経済産業省
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総合資源エネルギー調査会総合部会 電力システム改革専門委員会(第2回)‐議事要旨

日時:平成24年3月6日(火曜日)18時15分~20時45分
場所:本館17階第1~第3共用会議室

出席者

(1)電力システム改革専門委員会委員
伊藤元重委員長、安念委員、伊藤敏憲委員、大田委員、小笠原委員、柏木委員、高橋委員、辰巳委員、八田委員、松村委員、横山委員

(2)オブザーバー
東京都 猪瀬直樹 副知事、富士フイルム(株) 福岡正博 CSR推進部 環境・品質マネジメント部長、関西電力(株) 香川次朗 取締役副社長、(株)エネット 池辺裕昭 代表取締役社長、中部電力(株) 勝野 哲 取締役専務執行役員

(3)経済産業省
枝野大臣、中根大臣政務官、髙原資源エネルギー庁長官、今井資源エネルギー庁次長、糟谷電力・ガス事業部長、三田電力・ガス事業部政策課長、片岡電力市場整備課長、佐藤電力基盤整備課長、米田ガス市場整備課長、安永電気事業制度企画調整官

議題

冒頭

枝野大臣より、(1)新たな需要抑制策は、今後の電力需給を考える上でも、震災後の最大且つ喫緊の課題である、(2)需要家の選択を可能にする小売全面自由化には、総括原価方式や地域独占の見直しなど、現状の電力システムにおける様々な課題を解決し、精密な制度設計をする必要がある、旨発言。
なお、PPSという名称が何を指すか国民には分かりにくいことから、今後PPSを「新電力」と称することとしたい旨呼びかけた。

オブザーバーからのプレゼンテーション(需要サイドの取り組みの活用について)

  • 東京都猪瀬副知事より資料3に基づき説明
  • 富士フイルム(株) 福岡正博 CSR推進部 環境・品質マネジメント部長より資料4に基づき説明
  • 関西電力(株) 香川次朗 取締役副社長より資料5に基づき説明
  • (株)エネット 池辺裕昭 代表取締役社長より資料6に基づき説明

事務局説明

  • 安永電気事業制度企画調整官より参考資料1-1及び1-2に基づき説明

委員からの説明

  • 小笠原委員より資料7に基づき説明

自由討議(含む質疑応答)

