について、そんな神妙に考えなくてもやれるところからやればいいのではないか。ただ、良い面ばかり啓蒙するのは無理。自由化したらどうなるのかわからない。失望や落胆もあるだろう。自由化とはそういうもの。
  • 日本は制度改革のトップを切ったことがない。ならば海外から学ばない手はない。
  • 人民元を20年後にどうするかと問われれば、自由化に決まっているという話になる。しかし、今どうするのかと問われると、議論が紛糾し決まらない。10年後、20年後も見据えた議論をすることが重要。

問い合わせ先

経済産業省資源エネルギー庁電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2012年2月8日
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