  • 猪瀬副知事による、資料3にある東京電力の経営合理化に関する提案に対して、枝野大臣から、(1)東京電力は電気料金の値上げを需要家にお願いするに際して、徹底した経営合理化を行うことが不可欠であり、これまで、東電・経営財務調査委員会及び原子力損害賠償支援機構において、デューデリジェンスを行ってきた、(2)先般、緊急特別事業計画の変更認定に際しても、自分から東京電力及び原子力損害賠償支援機構に対し合理化目標の上積みを求めた、(3)東京電力の関連会社との随意契約取引について、徹底的な合理化を図り、3年以内に3割削減を図るとの目標を掲げて作業するよう、自分から原子力損害賠償支援機構と東電に対して指示したい、旨応答。
  • 電気事業者が総合エネルギーサービスという事業展開を視野に入れると、顧客の立場または暮らしという観点から、電気と併せて他のエネルギー、これはガス事業も含めた全体のシステムの検討があるべきではないか。
  • 広域送電網構築のための地域間連系線の強化については、周波数変換装置(FC)自体を建設することが難しい話ではなく、これに付随する送電網の建設に対しての立地的な制約があり、時間を要するということ。東清水FCも20年を要して103万kWから120万kWに増強することとなった。送電網の建設には膨大な時間がかかるということを認識すべき。 
  • 部分供給は現行制度でも認められている。では何故部分供給が促進されていないか、といえば、一般電気事業者が部分供給を拒否しているから。現行の制度では一般電気事業者が自由に断れるということを共有すべき。
  • 震災前でも「電力会社を選べない」「区域外の電力会社に供給を断られた」との回答がある。選択の自由が無い中で値上げだけはするという状況になっているのではないか。地域独占が実質的に維持されつつ、需給逼迫時に市場機能を活用した調整もできないのが現状ではないか。
  • そもそも供給事業者の競争促進の観点が必要。英国では、ガス火力の新規参入が競争促進のトリガーとなった。我が国は、ガス火力の燃料はLNGとなるが、ガス会社からガスを購入しているということでは採算の観点から難しく、長期的なガス価格低下がなければ新規参入の促進は難しいであろう。
  • 今回の小売全面自由化の議論は、選択肢の拡大や需要家の権利という観点からの議論であるとの認識ではあるが、全面自由化に際しては、効率性や小売価格といった観点も必要。
  • 需要家サイドの節電の取り組みの一例としてネガワット取引があるが、我が国で需要家が直接需給調整市場で取引することは困難であり、今後2年~3年の間は、電力会社や新電力が代表的なプログラムを提供するのか望ましい。
  • スマートメーターの導入を活かす料金メニューの整備が必要。
  • 瞬時調整契約については、本来、系統部門の対応であり、価格などの契約条件を開示すべきではないか。
  • 新規参入者にとっての参入障壁は、技術的なものが主たるものなのか疑問。現行の30分同時同量といった、制度的なものが障壁なのではないか。
  • 全面自由化した場合の最大の懸念は、規制なき独占である。大口の市場でさえ、競争が働いていないにもかかわらず、小口の市場で競争メカニズムが確実に働くというのはあまりにも楽天的。そうならないような制度改革が必要。万全な制度設計をしたとしても競争が機能しない可能性もある。このため、仮に全面自由化したとしても暫くは、規制料金を続けるべき。全面自由化したとしても、現在と同じ方法で規制料金として設定し、これをラストリゾートとする。競争環境が整うまでは、この料金で供給するということである。また、送配電部門まで所有する販売会社や、ドミナント企業に対しては、コストベースで電気を供給させる仕組みを導入すべき。
  • 需要抑制といっても、事業者向けの話が多い。これを家庭にどう応用するか。
  • 全面自由化後に、電源を「選びたい」イメージが、人によって異なる。自分は原子力の電気を買いたくない、再生可能エネルギーを選びたいという人がグリーン電力を供給する会社に電話をして供給を受けるというときに、送電線の中でそれらが一緒になっていることを話すと皆驚愕する。これは消費者が正しい理解をしていない、ということであるので、正しい理解を促す説明が必要。
  • 越境供給については、一般電気事業者として、需要家が納得できる価格水準を提示できなかった。今回、東京地区から30件近くの要望をいただいているが、需給上の理由でお断りしている。同時同量については、系統全体としては必要と考えており、新電力も安定供給に貢献しつつ競争促進を進める観点から、今の基本は維持すべきと考えるが、「30分同時同量」を達成しやすくする方法や、通告変更の短縮化などについて、検討して提案していきたい。
  • 託送料金については、算定ルールに基づいて算定されているので値は正しいと思われるが、含まれているものが真に必要なのか、価格のレベルが妥当なのかを第三者が客観的に検証できるような透明化のメカニズムが必要。
  • 制度の設計にあたっては、いろいろなアイデアが制度に入り込む仕組みを構築することが、競争環境を整備するということになるのであろう。
  • 震災における大規模電源の脱落を踏まえ、電力会社もスマートコミュニティやデマンドレスポンスで、対応していく必要がある。分散型電源を導入するにあたっては、系統情報の提供や、潮流制御の拡大が必要。スマートメーターについては、電力各社で導入計画(スピード)がバラバラ。小売の全面自由化については誰も反対することではないが、スマートメーターが設置されなければ自由化できないのではないか。
  • 30分同時同量については、技術的には安定供給のために追従制御も含めて新電力に対し求めているものであって、必要な制度であるものと考える。これを一般電気事業者が負担するのであれば過大な調整容量を保有する必要がある。緊急時に同時同量がうまく機能しなかったというのは、広域融通のあり方の問題であり、別次元の話。
  • 自由化範囲の拡大というのは、戻り需要に対応しながら供給力の責任をどうするかという問題もあり、次回以降、問題提起していきたい。
  • スマートグリッドについては、海外ではスマートメーターの導入費用の負担が問題になっており、経済性の観点も重要。
  • 電力会社から地域間競争をしていない理由について、「需要家が求める料金水準を提示できなかった」との説明があったが、多くの需要家が「情報提供がなかった」「供給を拒否された」とアンケートに回答している事務局資料と整合性がとれていない。およそ民間企業としてあり得ない対応。本当に地域間競争をやる気があるのか。
  • 電力会社は、電気事業連合会で「競争していないと批判されているので、競争しようか」という話をしていると仄聞する。
  • 需給調整契約について昨年とそれ以前でどの程度発動していたのか。平時であっても需給調整契約を発動することで余分な供給力が不要になるのではないか。
  • 同時同量は重要であると思いつつも、「30分」が適切かどうかは検証する必要がある。実際に一般電気事業者はミリセカンド単位で調整をしており、どの程度がコストに影響を与えない範囲で最適なのか。需要側のメリットばかりが議論になり得るが、本質的には、電力システム全体のコストを上げないこと、コストを引き下げる仕組みが重要。
  • 電力各社のコストの多くを占める財務コストであるが、欧州においてはほぼ全ての電力会社で規制緩和後に財務格付けが下がっている。これは制度担保がなくなったことに起因するものである。このとき、電気料金引き上げにより利益水準は上昇しているにもかかわらず格付けは下がっている。格付けが下がれば財務コストが上昇することに留意。
  • 小売全面自由化時には、価格規制を残すべきであると考えている。どういう規制を残すべきか、電気料金を値上げしづらい状況の中でどういった制度にすべきか、を議論すべき。
  • 全面自由化時に規制料金を残すことには反対。供給側がすべてを担うのではなく、需要側が自ら抑制するメカニズムにも取り組むべきと考える。
  • 消費者が選択できることのメリット・デメリットを分かりやすく示していただきたい。できれば一覧表になっていると良い。
  • 事務局資料にある需給調整契約見直しの方向性は当然だと考える。また、需給調整契約は系統安定のためのものであり、営業部門が営業の一部として締結するのはおかしい。系統の話であるため本来託送料金から徴収すべきものではないか。系統の話であるため、新電力の顧客に対しても需給調整契約の売り込みをすべき。この際、節電をしてくれた需要家に対して十分な対価を支払うことが重要。
  • 家庭部門の自由化について、大口部門における競争が進展していないのに小口にも自由化範囲を広げることは反対。問題の本質はリアルタイム市場を導入し、新規参入を促進すること。リアルタイム市場が導入されれば、需給逼迫時に料金が上昇し、需要は減少、追加供給は拡大することになる。まずステップとしては、既に自由化している部門の競争強化のためにリアルタイム市場を導入することに全力を挙げるべき。なお、家庭部門を自由化しても規制料金は残すというのが自然なステップ。
  • 規制料金について、自由化すると基本は自由料金になる。しかしながらオプションとして規制料金を残すべきと考えている。電力会社が規制料金以外の料金メニューを提供することを否定するものではない。需要家は、規制料金以外の料金メニューを選択することも可能であり、すべての需要家が規制料金を選択するという意味ではない。大規模電源か分散型かという議論については、エネルギーミックスの問題と両方を議論する必要があると考えている。
  • 瞬時調整契約については発動要件に達しなかったため、発動実績はない。計画調整契約を拡大する方針であるが、計画調整契約は需要家の操業変更を伴うものであり、昨夏の拡大についても需要家の皆様が仕方なく協力してくれた面があることは御理解いただきたい。
  • 同時同量は、(1)需給安定にそれぞれが責任を負うという意味、(2)取引単位を確定し、商品を確定する意味で重要であると考えている。本来、瞬時毎に需給一致をする必要があるが、これを30分と割り切って取引単位を確定しているということ。
  • 新電力の電源だけ紐付けを必要としていることや、新電力から供給を受けている需要家であっても27条(電気の使用制限)の対象になったことなど、系統運用ルールと競争ルールが整合的ではない部分がある。
  • 余剰自家発の買取り、需要側への節電依頼による供給力増、自治体保有電源の競争入札化の働きかけなどを行ったが、なかなかうまくいっていない。自前電源については、明確な価格指標がないこと、また、環境アセスにより少なくとも建設に7年程度要することが問題。電気通信の分野では、NTTの施設内にソフトバンクが設備を設置したいと言えば、NTTは断れないことになっている。それと同様に、電力会社の発電所敷地内に電源を設置するようなことを認めてもらえないかと考えている。

結び

  • 伊藤元重委員長より、何のための自由化なのか、見せかけの自由化ではなく、実質的な競争が起きるための自由化について深掘りして議論していきたい旨発言。
  • 中根大臣政務官より、(1)「低廉で安定的な電気の供給」は、我が国の産業の存亡にかかわる問題であり、雇用や国民生活にも大きな影響を与えるまさに国力にかかわる問題、(2)このような危機意識の下、「競争的で開かれた電力市場」を構築するための精力的な議論を今後もお願いしたい旨発言。

問い合わせ先

経済産業省資源エネルギー庁電力市場整備課
電話:03-3501-1748
FAX:03-3580-8485

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最終更新日:2012年3月13日
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